報道資料


平成16年7月28日
総務省


公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方
(公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会報告書のポイント)


  総務省では、平成15年11月から「公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会」(座長:能見善久東京大学教授)を開催(本年7月まで計8回開催)し、検討を行ってまいりましたが、このたび、報告書(参照)が取りまとめられましたので、公表します。


1 検討経緯
  景気低迷等に伴う会費、寄付金等収入の減少や、超低金利水準の継続に伴う財産運用収入の減少といった公益法人をめぐる環境の悪化。
  公益法人が、限られた資金、人員等の運営資源を最大限活用して、着実に公益活動を実施していくため、効率的な事業運営の必要性。
  公益法人制度の抜本的改革後の新たな非営利法人制度も視野。


2 報告書のポイント
  財団法人の基本財産について、その処分に際しての着眼点を財務の健全性、事業の継続性、手続の妥当性及びガバナンスの適正性の観点から改めて整理するとともに、基本財産の種類、運用方法と許可との関係といった運用に係る事項についても併せて整理を行うことにより、従来ともすれば不明確であった基本財産の処分等の取扱いについて明確化。
  内部留保については、法人の事業の目的や態様、財務状況により適正な内部留保の水準が異なるものと考えられるため、法人は、なぜ内部留保を有しているのか、どのような事業計画に基づき内部留保が必要となるのか、ということについて、法人関係者や潜在的受益者たる国民等に対して説明責任を果たすことが必要。

  自己評価の導入について、法人のガバナンス確保、自律的チェック機能の充実、事業の効果的・効率的な実施、事業の活性化及び法人のアピールの手段の観点から、公益法人における自己評価の実施を奨励。自己評価の内容は法人内部のガバナンスの充実強化等の観点を中心に考察し、自己評価の普及をめざすため、I1 公益法人の目的と実際の活動の関係、II2 公益法人の活動の活性化、III3 公益法人の適正な運営と透明性の確保、) IV4 公益法人の財務会計、V5 公益法人の組織管理 の5分類50項目から成るチェックリスト形式の「公益法人自己評価モデル」を提示。


3 報告書の取扱い 
  ○   本報告書については、所管官庁における指導監督や、公益法人の運営に当たって活用されることを期待。
  総務省としても各種研修会等の機会を利用し、周知に努める予定。
  特に本報告書において提示された「公益法人自己評価モデル」については、各法人が活用することを奨励。


参考)公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会メンバー
能見 善久(東京大学教授)
神田 秀樹(東京大学教授)
太田 達男(財団法人公益法人協会理事長)
亀岡 保夫(公認会計士)
渋谷 幸夫(公益法人運営コンサルタント)
玉國 文敏(中央大学教授)
  ※ ◎は座長、○は座長代理を示す。








参照


公益法人の効率的・自律的な事業運営の
在り方等に関する研究会


報告書




平成16年7月


公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会



目次(PDF)


はじめに
第一 基本財産をめぐる論点について
I1 基本財産に係る指導監督の現状について
  1.財産種別及び運用方法の制限について
  2.処分の制限について
  3.基本財産の規模について
II2 基本財産についての考え方の整理
  1.基本財産の処分に当たって留意すべき事項
  2.その他基本財産の取扱いに関して注意すべき事項

第二 内部留保の在り方について
I1 指導監督基準における規制
  1.指導監督基準の改正の経緯
  2.「内部留保」の定義
II2 現行基準に対する意見等
III3 「内部留保」に対する考え方の整理
  1.検討の視点
  2.内部留保に対する考え方の整理
IV4 諸外国における内部留保の取扱い
  1.米国の事例
  2.英国の事例
  3.ドイツの事例
V5 内部留保に対する規制の在り方
  1.内部留保に対する基本的考え方について
  2.内部留保に関する規制の在り方について
  3.内部留保に関する今後の検討課題について

第三 自己評価導入の検討について
I1 非営利組織の評価の現状
II2 自己評価の導入の必要性
  1.自己評価の意義
  2.自己評価の内容
  (別添)公益法人自己評価モデル

  付属資料


付属資料目次(PDF)


資料1  公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会
委員名簿
(PDF)

(第一 「基本財産をめぐる論点について」関係)

資料2 民法(抄)
資料3 財団法人に関する基本データ


(第二 「内部留保の在り方について」関係)

資料4 公益法人概況調査 記入要領、Q&A(抜粋)
資料5 「指導監督基準等」における内部留保及び情報公開について(抄)
資料6 米国における内部留保等に関する関連規定
資料7 英国チャリティ委員会によるガイダンス
資料8 ドイツ租税通則法関連資料


(第三 「自己評価導入の検討について」関係)

資料9 現在の非営利組織の評価の状況
資料10 立入検査検査票(チェックリスト)
      (「公益法人の指導監督体制の充実等について」別紙)

(第一〜第三共通)

資料11 「公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針」について