意  見  書
平成12年10月10日
  電気通信審議会
 電気通信事業部会長 殿 
郵便番号 277-0862
 
(ふりがな) ちばけんかしわししこだ
住所    千葉県柏市篠籠田1400-14
(ふりがな) にほんこうしんもう
氏名    日本交信網 有限会社
     
代表取締役 岩ア 信   印 
                    ・

 電気通信審議会議事規則第5条の2及び接続に関する議事手続細則第2条の規定
により、平成12年9月26日付け郵通議第3102号で公告された裁定案に関し、別
紙のとおり意見を提出します。
 
 
 
 
 
 


別 紙 (赤字は意見、黒字は原文)


(日本交信網意見)
* 裁定手続きの不公平性について
  日本交信網の申請内容、主張とその理由が掲載されず、東日本電信電話の主張(答弁書)
のみが掲載されているのは不公平ではないか。

* 裁定理由の中に東日本電信電話の答弁書に記載されていない事項が含まれている。
(無人局云々、移動時間について等)
これは法に基づく答弁書提出以外の方法で郵政省と東日本電信電話との間で聴聞の
ようなものが行われたことを想像させるが、それは法に基づく聴聞であるのか、そうで
あるとすれば、日本交信網に対して聴聞がなかったのは不公平ではないか。法に基づ
かない聴聞であったとすると、今後もそのようなことが行われて良いのか。

* 本裁定案が http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/telecouncil/iken/index.html 
に掲載されたのは、9月26日ではなく、10月3日であった。
   本裁定案が、日本交信網に郵送されたのは、9月29日であり、到着は9月30日であった。
  意見募集締切が連休明けの10月10日までの短期間であることを考慮すると、いずれも9月
26日になされるべきであったものと考えられる。

裁定案は、日本交信網の主張通り、最もコストがかからず、効率的な接続形態となる設備設置
場所に設置することを認めることとするものであり、この点については異論はないものと考えら
れる。

しかしながら、接続点調査費用の額については、設備設置場所についての裁定結果を考慮せず
異なるフロアに設置することを仮定した作業に伴う時間までも算入していることに問題があり、
その作業は本来不必要であったものであるから、算入されるべきではない時間である。
接続点調査回答書に、「接続点設置可能」と書くための調査作業は、1人で30分以内に完了
可能な作業内容であり、2人必要ではなかったのであるから、2人目の作業時間は除外され
なければならない。
また、NTT社員が朝9時に、NTT豊四季局に出勤(移動)する時間まで日本交信網が負担
することとすることは不当
であり、算入されるべきではないものと考えられる。
NTT豊四季局は無人局ではなく、多人局であり、他の地域から人を出勤させることなく調査
可能であるから、移動時間のようなものは存在させる必要のないものである。

そもそも、接続申込(接続約款第11条 事前調査申込 http://www.ntt-east.co.jp/info-st/constip/cons1/index.html
手続きにより、NTT東日本は、その接続が可能かどうかについて1ヶ月以内に回答を行うために
必要な調査を既に完了しているのであるから、同一目的のための同様の調査作業を繰り返
すことは不必要であり、費用は発生しない
こととすることが当然至るべき最終的な結論となる。 

 


 別添2 
 
 
                                    
日本交信網有限会社の東日本電信電話株式会社との
接続に関する裁定案について
                                    

               < 目  次 >


○ 接続に関する裁定案について

○ 別紙
  電気通信設備の接続の条件について(裁定案)


 ・ 参考資料1
   「相互接続点の調査」の負担額

 ・ 参考資料2
   答弁書(9月6日 NTT東日本より提出)



            接続に関する裁定案について

I 当事者
  日本交信網有限会社(申請者)(以下「日本交信網」という。)
  代表取締役    岩ア 信
  東日本電信電話株式会社(以下「NTT東日本」という。)
  代表取締役社長  井上 秀一

II 裁定の申請の概要
  8月11日に受理した日本交信網による裁定の申請の概要は次のとおり。
 1 NTT東日本豊四季局において、NTT東日本のMDFと日本交信網の電気
  通信設備を接続する際に、MDFを設置するフロア(地下1階)に空きスペー
  スが十分あるにもかかわらず、日本交信網の電気通信設備を当該フロアに設置
  することについて合意が得られない。

 2 相互接続点調査費用について、当事者双方の算定額に相違がある。
   NTT東日本の算定額
     移動時間                8人・時間
     現地作業                4人・時間
     机上計算                1人・時間 
     合 計                13人・時間
      ×作業単金(8,844円)   114,972円

   日本交信網の算定額
     現地作業                2人・時間
     机上計算                1人・時間 
     合 計                 3人・時間
      ×作業単金(8,844円)    26,532円

III 裁定案
   別紙のとおり。



                                   別紙

        電気通信設備の接続の条件について(裁定案)

 電気通信事業法(以下「法」という。)第39条第3項の規定に基づき、日本交
信網有限会社(以下「日本交信網」という。)の電気通信設備と東日本電信電話株
式会社(以下「NTT東日本」という。)の電気通信設備との接続に関して、別紙
(略)の日本交信網の申請に係る接続協定の細目について下記のとおり裁定する。


                  記


1 NTT東日本豊四季局における日本交信網の電気通信設備の設置場所について

  NTT東日本は、同社豊四季局の地下1階に日本交信網がその電気通信設備を
 設置することを認めるものとする。

 (理由)

  日本交信網はその電気通信設備を、NTT東日本豊四季局内において主配線盤
 (MDF)の設置される地下1階に設置することを要望している。当該地下1階
 には当面他の用途での利用予定がなく、日本交信網の希望する電気通信設備の設
 置に十分な広さの空き場所が存在し(別添参照)、かつその場所でコロケーショ
 ンを行うことでNTT東日本等の電気通信回線設備を損傷したり、その機能に障
 害を与えたりする特段のおそれがあるとは認められない。
(日本交信網意見)地下1階に日本交信網の設備設置スペースが確保されることが
適当と考えられる。



2 「相互接続点の調査」の費用負担額について

  NTT東日本が同社豊四季局において行った「相互接続点の調査」について日
 本交信網に負担を求める費用総額は、61,908円を超えない額とする。

 (理由)

 (1) NTT東日本が本件「相互接続点の調査」の費用の算定を、接続約款に規
   定される工事費の算定方法に準じて、個別に「作業単金×作業時間」によっ
   て行っていることは、必要以上に時間がかかるような事態を招き接続事業者
   の負担を過重なものとするおそれを否定出来ず、又、その際の作業単金を時
   間当たり8,844円としていることは、その作業の内容等に照らして適正
   であるかについて議論の余地なしとはしないが、これらについては当事者間
   での争いとなっておらず、現状においては不当とは断じ得ない。
(日本交信網意見)建設物価調査会 http://www.kensetu-bukka.or.jp 発行の
「建設物価」によれば、平成12年6月調べ、「通信工事技術者賃金実態調査」データ
として、「監督又は主任技術者」の平均賃金1日8時間、27480円であり、1時間
あたり、3435円となっている。
相互接続点調査作業は「通信技術員B」に相当する者でも可能であるものと考えら
れることから、1時間あたり作業単金は2300円程度とすることが適当である。
  1人1日(8時間)あたり賃金  
全国平均  
人員 年齢 平均額 1時間あたり賃金
監督又は主任 1,605 47.7 29,530 3,691
通信技術員A 1,278 41.2 23,740 2,969
通信技術員B 1,376 33.3 18,940 2,367
通信工 2,444 27.3 15,480 1,935

 監督又は主任技術者
:通信工事の施工にあたって計画、設計、積算ができ、さらに通信技術員A及び通信工の行う作業に精通し、班員を指導、監督できる優秀技術者
 通信技術員A:工事会社の工事部門に所属し、当該機器の試験、調査及び設置工事に関する十分な試験(高卒10年以上、大卒7年以上の経験を基準とする)と技能を有し、監督又は主任技術者を補佐する一方、班員の技術指導に当たれる優秀技術者
 通信技術員B:工事会社の工事部門に所属し、工事作業に関して、通信技術員Aに準じた経験と技能を有する者
 通信工:工事会社の工事部門に所属し、監督の指導管理もとに、当該機器の設置、配線及び接地、空中線の取り付け、配線及び充電、蓄電池の取り付け、ケーブルの接続及び配線、発動、発電機の添え付け、屋外における通信ケーブルの敷設、建柱、管路、マンホールの設備、架空線の敷設、接続などの作業に直接従事する者
 


 (2) NTT東日本は調査員2名が豊四季局の調査のために平成12年2月28
   日9時52分に千葉みなと局を出発し、豊四季局での作業を終えて17時0
   3分に千葉みなと局に帰着したこと、その要した時間7時間11分のうち千
   葉みなと局・豊四季局間の往復85kmの移動に4時間00分を要したことを
   当該調査員がその旨を申告したことを根拠として、移動時間1人当たり4時
   間、現地作業時間1人当たり2時間を(1)の作業時間に含めて算定している。


(日本交信網意見)この点についてはNTT東日本の答弁書の中には記載されていない。
どのような経緯で郵政省の知るところとなったのか。

千葉みなと-豊四季間の鉄道での所要時間は以下の通り。
                  合計
  14分   21分   8分   4分   47分




4駅







5駅








2駅






1駅







 
                   


 (3) このうち、NTT東日本が現地作業において2名を要するものとしてこれ
   を算定上考慮したことは、必要な作業の内容と効率性・安全性への配慮の必
   要性にかんがみて、明らかに必要以上に人員を投入したものとまでは認めら
   れない。

 (4) 次に、NTT東日本が算定上作業時間に調査員による豊四季局への移動の
   時間を含めたこと自体は、豊四季局が無人局であることを考慮すれば相互接
   続点の調査のために必要やむを得ない工程と認められることから、不当なも
   のではないと認められる。

 (5) しかしながら、移動時間として豊四季局との間の85kmの距離の移動に1
   人当たり4時間を充てていることについては、仮にこれが実時間であったと
   しても、千葉みなと局からの往復時間としている点について妥当性が認めら
   れない。調査員2名は、相互接続点の調査のためのスキルを有する人員を配
   置しているとNTT東日本が主張する最近接の局(浦和局)から1名、豊四
   季局を管理する千葉支店の人員として配置されている最近接の局(柏局)か
   ら1名を充てることで足りると考えられること、浦和局からであれば豊四季
   局まで往復100分程度で移動出来ること、柏局からであれば豊四季局まで
   往復10分程度で移動出来ること等を考えれば、1人当たり1時間を超える
   時間を充てる理由はないものと考えられる。

 (6) 以上から、次のとおり「相互接続点の調査」の負担額が61,908円を
   超えるものとは考えられない。
                            
移動時間               2人・時間
現地作業               4人・時間
 机上作業               1人・時間 
合 計                7人・時間
 ×作業単金(8,844円)   61,908円

(日本交信網意見) 「豊四季局が無人局」ということであるが、実際には無人ではなく、有人であり、
その広大な駐車場には多数の車が出入りしている。
夜10時までも3階窓の明かりは消えないことは、豊四季局に赴いてみればわかる。
NTT豊四季局は、地図によっては「千葉ネットワークセンター」と記されており、その敷地面積の広大さ
は日本有数である。

NTT豊四季局駐車場に並ぶ車の画像
(写真1)NTT豊四季局駐車場に並ぶ車
広大な敷地に生えるススキ、泡立ち草の画像
(写真2)NTT豊四季局の広大な敷地に生えるススキ、泡立ち草
NTT豊四季局の夕暮れ。車のドアに立つ人影の画像
(写真3)NTT豊四季局の夕暮れ。車のドアに立つ人影。


 
(日本交信網意見) * NTT東日本による提出資料を検討した結果、相互接続点調査費用なるものが存在するとすれば、
次のいずれかの額になるものと考えられる。

1.  0 円
<理由> そもそも、接続申込(接続約款第11条 事前調査申込 http://www.ntt-east.co.jp/info-st/constip/index.html
手続きにより、NTT東日本は、その接続が可能かどうかについて1ヶ月以内に回答を行うために必要
な調査を完了しているのであるから、同様の調査作業を繰り返すことは不要であり、費用は発生しな
いことになる。NTT東日本による、単なる儲け口を増やすための方便と考えられる。

2. 13,266円(移動時間算入なし、1人による0.5時間現地作業、フロアまたがり作業なし)

現地作業  1人x0.5時間
机上作業 1人x1時間
------------------------
合計             1.5時間
x作業単金(8844円)=13,266円

<理由> 現地作業は1人により0.5時間以内で完了する内容である。
MDF上に設置される端子盤スペースを確認し、そこから最短距離でなければならない接続通信設備設置場所
(60cmx60cm)を特定確認するのみ。その場所はいずれも地下一階であり、異なるフロアに設置する場合に
伴う作業は削除される。
ケーブル配線等は、30メートル以下の距離を歩きながら目で確認できる。


通勤(移動)時間は算入されない。(移動時間を最小にし、コスト削減努力をする意欲を損なう。ビル内人員で
作業可能。)


3. 万が一、通勤(移動)時間が算入されるとすれば、最小単位の1時間以下に限定することが適切である。
仮に札幌から通勤したとしても。

              「相互接続点調査費用」の負担額
 
日本交信網
NTT東日本
裁定案
移動時間         
             
0        
8人・時間     
(2人、往復4時間)
2人・時間     
(2人、往復1時間)
現地作業         
             
0人・時間     
(0人、0時間)  
4人・時間     
(2人、2時間)  
4人・時間     
(2人、2時間)  
机上作業         
             
0人・時間     
(0人、0時間)  
1人・時間     
(1人、1時間)  
1人・時間     
(1人、1時間)  
合 計          
0人・時間     
13人・時間    
7人・時間     
×作業単金(8,844円)
0円   
114,972円  
61,908円   

同一目的のための2重作業は必要ないので、作業時間は発生しない。

 


                                       別添

            NTT東日本豊四季局 地下1階平面図

NTT東日本豊四季局 地下1階平面図の画像

   *:NTT東日本は、「架として区画される60cm×60cmの単位で見れば、
     空きスペースがあり、日本交信網設備の設置に必要とする60cm×60
     cmに前後60cmの保守スペースを加えたスペースの確保ができない訳で
     はない」としている。



 
 参考資料1 

              「相互接続点の調査」の負担額


 
日本交信網
NTT東日本
裁定案
移動時間         
             
          
          
8人・時間     
(2人、往復4時間)
2人・時間     
(2人、往復1時間)
現地作業         
             
2人・時間     
(1人、2時間)  
4人・時間     
(2人、2時間)  
4人・時間     
(2人、2時間)  
机上作業         
             
1人・時間     
(1人、1時間)  
1人・時間     
(1人、1時間)  
1人・時間     
(1人、1時間)  
合 計          
3人・時間     
13人・時間    
7人・時間     
×作業単金(8,844円)
26,532円   
114,972円  
61,908円   



 
 参考資料2 

                 答 弁 書


                             東相営第00-505号
                             平成12年9月6日

郵政大臣
平林 鴻三 殿

                 郵便番号 163−8019
                     とうきょうとしんじゅくくにししんじゅくさんちょうめ
                 住所  東京都新宿区西新宿三丁目19−2

                 名称及び代表者の氏名
                     ひがしにっぽんでんしんでんわかぶしきがいしゃ
                     東日本電信電話株式会社
                             いのうえ ひでかず
                     代表取締役社長 井上 秀一

                 許可の番号及び年月日

                    第233号  平成11年7月1日


 平成12年8月23日付け郵電業第3062号で通知されたところにより、当該通知に係
る日本交信網有限会社からの裁定の申請に関して、電気通信事業法第39条第5項の
答弁書を別紙のとおり提出します。



I.当社の基本的考え方

  相互接続点調査の実施にあたっては、接続約款第16条に基づき、接続を要望
 される全ての事業者様に対して平等・公平に実施しているところであり、日本交
 信網(有)殿におかれましても、所定のルールに則り相互接続のご要望のありま
 したNTT豊四季ビルの調査を実施し回答させて頂いております。
  相互接続点調査の回答内容、調査に要した費用につきましても、他事業者様と
 同様に適切かつ効率的な調査方法で実施し接続約款に基づいて費用算定を行ない、
 日本交信網(有)殿におかれましてもご理解を得るべく十分な説明を行なってい
 たところであります。

II.日本交信網(有)殿による裁定申請に至るまでの主な協議経緯

 ・H12.1.25 ・・・日本交信網(有)殿より、相互接続点調査申込を受付。

 ・H12.3.3  ・・・NTT東日本より、相互接続点調査回答書を提示。

 ・H12.4.5  ・・・日本交信網(有)殿より、相互接続点調査に係る費用契約に異
              議あり。

 
          日本交信網(有)殿の主張          
相互接続は双方にメリットがあるため調査費用を双方の負担とするべき
非効率な調査ないしは架空の調査時間による算定が可能である    
1万円が上限であり、無料であっても不自然ではない         
相互接続点設置は可能という回答内容が履行された後、該当費用を支払
うことが妥当                          
調査時間(13時間)が証明不可能な場合は最短の1時間で算定すべき 
 ・H12.4〜7  ・・・上記論点を中心に、ほぼ毎週協議を実施。

 ・H12.5. 9  ・・・豊四季ビル内にコロケーションしない形態に変更。調査時間に
               ついては13時間で費用契約を交わすがあくまでも暫定支払いで
               協議は継続。

 ・H12.8. 8  ・・・日本交信網(有)殿より、相互接続点調査費用について裁定申
               請を行なう旨の最後通告メールが届く。

III.日本交信網(有)殿の裁定申請理由に対する当社の考え

NTT豊四季ビルにおける相互接続点調査の概要の画像

               <NTT豊四季ビルにおける相互接続点調査の概要>


1.相互接続点調査費用の算定額の相違について

  相互接続点調査費用につきましては、当該調査に係った稼働をベースとした実
 費をいただくものであり、どの事業者様にも郵政省から認可を受けた接続約款の
 第68条(手続費の支払義務)で定められた算定方法に基づき、調査費用を「作
 業単金×作業時間」で請求させていただいております。
  日本交信網(有)殿による裁定申請における主張の相違点としては、(1)現
 地までの移動時間の扱い (2)調査に要する人員数の妥当性 という2点であ
 りますので、その点について当社の主張を述べさせていただきます。

(1)現地までの移動時間の扱い

   移動時間も調査時間に加えるべきであると考えます。

 <理由>

   相互接続点調査においては、他事業者様の電気通信設備を当社の通信建物内
  に設置する場合において、他事業者様の電気通信設備を設置するためのフロア
  スペース、ケーブル敷設ルート・スペース、電力容量等を調査・確認する作業
  を行ないます。この調査を実施するためには、設備計画、施工知識等の特定ス
  キルを要した社員により行なう必要がありますが、当該業務は一定量日常的に
  発生するものではないことから、当該スキルを有した社員は千葉県については
  千葉みなとのみ(千葉支店 設備部 相互接続担当)に配置を行なっております。
   この結果、千葉みなとから豊四季へ移動して調査を行なう必要が生じ、移動
  に要する時間についても調査を行なうために必要な一連の工程であって、調査
  のために当社社員を当該業務へ専念させているものであることから、当社社員
  の移動時間も調査のための費用に含まれると考えており、そのことは社会通念
  上も一定の理解が得られるものと考えております。
   このような業務集約は、激しい競争下にあり、長期増分費用算定方式やプラ
  イスキャップの導入に対応すべく、徹底的にコストリダクションを迫られてい
  る当社としては当然のことと考えて全国的に実施してきたのであり、逆に分散
  配置は相互接続点調査コストの削減とはなるものの、通信コストそのものを増
  高させ、日本交信網(有)殿も含めた全てのユーザの不利益となるものと考え
  ております。
   なお、千葉県内のDSLも含めた相互接続点調査件数は平成11年度で12
  件であったことを申し添えておきます。



(日本交信網意見)通勤(移動)時間は算入されるべきではないこと。
  各個人により長くもなり短くもなる通勤時間は給与対象とはならないこと。
例えば、勤務のために会社に移動する時間について、その時間は勤務時間とはならず、
会社から給与対象時間とはならないのが普通である。
本件については、仮に千葉みなと近辺の社員が豊四季まで勤務(移動)したとしても、
毎日朝9時に千葉みなとに出勤していることを、豊四季に出勤することになったもの
と考えることができ、その移動時間は毎日の出勤及び退勤時間同様に給与支払対象
時間とはならないのが当然と考えられる。

そもそも、公共の福祉増進のための電気通信事業者による相互接続にともなう作業に
ついて、一方に対してのみ課金されることは不当であるものと考えられる。
公正競争環境を整備促進し、公共の利益の増進を計るためにも、相互接続に伴う費用
は支配的事業者に負わせることとするべきである。
http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/000922j604.html
独占的事業者に対してより厳しい制度を創造することがIT革命を促進しようとする
政府の役目である。独占的事業者を保護するような政府にはIT革命などできるはず
はない。
IT戦略会議 http://www.kantei.go.jp/jp/it/index.html 
IT 時代に対応したネットワークインフラに関する競争環境の整備、制度改革 http://www.miti.go.jp/feedback/data/i00818aj.html
(2)調査に要する人員数の妥当性

   今回の相互接続点の現地調査が2名で行なわれたことは妥当と考えます。

 <理由>

   現地作業を実施にあたっては、異フロアにまたがるケーブルルートを確認す
  る場合、多くの調査箇所が必要となることと、頭上のラック架・MDF架の配
  線状況を確認する必要があるため高所作業を伴うこと、さらにはコロケーショ
  ン場所の確認のためケーブル貫通口からの距離の測定を行なう必要があるなど、
  作業内容・作業量、安全面及び効率性を考慮して2名で実施しました。
   具体的に発生した日本交信網(有)殿の相互接続点調査の作業項目・係った
  稼働状況は下記の別表に示すとおりで、現地作業で発生する業務内容は参考資
  料1のとおりとなります。
   なお、日本交信網(有)殿の主張では、相互接続点調査に3名を投入してい
  るとのことですが、作業毎に要した稼働を分けて計上しているもので、実際は
  現地調査を実施した2名のうちの1名が机上作業を実施しており、本調査に3
  名を投入していたという指摘は誤解であることを申し添えておきます。


(日本交信網意見) 「3名を投入している」と断定しているわけではなく、仮に、
1名で十分な作業に3名、あるいは6名、又は10名を投入したのであれば、その費用
は自己責任で負担するべきであるという意味である。
裁定案により、コロケーション場所(設備設置場所)はMDF(回線端子盤架)と
同一フロアであるべきことから、日本交信網の要望に反して、あえて異なるフロア
に設置させようとしたことに伴う、作業時間(フロアをまたがることに伴う作業時間)
は削除されなければならないので、現地作業時間は1時間以下となる。

 また、2人で行ったと仮定されている作業は、それが実際に行われたのであれば、
1人で行われたであろうこと、1人で十分な作業内容であったものと考えられる。

NTT局舎の構造、ケーブル配線等はすべて図面で確認可能であり、それをさらに
確認することがあるとしても、1個以上の目によって現場確認されることは過剰
であり、その過剰な目のコストはNTT自らによって負担されるべき性質のもので
ある。



   1 現地作業 ・・・ 4人時間(2名、2時間)
 
作 業 項 目
所要稼働
(人・時間)
・電力設備の容量確認とフロアをまたがる電源ケーブル
 敷設状況確認         (高所作業を伴う)
1人時間
(2名、30分)
・コロケーションスペースの位置決定及び測量    
                         
0.5人時間
(2名、15分)
・フロアをまたがる際のケ−ブルルート、貫通口のケー
 ブルスペースの確認               
1人時間
(2名、30分)
・既設ラック設備とケーブルルートの確認(高所作業を
 伴う)                     
0.5人時間
(2名、15分)
・MDF端子の空き確認と設備保留作業(高所作業を伴
 う)                      
1人時間
(2名、30分)

(日本交信網意見) フロアをまたがる場合に伴う作業時間は削除されなければならない。
<理由> 同一フロアに設備設置可能であるにも関わらず、NTT東日本の自己責任により、
異なるフロアに設置強制しようとしたのであるから、そのことに伴う作業時間は自己負担
としなければならない。 

現地作業は1時間以内で終了せざるを得ない内容となる。
MDF上の端子盤設置予定場所が存在することと、接続通信設備設置場所が存在するこ
とを確認することのみで、相互接続点設置が「可能」という回答を作成するための必
要最小限の作業であり、それは同一フロアを50メートル以上歩く時間とはならない。
0.1〜0.5時間が適当である。それ以外の作業は実際に接続工事が行われることが
確定した後に必要に応じて行われればよいものと考えられる。

   2 机上作業 ・・・ 1人時間(1名、1時間)
 
作 業 項 目
所要稼働
(人・時間)
・相互接続点調査申込内容を踏まえた現地調査を行なう
 ための設備情報収集と電力・空調の設備検討を実施 
0.5人時間
(1名、30分)
・調査結果の記録回答並びに設計部門への指示    
                         
0.5人時間
(1名、30分)

2 日本交信網(有)殿の電気通信設備の設置場所をMDFと同一フロアに設置す
 ることについて

  日本交信網(有)殿の電気通信設備のコロケーション場所は、MDFのある地
 下1階とは異なり3階となります。

 <理由>

  日本交信網(有)殿の豊四季局での相互接続点調査が(平成12年1月25日〜平
 成12年3月3日)であることから、豊四季局のスペースの確保状況や空調・電力等
 の設備環境の整備状況等を勘案し、その中で最もMDFフロアに階数が近くなる
 よう、既に高速デジタルアクセス技術に関する研究会でもご説明させていただい
 ている下記の手順で選定しました。

  1NTTのフロア使用計画からDSLAMの設置のための計画を策定。
  2次に他事業者の計画を基に、NTTや他事業者様との類似装置と同一フロア
   に設置可能かどうかを検討。
  3同一フロアに確保可能なビルについては同一フロアを選定。そうでないビル
   については他のフロアにスペースを確保。
  4他事業者様のフロアの検討に当たっては、他事業者様の設置要望や将来の設
   備導入計画等が不透明であることが多いことから、原則として1コマ(当社
   の通信機械室の柱に囲まれた6m四方の区画で、ハンドリング探知となって
   いる。36m2)以上を確保。
  5ビルの利用状況により、4のように実施できない場合には、コロケーション
   スペースを確保するため、複数の階にまたがりフロアを選定。

  当時は上記の選定基準に基づきフロア選定を行っており、1については豊四季
 ビルは当面計画がないことから策定せず、2については3階を他事業者様向けに
 提供するフロアとしており、既に他事業者様へコロケーション場所として提供し
 ており、インフラ環境が整っているため早期提供要望に適う場所でありました。
 また、当該コロケーションスペースについては1コマ単位での場所を確保し、他
 事業者様とのイコールフッティングを担保し、事業者間での差が生じないような
 提供が可能であることからも3階を選定することと致しました。
  当該ビルのフロア毎の利用状況及び利用計画については、参考資料2で示すと
 おりであり、地下1階においては、新ノードの増設計画があることと、将来の需
 要に応えるべくMDF及びFTM増設の予定があります。
  なお、本件協議につきましては、平成12年5月9日の打合せを持ってNTT
 豊四季ビル外に設置する形態で接続を行なうこととなったため、本件の協議を行
 なう必要性がなくなりましたことを申し添えておきます。



 参考資料1 

            相互接続点調査について
          (現地調査項目と具体的作業)

 (1) 電力設備の容量確認とフロアをまたがる電源ケーブルの敷設状況確認
   他事業者殿の設置する装置に必要な電力容量の供給可否、及び供給にあたっ
  て配線ルートを確認、調査する。既設の電源ケーブルを利用し、該当の電力量
  を供給できるか否か、それが供給できない場合、新規の配線ルートが確保でき
  るかを調査する。

相互接続点調査について(写真省略)の画像

(日本交信網意見)写真省略では、1人で十分可能な作業であることを第三者によって
確認されることが困難になるため、原典により忠実な文書を掲載する必要があるもの
と認められる。

相互接続点調査についての画像

(日本交信網意見)以上の作業は 1人で可能な作業である。2人目の必然性が証明されない。
ハシゴの上に1人で登れない理由はない。小学生でも梯子に登って降りることはできる。

  相互接続点調査についての画像

(日本交信網意見) 以上の作業は 1人で可能な作業である。 2人目の必然性が証明されない。
1人で作業してみて、それができることを確認する必要がある。
このような安易なコスト削減努力が行われないことが政府によって認められることが万が一あ
るならば、わが国の経済発展に深刻な悪影響を与えることになる。それは過去のソ連共産党
政権下での非効率経済の結果を見ることに等しい。わが国の現在の政権が共産主義体制同
様の非効率経済活動を擁護し、助長することのない裁定を下すことが望まれる。

MDFフロアと同一フロアにコロケーションされることが当然であったことから、フロア貫通口ま
での距離測定等は発生してはならない作業であるから、NTT東日本の自己負担とすることが
自己責任の原則にかなうことになる。
仮に距離を測る作業が必要であるとしても、1人で計測可能である。図面上でも計測可能である。

 

  相互接続点調査についての画像

(日本交信網意見) 日本交信網の当初の要望通り、MDFと同一フロア内にコロケーションされるべき
ことは疑いの余地がないほど明白であったのであるから、以上の作業は行われる必要のない作業で
あった。NTT東日本の自己負担とする。

 

  相互接続点調査についての画像

(日本交信網意見) 以上の作業は1人で十分可能な作業である。
(Pic.10)のケーブル敷設状況を2.5メートル上空から見るまでもなく、床を歩きながら、
ケーブル敷設可能であることは判別できる。
そもそも、このような建物内の状況、ケーブル敷設状況は、整理された図面上で机上
確認可能であるから、現場では床上歩きながらの確認で十分と考えられる。

 

  相互接続点調査についての画像

(日本交信網意見) 以上の作業は1人で十分可能な作業である。貫通口までの距離実測は不必要であった。
1人でやらせてみれば、1人でできることが分かる。

 

  NTT豊四季ビル3F 平面図の画像 NTT豊四季ビル3F 平面図の画像 NTT豊四季ビル3F 平面図の画像 NTT豊四季ビル3F 平面図の画像

(日本交信網意見) ここが問題のMDFフロアである。この通り、何十年後になるかわからない、
実際にあるともないともわからない、架空のNTTの増設予定主張をそのまま受け入れていれば、
どこにもコロケーションできなくなる恐れがある。
現時点での物理的空きスペース存在確認のみでコロケーション拒否できないルールが必要で
ある。独占者に拒否権無し。
MDF設備増設用とあるが、電話加入者が今後増加する見込みは少ない。

日本交信網設備設置場所は、以下の場所が適切と考えられる。

MDFフロアの画像



  NTT豊四季ビルB2 平面図の画像

 


本裁定によるコスト削減効果

1. コロケーション場所をMDFと同一フロアとすることによるコスト削減効果は、

壁貫通工事15万円x3枚=45万円
+ケーブル延長に伴うコスト(30m->70m)=約5000円/1m X 40m=20万円
合計65万円+α

同様の非効率なコロケーション形態は、ほとんど全てのNTTビルについて強要されており、
例えば、新宿四谷ビル、青山ビルでは、地下1階のMDF室から7階、茅場兜局では1階から
6階となっている。

NTT局(ビル)名 MDF設置フロア 設備設置フロア 同一フロアに設置すること
によるコスト削減額
四谷 B1階 7階 壁貫通工事費:105万円
ケーブル延長費:40万円
合計:145万円+α
青山 B1階 7階 壁貫通工事費:105万円
ケーブル延長費:40万円
合計:145万円+α
茅場兜 1階 6階 壁貫通工事費:75万円
ケーブル延長費:30万円
合計:105万円+α
柏豊四季 B1階 3階 壁貫通工事費:45万円
ケーブル延長費:20万円
合計:65万円+α
ケーブルは800P: 800回線分メタルケーブルとして概算
5000円/1メートル
日本全国のNTT電話局舎数: 約6000
壁貫通工事費は5〜15万円といわれるがここでは15万円で概算


今後、多数の事業者によるDSLサービス(メタル系)、FTTHサービス(光ファイバー系)
の全国展開が行われることが予想され、いずれもMDF接続となることから、同様の
無駄工事費削減が可能となることが期待される。それはわが国にとって莫大な経済
効果となる。


接続に伴う初期費用を減少させることにより、新規参入障壁が低くなり、より多くの事
業者による競争が進み、利用者料金の低廉化を加速する。

 




相互接続点調査費用についての日本交信網の考え方 -----------

電気通信事業者の共通の認識として、

1. 相互接続の実施は、1方のみではなく、双方にとって利益となること。
2. 公共の福祉の増進のためには、より多くの相互接続が行われることが望ましいこと。 
3. 相互接続は、公共の利益の増進になるということ。

を前提とすると、公共の福祉の増進を目的とする相互接続のためには、相互接続点設置
のための調査を行うことが避けられないものであり、それにより東日本電信電話が十分な
接続料収入を得るのであれば、相互接続実現のためのプロセスについては課金されるべ
きではないものと考えられるが、仮に費用が発生するとしても、双方で分担することが妥当
であり、その合計額が1万円以上であることは相互接続促進のためには高額であるものと
考えられる。

その費用算定方法が、単に作業時間に時間単金を乗じる場合には、1時間でなされてしか
るべきことも非効率的に10時間以上かける、あるいは10時間以上かかったというような
架空の費用算定も可能となり、コスト削減努力を全く要求されない独善的な算定方法であ
り、このような算定方法が採用される場合には、無駄な社会的コストを発生させ、利用者料
金の低廉化を妨げ、公共の利益に反することになる。 
事業法38条の接続義務条項により、一般的に、相互接続点の設置が不可能である可能性
は極めて低く、その極めて僅かな設置不可能性のみを否定するだけの確認をするのみで
回答可能であることを考慮すれば、その後の相互接続に伴う接続料利益を得る指定電気
通信事業者の責任において当然なされるべき程度の回答であるものと考えられる。
------------------------------------------------------------------------

以上


本件に関するご意見、お問い合わせ先
日本交信網: seisaku@koushinmou.com
URL: http://koushinmou.com