(3)情報通信支出と消費支出との関係
不況期においても情報通信支出の落ち込みは小さい
「家計調査」(総務庁)により、近年の景気動向と情報通信支出の関係について、世帯における消費支出と情報通信支出
(注19)の変化をみると、以下のとおりである。
まず、バブル崩壊後の6年以降についてみると、6年<1>〜<4>期には、消費支出、情報通信支出ともに伸びを示している。しかしながら、6年<4>期を起点に、消費支出は減少・横ばい傾向をたどり、俗に「消費不況」と呼ばれる不況期を迎える一方、情報通信支出は不況の影響を受けつつも大幅に増加している(図表1))。
また、6年以降は、消費支出総額が減少した年でも、情報通信支出の占める比率は増加を続け、10年には3.6%にまで達している(図表2))。
特に、7年以降の情報通信支出の増加は、電話通信支出の増加の影響が大きく、これは携帯電話等の急速な普及に起因すると推測される(図表3))。