インターネットの誕生(たんじょう)

インターネットは技術(ぎじゅつ)者や研究者、学生などの限(かぎ)られた人たちがさまざまな議ろんや情報交換のために利用するところから生まれました。ところが、回線が高速・大容量化(だいようりょうか)し、利用者が増加(ぞうか)したことで、大きな変化が生まれました。

米国では1967年から、日本では1984年から

インターネットの起源(きげん)は、米国の国防総省(こくぼうそうしょう)の資金提供(しきんていきょう)により1967年に研究を開始したパケット通信のネットワーク、ARPAnet(アーパネット) (Advanced Research Projects Agency NETwork:アドバンスド・リサーチ・プロジェクト・エージェンシー・ネットワーク)です。ARPAnetは1969年に米国内の4つの大学・研究機関を接続(せつぞく)する形で運用が開始されました。主に大学・研究機関の間を接続するネットワークの構築(こうちく)が進み、その後、商用化が始まりました。

日本におけるインターネットの起源(きげん)はJUNET(ジェイユーネット)(Japan University NETwork:ジャパン・ユニバーシティ・ネットワーク)と言われています。JUNET は1984年10月に東京大学、東京工業大学、慶応義塾(けいおうぎじゅく)大学の3大学を結ぶネットワークとして実験が開始され、最終的に約700の機関を結ぶネットワークとなりました。

1988年には、JUNETへの参加者が中心となり、大学研究者などによりインターネットの実験を行う「WIDE(ワイド)(Widely Integrated & Distributed Environment:ワイドリー・インテグレイテッド・アンド・ディストリビューテッド・エンバイロンメント)プロジェクト」が発足しました。このプロジェクトにおいて構築されたネットワークは、当初非営利(ひえいり)の使い方で発展しました。ところが、接続する組織(そしき)が急増(きゅうぞう)して、そのままでは対応(たいおう)できなくなったため、プロジェクトのメンバーを中心として、1992年に日本初の商用インターネットサービスプロバイダーIIJ(アイアイジェイ)(Internet Initiative Japan:インターネット・イニシアチブ・ジャパン)が設立され、1993年にインターネット接続の商用サービスを開始しました。

研究者のものだったインターネットは一気に一般にふきゅうした
図:研究者のものだったインターネットは一気に一般にふきゅうした

ふきゅう開始当初のインターネット

1995年にMicrosoft(マイクロソフト)が発売したWindows(ウインドウズ)95は、インターネットがふきゅうする大きなきっかけになりました。当時、インターネットが体験できる機能(きのう)はまだめずらしかったため、プリインストールしたパソコンからダイヤルアップ接続したり、Webブラウザを使ったりできるWindows95は大きな話題になり、多くのユーザーをかく得しました。
1990年代後半では、通信速度が十分ではなく、使った分だけお金がかかる従量(じゅうりょう)課金型だったため、画像(がぞう)などのデータ容量(ようりょう)の大きなコンテンツは読みこみに時間がかかったり(1枚の画像を読みこむのに数分かかることもありました。)、通信料が高くなったりするため、あまり使われず、文字情報でのやりとりがふつうでした。

しかしその後1999年から商用での提供(ていきょう)が始まったADSL(エーディーエスエル)(Asymmetric Digital Subscriber Line:アシンメトリック・デジタル・サブスクライバー・ライン)は、定額料金・常時接続でした。これによってインターネットはより安く・便利に使えるようになり、ふきゅうしていきました。

定額常時(じょうじ)接続のふきゅう

ルールの整備(せいび)によるブロードバンドのふきゅう

郵政省(ゆうせいしょう)(現(げん)総務省(そうむしょう))は、2000年にさまざまな事業者がADSLサービスをスムーズに提供できるようにするためのルールの整備をしました。その結果、2001年にはそれまでの料金水準(すいじゅん)と比(くら)べて大変安い料金でADSLサービスが提供されるなど、さまざまな事業者間の競争の結果、より安い料金でより高速のサービスが利用できるようになり、ADSLサービスのけい約数は増加していきました。
このように日本のインターネットは、高速・定額料金・常時接続というブロードバンドサービスとして、広くふきゅうしました。また、FTTHサービスもふきゅうが進み、現在の固定系ブロードバンドサービスの主流となっています。

スマートフォンからのインターネット接続が主流に

2010年には、国内で初めてモバイル端末(スマートフォンなどの携帯(けいたい)電話・PHS)からのインターネット利用者数がパソコンからの接続者数をこえました。それ以来、年々その差は広がっており、日本でのインターネット利用はパソコンからモバイル端末へ移行しているといえます。