新型コロナウイルス感染しょうとICT

2020年、日本でも新型コロナウイルスの感染(かんせん)が広がりました。密閉(みっぺい)、密集(みっしゅう)、密接(みっせつ)の「3密(みつ)」や人と人との距離(きょり)をとる「Social Distancing(ソーシャルディスタンシング)(社会きょり拡大戦略(せんりゃく))」などがキーワードとなり、なるべく外出や人との接触(せっしょく)を避(さ)けたうえで社会生活ができる方法が模(も)さくされました。

テレワークの推進(すいしん)

有効(ゆうこう)な方法の一つとされたのが、テレワークです。多くの人が集まる場所での感染のリスクを減らすため、通勤ラッシュや人混みを回避(かいひ)することが求められる中、職場等への移動をしなくても働くことができるテレワークは、積極的(せっきょくてき)に活用されるようになりました。
総務省(そうむしょう)の調査では、2022年3月までにインターネットを使用したテレワークを行ったことがある人は30%程度となっています。

また、総務省の他の調査で、テレワークを行った人たちにテレワークのメリットを聞いてみると、通勤時間が削減される(81.5%)、好きな場所で作業をすることができる(53.8%)、自分や家族のための時間をとりやすくなった(45.1%)などの回答がありました。

テレワークの利点
図:テレワークの利点

まだ、テレワーク実施(じっし)のための環境(かんきょう)が整っていないなどの問題は残りますが、実施率(りつ)は上がっています。

遠隔・オンライン教育の実施

教育分野では、新型コロナウイルス感染しょうの拡大(かくだい)に伴(ともな)い、多くの子どもたちや教職員が、長時間同じ場所に集まることによる感染リスクを低くするため、ICTを活用した遠隔・オンライン教育が進められました。児童生徒の1人1台端末(たんまつ)と高速(こうそく)大容量(だいようりょう)の通信ネットワークを一体的に整備(せいび)するGIGAスクール構想(こうそう)について、当初は2023年度までに進めていく予定でしたが、新型コロナウイルス感染しょうの拡大(かくだい)を踏まえ、スケジュールの大幅な前倒し(まえだおし)が行われました。

イベントのオンライン開催

新型コロナウイルス感染しょう拡大防止(かくだいぼうし)に伴(ともな)う外出自しゅくを受けて、観客や来場者を集めるスポーツやエンターテインメントイベントの多くは中止や延期(えんき)になりました。無観客でのオンライン配信や、遠隔地にいながら参加できるようにするVRの活用、イベントのオンライン開催などが増(ふ)えています。