支払手段 支払能力= ―――――― 支払義務のように、支払手段と支払義務の対比によって求められる。財務分析では、この支払能力のことを流動性という。
流動資産(現金預金+未収金+貯蔵品+短期有価証券) 流動比率(%)=――――――――――――――――――――――――― ×100 流 動 負 債 現金預金+未収金 当座比率(%)=―――――――――― ×100 流動負債
区 分 | 流動比率 | 当座比率 | ||||
16 | 17 | 18 | 16 | 17 | 18 | |
当 該 団 体 | ||||||
類似団体平均 | ||||||
全 国 平 均 | 793.3 | 868.2 | 692.8 | 730.0 | 823.2 | 571.3 |
B 県 | 2,722.0 | 3,555.5 | 2,591.1 | 2,649.7 | 3,480.7 | 2,566.3 |
【B県の分析】
B県は、流動比率が3,591.1%、当座比率が2,556.3%と100%を大きく上回っており、短期的な支払能力については問題ないといえる。
しかし、借入資本金や他会計借入金があるため、今後の償還に向けての準備は必要である。
【全体の傾向】
流動比率及び当座比率の全体の傾向としては、現在配水能力規模が小さい方が若干高い傾向にあるが、配水能力別区分で見ると極小規模がもっとも比率が高く、これに小規模が続き、大規模が最も比率が低くなっている。
これは、比較的小規模な事業の方が流動資産及び流動負債それぞれの額は小さくなるが、支払い手段としての流動資産の額(または流動負債を差し引いた後の残額)は、規模に関わらず、ある程度の量が必要とされる(すなわち、規模が大きくなっても余裕資金の量はそれほど大きく増加しない)ためと考えられる。
流動比率・当座比率(団体別)
2.<安全性>
ここでは、自己資本構成比率により資本構成の安定度をみるとともに、固定資産対長期資本比率により設備投資の妥当性をみる。
(注) 自己資本金等は、団体別でのみ計上されているため、施設別区分の分析は行わない。
自己資本金+剰余金※1 自己資本構成比率(%)=――――――――――― ×100 負債・資本合計※2 固定資産 固定資産対長期資本比率(%)=――――――――――――――― ×100 固定負債+資本金+剰余金※1※1 NTT無利子貸付金は、借入資本金から控除し、剰余金中の資本剰余金(国庫補助金)に含めている。
区 分 | 自己資本構成比率 | 固定資産対長期資本比率 | ||||
16 | 17 | 18 | 16 | 17 | 18 | |
当 該 団 体 | ||||||
類似団体平均 | ||||||
全 国 平 均 | 54.3 | 56.3 | 57.3 | 93.0 | 92.3 | 92.4 |
B 県 | 28.8 | 30.4 | 32.3 | 73.9 | 77.9 | 76.5 |
【B県の分析】
B県の自己資本構成比率は32.3%と、全国平均57.3%と比べかなり低くなっている。これは、他会計借入金(借入資本金)の割合が高いことが要因といえる。今後は利益剰余金を処分し、減債積立金に積み立てた上で企業債の償還に充て、自己資本金に組み入れることにより自己資本の増強を図ることが、さらなる経営の安定化への方策と考えられる。
一方、固定資産対長期資本比率は76.5%で、全国平均を下回っており、平成13年度以降の5か年でみても下回っている。これにより、B県の当面の不良債務及び資金不足の発生はないものと考えられる。
【全体の傾向】
自己資本構成比率は、現在配水能力規模が大きな事業で低くなっている。
一方、固定資産対長期資本比率は、現在配水能力規模の大きい事業において高い傾向があるが、先の流動比率でみたとおり流動資産から流動負債を差し引いた後の残額は、現在配水能力規模の増加ほど大きくならないためである。
自己資本比率・固定資産対長期資本比率(団体別)