ICTは、あらゆる社会生活や経済(けいざい)活動を支(ささ)える技術(ぎじゅつ)の1つとなっています。ICTが使えなくなるとこれらが成り立たなくなるため、もしもの時に備(そな)える必要があります。
さまざまなデータを保管するうえで重要なデータセンターも、もしもの時に備えておかなければならない施設(しせつ)の一つです。国内のデータセンターの多くが東京都・埼玉(さいたま)県・千葉県・神奈川(かながわ)県など東京周辺に集中しています。そのため、大きな地震(じしん)が東京周辺で起こった場合などに、多くのデータセンターが一度に利用できなくなるという事態(じたい)も予想できます。東京周辺に集めることで生まれるメリット(保守(ほしゅ)のしやすさやネットワーク環境の良さなど)もありますが、もしもの時の備えとして地方への分散が求められています。
海外との通信の約99%が海底ケーブルを使って行われており、海底ケーブルはとても重要です。日本の国内海底ケーブルは、主に太平洋側にあり、陸地との接続(せつぞく)部は房総(ぼうそう)半島に集中しています。日本海側にはほとんどありません。海底ケーブルもデータセンターと同様に、大規模(だいきぼ)災害による切断(せつだん)などのリスクに備え、安定的に通信ができることが望まれます。
ネットワークを通じてシステムなどが破壊(はかい)されるサイバー攻撃(こうげき)が続いていますが、日本のセキュリティ製品やサービスの多くは、海外の製品や海外からの情報に頼っています。その結果、国内のサイバー攻撃情報などを収集(しゅうしゅう)・分析(ぶんせき)しにくくなり、ますます国内のセキュリティ製品やサービスが開発しにくくなるという、悪循環(あくじゅんかん)になっています。また、個人(こじん)のスマートフォンや企業(きぎょう)のシステムなどでも広く利用されているクラウドサービスについても、海外依存(依存)度が非常(ひじょう)に高くなっています。