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2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」
(第4回会合)議事要旨



  1.  日時
     平成18年5月26日(金) 1600分〜1800

  2.  場所
     総務省 第1特別会議室(8階)

  3.  出席者
    (1)  構成員(五十音順、敬称略)
     石橋庸敏、大塚隆史、音好宏、後藤滋樹、清水俊彦、多賀谷一照、寺坂和利、中村正孝、森忠久、森田圭、山口博續、山下東子、山本隆司、(代理)林尚樹、
    (代理)小池不二男
    (2)  総務省
     清水政策統括官、河野大臣官房審議官、福岡総務課長、安藤地上放送課長、大久保放送技術課長、今林衛星放送課長、山根地域放送課長、波多野地域放送課企画官、本間地域放送課技術企画官、梅村地域放送課課長補佐
    (3)  説明者
     楠 マイクロソフト株式会社 最高技術責任者補佐、土森 株式会社ケイ・オプティコム常務取締役、安成 財団法人マルチメディア振興センター専務理事、中村 株式会社三菱総合研究所主席研究員

  4.  議事内容
    (1)  開会
    (2)  IPTV等今後の映像伝送サービスに関するヒアリング
     マイクロソフト株式会社、株式会社ケイ・オプティコム、財団法人マルチメディア振興センター・株式会社三菱総合研究所
    (3)  閉会

  5.  主な議論
     マイクロソフト株式会社から通信と放送の連携に向けた取組について、株式会社ケイ・オプティコムから通信・放送融合時代に向けた取組について、財団法人マルチメディア振興センター及び株式会社三菱総合研究所からIPTVの動向について説明がなされた後、それぞれについて以下のような質疑応答が行われた。
    (1)  マイクロソフト株式会社
     IPTVとケーブルテレビの違いについてどのように考えているか。
    事業者が伝送路のインフラを用意する点や、周波数割り当ての影響を受けにくく地上放送と比べて多チャンネル化が容易という点で類似している。

     パソコンが進化し個人が映像情報を発信するようになると、伝送路に多くのデータが流れることになる。将来的に伝送路をどのようするかという点について、どう考えるか。
    パソコンは、映像の精度を選択できるという点において、柔軟に対応できる可能性があると考える。一方で、利用者は、追加的なコストがかからなければどんどん利用する。インフラ整備のためのコストを誰がどのように負担するのかバランスを考える必要がある。また、Winnyのように帯域を多く使用するソフトウェアの出現への対策についても考える必要もある。

    (2)  株式会社ケイ・オプティコム
     光ケーブルは最初から2心引き込んでいるのか。
    ドロップケーブルは元々2心構造であり、分離するのはかえって手間がかかる。
    心線を分離することにより、波長多重しなくとも良い。

     将来、制度の変更や、施工技術が開発されるなどした場合、1心引き込みに変更する可能性はあるのか。
    ネットワーク構築のポリシーは「心線完全分離」であり、2心引き込みの方針は変えない。映像配信という形ではIPも使うが、多チャンネルや地上波再送信はケーブルテレビ方式で行う。

     ネットワークを分離することによって、信頼度が上がるのか。
    同時停止を避けるというのが一番の理由。ネットも電話もテレビも使えないという状況は避けたい。

     コミュニティチャンネルの実施状況はいかがか。
    現在ケイ・キャットでは2市において実施している。(1市は準備中)
    自治体により積極的なところと、なかなかコンテンツが出せないところとがあり、提供エリア数と比較すると、動きは鈍いと感じている。

     PLCが今秋にも始まるとのことだが、どのような状況なのか。
    実験の結果から、希望的観測として秋頃ではないかと思うが、詳細は把握していない。

     シームレスな通信、ということだが、携帯電話の伝送路として使うという構想はあるのか。
    私どもとしては全ての携帯事業者とFMCを実現したいと考えているところ。

     NTTはマンション向けにも力を入れているようだが、ケイ・オプティコムは戸建向けが中心で、コスト面で不利ではないか。
    コストは数年前に比較すると大分低下している。会社としては昨年単年度黒字化した。FTTH事業としてはまだ赤字だが、今年か来年には黒字化の見込み。

     IPマルチキャストによる回線運用は行っていないのか。
    行っていない。光アクセス網に投資を集中しており、現在のところ、ネットワークのバックボーンを変える体力はない。また、ケーブルテレビ方式の方がユーザサイドからは有利だろうと判断している。いずれはIPマルチキャストも実施しなければならないだろうとは思うが。

     38万件というのはネット接続サービスの加入者数だと思うが、「光電話」、「光テレビ」、それぞれのサービス加入者数は。
    3月末の累計で、「光電話」が21万件、「光テレビ」が3.1万件。

     「光テレビ」についてはケーブル会社との提携が進まないようだが、それではパイが小さいのではないか。
    我々としてはFTTHの付加価値として「光テレビ」を提供している。100MbpsのFTTHが欲しいお客さまがテレビも見たいということであれば我々のサービスをお使いいただきたい。HFCのインターネットが良いお客様は既存のケーブルテレビのサービスを受けられれば良い。

     カバーエリアはどの位か。未カバーエリアに対する今後の方針は。
    92%は実際にサービス可能な世帯数であるが、残り8%は弊社単独では難しい。今後、自治体ともご相談させていただきながら、徐々に整備していきたい。

    (3)   財団法人マルチメディア振興センター・株式会社三菱総合研究所
     現在のIPTVの収入は広告によるものが主だそうだが、個人ごとの課金が難しいという理由からか。
    資料の19ページにあるように、IPTVは広告が主ということではなく、無料コンテンツと有料コンテンツの両方がある。

     IPTVのビジネスモデルとして、広告モデルによる無料配信にするか、個別課金による有料配信にするかというのは、提供事業者のサービス形態や競合者の有無によって変わるのではないか。国や地域の状況により多岐にわたると考えられる。

     日本においてはテレビの画質は良いものである。外国のIPTVにおける、画質の品質保証の考え方はどのようなものか。
    定量的なデータはないが、フランスでADSLテレビが急速に普及した原因として、集合住宅内に新たにケーブルを引き込む余裕がないことと、衛星のパラボラアンテナも街の景観を損ねるため設置が認められないという制約から、既設のペアケーブルでテレビが見られるのであれば、少々画質が悪くても普及したと考えられる。

     オープンインターネットの話だが、韓国や台湾では、テレビ会社が放送後インターネット上に番組をアップしていた。海外からの視聴者にとって、遅れて届くアナログのビデオより、多少画像が悪くても放送の2時間後程度で視聴できる点が良いとされていた。国によって考え方が違うのではないか。


(以上)


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