国から地方への税源移譲 (三位一体の改革)

(1) 三位一体の改革と税源移譲
 
   国・地方ともに極めて厳しい財政事情の下、少子・高齢化の進展等により今後も更に多くのお金が必要となってくることが予想される中で、国民が安心して暮らせる活力のある地域社会をできる限り効果的・効率的に創っていくためには、地方公共団体が行う仕事について、自ら決定し、自らが責任を持つ体制を確立する必要があります。

  現在の地方財政の状況をみると、地方の歳入に占める地方税の収入の割合は3分の1前後に留まっており、地方の歳出規模と地方税の収入との乖離は、国庫補助負担金や地方交付税など、国から移転して受け入れるお金により補てんせざるを得ない状態が続いています。また、国と地方の歳出の規模を比較すると、おおむね4:6であるのに対して、国民が負担した税金を国と地方へそれぞれ分配していくうえでは、6:4と逆転しています。その結果、地方公共団体の行政サービスに対する住民の受益と負担との対応関係が不明確となり、国庫補助負担金などを通じた国の地方への種々の関与と相まって、コスト意識が希薄となりがちな行財政活動につながる恐れがあります。

  そのため、この地方における歳出規模と地方税の収入との乖離をできる限り縮小するという観点に立って地方税の充実確保を図ることが重要です。すなわち、歳出の徹底した見直し、削減等に努めた上でなお必要な額については、極力、自主財源である地方税の充実強化により賄うこととすれば、受益と負担の対応関係が明確となり、住民の選択による財政の自己規律の向上や、運営面での効率化が図られやすくなると考えられます。

  「三位一体の改革」とは、「地方にできることは地方に」という理念の下、国の関与を縮小し、地方の権限・責任を拡大して、地方分権を一層推進することを目指し、国庫補助負担金改革、税源移譲、地方交付税の見直しの3つを一体として行う改革です。
  このうち、税源移譲とは、納税者(国民)が国へ納める税(国税)を減らし、都道府県や市町村に納める税(地方税)を増やすことで、国から地方へ税源を移すことです。
  累次の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」や「三位一体の改革について」(平成171130日政府・与党合意)などの決定を経て、平成18年度税制改正において、国から地方へ、3兆円の税源移譲が実現することとなりました。

  なお、三位一体の改革について詳しくは、下記を参照してください。
      ・ 三位一体の改革の成果(PDF)
      ・ 三位一体の改革について(平成171130日 政府・与党合意)(PDF)




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