商品のやり取りのしくみが変わる

時間と場所の制約(せいやく)をこえる-「市場の拡大(かくだい)化」

インターネットがない時代には、あるモノを買いたいときに、それがどこに売っているのかを調べるのはとても大変でした。もし遠く離(はな)れた地のお店に売っていることが分かっても、それを注文したり買ったりするためには、それなりの手間や時間・お金が必要でした。しかしインターネットを利用することによって、欲(ほ)しいモノを探(さが)すことが簡単(かんたん)になり、売っている人やお店に対していつでも注文できたり配達してもらったりでるようになっています。
かつて音楽を楽しむときには、お店でCD(シーディー)を購入(こうにゅう)するか、レンタル店で借りるのがふつうでしたが、現在(げんざい)ではインターネットを利用して世界中の音楽をいつでも聞けるようになっています。
こうした商品のやりとりをする「市場」が身の回りの地域(ちいき)から世界中に広がっていくような現象(げんしょう)を「市場の拡大化」ということができます。

インターネットの利用によっていつでもどこでも簡単に買うことができるようになった
図1:インターネットの利用によっていつでもどこでも簡単に買うことができるようになった

規模(きぼ)の制約をこえる-「市場の細粒(さいりゅう)化」

ICT(アイシーティー)(Information and Communication Technology:インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)の普及(ふきゅう)によって、これまではある程度(ていど)の大きさがなければ成立しなかった小さな取引が成立するようになり、新たな「ニッチマーケット」を作り出しています。
インターネットが普及する前は、遠く離れた場所に住む一部の人だけが欲しいと思うような珍(めずら)しい商品を、その人だけに届(とど)けるというビジネスはお金や手間などがかかるためとても難(むずか)しいものでした。ICTによって個人(こじん)や少数のニーズにあわせて色々な種類の商品を少しずつ生産するロングテール市場が成立するようになりました。

ニッチ市場とロングテール
図2:ニッチ市場とロングテール