あらゆる産業にICT(Information and Communication Technology:インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報(じょうほう)通信技術(ぎじゅつ))が一体化していくことは、「デジタル・トランスフォーメーション」と呼(よ)ばれています。これは、スウェーデンの大学教授(きょうじゅ)のエリック・ストルターマンが提唱(ていしょう)した概念(がいねん)で、「ICTが行きわたることが人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」です。
デジタル・トランスフォーメーションと同様に、広い意味での「デジタル化」の範囲(はんい)に含(ふく)まれる概念として、「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」があります。
「デジタイゼーション」とは、会社内の特定の作業の効率化(こうりつか)のためにデジタルツールを導入(どうにゅう)することで、「デジタライゼーション」とは、自社内だけでなく外部環境(かんきょう)やビジネス戦略(せんりゃく)も含めたプロセス全体をデジタル化することという違(ちが)いがあります。
これまでの情報化(じょうほうか)/ICT利活用の多くは、すでに確立(かくりつ)された産業を効率化(こうりつか)したり価値(かち)を向上させたりするために使われるものでした。一方で、デジタル・トランスフォーメーションは、産業の仕組み自体を変えていきます。
銀行を例に挙げると、今までもICTを利用して、インターネット上で銀行の手続きなどができるオンラインバンキングや決済(けっさい)のシステムを構築(こうちく)してきましたが、あくまでもともとある銀行の仕組みをより便利にするためのシステムでした。
これに対して最近では、銀行から「フィンテック」と呼ばれるサービスが提供されるようになってきています。フィンテック(FinTech)とは金融(きんゆう)のファイナンス(Finance)と技術のテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語(ぞうご)で、金融サービスとICT技術(ぎじゅつ)を結びつけたさまざまな動きを指す言葉です。たとえば、銀行に行かずに、手元のスマートフォンでお金を支払(しはら)うことができる電子決済システムなどがフィンテックに当たり、デジタル・トランスフォーメーションの一例と言えます。