第2回接続の円滑化に関する特別部会公表資料(宇宙通信株式会社)
平成8年5月15日
宇宙通信株式会社
NTT地域通信網に係る相互接続の基本的ルールの在り方について
頭書の件に就きまして、衛星系第1種電気通信事業者を代表して、次のとおり
意見を述べさせて頂きます。
衛星系第1種電気通信事業者にとりましては、現在のところ、NTT地域通信
網と衛星回線を接続してのサービスは提供しておらず、接続に関して顕在化した
問題は発生しておりません。しかしながら、将来の事業展開に於ては、NTT
地域通信網と衛星通信回線の接続が必要となるサービスを提供する可能性があり
ますので、その場合にNTT地域通信網との接続が迅速に行えるよう、接続の
基本的ルールの策定に於て以下の事項が充分盛り込まれることを要望致します。
1.NTT地域通信網との接続についての基本的考え方に、イコールフィティ
ング性の確保があるべきで、そのイコールフィティング性は、NTT以外の
電気通信事業者に対して確保されるものでなく、NTT衛星通信事業、
NTT長距離通信事業も、NTT以外の電気通信事業者と同等の立場に置く
という意味で確保されるべきであります。
2.衛星通信事業者の衛星回線とNTT地域通信網を接続する場合に、衛星
通信事業者の地球局設備をNTT局舎へ設置(コロケーション)することと
なりますので、NTTは、そのようなコロケーションについて、衛星通信事
業者の要求に原則応じるべきであります。
3.接続費用の透明性を確保するため、その算定根拠が開示されるべきであり
ます。
4.接続に不可欠な技術情報の開示について、NTT以外の電気通信事業者の
請求に迅速に対応できる体制が整えられるべきであり、また変更等があった
場合、NTTは官報等に掲載する等の措置を講ずるべきであります。
さて、御下問の相互接続の基本ルールに対する意見は以上の通りでありますが、
私共衛星通信事業者は、NTTとの公正有効競争の点で他にも問題を抱えて居り
ますので、是非この場で申し述べさせて頂き度いと思います。それは、NTTの
商用衛星通信サービスに付いてであります。
NTTの衛星通信業務については、平成2年3月2日付けの電気通信審議会
答申「日本電信電話会社法附則第2条に基づき講ずる措置、方策等の存り方」で
「当面は、公正有効競争の整備を図るため、地上系サービスとの収支分計の明確
化等の措置を講ずることとし、将来NTTが本格的に商用衛星通信サービスを
実施する場合には、当該業務部門の分離について検討を行うことが適当である。
」とされて居ります。
NTTの事業形態の存り方に結論が出ていない現状におきましては、この答申
内容は未だ有効と理解して居ります。
従いまして、衛星通信市場に於ける公正有効競争の条件整備に就きましては、
接続ルールの確立が重要であることは言うまでもありませんが、衛星通信市場の
特殊な問題として、NTTが本格的商用衛星通信サービスに進出する場合の事業
形態があり、このことは、接続ルールの問題と同等に慎重に審議されるべきであ
ることを御理解頂きたいと考えて居ります。
以 上