進むブロックチェーンの活用

ブロックチェーン技術(ぎじゅつ)とは、情報(じょうほう)通信ネットワーク上にある端末(たんまつ)同士を直接(ちょくせつ)接続(せつぞく)して、取引記録を暗号技術を使って分散的に処理(しょり)・記録するデータベースの一種です。「ビットコイン」などの仮想(かそう)通貨に使われている基盤(きばん)技術でもあります。

一元管理と分散管理
図:一元管理と分散管理

ブロックチェーンによる分散管理には、これまでの情報一元管理の方法と比(くら)べて、

(1)ネットワークの一部に不具合が生じてもシステムを維持(いじ)できる(可用性(かようせい)が高く)、

(2)なりすましやデータ改ざんが難(むずか)しい(完全性も高く)、

(3)取引が低コストでできる(情報一元管理では中央で管理する者に手数料を支払(しはら)う必要があるが、分散管理ではいらない)などのメリットがあります。

一方、拡張性(かくちょうせい)の面での課題があります。ブロックチェーンの代表例であるビットコインのブロックチェーンにおいて、次のような課題があります。

1つ目は、処理(しょり)時間が増(ふ)えることです。 ユーザーがビットコインを送金するとトランザクションという取引データが作成され、ブロックチェーンに保存(ほぞん)されます。しかし、ブロックチェーンのブロックそれぞれのデータサイズには上限(じょうげん)があるので、トランザクションが増えていくとブロックチェーンに保存する時間がかかるようになります。

2つ目は、エネルギー消費(しょうひ)が増えることです。 ユーザーやビットコイン採掘(さいくつ)量が増えることで、毎時間ビットコインを採掘するのに必要なエネルギーがどんどん増えていき、多くの電力が必要になります。

ブロックチェーンは仮想通貨において利用されるようになりましたが、仮想通貨以外の金融(きんゆう)分野などにおいてもブロックチェーン技術の利用が始まっています。