電気通信審議会接続の円滑化に関する特別部会第2回会合議事要旨(平成8年6月18日公表)






1 日時
  平成8年5月15日(水) 午後1時30分〜3時20分

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1)特別部会
   ア 委員・臨時委員
     増澤高雄(部会長)、舟田正之(部会長代理)、後藤守正、篠原滋子、
    園山重道、百崎英、齊藤忠夫

   イ 専門委員
     相田仁、青井浩也、浅野正一郎、伊東晋、井上伸雄、酒井義則、
    佐藤治正、関口博正、手塚仙夫、東海幹夫

 (2)事務局
    佐村知子審議会室長

 (3)郵政省
    濱田電気通信事業部長ほか

4 議題
  関係者からのヒアリング  
 (1)日本テレコム株式会社  坂田浩一社長
 (2)国際電信電話株式会社  市原博社長
 (3)東京通信ネットワーク株式会社  藤森和雄社長
 (4)宇宙通信株式会社  江名輝彦社長

5 模様
  関係者からのヒアリングの後、次のような質疑応答があった。

 (1)日本テレコム株式会社  坂田浩一社長

  ア 特に主張を述べていないものについて、審議会において決めてほしいと
   いうことなのかという質問があり、以下のような回答があった。

   ・ 主張がないわけではないが、「接続費用は全費用か長期増分費用か」、
    「報酬率の考え方」及び「費用の単金への展開方法」については、長距
    離系事業者の中でもいろいろ意見があるので、この場で議論して一義的
    に決めてほしい。

  イ この回答に対し、NCCの代表としてでなく、日本テレコム株式会社と
   しての意見はないのかとの質問があり、以下のような回答があった。

   ・ 全費用か長期増分費用かという感じでは長期増分費用をとりたいとい
    う感じがある。

   ・ 報酬率については、日本テレコムは長距離系3社の中で緩く解釈して
    もいいという感じがある。

   ・ 単金への展開方法について、現在暫定的な数字を決めているが、ほぼ
    妥当な範囲に入っているとの感じを持っている。

  ウ 網改造費の適正なルール化というのは、どういうものが適切と考えてい
   るかとの質問に対し、以下のような回答があった。

   ・ NTTの方で元々接続のための仕様でつくっていないため、主として
    接続のために網改造が必要なケースがあり、何かに接続するために新た
    なものが発生するというのが現実問題としてある。問題は、そこに係る
    費用について、例えばNTTは、IGSが必要といわれるが、そもそも
    必要かどうかという判断は我々はできない。また、IGSにかかる費用
    についてもわからない。

   ・ 我々は接続を前提にしており、IGSに相当するゲートウェイ機能を
    網内でもともと持っているため、今200%負担になっている。

   ・ もともとNTTが接続を前提にしてネットワークを組んでいないこと
    については、NTTを責めても仕方がない話であり、一銭も負担しない
    といっているわけでないが、きちっとした思想がはっきりしないまま何
    となく流れているというところがあるため、その辺をきちっとしていた
    だきたい。

   ・ ユニバーサルサービスについても、ファンドでもいいので、きちっと
    切り分けてやるべきである。

 (2)国際電信電話株式会社  市原博社長

  ア 他事業者への支払額に占めるNTTの比率の低下の理由について質問が
   あり、以下のような回答があった。

   ・ KDDにおいて回線を大束にしてまとめること、今までNTTにお願
    いしていたものを直営にすること、NCCの設備を使うことにより、N
    TTへの支払比率が少しずつ減ってきている。

  イ 例えば、NCCの交換機のところに接続回線を持っていく等、NTTと
   の接続においてこれからの課題となっているものを、NCCとの接続にお
   いて実行に移しているものはあるかとの質問があり、今のところはないと
   の回答があった。

  ウ NTTとの間で改善について話し合いがなされているのかとの質問があ
   り、以下のような回答があった。

   ・ 一番最初にNTTと接続に関して取り決めらしきものができたのは昭
    和62年頃であり、それがどんどん改善されて今日に至っている。

 (3)東京通信ネットワーク株式会社  藤森和雄社長

  ア 増分コストベースで計算する方法についてNTTに提案したことがある
   かとの質問があり、以下のような回答があった。

   ・ 申し入れはしたが、2社間で決められるような問題ではないという形
    になっている。

  イ 接続に要する期間等について、NTTの今の期間は、TTNetの経験
   からみて、長いというふうに思っているのかとの質問があり、以下のよう
   な回答があった。

   ・ 今の12ヶ月という基準はNTTとしては頑張っていると思うが、海
    外では、むしろ最初から接続を予定した設備になっているため、非常に
    簡単に接続できると聞いている。

  ウ 番号ポータビリティの問題についてどう考えているのかとの質問があり、
   以下のような回答があった。

   ・ お客様サービスのために非常に望ましいとは考えているが、非常にお
    金がかかると聞いているので、将来的にはどうしても必要だと思ってい
    るが、あまり急いでやらなくてもいいのかなという感じで受け止めてい
    る。

 (4)宇宙通信株式会社  江名輝彦社長

  ア NTT地域通信網と業務委託という形で接続しているのではないかとの
   質問があり、以下のような回答があった。

   ・ お客様がつなぐことはあるが、いわゆる接続という形ではやっていな
    い。

  イ 将来具体的に接続が必要となるサービスを考えているのかとの質問があ
   り、以下のような回答があった。

   ・ 将来的には衛星回線を使ったISDNとか、そういったことを考えて
    いる。


  (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり)