我が国の航空輸送は、産業活動の活発化、国民の生活水準の向上、経済社会の国際化の進展を背景として急速な発展を遂げ、平成10年度における航空旅客数は、国内線で約8,800万人、国際線で約4,600万人に達しているなど、航空輸送は国民の生活・経済活動に大きな役割を果たしている。
国は、航空の発達を図るため、直轄で空港を整備し、また、空港を整備する地方公共団体に対する補助を実施しているほか、空港の設置・管理主体として設立された法人に出資、貸付け等を行うことにより、空港の整備事業を推進している。このような中で、関西国際空港株式会社は、新東京国際空港公団とともに、空港の設置・管理を行う特殊法人として設立されたものである。
総務庁行政監察局は、特殊法人の財務の状況をより分かりやすく明らかにするとともに、各法人が担う事業や事務を、いわば経営分析的な観点から評価することを目的として、特殊法人の財務内容に関する調査を実施しており、平成11年5月には、新東京国際空港公団に関する調査結果を運輸省に通知し、公表しているところである。
本調査は、上記のような経緯にかんがみ、平成11年8月から実施している「空港の整備等に関する行政監察」の中で、特殊法人の財務内容に関する調査の一環として関西国際空港株式会社の財務状況について調査したものである。本調査においては、同社の収支の構造等を明らかにしつつ、その収支構造の背景となっている航空輸送需要の動向、債務性資金の償還状況等を検証し、今後の経営上の課題をつまびらかにしていくことを、財務分析とその評価の重点としている。
1 総合評価 | ||
2 総合評価チャート図 |