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2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会(第1回)

平成18年2月22日(水)

【岡ア地域放送課長】  それではただいまから、2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会第1回会合を開催いたします。
 構成員の皆様方には、ご多忙のところご出席いただき、ありがとうございます。
 座長が決まるまでの間、私、総務省情報通信政策局地域放送課長の岡アが議事の進行を進めさせていただきます。
 まず、本研究会の開催者であります総務省政策統括官の清水より、ごあいさつをさせていただきます。
【清水政策統括官】  政策統括官の清水でございます。お忙しい中で今回の2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会第1回会合にお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。平素、いろいろと放送行政について格段のご支援をいただきまして、大変ありがとうございます。この場をかりましてお礼を申し上げたいと思っております。
 ケーブルテレビジョンのあり方というのが、やはりこれから大きく実は問われると思っております。地上波のほうは、デジタル化の話がメーンの話となって進んでいるわけです。デジタル化に向けて、もう10何年の取り組みで、やっと今2011年が最終になって進む。今、覚えておりますけれども、私、あの当時、放送政策課長というのをやっておりまして、デジタル化というのを江川晃正局長とやり出した途端、非難の渦でした。でも、その時代、私は、デジタル化に大きな転換をしたというのが、まだ日本がデジタルの時代において放送分野で遅れないで済んでいるきっかけだったと思っております。
 今、デジタルについて進展していて、私は、このデジタルが100年、200年、デジタル波というのがもつのかというと、正直、それだけではないだろうと思っております。IP時代にどういう変化が起きるのかはこれからの大きな課題です。
 一方、このケーブルテレビのほうが、やはり同じような大きなうねりの中で議論がされていかなければならないのではないかと思います。こういう表現をしたら申しわけないのですけれども、ケーブルテレビの事業者の方というのは大変ご苦労をされている面がある。昔でいったら徳川家康の松平家時代になるのでしょうね。いろいろなところでいろいろな分野で攻められ、自ら攻めるにしてもなかなかつらい、武器がない。しかし、地道にずっと努力を積み重ねてきておられる。これが大きく花開くのか、それともこの苦労がずっと続くのか。今、やはりこのケーブルのあり方をどうしていくのか、大きく考えなければいけないと思います。
 ビデオ・オン・デマンドサービスとの競争だとか、海外での取り組みだとか、いろいろなものがあります。IPテレビの問題もありますし。最近取り上げられておりますように、著作権上でIPの扱い、これはCATVにもこの後大きく影響してくるのだろうと思います。そういうようなものを含めてもろもろ考えなければいけない。経営形態の形も、集中型になってみたり、都市型、農村型、受信障害型など、いろいろなものがたくさんある中で、どういう形で行くのか、将来ビジョンの検討をしなければ、この業界においても発展性が出てこないのではなかろうかと思います。
 ビジョンの検討は大変骨の折れる話ですし、前のデジタル化のときみたいに非難が集中するというような研究会ではないと思いますが、実際上、苦労をしながらどういう成果を上げていくか、大きな方向性あるいは見通し、そういうようなところをご議論賜れば、この後、何年かたった時点で、あのときにやはりこの方向を打ち出してよかった、その方向に乗るということでよかったと言うことができるのだろうと思います。将来の担い手の一人として引き続き大きな役割を今まで以上に持っていただけるのかどうか、そちらのほうを私は期待しておりますが、ぜひ今回、活発なご議論を期待申し上げまして、簡単ではございますけれども、あいさつとさせていただきます。よろしくどうぞお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】 
 次に、本研究会の事務局より本日の配布資料の確認をさせていただきます。
 資料は、座席表、議事次第のほか、資料番号1−1から1−5の5点でございます。
 1−1は、「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」開催要綱(案)、1−2は、研究会の公開(案)、1−3はケーブルテレビの現状、1−4は検討事項について(案)、1−5は今後の進め方について(案)でございます。資料の不足等ありましたら、事務局にお申し出ください。よろしいでしょうか。
 それでは、本日ご出席されている構成員の方々に簡単に自己紹介をお願いしたいと思います。恐縮ですが、30秒以内でお願いしたいと思います。50音順で、石橋構成員のほうから順番にお願いします。
【石橋構成員】  石橋でございます。日本ケーブルテレビ連盟の専務理事をやっております。よろしくお願いします。
【岡ア地域放送課長】  大塚構成員、お願いします。
【大塚構成員】  日本CATV技術協会の大塚でございます。私どもの技術協会は、ケーブルテレビ関係のメーカーさん、施工業者、約700社から成っております社団でございまして、ケーブルテレビ技術の調査とか標準化といったことをやっているところです。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  音構成員、お願いします。
【音構成員】  上智大学の音でございます。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  後藤構成員、お願いします。
【後藤構成員】  早稲田大学理工学部の後藤滋樹でございます。私は、基本的にはコンピューター屋でございます。最近、ネットワークをやっておりまして、最近、自分の中で一番時間を使っているのは、アジア地域の研究ネットワークの調整等でございます。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  清水構成員、お願いします。
【清水構成員】  東京電力の清水でございます。私は、情報通信事業部におりまして、東京電力並びにケーブルを含めます事業子会社の情報通信事業の全般について見ている立場でございます。
 通信並びに電力の自由化をする中で、インフラを地道にやっていれば利益が出るというような形になかなかならない状況がある中で、今後どんなふうにしようかと日々いろいろ検討しているわけですけれども、やはりサービスコンテンツというのも非常に大事なのですけれども、車の両輪ではないのですけれども、やはり安心安全なインフラというのも世の中にうまく展開できるような、両輪が回るような形での事業展開がいけばいいなということで、この中でも勉強をぜひさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  多賀谷構成員、お願いします。
【多賀谷構成員】  千葉大学の多賀谷と申します。専門は、行政法と情報通信法です。よろしくお願いします。
【岡ア地域放送課長】  竹岡構成員、お願いします。
【竹岡構成員】  衛星放送協会の副会長を務めております竹岡でございます。私ども衛星放送協会は、ケーブルテレビの各局に番組を供給している番組事業者で主として構成をしております。あと、多チャンネル事業等々の事業者でございます。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  寺坂構成員、お願いします。
【寺坂構成員】  おはようございます。鳥取県の情報政策課長をしています寺坂と申します。自治体の視点からいろいろな議論に参加させていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  中村構成員、お願いします。
【中村構成員】  日本ケーブルラボの所長の中村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ラボでは、ケーブルテレビ事業者のヘッドエンドから、端末、STBに至るまでのスペックの標準化等の事業をやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  望月構成員、お願いします。
【望月構成員】  NHKの総合企画室・経営計画の局長をしております望月と申します。NHKでは先日、平成18年度から3年間の経営計画を発表いたしました。その中で、厳しい財政状況下でも地上デジタル放送の設備整備を最優先しますと書きました。2011年放送の完全デジタル化のためには、ケーブルテレビ局のご協力が不可欠と考えております。この会でもNHKとしても積極的に提言していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  森構成員、お願いします。
【森構成員】  日本民間放送連盟の常務理事兼研究所長をいたしております森と申します。我が国のケーブルテレビも、地上波のデジタル化が進む2011年ごろには都市型ケーブルテレビもおそらく50%を超えるくらいの状況までなろうということで、地上波のデジタル化の進展とケーブルのデジタル化の進展も無視できない重要なファクターになりつつあるという認識であります。あわせまして、昨今のIPマルチキャスト等の通信事業者による放送との連携、融合問題も大きなテーマでありますので、当研究会におきましても非常に関心を持って議論に参加させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  森田構成員、お願いします。
【森田構成員】  KDDIの森田と申します。よろしくお願いいたします。通信事業者なのですけれども、役務利用放送事業者でもございますので、よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  山口構成員、お願いします。
【山口構成員】  福島県西会津町長、山口博續であります。全国有線テレビ協議会会長を務めさせていただいております。
【岡ア地域放送課長】  山下構成員、お願いします。
【山下構成員】  明海大学の山下東子と申します。大学では産業組織論という科目で、私の専門は、情報通信産業を例に市場の競争条件等について研究しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  ありがとうございました。
 本日はご欠席されておりますが、東京大学法学部の山本隆司先生にも次回からご参加をいただくことになっておりますので、山本先生には次回ごあいさつをいただきたいと思います。
 次に、総務省側の出席者を紹介させていただきます。
 先ほどあいさついただきました清水政策統括官です。
 それから河野審議官です。
【河野大臣官房審議官】  審議官の河野でございます。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  南放送政策課長です。
【南放送政策課長】  放送政策課長でございます。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  大内放送技術課企画官です。
【大内放送技術課技術企画官】  大内でございます。よろしくお願いします。
【岡ア地域放送課長】  今林衛星放送課長です。
【今林衛星放送課長】  今林でございます。よろしくお願いします。
【岡ア地域放送課長】  こちら側に来まして、私、事務局をやっております地域放送課の岡アでございます。
 隣が、波多野企画官です。
【波多野地域放送課企画官】  波多野です。お願いします。
【岡ア地域放送課長】  本間企画官でございます。
【本間地域放送課技術企画官】  本間でございます。よろしくお願いいたします。
【岡ア地域放送課長】  梅村課長補佐です。
【梅村地域放送課課長補佐】  梅村でございます。よろしくお願いします。
【岡ア地域放送課長】  それでは、引き続きまして、まずお手元の資料1−1「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会開催要綱(案)」についてご説明を申し上げます。お配りしております資料1−1に沿って読み上げさせていただきます。
 「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」開催要綱(案)。
 1.背景・目的。
 我が国のケーブルテレビは、発足から50年を迎え、最近では多チャンネル放送、地域に密着したコミュニティチャンネルに加え、インターネットサービス、IP電話等をはじめとした新しいサービスを提供する事業者も現れている。その加入世帯数は約1,838万世帯、全国世帯の約37%(平成17年9月末)にも上っており、ケーブルテレビは地域に密着した重要な情報通信基盤の1つとして、順調な発展を遂げてきているところである。
 しかしながら、ケーブルテレビを取り巻く環境は、ICT分野の急速な技術革新を背景とした、放送のデジタル化、ブロードバンド化の進展による通信事業者等との競争の激化のほか、市町村合併の進展など、昨今著しく変化しており、対応すべき課題が顕在化しつつある状況にある。
 こうした状況を踏まえ、2010年以降を見据えたケーブルテレビの在り方、今後の課題の整理及びケーブルテレビの発展に向けた総合的方策の議論を行うことを目的として本研究会を開催する。
 2.名称。
 本会の名称は、「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」とする。
 3.検討事項。
 (1)ケーブルテレビの現状。
 (2)ケーブルテレビを取り巻く国内外の動向。
 (3)ケーブルテレビを巡る諸課題。
 (4)2010年代のケーブルテレビの役割。
 (5)ケーブルテレビの発展に向けた総合的方策。
 4.構成・運営。
 (1)本会は、総務省政策統括官(情報通信担当)の研究会として開催する。
 (2)本会の構成員は、別紙のとおりとする。
 (3)本会には、座長及び座長代理を置く。
 (4)座長は、本会を招集し、主宰する。
 (5)座長は、研究会構成員の互選により定め、座長代理は座長が指名する。
 (6)座長代理は、座長を補佐し、座長不在のときは、座長に代わって本会を招集し、主宰する。
 (7)座長は、必要に応じ外部の関係者の出席を求め、意見を聞くことができる。
 (8)座長は、研究会の効率的・効果的な運営を図るため、幹事会を設置することができる。
 (9)座長は、上記の他、本会の運営に必要な事項を定める。
 5.開催期間。
 本会の開催期間は、平成18年2月から1年程度を目処とする。なお、必要に応じて中間とりまとめを行うこととする。
 6.庶務。
 本会の庶務は、総務省情報通信政策局地域放送課が行う。
 別紙、構成員名簿は省略させていただきます。
 これにつきまして、何かご意見がございますでしょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。それでは、ただいま読み上げさせていただきました案のとおり開催要綱を決定するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【岡ア地域放送課長】  ありがとうございます。それでは、ただいま決定されました開催要綱に基づきまして、まず座長をお選びいただきたいと思います。
 皆様の互選ということでありますが、事務局としては、多賀谷先生に座長をお願いしてはと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【岡ア地域放送課長】  それでは、この後の議事の進行につきましては、多賀谷先生にお願いをしたいと思います。座長席へお移りいただきたいと思います。
(多賀谷座長、座長席へ移動)
【多賀谷座長】  ただいまご推挙いただきました千葉大学の多賀谷と申します。ご指名でありますので、座長を引き受けさせていただきます。
 この開催要綱では、座長は互選によると書いてあるのですが、何やら新聞にはもう勝手に出て、ちょっとおかしいのですけれども、まあ、学識経験者の中では私はやはり一番年長の方だと思います。それに免じて座長を務めさせていただきたいと思います。
 何か話さなければいけないのですが、ケーブルテレビの問題については、常にタッチしているわけではありませんけれども、五、六年に1回くらいずつ、関与したことがあります。それから、昔、清水さんが課長だったころに、確かに放送のデジタル化の話についても、そのときに立ち会った者であります。
 ケーブルテレビについては、日本的な特殊性があるなという印象と、それから、そういうことを言っては申しわけないですけれども、意外に頑張っているなといいますか、どんどん利用者が増えているなという印象を持っておりました。ただ今回、岡アさんのほうからこれを引き受けてくれと言われたときに、なぜこのケーブルテレビの研究会をこの段階でやるのかというのが最初はわからなかったわけですけれども、よく考えてみますと、やはりこの段階でこういう研究会をやるというのはそれなりの意味があるのだということを考えました。
 1つは、先ほど来お話があるように、2011年に向けてデジタル化があと5年を切っている状況なわけです。また、IPマルチキャストというような形で、新しい通信と放送の中間的なシステムというものが登場しつつあるわけです。ご存じのように、今現在、通信・放送の在り方についての研究会というものが大臣懇談会という形で行われている。その結論がどうなるのか、これも総務省も含めて皆さんまだ全然わからないといいますか、何ら結論が出ないということは多分ない、何らかの議論が出てくるだろう。そして、多分その話は、おそらくケーブルテレビの将来にもやはりかなりかかわってくるだろう。
 この研究会はこれから1年間続きますけれども、その間にその大臣懇の結論というものが見えてくるだろう。そういう大臣懇の方向あるいは議論を受けて、そしてIPマルチキャストとかデジタル化、デジタル放送の流れを受けて、その中でケーブルテレビはこれから2011年に向けてどのように進んでいくかということを関係者で議論していかなければいけない。あるいはそれについて方針を、定めることについてこの研究会でお手伝いをする、そういう意義があるだろうと思います。そういう意味で、皆様とともにこの研究会に参加したいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは次に、本研究会の開催要綱に従いまして、座長代理ですけれども、開催要綱によれば、私から指名させていただくことになっております。これについては、私と同じくどちらかというと古株で、いつもいらっしゃる後藤先生にお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【多賀谷座長】  それでは、よろしくお願いいたします。
(後藤座長代理、座長代理席へ移動)
【後藤座長代理】  後藤でございます。私は、技術のほうというふうに申し上げましたが、先ほど来申し上げましたように、この場において私が技術と言うと、お前はわかってないというふうに言われるのではないかと思います。今までケーブルテレビに関しては、FTTH、すなわち各家庭でありますとか集合住宅の入り口まで引くときの技術基準について少しお手伝いし、そのときも委員の皆様にいろいろ教えていただいてやってきたという経緯がございます。
 そういうぐあいでありますが、このたびは座長の多賀谷先生から、後藤、もう少し勉強しなさいというふうなことだと思いますので、引き受けさせていただきたいと思います。ついては、委員の皆様方にはご指導よろしくお願いしたいと思います。また、事務局の方々のご協力を仰ぐ場面が多いかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【多賀谷座長】  よろしくお願いします。
 それでは次に、研究会の公開につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【梅村地域放送課課長補佐】  それでは、梅村のほうから読み上げさせていただきます。資料1−2でございます。
 研究会の公開について。
 1.会議について。
 本研究会の会議は、原則として公開とする。
 ただし、公開することにより、当事者又は第三者の権利及び利益並びに公共の利益を害するおそれがある場合、構成員間の率直な意見の交換が損なわれるおそれがある場合その他座長が必要と認める場合については、非公開とする。
 2.会議で使用した資料について。
 (1)取扱い。
 本研究会の会議で使用した資料については、原則として公開とする。
 ただし、公開することにより当事者又は第三者の権利及び利益並びに公共の利益を害するおそれがあるもの、非公開の会議で使用したものその他座長が必要と認めるものについては、非公開とする。
 (2)公開の方法。
 一般のアクセスが可能な総務省のホームページに掲載し、公開する。
 3.議事録及び議事要旨について。
 (1)取扱い。
 本研究会の会議については、原則として、議事録を作成し、公開する。
 ただし、非公開の会議のものその他座長が必要と認めるものについては、議事録を非公開とする。又、総務省情報通信政策局地域放送課は議事要旨を速やかに作成し、座長の承認を得て公開する。
 (2)公開の方法。
 一般のアクセスが可能な総務省のホームページに掲載し、公開する。
 以上でございます。
【多賀谷座長】  以上の研究会の公開についての事務局の説明について、何かご意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、本研究会の議事の取り扱いとしましては、原案のとおりとさせていただきたいと思います。
 続きまして、早速議題に入りたいと思います。
 本日は、事務局より、ケーブルテレビの現状、検討項目及び今後の進め方についてご説明いただいた後に、構成員の皆様でこれらについてご議論いただきたいと思います。
 まずは、ケーブルテレビの現状について、事務局からご説明お願いします。
【梅村地域放送課課長補佐】  それでは、資料3に沿って説明させていただきます。資料が大部にわたるものでございますので、ポイントを絞って説明させていただきます。
 1ページ目でございます。この資料は5段編成で構成しております。
 まずはケーブルテレビの概況でございます。
 3ページをお願いいたします。ケーブルテレビの変遷でございます。我が国のケーブルテレビは発足から50年ということで、最初は1955年、群馬県伊香保で地上波の再送信として始まりましたが、現在、様々なサービスを提供してございます。そういった経緯をまとめているものでございます。
 4ページに参ります。ケーブルテレビの加入世帯数、普及率の推移をまとめてございます。下のグラフのトレンドに見えますように、ケーブルテレビの加入世帯数は年々着実に増加をしているところでございます。2005年3月末には1,788万世帯ということでございまして、普及率は全世帯の36%になっているということでございます。また、このデータは自主放送を行っている許可施設、許可施設と申しますのは、500端子以上の施設というふうにお考えいただければと思います。
 5ページでございます。その許可施設数と許可施設に関する事業者の推移を示したものでございます。平成16年度末で申しますと、718施設、547事業者となっております。有線テレビジョンに関しましては、有テレ法の規律を受けることになっておりますけれども、施設設置についての許可ということになってございますので、1事業者でも2つの施設を持つという場合がございます。ということで、施設数と事業者の数が合っていないということでございます。
 6ページに参ります。共同受信施設の概要でございます。いわゆる共聴施設でございますが、広い意味でのケーブルテレビという中には、これら共聴施設も入ってくるというふうにとらえられます。この類型として3つ挙げておりますが、1つ目は都市受信障害対策の施設。2つ目は辺地難視聴対策施設、こちらは放送電波が山や丘陵によって遮られるものに対してのものでございます。3つ目が集合住宅共同受信施設、こちらはマンション等で共同アンテナを屋上に立てて、各室に放送電波を分配するというようなものでございます。
 7ページに参ります。共同受信施設のうち、数値データが明確にとらえられるものにつきまして推移をあらわしております。1つ目は都市受信障害の対策施設でございます。1994年からのデータを見ますと、最初のうちは伸びてきておりますが、最近は横ばいといった状況でございます。辺地難視聴施設でございますが、こちらは横ばいからやや下降ぎみとなっております。世帯数のところ、2004年の一番下のところをごらんいただくとわかりますように、約800万世帯で、この共同受信施設によりましてケーブルテレビを受信しているということでございます。
 8ページに参ります。ケーブルテレビ事業者の事業が多角化しているという中で、通信サービスの位置づけが非常に大きくなっております。ケーブルテレビインターネットを提供している事業者数は380社、利用者数は順調に増加してきておりまして、312万世帯が加入しているということでございます。また、括弧書きで書いてございますが、IP電話サービスを提供している事業者は91社ということでございます。
 9ページに参りまして、ケーブルテレビ事業者の経営状況でございます。ケーブルテレビ事業者の経営状況というのは、堅調に推移しているというふうに申し上げられると思います。一番下のグラフをごらんいただきたいと思いますが、こちらは、単年度の黒字事業者数及び割合の推移ということでまとめてございます。平成12年度は63%であったものが、平成16年度には81%ということで、こちらは許可施設のうちの営利法人310社について調べているものでございますが、経営は改善の傾向に向かっているということでございます。
 また、ケーブルテレビ事業者のうち、ケーブルテレビ事業に特化した収支状況について、10ページに書いてございます。平成14年度からこの赤の部分がゼロより上のほうに出ていると思いますが、ここで黒字に転換しているということでございます。
 続きまして11ページでございます。これは過去5年間の経営状況をまとめているものでございます。下の表を見ていただきたいのですが、平成12年度におきましては、この一番上の単赤・累赤の割合というのが全体の41%ということで、一番多いカテゴリーになってございます。それが平成131415を見ますと、3つ目の段にあります単黒・累赤、単年度黒字だけれども累積赤字がある、こういった分類が非常に割合が高くなっております。そして平成16年度になりますと、微妙ではありますが、一番下の単年度黒字・累積黒字の事業者数というのが一番多いカテゴリーになってきているということでございまして、ここ5年を見ますと、過去の累積赤字を単年度黒字で解消しつつある状況にあるというふうに言えるかと思います。
 12ページでございます。開局後の経過年数と経営状況でございます。こちらは、上の囲みの3つ目のポツのところにございますように、開局後10年以上の事業者になりますと、ようやく単年度黒字と累積黒字になるということで、ケーブルテレビが装置産業であるということをよく示しているデータであるかと思います。
 13ページに参ります。ケーブルテレビの経営見通しでございます。こちらは、今年の2月10日に発表になりました通信産業動態調査、総務省の調査でございますが、こちらの結果をまとめてございます。上の図に関しましては、左側にありますように、売上高の見通し指数の推移でございます。下の図は、業況、つまり業界の景気に関しての見通しの指数でございます。この指数といいますのは、左側の括弧にも書いてありますように、増加すると判断した事業者の割合から減少すると判断した事業者の割合を引いているものでございます。これがプラスになりますと、今後の売上高、あるいは業況を楽観的に見ているということになります。今回の調査分というのは、右側のほうに書いてございますが、17年度の第4・四半期、18年度の第1・四半期で数字が出てございます。18年度の第1・四半期、一番右のところの売上高、上の図で見ますと、緑のケーブルテレビ事業というのは33.3ポイントになっています。ちなみに、電気通信事業は28.2ポイントでございまして、赤い色の放送事業、これは地上放送に衛星、ラジオ等も含んでございますが、9.7ポイントとなっておりまして、また、この全産業のデータというのは、内閣府で出ているものは、参考までに申し上げますと、5.2というふうになっておりますので、比較的放送業界は、プラスにとらえているということが言えるかと思います。また、ケーブルテレビ事業が民間放送事業を上回って見通しをとらえているというところが特徴的だと思います。
 14ページに参ります。放送メディアの市場規模でございます。こちらは参考までにお示ししたものでございますが、放送メディア全体の収入を合計しますと約4兆円ということで、ケーブルテレビ事業は、そのうち約9%の3,533億円という位置づけになってございます。
 続きまして、II2章のケーブルテレビに関する制度をご説明いたしたいと思います。
 16ページでございますが、ケーブルテレビに関する法律一覧ということでまとめております。ケーブルテレビというふうに書いておりますが、これは有線放送に関する法律を簡略化してまとめているものでございます。この絵の左上のところにございますように、有線を用いてテレビジョン放送を行う場合は、自ら施設を設置する場合は有線テレビジョン放送法の規律を受ける。その右にございますように、他者の施設、他者の電気通信役務を利用する場合につきましては、電気通信役務利用法の規律を受けるということになってございます。有テレ法の場合は、自ら施設を設置するということで、当然ながら、業務側の規律のほか、施設側の規律も受けるということになっております。また、電気通信役務利用放送法については、主に業務側の規律になってございますが、電気通信役務を借りる先の事業者というのは電気通信事業になりますので、電気通信事業法の規律を受けるということになっています。また、このテレビ、ラジオ、有線でやるものを含めまして、有線電気通信設備を用いて行うということで、有線電気通信に関する一般法とも言えます有線電気通信法の規律は広くかかってくるという絵になっております。
 次のページに参ります。そのうち有テレ法の概要をまとめたものでございます。1つ目の○でございますが、昭和47年に制定、昭和48年1月から施行されているというものでございます。2つ目の○のところにございますが、一定規模を超える有線テレビジョン放送施設、ここで※がございますが、引込端子数が500端子を超える施設のことを指しております。それを設置して、有線テレビジョン放送を行おうとする場合、施設の設置について総務大臣の許可を必要として、設備側について規律をしている。また、その有線テレビジョン業務を行おうとする場合は、総務大臣への届出を必要としていまして、別途、業務側について規律があるということでございます。
 2番の具体的な規律のところをごらんいただきたいと思いますが、施設側の規律ということでいいますと、施設の設置・変更に関して総務大臣の許可が必要ということでございます。また、有テレ放送のために設けられました技術基準への適合、設備を適合するように維持するという義務がかかってございます。また、チャンネルリースを求められた際の提供義務といったものもございます。
 業務側の規律でございますが、業務を行う場合については、総務大臣への届出が必要になるということでございます。また、テレビジョン放送の受信障害が相当範囲にわたる地域で有テレ放送を行うという場合、この場合は総務大臣の指定が必要になるわけですが、その場合、当該放送の再送信を義務づけるという規定がございます。ただ、※3にございますように、これまで義務づけされた例はないということでございます。また、3つ目のポツでございますが、再送信同意の制度、あるいは大臣裁定制度、これは後ほど説明いたしますが、そういったものもございますし、業務区域内での役務提供義務、あるいは番組準則、放送番組審議機関等放送法の関連規定の準用といったものがございます。
 続いて、電気通信役務利用放送法の概要でございます。1つ目の○のところにございますように、通信と放送の伝送路の融合の進展に対応して、ケーブルテレビ等の設備利用の規制緩和を行うことを目的として平成13年6月に制定されまして、14年1月から施行されたものでございます。2つ目の○の下のほうにありますように、登録を受ければ、ハードの全部または一部を自ら設置することなく、電気通信事業者の設備を利用して放送を行うことが可能となったというものでございます。
 2の法の施行の状況でございますが、1712月末現在で、ケーブルテレビ関係につきましては16事業者が登録を行ってございます。電気通信役務利用放送に関しては、衛星関係もございますので、そちらは40事業者強の登録が行われているということでございます。
 この16事業者の内訳でございますが、従来のケーブルテレビの伝送方式を用いて放送を行うケースと、 2)の新たな放送伝送方式、ここはIPマルチキャスト方式を指しますが、そういったケースの2通りがございまして、上の従来のケーブルテレビの方式の場合は、有テレ放送からの移行事業者というのもございますし、これが10社でございます。全く新しくこういう事業を始めた、オプティキャストさんですとかSTNetさんというのがありますが、こういう事業者もございます。また、IPマルチキャストに関しては、4事業者がこの電気通信役務利用放送法の登録を受けているということでございます。
 19ページに参ります。平成5年以降の制度改正の概要について、有テレ法を中心にまとめたものでございます。 1)の地元事業者要件の廃止、サービス区域制限の緩和であったり、 2)の外資規制の緩和・撤廃、 4)の一本化調整指導の廃止、こういったことを行ってきてございまして、最近では、 9)にございますように、FTTHを用いた有テレ施設に関する規定というものも整備してございます。
 20ページからは、ケーブルテレビを取り巻く昨今の環境変化でございます。第I1章ではケーブルテレビの概況が比較的よい状況にあるということでございますが、こちらでは、周辺の環境は大きく変化しているというものを幾つか示してございます。
 1つ目が競争の激化ということでございまして、21ページにありますように、まずケーブルテレビの中でもブロードバンドサービスというものは非常に競争が激しくなっております。当初は、ケーブルインターネットがブロードバンドを牽引しているということで、図でいいますと、青い線が多かったわけですが、その後、DSLが普及しまして、最近ではFTTHの伸びが顕著になってございます。ちょっとグラフが見にくいのですが、2005年、昨年6月に光ファイバー、FTTHがケーブルインターネットの利用者数を抜いたという状況になってございます。
 22ページはサービス比較ですので、説明は割愛させていただきます。
 23ページでございますが、ケーブルテレビの放送サービス、多チャンネルサービスについてもさまざまな競合が起こっているということを示しているものでございます。こちらは、放送が始まって以来の、1地域で、ここは具体的には東京を想定しておりますが、そのエリアで見られるチャンネル数というものを機械的に積み上げているというものでございます。当然ながら、ケーブルテレビのチャンネル、CSのチャンネル、こういったところで重複があるものでございます。ここで申し上げたいことは、放送メディア間においても競合が進んでいますし、チャンネル間でも競合が進んでいるということでございます。
 次のページに参りまして、エリア間での競争と申しましたが、同じケーブルテレビと呼ばれる業態の中でも、既存の有テレ事業者と電気通信役務利用放送事業者の間の競合が始まっているということでございます。こちらでご注目いただきたいのは、下の図の一番右側の参入というところの※でございます。この※は、新規参入事業者をあらわすものでございまして、具体的な事業者名で見ますと、ビー・ビー・ケーブルさん、KDDIさん、オンラインティーヴィさん、アイキャストさん、この辺はIPマルチキャスト方式での参入になってございます。また、オプティキャストさん、STNetさんは従来方式でございますが、特徴として言えますことは、IPマルチキャスト方式というのは非常に全国的に参入をしてくるというものでございます。また、オプティキャストさんも東京23区、大阪府、大阪市等、各地で広域的に展開しているということでございまして、確実にケーブルテレビ事業者間での競争というのも増えているという状況でございます。
 25ページは、そのうちIPマルチキャスト放送と呼ばれるものについて特出ししている資料でございます。サービスの概要を簡単にまとめてございますが、ベーシックチャンネル、無料チャンネル、アラカルト、そういったものを用意した放送サービスと、あと、括弧で書いてございますが、VODサービスも提供しているということでございます。この放送の中には地上波のチャンネルというのは含まれてございません。
 次のページに参りまして26ページでございます。先ほど、座長からもお話がございましたけれども、著作権法における放送と自動公衆送信、この辺の関係について整理したものでございます。ここら辺は大臣懇ですとか政府の知財本部の間でも議論がされているというところでございます。説明は割愛させていただきます。
 27ページでございます。こちらは、放送以外、ケーブルテレビ以外のコンテンツ配信事業ともケーブルテレビというのが競合しているということを示しているものでございます。こちらの表は、放送に当たるもの、当たらないものを一緒くたにまとめてございますが、今まで出てこなかったものでいいますと、例えばNTTコミュニケーションズのOCNシアターであったり、ヤフーさんのテレビバンク、あるいはUSENGyaO、あるいはフジテレビさん、日本テレビさん等の放送事業者が行うサービス、こういったものでVODの放送コンテンツ配信というのが進んでいる状況を示しております。こういった事業につきましては、テレビの視聴時間、4時間強と言われていますが、あとインターネットの利用時間であります30分程度、この視聴時間を奪い合うという意味でいいますと、競合をしているというふうに言えると思います。
 28ページに参りまして、こちらは、いわゆるトリプルプレイサービスの現状についてまとめたものでございます。上のところのサービス名の横にありますように、電話サービス、インターネット接続サービス、映像配信サービス、この3つを一体的に提供する事業者のことをトリプルプレイサービスと呼んでおりますが、最近ではそれに無線関係の、携帯等のサービスを含めまして、グランドスラムあるいはクワトロプレイといったりしておりますけれども、こういった事業者があらわれております。こちらはグループ的にいいますとNTT系、KDDI系、ヤフー系、ジェイコム等のケーブルテレビ会社系の主体がございます。
 29ページに参りまして、環境変化の2つ目でございますが、地上放送のデジタル化でございます。30ページは、放送メディア全体としてデジタル化が進みつつあるという状況を示してございます。
 31ページでございますが、こちらは地上放送のデジタル化のスケジュールということで書いてございます。2011年にアナログ放送を終了してデジタル放送に全面移行するというスケジュールで取り組みがされております。
 32ページでございます。こちらは情報通信審議会第2次中間答申、昨年7月29日に出されたものの骨子でございます。地デジの全面移行ミッションの確実な実現に向けてということで、大きなポイントは、1の中継局整備の全体像の明確化というところにあったわけですが、2のIPマルチキャストによる地上波デジタル再送信というものは非常にケーブルテレビ事業者の反響が大きかったところでございます。地デジの補完手段としまして、IPマルチキャストというものの検討も必要だという指摘がされておりまして、現在、実証実験を進めているというところでございます。
 33ページでございます。こちらは、地上放送のデジタル化の状況を示したものでございます。直接受信で2,840万世帯が可能、ケーブルテレビ経由で1,230万世帯が可能という状況になってございます。
 34ページにつきましては割愛させていただきます。
 35ページからは、環境変化の3つ目でございまして、国のICT戦略というものを書いてございます。
 36ページでございますが、2001年に施行されましたIT基本法に基づきまして、IT戦略本部が設置されまして、そこで3つほど戦略がつくられてきたということでございます。一番最近で申しますと、2006年1月にIT新改革戦略というものが設けられまして、これはユビキタスネットワーク社会の実現を目指すものになってございます。目標としましては、世界のIT革命を先導するフロントランナーに我が国がなっていこうというものでございます。
 37ページにその戦略の概要が書いてございますが、右側のIT基盤の整備の2つ目にございますデジタル・ディバイドのないインフラ整備というものが指摘されてございます。この詳細については38ページに記述しておりまして、一番上になりますが、ブロードバンド基盤の全国整備というとで、現状としまして、ブロードバンド・ゼロ地域、ブロードバンドのサービスが享受できない地域の世帯数というのが345万世帯ある、これを2010年までに解消していこうということで目標が出されております。こういった観点ではケーブルテレビ事業者の重要性というものは増大しているというふうに言えるかと思います。
 39ページ、40ページについては、省略させていただきます。
 環境変化の4つ目でございますが、市町村合併の進展でございます。
 地方分権の推進、広域的な行政需要の拡大等を背景としまして、市町村合併が進んできてございます。市町村数は、11年3月末に3,232あったものが、18年2月13日でいいますと2,012に減ってございます。市町村合併とケーブルテレビの関連について絵で書いてございますが、いずれにせよ、ケーブルテレビがこういう市町村合併に関連することが少なくないということでございます。
 次に参りまして、第IV4章ケーブルテレビ事業者の動向でございます。今申し上げたような環境が変化しつつあるのを受けまして、ケーブルテレビ事業者で取り組まれているものにつきまして説明させていただきます。
 1つ目が地上デジタル放送への対応ということでございます。こちらの四角の囲みにかいてございますように、最終普及目標としまして、2011年初頭までに全加入世帯、予測としては2,300万世帯でございますが、そこで、地上デジタル放送の視聴を可能とするというものでございます。また、このグラフにありますように、当初の点線の目標より大幅に前倒しをして取り組んでいただいているところでございます。
 こちらは、STB、セットトップボックスを使用した視聴世帯のデータとして213万世帯というのを書いてございます。このTMというのはトランスモジュレーション方式でございますが、パススルー方式でも視聴している世帯というのはかなり多数ございますが、その視聴世帯数は不明ということでございます。
 46ページに参りまして、共同受信施設、広義でいうケーブルテレビに対しても地上デジタル化への対応が必要だということでございます。下の方に地上デジタル放送の伝送帯域の説明がございますように、右側にありますが、こういった共同受信施設では、施設の伝送帯域、空きチャンネルの状況、あるいは機器の周波数特性等から地上デジタル放送を直接伝送できない場合があるということでございまして、設備を張りかえ広帯域化するとか、あるいは47ページにございますように、既存の設備を使いつつ、周波数変換方式で安価に施設の地デジへの対応を行う、そういう手法も規格化が終了しておりまして、メーカーさん等でも対応いただいているというところでございます。
 48ページに参りまして、事業者の動向の2つ目でございますが、ケーブルテレビ施設の高度化が進んでいるということを挙げさせていただいております。
 1つには、ケーブルテレビ事業者の光化、あるいは広帯域化の現状ということで資料をまとめております。1つ目の幹線光化率というのは、キロメートルで見た光ファイバーの割合ということですが、30.1%ということでございます。また、光ファイバー導入の現状ということでありますが、導入している施設数というのは年々増えていまして、約70%にまでなっているということでございます。また、広帯域化した施設というのが非常に増えているということで、同軸のネットワークからHFCのネットワークに、あるいはFTTHにかえてきているというような状況がうかがえます。
 50ページは、有テレ事業者、電気通信役務利用放送事業者につきましてのネットワークの現状をまとめたものでございます。有テレ事業者につきましては、HFC方式が非常に多くなっております。自主放送を行う場合は、非常にHFC化が進んでいる。再送信のみを行う事業者については同軸のものが今でも多いということでございます。また、電気通信役務利用放送のほうに関しましては、非常にFTTH方式というのが多いということが特徴になってございます。この電気通信役務利用放送に関しましては、既存のケーブルテレビ事業者が既存のHFCのネットワークを持ちつつ、新しいエリアに対してはFTTHでサービスを参入する、そういう例が目立っておりまして、この10と7という数字がございますが、この辺は重複しているということでございます。
 51ページでございます。FTTHHFCの高度化の比較をしたものでございます。ポイントとして申し上げますと、FTTHは非常にすばらしいネットワークということですが、HFCでも、注2のところの列の真ん中にありますように、小セル化や、ケーブルモデムの新技術、c.LINKDOCSIS3.0の導入によりましてFTTHと同等程度のインターネットの通信サービスが可能となるということでございます。
 52ページに参りまして、事業者の動向の3つ目は、事業者連携が進展してきているということでございます。1つ目には、ケーブルテレビのMSO化というのが進んでいるということでございます。MSOは、複数の地域の有テレ放送施設を所有・運営する統括運営会社でございまして、下にございますように、ジュピターテレコムさん、ケーブルウエストさん、ジャパンケーブルネットさん、こういった事業者がいらっしゃいます。また、最近の動きのところにいろいろ書いてございますように、非常に再編に向けた動きが活発化しているように見受けられます。
 また、54ページのほうは、MSOにはならないまでも、地域の複数のケーブルテレビ事業者がネットワーク接続をして、デジタルヘッドエンドの共同利用であったり、ローカルコンテンツの相互活用を進めるという動きも活発化してきてございます。例としては、地域において隣接する事業者がネットワークを整備して連携ということで、富山県あるいは三重県の例を書いてございます。また、県の整備する広域ネットワークを利用した連携ということで、佐賀県、大分県の例を挙げております。また、デジタルヘッドエンドを共有するということで、JDSさん等の例を書いてございます。今回、構成員として参加をいただいている鳥取県でもこうした取り組みが進んでいるものというふうにお聞きしてございます。
 55ページに参りまして、事業者の動向、4つ目でございますが、自治体や地域との連携ということでございます。
 自主放送番組の活用という取り組み、中海テレビさんの例で見ますと、自主放送チャンネルというのを4チャンネル設けまして、そのうち1つをパブリックアクセスチャンネルに充てているということで、これは国内初の取り組みになってございます。いわゆる市民が番組制作したものをコミュニティチャンネルのメディアで流す、そういったものでございます。
 左下に参りますと、農村型のケーブルテレビの例でございますが、ケーブルテレビ八尾におきましては、農村の在宅健康管理支援システム、そういったものにケーブルインフラが使われているということでございます。今回、委員としてお越しいただいている西会津町さんでもこうした取り組みが行われているというふうにお聞きしてございます。
 また、その右下でございますが、他メディアとの連携ということで、キャッチネットワークの場合は、コミュニティFMと連携しまして、ワンソース・マルチユースをしたり、あるいは災害分野での協力をするなどの活動をしてございます。
 57ページに参りまして、事業者の動向の5つ目、区域外再送信でございます。これはここ最近の取り組みというよりは、昭和40年代から長く続いているものでございますが、大臣懇談会でも触れられているということで、資料をこちらに提示いたしました。
 区域外再送信の概要でございますが、地上波の放送局の放送対象地域外でケーブルテレビ事業者が当該放送局の放送を再送信するというものでございまして、当方が把握している限りで申しますと、区域外再送信を行っているケーブルテレビ事業者数は454事業者、チャンネル数にして延べ2,000チャンネル程度というふうに把握してございます。また、3つ目の○にございますが、放送番組が一部カットして放送されるなど、放送事業者の放送の意図が害されないようにすることを担保するという趣旨から、ケーブルテレビ事業者は、放送局の放送を受信して再送信するに当たりましては、放送事業者の同意を得ることが必要となってございます。また、その同意についての協議が調わない場合は、裁定制度というものがございまして、下の図で示してございます。細かくは後ろのほうでも資料で出てございます。
 59ページでございますが、区域外再送信の実例を挙げてございます。ここでは地上放送局数が3局以下の地域の例として挙げてございます。少数チャンネル地域で区域外再送信というのが顕著であるということで、そういった地域での例を挙げております。
 60ページに参りまして、こちらは再送信同意制度と裁定制度という制度を説明してございます。一番下に※で、著作権との関係ということで、再送信の同意の制度と著作権法で規定しています著作隣接権制度というのは全く別個の制度だという答弁を紹介させていただいております。
 61ページは、過去の有テレ法の裁定の概要でございます。
 62ページ以降は、総務省における最近の取り組み、最後に主な取り組みを簡単に触れたいと思います。
 1つ目が技術革新への政策的な対応ということでございまして、63ページにございますが、FTTHによるケーブルテレビのための技術基準の改正というものも行っております。64ページにその概要を記してございます。
 また、65ページからは、ITU−Tにおける標準化の推進ということを示してございます。ITU−Tは、下に書いてございますが、国際電気通信連合の電気通信標準化部門ということでございまして、13のスタディグループを設けてございます。そのうちの1つ、SG9におきまして、上に書いてありますように、ケーブルテレビ網における伝送方式・設備、あるいは番組素材の伝送方式・画質評価、こういったところの国際標準を検討してございます。200610月には日本で開催する方向で検討されているということでございまして、総務省からもメンバーを派遣しております。
 66ページは、そのSG9のテーマを挙げているものでございます。
 67ページでございますが、ケーブルテレビの高度化に関する研究開発というものも行ってきております。施策の概要の(1)にございますように、ケーブルテレビ網におけるネットワーク技術ということで、無線系のシステムとの連携といったところで、NICTの公募によりまして、研究を委託して実施しているということでございます。
 また、68ページからは、各種の支援制度をまとめてございます。
 69ページは、平成18年度から新規にできたものでございまして、地域情報通信基盤整備推進交付金というものでございます。これまで、新世代ケーブルテレビの補助金というものがございましたが、補助金改革等の流れによりまして廃止となりまして、今回新たにデジタル・ディバイドの是正の観点からこういった交付金が設けられたということでございます。現在、この運用について内部で検討しているところでございます。
 70ページは、税制支援制度ということでございます。さまざまな制度がございますが、高度有線テレビジョン放送に関する促進税制ということで、法人税の特別償却であったり、固定資産税の課税標準の軽減であったり、そういった制度を用意してございます。
 71ページは、金融支援制度ということで、財政投融資あるいは無利子融資。
 72ページに参りまして、テレトピア地域、地域情報化を推進するために総務大臣が指定する地域でございますが、こういった地域における第三セクターへの無利子融資、こういった金融支援制度を活用いただいているというところでございます。
 最後の最後ですが、個人情報保護への対応ということで、平成17年4月に個人情報保護法が施行されたということで、放送分野におきましても、放送受信者の個人情報の保護に関する指針という告示を施行してございます。平常時から求められる対応でいろいろ書いてございますが、漏えい発生時は、総務大臣に必ず報告をしていただくということにしてございます。
 3のところにございますが、個人情報の漏えい事案というものがやはり多く出ておりまして、ケーブルテレビ関係でいいますと、昨年4月から現在まで、詳細報告が23件上がってきてございます。1年で30件強上がってくるのかなと思いますが、主なものは、車上荒らしによりまして顧客データが盗難、紛失したというものが非常に多くなっています。また、最近ではパソコンがウイルスに感染しまして、Winny上に情報がさらされたような例も出てきてございます。この辺の危機意識、意識改革というのを事業者のほうで進めていただいているところだというふうに思います。
 75ページはその指針の概要をまとめたものでございます。
 以上、駆け足で説明させていただきましたが、これはあくまでも現状を分析する上でのたたき台として整理したものでございます。いろいろと漏れですとか認識の違いといったものもあるかと思いますけれども、そういった点、ぜひご意見を頂戴できればと思います。
 以上でございます。
【多賀谷座長】  ご意見は、この後、本研究会の検討項目及び今後の進め方についてご説明いただいた後で、まとめていただければと思います。
 それでは、引き続いて大変ですが、お願いします。
【梅村地域放送課課長補佐】  資料1−4、検討事項について(案)を説明させていただきます。
 こちらの1から5までにつきましては、先ほどの了解いただきました開催要綱の中の検討事項の5つについて、少しブレークダウンをしているものでございます。
 ケーブルテレビの現状につきましては、ケーブルテレビの制度、普及状況、経営状況、技術的動向につきまして資料を整理するとともに、ケーブルテレビ事業者からヒアリングを行い、ケーブルテレビの現状の分析を進めるというものでございます。
 2つ目は、ケーブルテレビを取り巻く国内外の動向ということで、放送事業者や通信事業者等からケーブルテレビの周辺サービスの実施状況等に関するヒアリングを行って、国内の取り巻く動向について把握・分析を進めるということと、海外事情について調査・分析を行いたいというものでございます。
 3つ目の諸課題でございますが、1つ目、2つ目の把握を踏まえまして、ケーブルテレビをめぐる技術面、制度面、その他に関する短期的・長期的課題の整理を行いたいというものでございます。
 4つ目ですが、2010年代のケーブルテレビの役割でございます。現在、ケーブルテレビが担っております放送の再送信メディア、あるいはブロードバンドへのアクセス回線、あるいは地域密着の情報発信メディアといった役割が今後どのように変化していくのか。地上放送のデジタル化への対応が完了する後のケーブルテレビが果たすべき役割はどのようなものがあるかなど、2010年代におけるケーブルテレビの将来像についてご検討いただきたいと思います。
 5つ目でございますが、ケーブルテレビの発展に向けた総合的方策でございます。4における将来像を実現するという観点を踏まえまして、今後、ケーブルテレビ事業者あるいは行政等の関係者が取り組むべき方策について検討を行っていただきたいというものでございます。
 それで、続きまして資料の1−5で、今後の進め方の案につきましてもご説明させていただきたいと思います。
 本日、第1回の会合でございまして、第2回は3月30日を予定してございます。その後、月1回程度で開催させていただければと考えております。18年6〜7月ごろに、必要に応じて中間取りまとめをいただければと考えております。それまでの間は、枠囲みで書いてございますように、ケーブルテレビの現状の把握・分析、あるいはケーブルテレビの海外事情の把握・分析、あるいはケーブルテレビを巡る諸課題の把握・分析のうち、直近している課題、新技術の導入をどうしていくか、あるいは有テレ法の諸手続が非常に煩雑だということもございますし、そういう手続の規制緩和等、直面した課題について検討を進めていただきたいと考えてございます。
 また、それ以降につきましては、2010年代におけるケーブルテレビの役割、ケーブルテレビの発展に向けた総合的方策等につきまして、大臣懇談会の状況、結果も見つつ、検討を進めていっていただければと考えております。19年3月ごろに最終取りまとめをいただければということでまとめさせていただいております。
 以上でございます。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。
 ただいま補佐からケーブルテレビの現状の説明とともに、検討項目及び今後の進め方について、事務局案のご説明がありました。事務局による説明について、質問とか補足等があれば、お出しください。また、特に検討項目、今後の進め方について、ご意見がありましたら、ご自由にご発言願います。特に検討項目等について、もしこういう項目が落ちている、あるいはこういう項目のこういう点についてもう少し掘り下げてくれということを、言う機会は多分今日しかないと思いますので、一番最初に言っていただければ、何らかの形でそれはこの研究会でも触れることになりますので、ご発言、ご提案願います。それではどうぞ。
【石橋構成員】  私は、ケーブルテレビ連盟ということで、ケーブルテレビ事業者ということになるわけですが、まず、この資料1−3、1−4、1−5ということで、1−3につきましては、これはかなりの労作になっていると私は思っています。これだけまとめられたのは過去になかったんじゃないかなというぐらいに思っていまして、これは我々事業者にとっても非常に貴重な資料になるんじゃないかということでございます。
 それから次に、検討事項ということでございまして、今日はこの会が、ここで研究会をやるということなのですが、かなり直接・間接的にケーブル事業者の役に立つということで、そういう意味では、こういう会を開催していただいたということで、事業者という立場で、ちょっと会の趣旨とは離れるかもわかりませんが、お礼を申し上げておきたいということ。
 それからあと、検討事項についてでございますが、1から5ということで、何か追加があればということですが、私はこれでいいんじゃなかろうかと思っています。特に、我々ケーブルテレビ事業者を取り巻く環境は今変化しているということで、地上放送事業者もいろいろ変化されていくだろうし、衛星放送の事業者の方も変化する。あるいは通信事業者が映像サービスを奪い合ってくる、電気通信役務を使った放送というような、あるいはIPによる映像伝送、いろいろ変化してくると思っています。我々も、これは我々内部でもこの変化におくれないように、適切に対応するということが必要であるということは会員もよく認識しております。そういう意味で、我々としてはその変化の波に乗って、我々自身を進化させていく。そうしないと、2010年代には社会的には意味のない存在になるんじゃないか、そういう危惧感も非常に大きく持っております。
 そういう意味で、皆さんにも我々に対するご批判といいますか、我々の問題点のご指摘とか、そういうことも含めて議論を進めていただいたら非常にありがたいなということでございます。よろしくお願いします。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。
 そのほか。どうぞ。
【中村構成員】  ケーブルラボの中村でございます。同じくケーブルテレビの事業者ないしケーブルラボの立場から2点お話させていただきます。
 まず1点につきましては、ケーブルテレビ事業者は、地域密着、公共性を持って全国で事業展開を進めていますが、規模のばらつきが非常に大きいという実態がありまして、これが今後新しいことを考えていく上で危惧している面があります。これが1点。
 2つ目は、技術開発の先見性ということですけれども、先ほど、事務局等から話がありましたように、ケーブルラボでもc.LINKDOCSIS3.0というところについては、割と直近のものについては少し見えているところ、また、諸外国との関係も進めておるのですけれども、2010年以降の五、六年先ということになりますと、もう少し長いレンジでの先見性を持っていきたいものだなと考えております。外部の方の参加を得て教えていただきたいと思っております。この2点であります。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。今のご発言は、第1の点は、要するに規模のばらつきがあって、それについてどうするかということで、検討項目で言えば、最後の5のところで、ケーブルテレビの発展に向けた総合的方策というのがありますから、そこで、今後例えばMSOの動きとか、そういう問題について、ここで決めるわけにはいきませんけれども、やはり触れていきたいと思います。
 それから技術の問題、後藤先生は何か。
【後藤座長代理】  私はインターネットのほうは多少やっておりましたけれども、インターネットの技術も万全ではありませんで、IP時代ということになると、何かインターネットがほかのメディアをのみ込むというふうな表現をされる方もいるわけでありますが、インターネットをやっている立場から言うと、話はそう簡単ではないということになります。マルチキャストもいろいろ実証実験等をお進めになっているので、その結果などもまた拝聴したいと思いますけれども、マルチキャストというのは、ご説明にもありましたように、ルーターなりスイッチのところで複製をつくらないといけません。そこの性能条件に依存する。それから通常のインターネットは、受信側から必ず受信したという信号が上がってきて、ウェブであるとか電子メールの通信をやっているわけなのですけれども、通常、マルチキャストというのは相手が非常に多いということですから、そういうやり方の通信をした場合には、戻りの信号が非常に多くなってしまうということになりますから、通常は送りっ放しの形になっている。そうすると、受信される側の性能あるいは帯域が非常にそろっている場合には、帯域に余裕があれば、それでよろしいわけですが、非常にばらつきがあるような場合には、多数の人に向かってマルチキャストをするというのは、従来の技術だけでは品質面で少し懸念があるということになろうと思います。そのあたりは、実はインターネット側でも、マルチキャストというのは非常に長い間やってきてはいるのですけれども、現状、技術的な準備が十分であるかというと、正直申し上げまして準備が十全とは言えないと思います。
 例えば、日本などが率先してIPv6で推進してきましたが、現在IPv6でマルチキャストをやらせてくれるということになりますと、かなり大手のメーカーでも完全に準備ができているとは言いがたい状況であろうかと思います。少し実名を挙げたほうが多分わかりがいいので、総務省のJGNII2という国内のテストベットのネットワークがあり、NICTで運用していただいております。そこで使っております日立製のルーターはIPv6マルチキャストが、日本製はしっかり作ってあってよろしいと。アメリカにそれを持ち込んでおりますが、アメリカ側とつないでいるところの相手方は、アメリカですとInternet2という大学連合がございまして、そこはForce 10というアメリカ製の、技術陣を見ればシスコあたりから動いたような会社なのですけれども、そちらのほうと日本のほうをつないで、マルチキャストの国際連携をやりたいわけでありますが、これはアメリカ側のルーターが機能的にまだ試作のレベルという状態。例えばそういう状況でございますので、インターネットのほうがいつでも準備オーケーというわけにちょっといかない。インターネットの従来の発展形態は、やや対症療法的に技術革新をしてきたという背景がございますので、まさにこういうデジタル統合という時代を目指したときのIP技術そのものというのが今問われているというのが、インターネット側の認識でございます。
 ちょっと長くなりましたけれども、補足させていただきました。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。
 そのほかございますでしょうか。どうぞ。
【山下構成員】  個別の話ではなく、この研究会をどういうふうな視野で見ていくのかということについて、確認の質問をしたいと思います。
 労作と評判の高い1−3の資料ですけれども、例えばこの資料を拝見して、我々がこれから考えていくときに、有テレ法に基づくケーブルテレビ業界というのを中心において、そしてその周りに、例えばブロードバンドがあるとか、著作権の問題というふうに、置いていくという視点で考えていこうとすればよいのか。あるいは、もうちょっと広義にケーブルテレビというものをとらえて、ブロードバンドとか電気通信役務利用とかそういうものも全部含めたものを、有テレ法に縛られずにケーブルというふうに考えていくのか。その中で、例えば技術の話などでいいますと、最も先見性のあるものというふうなお話が出ましたので、そうなると、今のケーブルテレビ事業者が取り組んでいるかどうかにかかわらず、いわゆる広義のケーブルテレビの中で先を見ていこうというような視点なのか、そのあたりを一応確認と申しますか、教えていただきたいというふうに思っております。
【多賀谷座長】  どうしましょう。どうぞ。
【清水政策統括官】  今、山下先生のご指摘にあった、いわば2の広い分野で見ていただいていけばと思っております。当然、今あるCATV事業者は、法規制の中で位置づけられておりますから、そういう時代の流れで現在のCATV事業者の方がどうするか。あるいは現在の法律上、こんな規制、あるいはこんな問題点がある。あるいは公的なものとしてこういうものを事業者としては求めるというものがあれば、当然それに応じて必要な改正なり、制度の取り組み、規制の問題を扱って、道を緩めていくとか、あるいは道を開いていく形を考えなければいけないと思います。全体の流れの中でそこは広くとらえていただいて、CATV事業者としての位置づけは既存の法律を改正、あるいは改めていくということでよろしいのではないかと思いますが。
【多賀谷座長】  私も広い意味でこの問題をとらえていく形になると思います。
 要するに電気通信役務利用法と電気通信事業法のセットでの事業者がIPマルチキャストを利用して出てくるわけですから、そのことは、広い意味での有線テレビ事業のハードの部分を有テレ事業者がやっている場合と、電気通信事業者がやっている場合があり得るわけですね。それはどっちかを排除するというわけじゃなくて、将来的にその両方のパターンがどういうふうにテリトリーをとるかということは、多分まだわかってないというところだろうと思うのです。それも含めて議論するということになると思うのですね。
 私、ついでにもう1つ質問したいことがあります。最初のところで、共同受信施設の話が出てまいりました。現在、私自身も家で共同受信設備を利用しているわけですけれども、先ほどお話で、800万世帯が共聴施設を使っているという。これはケーブルテレビの受信者総数の1,780万世帯の外数と理解してよろしいでしょうか。外数ですね。それとも一部は重複しているのでしょうか。
【岡ア地域放送課長】  それは重複していません。ですから、何らかの意味で有線でテレビを見ていらっしゃる方々は、2,000数百万という、足した数になるということです。
【多賀谷座長】  2,500万ぐらいになるということで。それで、おそらく、経済的には大したことはないかもしれませんけれども、その800万というところが、今後、放送のデジタル化のときに、そこをどうするかというのは、国策として多分かなり大きな問題になると思う。それも含めて検討課題というふうに、直ちにここで結論が出るわけじゃないけれども、それも検討課題と、そう理解してよろしいですね。
 どうぞ、そのほか。
【清水構成員】  よろしいでしょうか。先ほどの検討課題のどの幅までというところのお話なのですけれども、通信事業者も含めてということですけれども、一方、もう1つは、情報家電ですとか、ホームゲートウェイであったり、家電系のネットワークの標準化とか、どんなふうに進めていこうかという話もありますので、当然、ケーブルがテレビとつながるというのは当たり前ですけれども、その先、情報家電というようなことも考えると、結構幅の広いお話もあろうかと思うのですけれども、その辺もできる範囲で情報なり議論も少しあるといいかなというふうに思います。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。
 情報家電の話も、家電というとテレビだけではございませんで、当然、家の中の洗濯機とか冷蔵庫とかいろいろなものが情報家電化していく場合に、それとケーブルテレビのネットワークとがどうかかわるのかということは当然問題になるということです。
 そのほかございますでしょうか。どうぞ。
【大塚構成員】  済みません、ちょっと確認させていただきます。ちょっと話戻るのですけれども、今の共同受信設備のお話で、700万なり800万世帯があると。これの2010年におけるデジタル化もこの研究会の検討課題だというようなお話があったと思うのですけれども、それというのは、ちょっと私がこれまで研究会のお話を聞いたとき理解していたのと違うのですが、共聴施設のデジタル化というと、どちらかというと、地上デジタル放送の普及という観点から議論をされているというようなところで、この研究会の中でやるのかなというのが、ちょっとそこを確認させていただければと思うのですけれども。
【多賀谷座長】  どうぞ。
【岡ア地域放送課長】  その問題は、いわゆる自主放送を行う事業者であるケーブルテレビの問題とはちょっと違うということはおっしゃるとおりだと思いますけれども、広い意味ではケーブルテレビの課題になりますので、どこまで整理できるかは別として、別に議題から外すということもなかろうというふうに思いますので、よろしくお願いします。
【多賀谷座長】  私も、主としてここで決めろという話じゃないのだけれども、ここで議論すると、どうしてもそういう話に入っていくだろうという。実際上、共聴設備自体にケーブルテレビ事業者も深く関与しているところがあると思いますので、やはり触れざるを得ないだろうということで申し上げたのです。
【石橋構成員】  よろしいでしょうか。先ほどお話ありました情報家電とのネットワーキングということなんですが、そのことは極めて重要だと、我々現場で仕事をしている人間としては思っております。その場合に、電話線、固定電話のペア線、それから携帯も含めて、それから我々のケーブルが入っていっている映像伝送の部分とインターネットの部分、そういうものをどういうふうにしていくか。やはり今後、端末も含めて家庭内のネットワーキングというのがきちっとならないと、そう簡単にはいかないんじゃないかというふうに我々実は思っていまして、ここのところも含めてぜひご議論いただきたいなと、やるべきだと僕は思っています。
【多賀谷座長】  そのほかご意見ございますでしょうか。
【梅村地域放送課課長補佐】  済みません、1点、事務局より訂正させていただきたいのですが、今、おっしゃられました7ページの共聴施設なのですけれども、1,800万世帯のほぼ外側にあるものと理解していただいてよいのですが、実はその許可施設、都市受信とか辺地難視聴でも、規模の大きいものは許可施設になっておりますので、そういうものは一部重複しているものもあるということで、純粋にプラスでその数字が出るものではないということだけ一応お伝えしておきたいと思います。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。どうぞ。
【寺坂構成員】  先ほど、中村構成員のほうからも、先見性を持って考えてほしいというのがありましたけれども、実は一番ケーブルを考える上で、ある意味、外堀のような話、先ほどの、中心的な話題にはならないけれども触れざるを得ないという部分が、地上デジタル放送のカバーがどの範囲まで、この研究会の研究をする間でどこまではっきりするのかとか、総務省さんのほうでは4月から難視聴エリアも含めて調査に入られるということで中国管内では聞いているのですけれども、そういう形を含めて、地上デジタルの対応の動向がケーブルのこれからを考える上でも補完をしていくのか、あるいは、ある意味地域の情報のコンテンツを発信するツールとしてきちっととらえていくのか、そのあたりがすごく重要になってくるんじゃないかなと思います。ですから、先ほどもおっしゃったように、共聴施設のことは、多分中心的な話題にはならないと思うのですけれども触れざるを得ない。あわせてケーブルのことも、地上デジタルの動きというものもあわせた上で検討をしていただけたら、あるいは検討をすべきだと思います。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。検討項目及び今後の進め方につきまして、今日、いろいろ構成員の皆様からご意見をいただいたわけですけれども、それを踏まえて進めたいと思います。
 また、本日は、ケーブルテレビの現状について、非常によくまとまった形でご説明いただき、また議論をしましたけれども、次回以降、ヒアリングを行いつつ、さらに詳細に現状の把握を行い、検討課題を煮詰めていきたいと思います。
 それでは、本日はこれで閉会したいと思いますけれども、次回の会合の予定等について、事務局からお願いいたします。
【梅村地域放送課課長補佐】  本日はありがとうございました。次の会合は、先ほどご説明しましたとおり、3月30日木曜日、午前10時からの開催を予定しております。時間の確保をお願いできればと存じます。場所は、総務省内の会議室を予定してございます。
 また、次回、ケーブルテレビ事業者からのヒアリングを行っていただきたいと思いますし、また、海外のケーブルテレビの事業の動向についても、事務局から報告をさせていただければと考えております。また、今後のヒアリングにつきましてもご意見等ございましたら、事務局までご連絡いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。
【多賀谷座長】  それでは、本日の会合はこれで終わりたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


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