第1回接続の円滑化に関する特別部会公表資料(接続を巡る最近の状況について)






接続を巡る最近の状況

I 「日本電信電話株式会社法附則第2条に基づき講ずる措置」の推進

 1 日本電信電話株式会社法附則第2条に基づき講ずる措置(平成2年3月
  30日)

  ○ 接続の円滑化
    交換機のID化促進、POI(相互接続点)設置の円滑化等、他の電気
   通信事業者との円滑化を更に推進する。

  ○ ネットワークのオープン性の確保
    他の電気通信事業者がNTTのネットワークをNTTと対等な条件で利
   用できるようにするため、接続形態、技術的条件等に関する具体的な接続
   条件を明確にする。

 2 NTTの接続の円滑化に関する措置(平成3年3月)

   NTTは、「日本電信電話株式会社法附則第2条に基づき講ずる措置」と
  して、以下の措置を講じることを郵政省に報告し、発表。

  (1)POIの円滑な設置
  (2)接続用関門交換機(IGS)の工事期間の短縮
  (3)加入者交換機のID化の促進及びID化計画の提示

  (参考)平成7年3月にID化率100%を達成。

 3 接続料金制度の導入(平成6年4月)

   長距離系NCCがNTTに支払う地域通信網の使用料について、NTTの
  事業部制収支結果に基づいたコストベースの接続料金とする制度を導入。

 4 接続協議の手順等の明確化に関する行政指導(平成7年2月)

   NTTに対し、
  (1)他事業者からの接続申入れに応じることを基本的な考え方とすること
    の明確化
  (2)接続協議における基本的な手順の策定
  (3)接続費用の分担方法の明確化
  (4)接続に必要な技術情報の明確化
   等について、具体的措置を講じるよう指導。

 5 NTTの接続協議の手順等の明確化に関する措置(平成7年3月)

   NTTは、上記指導事項について、
  (1)適正な費用負担を前提にすべての接続要望に応えていくこと
  (2)接続協議における基本的な手順の策定
   等の具体的措置を郵政省に報告し、発表。

 6 NTTの措置に対する関係者意見の受付け(平成7年4月)

  ○ 上記NTTの措置に対する関係者の意見を受付け、6月に当該意見をと
   りまとめて発表するとともに、NTTに対して再検討を指導。

  ○ NTTは、8月に上記措置の見直しを郵政省に報告し、発表。

 7 NTTのアクセス系のオープン化の発表(平成7年9月)

   NTTは、アクセス系のオープン化として、市内交換機接続及び加入者回
  線接続による接続点の拡大の実施を発表。


II 接続の基本的ルールに関する取組み

 1 電気通信審議会答申(平成8年2月)

   接続の基本的ルールの制度化を提言(概要は別紙)。

 2 規制緩和推進計画(平成8年3月)

   接続条件の透明性を確保し、NTT地域通信網との多様な形態での相互接
  続を推進する観点から、以下の事項を含め、NTT地域通信網に係る相互接
  続の基本的なルールとして策定すべき具体的な内容を決定する。

  (1)接続の義務化
  (2)接続条件の料金表・約款化
  (3)接続に関する会計、接続費用の細分化(アンバンドル化)等接続に関
    する会計方法・基準
  (4)接続に必要な機能のアンバンドル化等接続の技術的条件
  (5)接続に必要な局舎の提供(コロケーション)、電柱・管路等の使用に
    関する条件
  (6)番号ポータビリティ(事業者を変更しても同一の番号が利用できるこ
    と)の実施方法等

 3 WTOにおける接続に関する規制の枠組みの確保(平成8年4月)

   神戸で開催された日・米・EU・加の四極閣僚会合において、WTO(世
  界貿易機関)における基本電気通信交渉において接続に関する規制の枠組み
  を確保することについて確認。



(参考1)接続命令の申立て

 1 平成6年10月、日本テレコム(株)から、平成4年より協議を行ってき
  たフレームリレーサービスの提供のためのNTTとの接続に関して、電気通
  信事業法に基づく接続命令の申立て(申立て後NTTが接続に応じたため、
  申立ては取り下げ)。

 2 平成6年11月に、長距離系NCC3社から、平成元年より協議を行って
  きたVPNサービスの提供のためのNTTとの接続に関して、電気通信事業
  法に基づく接続命令の申立てがあり、同年12月に接続命令を発出。

(参考2)行政監察結果(平成7年6月)
  総務庁行政監察結果において、NTTにおける社内取引が長距離系NCCと
 の間における取引と同一の取引となっていないことが指摘。



(別紙)

電気通信審議会答申(平成8年2月29日)における
接続の基本的ルールに関する提言の概要

1 基本的な考え方
  NTT地域通信網などの一定の市場シェアを有し不可欠な設備を有する事業
 者(以下「特定事業者」という。)と他事業者との接続に関する基本的ルール
 を策定する必要がある。

2 接続の基本的ルールの具体的内容
 特定事業者に対する以下の項目について、制度化を進めることが適当である。

 1.接続の義務化
  他事業者との接続を義務づける。

 2.接続条件の料金表・約款化
  接続条件の料金表・約款化を義務づける。

 3.接続に関する会計方法・基準
  接続に関する会計基準を国が定め、接続に関する会計の開示を義務づける。
  また、接続費用を設備の構成要素や機能ごとに細分化(アンバンドル化)す
  る会計方法を定める。

 4.接続の技術的条件
  接続に関する約款において定めるべきインタフェース条件を定める。

 5.局舎、電柱、管路等の使用
  接続に必要となる局舎、電柱、管路等の提供を義務づける。

 6.番号ポータビリティ
  番号ポータビリティ(加入者が事業者を変更しても、同一の番号を利用でき
  ること)の提供を義務づける。

 7.優先接続
  NTT再編成時に、優先接続制度(事業者番号をダイヤルすることなく、利
 用者が予め登録した事業者に接続すること)を導入する。

 8.網機能提供計画の開示
  接続に係る網機能の提供計画を公表することを義務づけ、他事業者の意見を
  その開発に反映させるための手続を制度化することを検討する。

 9.その他円滑な接続を確保するための措置
  円滑な接続を阻害する行為を防止するための措置を検討する。