電話番号にまつわるエトセトラ

植松 利紗(平成13年入省)
総合通信基盤局 電気通信技術システム課 番号企画室課長補佐
電気通信番号に関する業務(政策の企画立案)


☆突然ですが、皆さんは電話番号をいくつ持っていますか。一昔前までは、電話と言えば、家の固定電話ぐらいで、他は公衆電話といった感じだったと思いますが、今では家の固定電話に加えて、一人に1台は携帯電話を持っているような時代になってきています(場合によって携帯電話しか持っていない方も増えているかと思いますが)。電話番号についても然り。昔は家族に1つだったのが、今では一人1つ、場合によっては3つ、4つ持っている方もいらっしゃるかと思います。

☆このように多様なサービスに利用されている電話番号ですが、実は国が管理しているということはご存知ですか。電話番号は有限希少な資源であるため、国が一元的に管理し、事業者からの申請に基づいて指定を行っております。主な電話番号としては、「03」や「06」などから始まる「固定電話番号」、「080090」から始まる「携帯電話番号」や最近では「050」から始まる「IP電話番号」などがあります。

☆そして、最近の電話番号に関わるトピックとしては「MNP」でしょうか。「MNP」って何??「MNP」とは「携帯電話の番号ポータビリティ(Mobile Number Portability)」の略で、本年1024日より開始されます。これは一言で言うと「携帯電話事業者を変えても電話番号が変わらない」ということです。今までは「このデザインの端末がいい」とか「携帯電話で音楽を聞きたい」などと思っても、「電話番号が変わってしまうため、携帯電話事業者を変えるのはちょっと・・・」と躊躇していた方も、携帯電話の番号ポータビリティを利用することにより、選択の幅が拡がることになります。では、行政はどのように関わっているのか。「MNP」の導入について、国としては電気番号規則という法律の下の省令を改正して、本年11月1日から携帯電話事業者に「MNP」の導入を義務付けております。また、導入に向けては、各携帯電話事業者もメンバーに入って研究会を立ち上げ、技術的な実現方法や費用対効果について検討を行いました。このような事業者間の調整の場を設けるということも行政としての仕事の一つになっております。

☆以上は、電話番号に関わる業務のほんの一例ですが、番号政策において、重要な要素は「利用者への影響」です。電話番号は非常に身近なものですし、電話番号が変わることは日常生活に大きな影響を与えるものとも言えます。したがって、新たなサービスの出現に対して番号の指定を検討する際には利用者にとって混乱を生じないかを十分検討する必要があります。そこで一番近い「利用者」はやはり「自分」ではないでしょうか。当たり前のことのようですが、まず「自分が利用するとしたらどうなのか」と考えるのが重要ではないかと思います。もちろんそれだけでは十分とは言えませんが、番号政策に関わらず、行政一般の仕事として、必ず自らも一人の「ユーザー」であったり、「国民」であったりの視点になって考えることが重要ではないかと思います。
 今後、技術進歩に従い、新たなサービスが次々と出てくることと思いますが、そういった場合に、「ん〜、自分が利用するとしたらどうかな??」と毎回悩みつつ、今後も検討を進めていきたいと思います。
 同時に、自らも1ユーザーとして、テレビを見たり、音楽を聴いたり、ゲームをしたり、日常で色々なものを体験していきたいと思います。

 「携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)」にご関心のある方は、以下のURLをご参照ください。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/mnp/index.html



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