発表日 : 2000年 9月26日(火)
タイトル : 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可
〜料金回収等手続費の見直し〜
郵政省は、本日、電気通信審議会(会長 那須 翔)から、東日本電信電話株式
会社及び西日本電信電話株式会社が電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第
38条の2第2項に基づき変更の認可申請をした接続約款の変更案に係る本年8月
31日付けの諮問(別紙1)に対し、諮問のとおり認可することを適当とする旨の
答申を受けました(別紙2)。この答申は、本年8月31日に同審議会が実施した
意見聴取の結果を踏まえて行われたものです。
本件に係る認可は、本日行う予定です。
連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
(担当:藤野課長補佐、寺村係長)
電 話:03−3504−4831
東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の
指定電気通信設備に係る接続約款の変更案
(料金回収等手続費の見直し)
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1 申請者
東日本電信電話株式会社
代表取締役社長 井上 秀一
西日本電信電話株式会社
代表取締役社長 浅田 和男
以下、上記2社を「東西NTT」という。
2 変更概要
接続事業者のユーザ料金を東西NTTが料金請求・回収する場合の手続費
(以下「料金回収等手続費」という。)を改定する。
経緯
ア 平成11年7月以前
携帯電話事業者、PHS事業者のユーザ料金をNTTが回収等することで
合意していた。(コストベースでの費用負担を定めていなかった。)
イ 平成11年7月
NTT再編に伴い、NTTコミュニケーションズのユーザ料金を東西NT
Tが料金請求・回収する旨の接続協定締結。その費用については、従来の、
料金総額の2.7%というルールを暫定的に適用し、コストにより近づけた
見直しを行うこととしていた。
ウ 現在
平成11年7月以降の実績をふまえ、東西NTTが料金回収等手続費の変
更に係る認可申請。
料金回収等手続費(回収するユーザ料金額(月額)に占める割合)
※ 接続事業者の選択により、1通信・内訳項目ごとの額を適用させる
こともできる
なお、料金回収等手続費については、NTT再編時の平成11年7月1日に
遡及して適用することとする。
3 実施期日
認可後速やかに
【参考】 ご利用料金内訳書
(写)
郵通議第 号
平成12年9月26日
郵 政 大 臣 平 林 鴻 三 殿
電 気 通 信 審 議 会
会 長 那 須 翔
答 申 書
平成12年8月31日付け諮問第39号をもって諮問された事案について、調査
の結果、下記のとおり答申する。
記
東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社が指定電気通信設備に関す
る接続約款を変更することについては、諮問のとおり認可することが適当と認めら
れる。
なお、提出された意見及びそれに対する当委員会の考え方は、別添のとおりであ
る。
おって、郵政省においては、今後、次の措置が講じられるよう配慮することを要
望する。
他事業者の定める電気通信役務に関する料金を回収することに関して、指定電
気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が他事業者から取得すべき金額は、
指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要なものとして認められ、その
金額の在り方が当該接続が円滑に行われるか否かを大きく左右することから、現
在当該金額を認可するにあたっての基準が必ずしも明確に定められていないこと
を踏まえ、今回の認可において採られた考え方を考慮し、当該金額を能率的な経
営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものとして接続約款に規定すべき
ことを基準として明確化すること
東日本電信電話(株)及び西日本電信電話(株)の
指定電気通信設備に関する接続約款の変更案に対する
意見及びそれに対する考え方(案)
表中において使用されている略語は、以下のとおり。
・ 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社 ・・・・・・・・ 東西NTT
意見
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考え方
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東西NTTは、電話の再販を行っている事業者に対して料金回収
手続費を支払うべきである。
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東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、それぞれ
「NTT東日本」、「NTT西日本」という。)の指定電気通信設備に係る契
約約款の変更案につきましては、関係規程に基づき審査が行われ、その審
査結果が明らかにされております。
本件変更案に対する、当該審査事項「14 特定の電気通信事業者に対
し不当な差別的取扱いをするものでないこと。(審査基準第14条の2(
4))」の「適」の審査結果につきましては、下記のような実態がありま
すので、改めて、その実態を踏まえ調査審議を頂き、必要な措置を講ぜら
れたく、意見を提出します。
記
1 料金回収の実態について
(1) 今回の接続約款変更案は、NTT東日本及びNTT西日本が、その利用
者に対し行っている通話料等の料金請求に、NTTコミュニケーション
ズ株式会社(以下「NTT−COM」という。)及び携帯電話等移動体事
業者(NTT東西発信呼)の利用料金を合わせて請求を行う際のNTT東
日本及びNTT西日本が当該事業者から受ける料金回収等手続きについ
て、回収するユーザ料金額(月額)に占める割合の改定と認識して
おります。
(2) このような料金回収については、第二種電気通信事業者(以下「
二種事業者」という。)においても、次のような形で行っておりま
す。
ア 二種事業者は、NTT−COMや携帯電話事業者及びPHS事業者分の料
金について、NTT東西に代行して、利用者に対し料金の請求・回収
を行っております。
イ この料金の請求・回収の代行は、NTT再編前の日本電信電話株式
会社(以下「旧NTT」という。)の「異名義割引サービス」のホス
ト契約(現在は、当該サービスの主管は実行上NTT−COMとなって
いる。)として、旧NTTと二種事業者との間における契約を基に実
施してきております。
ウ この「異名義割引サービス」のホスト契約に基づきNTT東西に代
わって請求・回収を行っている料金は、
(ア) 本来の「異名義割引サービス」として二種事業者が、NTT東
西からの割引を前提に料金の請求・回収を行うもの
(イ) 割引対象外ではあるが、請求・回収を合わせ行っているもの
の2つがありますが、その比率は、上記(イ)の割引対象外が
、請求・回収額全体の80%以上を占めています。
エ また、請求・回収される利用料金は、NTT東西に対し一括前払い
の実態となっており回収リスクは、全て二種事業者が負っておりま
す。
2 必要な措置について
上記1のような実態から、これまでにもNTT東西に対し、異名義割引
対象外の利用料金の請求・回収には、応分の費用が支払われるべきであ
るとして要望を重ねてきましたが実現に至っておりません。
特に、今回の約款変更案については、「東西NTTが料金の請求・回収
のみを行う場合」の料金回収等手続費の月額ユーザ料金に占める割合が
明示されていますが、二種事業者が行っている料金の請求・回収の代行
業務は、この区分に該当するものであります。
以上のことから、次の措置を講じられることを切望します。
(1) NTT東日本及びNTT西日本において、自らに代わって、その料金債
権の請求・回収を代行している事業者に対し、「異名義割引サービ
ス」等で割引対象外となっいる請求・回収料金については、本件の
接続契約約款の変更案で規定されている料金回収等手続費の全部又
は一部を料金回収手続費として支払われる措置が講じられることを
前提として、本件接続約款変更の認可をされたいこと。
(2) この場合、今後、同種の料金回収等のサービスが新たに導入され
た場合においても、料金回収等を代行する事業者に対し、同様の取
り扱いが確保されるよう配意されたいこと。
(3) 今後の「NTTの在り方の見直し」にあわせ、NTT-COMを含めた
NTTグループによる一体型サービスについて、競争促進上の観点
からその在り方について再度検討を行うことを配意されたいこと。
以上
(テレコムサービス協会)
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1 NTTコミュニケーションズ株式
会社の「回線群を単位とする通話
料金の月極割引(タイプ2)」(所
謂
「異名義割引サービス」。)の利用
者となっている第二種電気通信事業
者は、それとあわせて同時に東西N
TTの設定する市内通話及び加入者
回線の料金について、実質上料金回
収代行を行っている。
2 この部分については、東西NTT
は利用者に対する料金回収業務を行
わないメリットを享受しているが、
当該第二種電気通信事業者に対して
料金回収等手続費と同様の費用の負
担を行っていない。従って、第二種
電気通信事業者が実質的に再販して
いるサービスについて、卸料金と小
売料金とを東西NTTが同額に設定
するということが行われている。
3 これを、回収手続費の負担の問題
として捉える考え方もあろうが、第
二種電気通信事業者による料金設定
ができないために第二種電気通信事
業者の行為が料金回収になってしま
っていることから、本件はむしろ、
第二種電気通信事業者向けの卸料金
の考え方が整備されていないために
出現している問題と考えられる。
4 このような状況から観て、電話等
における事業者向け割引料金の制度
の整備が必要と判断されるので、今
後郵政省においてその実現に向けて
検討を行うことが望まれる。
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