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電気通信審議会接続の円滑化に関する特別部会第5回会合議事要旨(平成8年8月22日公表)
1 日時 平成8年6月28日(金)午後3時30分〜5時 2 場所 郵政省第三特別会議室(郵政省12階) 3 出席者(敬称略) (1)特別部会 ア 委員・臨時委員 増澤高雄(部会長)、舟田正之(部会長代理)、後藤守正、篠原滋子、 園山重道、月尾嘉男、林敏彦、百崎英、齊藤忠夫 イ 専門委員 相田仁、青井浩也、井上伸雄、大野幸夫、酒井善則、佐藤治正、関口博 正、醍醐聰、手塚仙夫、東海幹夫、濱谷和生、三谷政昭 (2)事務局 佐村知子審議会室長 (3)郵政省 濱田弘二電気通信事業部長 他 4 議題 (1)接続に関する事業者の意見の報告 (2)各小委員会の論点報告及び討議 (3)NTTにおける平成7年度事業部制収支及び電話役務損益明細について 5 模様 (1)接続に関する事業者の意見の報告 第2回から第4回までの特別部会で実施した関係者ヒアリングの論点を 取りまとめたものについて、郵政省から説明が行われた。 (2)各小委員会の論点報告及び討議 各小委員会の論点について、各小委員会の主査から報告され、討議が行 なわれた。 主な意見等は次のとおり。 ア 加入者回線などのボトルネック部分について、時価コストにした方がヒ ストリカルコストより安くなる可能性はどれぐらいあるのか。長距離回線 だと時価コストの方がずっと安いと思うが、ボトルネック部分については 今つくると高くなるというような話が時々あるようだが、英国などではど う考えているのか。 イ 一般論として英国ではいわゆる時価会計というのはかなり古くからやっ ており、これは別に電気通信事業者に限らず、一般企業にもそういうこと は要望されているので、それほど日本のように違和感はなくやられている のだろうと思う。 ボトルネックというところは技術革新が進みにくいことは指摘のとおり だが、そういう設備ばかりが対象ではないのではないかと思う。 ウ 接続の場合、例えば二種事業者などは接続協定を結ぶというよりはむし ろユーザーと同じ立場でNTTのネットワークを使っているが、キャリア は接続の際に増分費用で算定した接続料金でやり、ユーザーや二種事業者 の料金は総括原価で算定すると、全体としておかしくならないのか。 エ 現行法上、ユーザー料金と接続料金が同じでないといけないということ はなく、まさに議論するべき事柄ではないかと思う。 オ 接続料金の算定方式には、ヒストリカルコスト、増分費用と時価の3つ の概念があるようだが、どれかに決めるべきなのか。 カ 長期増分費用については、その内容を正確に理解しないといけない。取 り替え原価というのも、長期増分費用を考えていくときのきっかけになる のではないかと考える。 キ 技術小委員会において、アンバンドル化ということが出ており、サービ スごと、網構成設備ごと、機能ごとの3つの提案があるが、約款、料金と アンバンドル化の関係をどう考えているのか。 ク アンバンドルというのは、接続点をもっと増やしていくということであ り、そうすると接続の条件がそこにも必要になるというのがイメージであ る。 ケ NTTが今持っている条件を約款に載せるということなのか、それとも、 内容に立ち入って、NTTはこうした方がいいという中身まで、議論する のか。 コ 約款は、NTTが原案をつくるかもしれないが、多くの他の事業者の意 見も聞くオープンなプロセスを経て、審議会が決めるべきものである。 サ KDDによると、関門局までは国際標準だが、NTTに渡すときは国内 標準に変換した上で渡し、変換コストはKDDが全部支払うことになって いるが、もし、技術条件のことで立ち入るとすると、もう少し違った考え 方もあり得るのではないか。 シ もともと標準にすべきものであり、NTTの負担であるという意見もあ り得る。アナログの時代にはあまりそういう標準自体が世の中になかった が、デジタルになると標準がかなり決められており、NTTの中も次第に 標準に近づいている。例えばPOIのゲートウェイスイッチのようなもの がだんだんいらなくなってくる。そういう意味で昔のKDDとNTTの接 続の状況については、今後は変わっていくだろうというのが、その背景に ある。 ス 接続の義務化のところで、TTnetは「対象となる特定事業者は事実 上NTTに限定されるもの」という意見であり、一方でNTTは「すべて の第一種電気通信事業者に適用される仕組みとなるように」と、両者の意 見が真っ向から対立しているように見えるが、制度小委員会の方で何か議 論をしているのか。 セ 今回の特別部会での議論の土俵というのは、先般の答申を受けたもので あり、不可欠設備を有する事業者がそもそも接続義務の対象者ということ になるわけだから、それは特定事業者に限られるということになると思う。 しかし、他の一種事業者は不可欠設備など持ってないから、直接の対象に ならないが、全くそれを議論しなくていいのかについて、議論をしている。 ソ 外国の例では大体みんな接続義務者にして、ランクによってその義務を 免除しているというようなケースはあるのではないか。 タ(事務局) 米国のケースでは、全事業者に薄い義務がかかっており、個 別のアンバンドル、タリフ化、番号ポータビリティなどを地域電話会社や 既存の地域電話会社に限定するなど義務化の差が設けられている。 他方、EU指令案では、市場支配力を有する公衆電気通信事業者という 定義になっており、また、WTOの議論では、主要な提供者となっており、 その限りにおいては、まちまちであるということがいえると思う。 チ NTTのヒアリングペーパーによると、例えば設備計画に支障がある場 合は接続を拒否できるとあるが、これはおかしいのではないか。自分の計 画にあわない場合は全部拒否できることになる。だから、接続の義務化と いう意味は、どういう場合には拒否できるのかといった妥当な条件での接 続を義務化しなければ意味がないということになる。そうすると、NTT だけなのか、他の事業者もなのかという問題も出てくるようになると思う。 (3)NTTにおける平成7年度事業部制収支及び電話役務損益明細について 郵政省から報告が行われた。 (4)その他 7月上旬に米国及び欧州に委員を派遣して海外調査を実施することを決 定した。 (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)