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発表日  : 1999年10月15日(金)

タイトル : 「指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則」及び「電気通信事業法施行規則」の一部改正案に対する電気通信審議会答申







 郵政省は、本日、電気通信審議会(会長 那須 翔)から、指定電気通信設備と
の接続に係る接続料及び接続の条件についての郵政省令の一部改正案「指定電気通
信設備の接続料に関する原価算定規則及び電気通信事業法施行規則の一部改正につ
いて」(別紙1参照)の諮問に対し、諮問のとおり改正することが適当である旨の
答申を受けました(別紙2)。
 この答申は、平成11年(1999年)8月27日(金)に同審議会が実施した
意見聴取の結果(別紙2別添)を踏まえて行われたものです。
 郵政省では、この答申を尊重して、省令の一部改正を行います。




                  連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
                     (担当:藤野課長補佐、中尾係長)
                  電 話:03−3504−4831


 別 紙 
 1 

              改正(案)の概要

1 改正の目的  
  指定電気通信設備との接続に係る接続料及び接続の条件について、電気通信審
 議会からの要望を受けた検討結果を踏まえた改正を行うもの。

2 経緯     
 (1) 電気通信審議会より郵政省に対して要望(電気通信審議会答申(平成11
   年1月))(参考資料1参照)
 (2) 上記要望事項について「接続料の算定に関する研究会」において検討(平
   成11年2月〜7月)(参考資料2参照)

3 改正内容  
 (1) 接続料の算定に用いられる期待自己資本利益率の算定にあたり、算定期間
   は現行5年間となっているが、これを省令において3年間と改める。
    ※ 併せて、現在暫定的に電気通信事業法関係審査基準(平成6年9月達
     第2号。以下、「審査基準」という。)において規定している算定式に
     ついても省令において規定。
   (指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則第8条第3項及び4項)

 (2) コロケーションの料金については、従来その算定方法が明定されておらず、
   日本電信電話株式会社(再編成前)においては市価を用いてきたが、今回正味
   固定資産価額をベースに算定することを明確化。
    ※ 併せて、現在暫定的に審査基準において規定している管路・とう道の
     料金についても省令において規定。
   (電気通信事業法施行規則第23条の4第3項第2号及び3号)

 (3) その他
    現在接続料は事後において精算を行っているが、算定に用いている期間と
   適用期間がずれている原価について精算を行うべきところ、ずれが生じてい
   ないものも含めて精算する規定振りになっていることから、これを修正する。
    ※ 従来は必要な際に、個別に省令に従わない処理を許可する事で対応し
     てきたもの。
   (指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則第14条)


 別 紙 
 2 

                 (答申)


   平成11年8月27日付け諮問第29号をもって諮問された事案について、
  審議の結果、下記のとおり答申する。


                  記


   指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則及び電気通信事業法施行規
  則の一部改正については、諮問のとおり改正することが適当と認められる。
   なお、提出された意見及びそれに対する当審議会の考え方は別添のとおりで
  ある。


 別 添 

 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則及び電気通
信事業法施行規則の一部改正案(諮問第29号)に対する意見
及びそれに対する考え方

 ◎ 「指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則」第8条第3項及び第4
  項関連

       意見・質問(抜粋)
      考え方
1 改正(案)のとおりで問題ないと考えます。
 (第二電電(株))
1 −
 
2 ご指摘のような考え方には一定の合理性を見
 出すことに困難を覚えざるおえない。資産評価
 モデルは、そもそもそのモデルの利用の仕方が
 間違っており、最適ポートフォリオ=上場企業 
 の平均利益率と見出す事について何ら合理性の
 無い議論である。(筒井多圭志)
 
 
 
2 省令案のとおり、資本資産
 評価モデルから得られる数値
 を接続料の自己資本利益率の
 設定の際の上限値決定に用い
 ることは、事業の安定性とリ
 スクとを織り込んだ指標を用
 いて客観的な基準を設定しよ
 うというものであり適当と考
 えられる。

 ◎ 「電気通信事業法施行規則」第23条の4第3項第2号及び3号関連

       意見・質問(抜粋)
      考え方
3 改正(案)のとおりで問題ないと考えます。
  なお、「接続料の算定に関する研究会 報告
 書(P41)」において、「コロケーションの
 際に、コロケーションを行っている通信用建物
 内で他の事業者との接続を行うことや、アクセ
 ス用の伝送装置から利用者に伝送路を通すこと
 が合理的な理由もなく制限を加えられることは
 そういった意味から合理的な範囲を超えたもの
 であり、適当とは言えない」とされたことによ
 り、「異なる接続事業者の設備同士を接続する
 こと」が可能になったものと理解しております
 。その際の料金についても、本省令に基づき、
 (正味)帳簿価額をベースに算定されるものと
 理解しております。
  (仮に、(正味)帳簿価額ではなく、市場価
 格をベースとして料金を算定する場合は、弊社
 では、改めて指定電気通信設備を有する事業者
 のコロケーションに係る法的義務等を要望して
 参りたいと考えます。)(第二電電(株))
3 今回の省令改正案は「指定
 電気通信設備との接続」を円
 滑に行うために必要な場合の
 コロケーションの負担額につ
 いて定めるものであり、これ
 に該当する場合には規定どお
 り、帳簿価額をベースに算定
 されることになる。
  それ以外の場合については
 、省令の適用外となるが、公
 正な競争の促進という接続の
 円滑化の趣旨を踏まえて、当
 事者間の協議において合理的
 な価格形成がなされることが
 期待される。
 
 
 
 
4 建物の料金を市場価格ではなく、帳簿価格を
 ベースとする上記変更案については、当社が「
 接続料の算定に関する研究会報告書」への意見
 として提出したとおり、今後も引き続き勉強し
 ていきたいと考えております。(東日本電信電
 話(株))(西日本電信電話(株))
4 −
 
 
 
 
 

 ◎ 「指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則」第14条関連

       意見・質問(抜粋)
     考え方      
5 改正(案)のとおりで問題ないと考えます。
 (第二電電(株))
5 −
 


参考資料 1

 平成11年1月22日の電気通信審議会答申において付記さ
れた郵政省に対する要望事項

1 自己資本利益率の水準についての検討
  次年度以降の自己資本利益率について、平成10年度における算定結果を参
 考とし、CAPMモデルの算定期間を含めその適切な水準の在り方について引
 き続き検討すること。

2 作業単金の水準等についての検討
  工事費等の算定に用いられる作業単金の水準等については、その水準や算定方
 法につき多様な議論があるので、NTT及び接続事業者の意見を聞きながら論点
 を整理した上で、作業単金をめぐる実態の把握、適切な水準の在り方、低減化策
 等を検討すること。

3 将来需要・将来原価による算定の検討
  今回の再計算においてISM交換機能の網使用料の算定について採られた将来
 需要・将来原価による算定方式は、支払額が実績ベースから大きく乖離すること
 を回避するための有効な手段であるので、その適用範囲の在り方について検討す
 ること。

4 伝送機能における伝送速度区分の見直し
  接続事業者が効率的なネットワークを構築することが出来るようにするため、
 接続事業者のニーズを踏まえた区分とすることを検討すること。

5 利用者向け料金・契約約款が準用される範囲の検討
  端末回線の線端接続の条件については、接続料と利用者向け料金との対応する
 費用範囲の違いを踏まえるとともに、コスト面等で特段の理由がないのに接続事
 業者が不利益を被ることのないようにするとの考えのもとに、利用者向け料金・
 契約約款が準用される範囲について検討すること。

6 預かり保守契約の在り方についての検討
  預かり保守契約(コロケーション)の在り方については、NTTの通信用建
 物のボトルネック性に配意しながら、NTTが設置に応じるべき装置の範囲及
 のびそ設置条件を明確化するとともに、管路・とう道の利用条件の在り方につ
 いて引き続き検討すること。
  (参考)・ は、今回省令改正により対応する。


参考資料 2

 『接続料の算定に関する研究会報告書』における提言概要

 以下の『接続料の算定に関する研究会報告書』の提言を受け、今回の省令改正の
他、指導文書を東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「東西
NTT」という。)に対して発出した。

 [今回の省令改正により対応するもの]

1 接続料の算定に用いられる期待自己資本利益率
  ○ 東西NTTの接続料の自己資本利益率の算定にあたっては、算定期間を5
   年から3年に短縮すること。

2 コロケーションの条件
  1 局舎のコロケーションの料金は、公正競争を促進する観点から帳簿価額を
   ベースとすること。

 [通達により対応するもの]

2 コロケーションの条件
  2 接続事業者の装置がコロケーション対象となるか否かは、接続事業者の判
   断が優先されること。
  3 コロケーション設備への制限事項があれば東西NTTにおいて具体的な制
   限事項を明確にすること。

3 予測原価・予測需要により算定される接続料の範囲
  ○ ISDN、番号案内機能等の接続については、必要に応じて当年度の予測
   原価・予測需要により算定を行うこと。

4 伝送路の接続料の速度区分
  ○ 加入者系交換機−中継系交換機間の伝送路を専用的に使う接続料は、1.5メ
   ガビット毎秒単位とすること。

5 工事費等の算定
  ○ 工事費等の算定に用いられている労務費単金について、東西NTTは次回
   の接続料改定迄に調査を行い、それをもとに算定すること。また、工事費の
   算定に用いられている作業時間については、定期的な見直しのルールを策定
   すること。

6 バンドルされたネットワークの利用
  ○ 専用線の端末回線線端接続の接続料等について、利用者料金準用を見直し、
   事業者向け割引料金を適用すること。

7 DSLの接続
  1 DSLは簡易に高速アクセスを実現させる有望な技術であり、接続事業者
   もアンバンドルベースで活用できるMDF接続を実現すること。
  2 指定事業者と接続事業者との公正競争を確保するため、電話との重畳やス
   プリッタのコロケーションを含めた接続とすること。ただし、現時点で技術
   面・運用面の問題が完全にクリアされていないため、当面(1年程度)試験
   的な提供とし、その結果を踏まえて技術的条件を定めること。なお、技術的
   条件については、意見集約のための検討の場を設定して具体的な検討を行う
   こと。

         MDF接続によるDSLサービスの導入例

MDF接続によるDSLサービスの導入例の図

                   MDF(主配線盤):Main Distribution Frame

8 その他
  ○ 接続料の再計算に併せて、内部相互補助の有無等についての適切な検証が
   必要であること。




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