行政手続の公正及び透明性の確保に関する調査結果に基づく勧告

平成11年6月

総務庁


前書き

 我が国の行政運営については、21世紀に向けて、公正で透明な行政手続を確立し、国民に対しより開かれたものとしていくことが要請されている。
 こうした中で、行政手続法(平成5年法律第88号)は、我が国の行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、行政庁における処分、行政指導及び届出に関する手続について、申請に対する処分に係る審査基準や標準処理期間の設定、不利益処分に係る処分基準の設定その他の共通する事項を定める法律として制定され、平成6年10月1日に施行された。
 行政手続法の施行及び運用の状況について、総務庁行政管理局が、国及び特定の地方公共団体を対象に、平成7年以降実施している「行政手続法の施行状況に関する調査」の結果からみると、審査基準、標準処理期間及び処分基準が設定されている処分の割合は徐々に向上してきているが、国民に身近な行政庁である地方公共団体では、その割合は依然として低い傾向にある。
 また、行政手続法の一層の定着とその施行及び運用の改善を図るため、「行政改革プログラム」(平成8年12月25日閣議決定)等においても取り上げられているように、審査基準等の設定、審査基準の明確化や標準処理期間の短期化を含めた審査基準等の見直し、行政機関における行政手続法に関する職員研修の実施、「行政手続法の施行状況に関する調査」の充実、国民・事業者に対する同法の周知などを推進していくことが課題となっている。
 この調査は、これらの状況を踏まえ、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る観点から、各省庁のほか都道府県等関係行政庁における行政手続法の施行及び運用状況を調査し、関係行政の改善に資するため実施したものである。


目次

第1  行政手続法の運用実態

 行政手続法の施行及び運用に係る推進体制、取組状況

 審査基準、標準処理期間及び処分基準の設定及び公表の状況
(1)  審査基準
(2)  標準処理期間
(3)  処分基準

 処分に係る行政手続法の運用状況
(1)  申請に対する処分
(2)  申請に関連する行政指導
(3)  不利益処分
第2  改善を要する事項

 行政手続法の施行及び運用に係る推進体制、取組の充実

 審査基準等の設定・公表及び見直しの推進
(1)  審査基準等の設定の推進
(2)  審査基準等の内容の見直し
(3)  審査基準等の公表の推進

 行政手続法の趣旨の徹底
(1)  申請に対する処分
(2)  申請に関連する行政指導
(3)  不利益処分