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3 地方財源の状況

 平成15年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。

(1) 租税収入及び租税負担率[第17表〜第19表

 国及び地方公共団体の行政活動に要する経費は、最終的にはその大部分が租税によって賄われている。国税と地方税を合わせ租税として徴収された額は78兆351億円であり、前年度と比べると1.5%減(前年度7.4%減)となっている。

 国民所得に対する租税総額の割合である租税負担率をみると、近年低下傾向にあり、15年度においては、前年度と比べると0.7%ポイント低下の21.2%となっている。なお、主な諸外国の租税負担率をみると、アメリカ23.8%(2002暦年計数)、イギリス38.2%(同)、ドイツ28.9%(同)、フランス38.5%(同)となっている。

 次に、租税を国税と地方税の別でみると、国税45兆3,694億円(1.0%減)、地方税32兆6,657億円(2.1%減)となっている。租税総額に占める国税と地方税の割合は、第26図のとおりであり、国税58.1%(前年度57.9%)、地方税41.9%(同42.1%)となっている。また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は国32.8%(同36.3%)、地方67.2%(同63.7%)となっている。なお、国税と地方税の推移は、第27図のとおりである。

第26図 国税と地方税の状況

第26図 国税と地方税の状況

第27図 国税と地方税の推移

第27図 国税と地方税の推移

(2) 地方歳入

ア 地方税[第12表〜第15表

 地方税の決算額は32兆6,657億円で、前年度と比べると2.1%減(前年度6.1%減)となっている。

 地方税収入額の52.5%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第16表のとおりである。

 住民税は、法人分(対前年度比6.6%増)が増加したものの、個人分(同4.2%減)及び利子割分(同34.6%減)がそれぞれ減収となったことなどから、全体として減少(同2.8%減)となっている。事業税は、その大部分を占める法人事業税が増加(同5.1%増)となったことなどから、4.6%の増となっている。地方消費税は、1.3%の減となっている。

 なお、法人関係二税(法人住民税、法人事業税)は6兆4,091億円で、前年度と比べると5.8%増(前年度15.0%減)となっている。

 また、地方税総額に占める割合をみると、住民税の構成比(33.4%)は前年度(33.6%)を下回っているが、事業税の構成比(11.8%)は前年度(11.0%)を上回り、地方消費税の構成比(7.3%)は前年度(7.3%)と同率となっている。なお、法人関係二税の構成比は、前年度(18.2%)を1.4%ポイント上回る19.6%となっている。

 地方税の収入状況を団体種類別にみると、都道府県が3年連続して減少の15兆4,260億円で、前年度と比べると0.8%減(前年度10.6%減)となり、市町村も減少の17兆2,397億円で、前年度と比べると3.3%減(同1.8%減)となっている。

第16表 住民税、事業税及び地方消費税の収入状況

第16表 住民税、事業税及び地方消費税の収入状況

 また、歳入総額に占める割合は、都道府県が31.0%(同30.2%)、市町村が33.7%(同34.4%)であり、全国平均(34.4%)より低い団体数は、全体の79.8%の2,554団体となっている。

 地方税収について、全国平均を100として、都道府県別に人口一人当たり税収額を比較してみると、第28図のとおりであり、地方税収計については、東京都が173で最も大きく、次いで、愛知県が126となっている。他方、沖縄県が58で最も小さく、次いで長崎県の65となっている。東京都と沖縄県で比較すると、約3倍の格差となっている。

 次に、個別の税目ごとに比較してみると、法人二税については、東京都が255で最も大きく、次いで、愛知県が166となっている。他方、沖縄県が46で最も小さく、次いで青森県及び長崎県の47となっている。東京都と沖縄県を比較してみると、約5.5倍の格差となっている。同様に、個人住民税については、最大の東京都が176、最小の沖縄県が55であり、3倍以上の格差に、地方消費税については、最大の東京都が138、最小の沖縄県が73であり、約1.9倍の格差に、固定資産税については、最大の東京都が153、最小の沖縄県が59であり、同じく約2.6倍の格差となっている。

 このように、地方税収については、各税目とも都道府県ごとに偏在性があるが、その度合については、法人二税の格差が特に大きく、地方消費税の偏在性は小さめとなっている。

(ア) 道府県税の収入状況

 道府県税(都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた額)の収入額は13兆6,931億円であり、前年度と比べると0.8%減(前年度11.1%減)となっており、3年連続の減収となっている。

 道府県税収入額の税目別内訳は、第29図のとおりであり、事業税が28.1%(前年度26.6%)と最も大きな割合を占め、次いで道府県民税が23.9%(同25.0%)を占めており、これら二税で道府県税総額の52.0%を占めている。

 また、法人関係二税は、道府県税総額の32.2%を占めている。なお、法人関係二税は、景気の動向の影響を受けやすい構造になっており、ピークである平成元年度決算額(7兆4,834億円)の58.9%にとどまっている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、収入の使途を特定せず、一般経費に充てるために課される税である普通税は0.7%減(前年度11.9%減)となっている。

第28図 地方税収計、個人住民税、法人二税、地方消費税及び固定資産税の人口1人当たり税収額の指数(全国平均を100とした場合、平成15年度)

第28図 地方税収計、個人住民税、法人二税、地方消費税及び固定資産税の人口1人当たり税収額の指数(全国平均を100とした場合、平成15年度)

第29図 道府県税収入額の状況

第29図 道府県税収入額の状況

 普通税のうち、主な税目についてみると、次のとおりである。道府県民税については、法人分が7.2%増(前年度13.2%減)、個人分が4.0%減(同1.9%減)、利子割が34.6%減(同65.8%減)となり、道府県民税全体では5.2%減(同21.2%減)となっている。

 また、事業税については、全体の94.4%を占める法人分が5.1%増(同15.8%減)となったことから、事業税全体として4.6%の増(同15.1%減)となっている。

 なお、不動産取得税は8.3%減(同2.5%減)と7年連続で減収となり、自動車税も1.5%減(同0.1%増)となっている。

 特定の費用に充てるために課される税である目的税は、1.2%減(前年度4.1%減)と6年連続して減収となっている。この目的税のうち、主な税目についてみると、自動車取得税が6.7%増(同6.8%減)、軽油引取税が4.3%減(同3.2%減)となっている。

 近年の道府県税収入額の推移は、第30図のとおりであり、景気の低迷等により、ピークである平成3年度の決算額(16兆1,835億円)の84.6%にとどまっている。

(イ) 市町村税の収入状況

 市町村税(市町村の地方税の決算額に東京都が徴収した市町村税相当額を加えた額をいう。)の収入額は18兆9,726億円であり、前年度と比べると3.1%減(前年度2.2%減)となっており、2年連続で減収となっている。

 市町村税収入額の税目別内訳は、第31図のとおりであり、固定資産税が46.2%(前年度46.8%)と最も大きな割合を占め、次いで市町村民税が40.3%(同39.7%)を占めており、これら二税で市町村税総額の86.5%を占めている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、普通税は、2.9%減(前年度2.4%減)となり、2年連続で減収となっている。

 普通税のうち、主な税目についてみると、次のとおりである。市町村民税については、法人分が6.4%増(前年度14.0%減)、個人分が4.3%減(同1.8%減)となり、この結果、市町村民税全体で1.7%減(同5.1%減)と6年連続して減収となっている。また、固定資産税については4.2%減(同0.0%増)となっている。

第30図 道府県税収入額の推移

第30図 道府県税収入額の推移

第31図 市町村税収入額の状況

第31図 市町村税収入額の状況

第32図 市町村税収入額の推移

第32図 市町村税収入額の推移

 一方、目的税の伸び率は5.5%減(前年度0.5%減)と4年連続減となっている。目的税のうち、主な税目をみると、都市計画税については5.0%減(同1.1%減)となり、事業所税についても7.9%減(同1.9%増)となっている。

 近年の市町村税収入額の推移は、第32図のとおりであり、2年連続で前年度を下回っている。

(ウ) 法定外普通税

 地方公共団体は、地方税法(昭和25年法律第226号)で規定されている税目のほかに、地方公共団体ごとの特有な財政需要を充足するため、法定外普通税を設けることができる。法定外普通税の収入額は357億円であり、前年度と比べると50.3%増(前年度17.5%減)となっている。

 法定外普通税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、核燃料税が11団体、石油価格調整税、核燃料物質等取扱税、核燃料等取扱税、臨時特例企業税が各1団体となっており、市町村税においては、砂利採取税が2団体、山砂利採取税、別荘等所有税、歴史と文化の環境税が各1団体となっている。

(エ) 法定外目的税

 法定外目的税の収入額は34億円(前年度6億円)となっている。道府県税においては、産業廃棄物関係税7団体、宿泊税、乗鞍環境保全税が各1団体となっており、市町村税においては、遊漁税、一般廃棄物埋立税、使用済核燃料税、環境未来税が各1団体となっている。

(オ) 超過課税

 地方公共団体は、地方税法で標準税率が定められている税目について、財政上特別の必要がある場合に、その税率を超える税率を定めることができる。この標準税率を超えて課税された部分である超過課税による収入額は4,269億円であり、前年度と比べると6.5%増(前年度14.9%減)となっている。

 超過課税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、道府県民税個人均等割が1団体、同法人均等割が2団体、同法人税割が46団体、法人事業税が7団体となっており、市町村税においては、市町村民税個人均等割が19団体、同法人均等割が550団体、同法人税割が1,403団体、固定資産税が260団体、軽自動車税が29団体等となっている。

イ 地方譲与税[第20表

 地方譲与税には、道路経費の財源とし、都道府県及び市町村に譲与される地方道路譲与税、都道府県及び道路法(昭和27年法律第180号)第7条第3項に規定する指定市に譲与される石油ガス譲与税、市町村に譲与される自動車重量譲与税、空港の騒音対策等の財源として空港関係都道府県及び市町村に譲与される航空機燃料譲与税、一般財源として開港所在市町村に譲与される特別とん譲与税がある。

 地方譲与税の決算額は6,940億円で、前年度と比べると9.4%増(前年度1.6%増)となっている。また、歳入総額に占める割合は0.7%(同0.7%)となっている。

 地方譲与税の内訳をみると、地方道路譲与税が2,941億円(対前年度比5.4%減)、自動車重量譲与税が3,599億円(同27.6%増)、航空機燃料譲与税が153億円(同6.1%減)、石油ガス譲与税が138億円(同2.3%減)及び特別とん譲与税が110億円(同0.1%増)となっている。

 このうち、自動車重量譲与税については、市町村道整備に係る国庫補助負担金の見直し及び直轄事業による高速道路整備に係る地方負担の導入に伴い、平成15年度から譲与割合が4分の1から3分の1に引き上げられており、また、地方道路譲与税についても、都道府県・大都市と市町村との間の譲渡割合の見直しが行われている。

ウ 地方特例交付金

 地方特例交付金については、恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするため、地方税の代替的性格を有する財源として、平成11年度に創設された「第一種交付金」に加え、平成15年度には国庫補助負担金の見直しに伴う暫定措置として「第二種交付金」が創設された。「第一種交付金」の総額は、当該年度の恒久的な減税に伴う減収見込額の総額の4分の3に相当する額から、国と地方のたばこ税の税率変更による地方たばこ税の増収措置及び法人税に係る地方交付税率の引上げによる措置額を控除した額である。「第二種交付金」の総額は、平成15年度に一般財源化された国庫補助負担金(義務教育国庫負担金、在宅福祉事業費補助金等)の対象事業のうち、引き続き地方で実施する必要があるものに係る地方一般財源の所要額の2分の1に相当する額である。平成15年度の地方特例交付金の決算額は1兆62億円となり、前年度と比べると11.4%増となっている。また、歳入総額に占める割合は1.1%(前年度0.9%)となっている。

 なお、平成16年度においては「第二種交付金」は廃止され、「第一種交付金」に相当する減税補てん特例交付金に加え、義務教育費国庫負担金等の暫定的な一般財源化に伴う税源移譲予定特例交付金が新たに創設されている。

エ 地方交付税[第21表第128表

 地方交付税は、地方公共団体の税源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方共有の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。

 平成15年度の地方交付税の総額は、地方財政計画においては、国税5税(国税のうち所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税)のそれぞれの収入見込額に一定割合を乗じて算出した額(平成15年度においては、所得税及び酒税の収入見込額のそれぞれ32%に相当する額、法人税の収入見込額の35.8%に相当する額、消費税の収入見込額の29.5%に相当する額並びにたばこ税収入見込額の25%に相当する額)10兆6,141億円に、特例措置として、「地方交付税法等の一部を改正する法律」(平成14年法律第7号)による改正前の地方交付税法附則第4条の2第2項及び第3項に基づく加算額2,104億円、同条第6項に基づく加算額37億円、国庫補助負担金の見直しに係る国負担借入金利子負担額4億円、配当所得課税関係特例加算額224億円及び臨時財政対策特例加算額5兆5,416億円を加え、さらに、交付税特別会計借入金1兆9,515億円及び交付税特別会計剰余金4,200億円等を加算し、同特別会計借入金償還分799億円及び同特別会計借入金利子充当分6,150億円を控除した18兆693億円とされた。

 その結果、前年度と比べると7.5%減(前年度4.0%減)となっており、3年連続で前年度決算額を下回っている。その内訳は、普通交付税が16兆9,855億円、特別交付税が1兆838億円となっている。また、歳入総額に占める割合は、19.0%(同20.1%)である。

 なお、基準財政需要額は41兆2,181億円(財源不足団体分37兆1,438億円、財源超過団体分4兆744億円)、基準財政収入額は25兆521億円(財源不足団体分20兆880億円、財源超過団体分4兆9,640億円)で、財源不足額は17兆557億円となっている。

 基準財政収入額については、税収確保インセンティブの強化及び個別団体についての財源保障範囲の縮小を図る趣旨から、留保財源率の見直しが行われ、都道府県分につき5%の引き上げ(20%から25%へ)が行われた。これに伴い、留保財源率引上げ相当分を基準財政需要額から削減している。

 普通交付税の交付状況をみると、不交付団体は、都道府県においては前年度と同じく東京都1団体となっており、市町村においては前年度(104団体)より10団体増加の114団体となっている。

 一方、災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税の平成15年度の交付状況をみると、都道府県においては東京都を除く全団体に、市町村においては3,131団体に、それぞれ交付されている。

 地方交付税の収入状況を団体種類別にみると、道府県が9兆9,785億円で前年度と比べると7.8%減(前年度2.3%減)、市町村が8兆908億円で7.3%減(同5.9%減)となっており、その地方交付税総額に占める割合は、道府県が55.2%(同55.3%)、市町村が44.8%(同44.7%)となっている。

オ 一般財源[第22表〜第24表

 一般財源は、地方税、地方譲与税、地方特例交付金及び地方交付税の合計額(市町村決算においては、これらに加えて、都道府県から交付される地方消費税交付金等各種交付金を加えた合計額)であり、使途が特定されず、どのような経費にも使用できる財源である。

 この一般財源の決算額は52兆4,352億円であり、前年度と比べると3.7%減(前年度5.2%減)となっており、3年連続で減少している。また、歳入総額に占める割合は、55.3%(同56.0%)となっている。

 なお、一般財源に臨時財政対策債発行額5兆2,647億円を加えた決算額は、57兆6,999億円であり、前年度と比べると1.1%増(前年度0.9%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は、60.8%となっている。

 次に、歳入総額に占める一般財源の割合を、道府県においては財政力指数段階グループ別、市町村においては類型別にみると、第33図のとおりである。これによると、歳入総額に占める一般財源の割合は、地方交付税が財源調整機能を果たしている結果、各団体区分間に大きな違いはないものとなっていることがうかがえる。

 なお、地方交付税の決算額が地方税の決算額を上回っている団体数は2,154団体(前年度2,230団体)で、全体の67.3%に及んでいる。

 カ 国庫支出金[第25表

 国庫支出金は、国と地方公共団体の経費負担区分に基づき国が地方公共団体に対して支出する負担金、委託費、特定の施策の奨励又は財政援助のための補助金等である。

 国庫支出金の決算額は、平成15年度において義務教育費負担金及び在宅福祉事業費補助金の一部等が一般財源化され、暫定的に地方特例交付金及び地方交付税により財源措置されたことに伴い減少した一方、生活保護費負担金等が増加した結果、前年度と比べると0.2%減(前年度9.5%減)の13兆1,421億円となっており、2年連続の減少となっている。一方、歳入総額に占める割合は13.9%(同13.6%)と2年ぶりに増加に転じている。

 次に、国庫支出金の内訳をみると、普通建設事業費支出金が4兆1,927億円で最も大きな割合(国庫支出金全体の31.9%)を占め、以下、義務教育費負担金が2兆7,386億円(同20.8%)、生活保護費負担金が1兆8,034億円(同13.7%)となっており、以上の支出金等で国庫支出金総額の66.5%を占めている。

 さらに、団体種類別に国庫支出金の内訳をみると、都道府県においては、普通建設事業費支出金3兆286億円(38.4%)、義務教育費負担金2兆7,386億円(34.7%)の順となっている。

第33図 歳入総額に占める一般財源の割合の分布状況 その1 道府県

第33図 歳入総額に占める一般財源の割合の分布状況 その1 道府県

第33図 歳入総額に占める一般財源の割合の分布状況 その2 都市

第33図 歳入総額に占める一般財源の割合の分布状況 その2 都市

第33図 歳入総額に占める一般財源の割合の分布状況 その3 町村

第33図 歳入総額に占める一般財源の割合の分布状況 その3 町村

 また、市町村においては、生活保護費負担金1兆6,024億円(30.5%)、普通建設事業費支出金1兆1,641億円(22.2%)の順となっている。

 また、国庫支出金の内訳の伸び率をみると、普通建設事業費支出金が2.0%増(前年度20.3%減)、義務教育費負担金が8.3%減(同0.8%減)、生活保護費負担金が8.0%増(同6.0%増)等となっている。

キ 都道府県支出金[第25表

 都道府県支出金の決算額は2兆2,554億円で、前年度と比べると0.6%減(前年度2.6%減)となっている。

 都道府県支出金の内訳をみると、国庫財源を伴うものが56.3%(前年度55.9%)、都道府県の単独施策によるものが43.7%(同44.1%)となっている。

 都道府県支出金の内訳の伸び率をみると、国庫財源を伴うものについては普通建設事業費支出金が17.6%減(前年度5.0%減)、児童保護費負担金が3.1%減(同2.7%増)、災害復旧事業費支出金が11.1%増(同5.9%減)等となっており、また、単独施策によるものについては、普通建設事業費支出金が8.8%減(同5.2%減)等となっている。

ク 地方債[第26表

 地方債は、普通建設事業等に充てるため、その償還が次年度以降にわたる債務を負うことによって調達される財源である。

 地方債の決算額は13兆7,894億円で、普通建設事業の財源としての地方債の発行は減少する一方、臨時財政対策債の発行が増加したことなどから前年度と比べると3.5%増(前年度12.7%増)となっている。なお、臨時財政対策債を除いた額は8兆5,248億円で、前年度と比べると20.4%減となっている。

 地方債依存度(歳入総額に占める地方債の割合)は前年度と比べると0.8%ポイント上昇の14.5%となっている。近年の地方債依存度の推移は、第34図のとおりである。

 地方債の決算額を団体種類別にみると、都道府県においては7兆6,521億円で前年度と比べると1.6%増(前年度15.6%増)、市町村においては6兆2,056億円で前年度と比べると6.1%増(同9.2%増)となっている。

 地方債の目的別の発行状況をみると、臨時財政対策債が5兆2,647億円で最も大きな割合(地方債発行総額の38.2%)を占め、以下、一般単独事業債が3兆3,402億円(同24.2%)、一般公共事業債が2兆3,837億円(同17.3%)、減税補てん債が6,920億円(同5.0%)、過疎対策事業債が2,701億円(同2.0%)、義務教育施設整備事業債が2,602億円(同1.9%)、財源対策債が2,283億円(同1.7%)の順となっている。

第34図 地方債依存度の推移

第34図 地方債依存度の推移

ケ その他の収入

(ア) 使用料、手数料[第28表

 使用料は、地方公共団体の公の施設の利用等の対価としてその利用者等から徴収するものであり、手数料は、特定の者のために行う当該地方公共団体の事務に要する費用に充てるために徴収するものである。

 使用料及び手数料の決算額は2兆4,921億円で、前年度と比べると0.3%増(前年度0.5%減)となっている。また歳入総額に占める割合については前年度と同じ2.6%となっている。

 使用料の決算額は1兆9,067億円で、前年度と比べると0.5%増(前年度0.5%減)となっている。その内訳をみると、公営住宅使用料が5,584億円(対前年度比1.4%減)で最も大きな割合を占め、以下、授業料が3,727億円(同1.6%減)、保育所使用料が2,232億円(同1.2%減)の順となっている。

 また、手数料の決算額は5,854億円で、前年度と比べると0.4%減(前年度0.6%減)となっている。その内訳をみると、法定受託事務に係るものが831億円、自治事務に係るものが5,023億円となっている。

(イ) 繰入金[第29表

 繰入金は、基金、地方公営事業会計等からの受入金である。

 繰入金の決算額は2兆9,397億円で、前年度と比べると3.6%減(前年度34.0%増)となっており、歳入総額に占める割合は、前年度と同じ3.1%となっている。

 繰入金の内訳をみると、繰入金総額の93.7%(前年度94.4%)を占める積立金の取崩し等による基金からの繰入金は2兆7,534億円で、前年度と比べると4.4%減(同36.9%増)となっており、2年ぶりに減少に転じている。

 また、地方公営事業会計からの繰入金は1,794億円で、前年度と比べると8.0%増(同1.0%減)となっている。

(ウ) その他[第11表第30表

 その他の収入の決算額は10兆884億円で、前年度と比べると5.5%減(前年度6.6%減)となっており、歳入総額に占める割合は10.6%(同11.0%)となっている。

 その内訳をみると、貸付金元利収入等の諸収入が6兆6,086億円(対前年度比3.5%減)、繰越金が2兆2,257億円(同9.4%減)、分担金、負担金が5,647億円(同4.8%減)、財産収入が6,002億円(同10.9%減)、寄附金が892億円(同13.5%減)となっている。


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