AI(人工知能(じんこうちのう))という言葉は、1956 年開催(かいさい)のダートマス会議で、アメリカの大学教授(だいがくきょうじゅ)J. J. McCarthy(マッカーシー)が提唱(ていしょう)したものです。AIの歴史は1950年代から始まり、何度かブームと冬の時代を繰(く)り返してきました。
AIの研究開発は1960年代から活発化したものの、コンピュータの性能(せいのう)が低(ひく)く、当時のAIでは、簡単(かんたん)なパズルや迷路(めいろ)のような簡単な問題しか解(と)けませんでした。
1980年代には、コンピュータの高性能化が進み、特定の問題に対して専門(せんもん)知識を持ち専門家のように事象の推論や判断(はんだん)ができるようになったコンピューターシステム(エキスパートシステム)が登場しました。しかし、コンピュータに学習させなければならない学習データが膨大(ぼうだい)だったため、当時のコンピュータの性能では処理(しょり)ができず、専門家の一部の知識を真似(まね)するにとどまってしまいました。また、学習データをコンピュータが理解(りかい)できるようにするため、大変な労力を必要としました。
1990年代にウェブサイトが公開され、2000年代に入ると家庭向けにもネットワークが普及(ふきゅう)しはじめ、データ流通量が非常(ひじょう)に増加(ぞうか)し研究に使用できるデータを大量に入手することができるようになりました。さらに、コンピュータの能力が向上したことにより、大量の情報(じょうほう)(ビッグデータ)の処理が可能(かのう)となったことが大きな要因(よういん)となり、機械学習が進化し、第3次AIブームを迎(むか)えました。
機械学習の手法の1つであるディープラーニング(深層学習:しんそうがくしゅう)により、画像(がぞう)の認識(にんしき)、人間の言葉の処理、シミュレーションなどへの活用が一層(いっそう)広がりました。
その後、ディープラーニングの技術(ぎじゅつ)が進み、AIの性能が大きく向上したことで、文章、画像、音声などを自律的(じりつてき)につくり出す「生成AI」が誕生(たんじょう)しました。