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第3回 21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 議事要旨


 日時:平成17年5月24日(火) 10001150

 場所:総務省 5階 第4特別会議室

 出席者(敬称略)
    (構成 員)斉藤 史郎(有信構成員代理)、今福 健太郎(今井構成員代理)、江崎 玲於奈、
河内 正夫、肥塚 裕至、小宮山 進、榊 裕之、塩見 正、
中村 和夫(曽根構成員代理)、笹木 敬司(西浦構成員代理)、福永 泰、横山 直樹
(総務 省)鬼頭技術総括審議官、武井技術政策課長、竹内研究推進室長
(事務 局)廣本技術政策課企画官、清川研究推進室課長補佐

 配布資料
資料3−1  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議要綱(改訂案)
資料3−2  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議第2回会合 議事要旨(案)
資料3−3  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 合同ワーキンググループによる検討結果
資料3−4  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 報告書骨子(案)

 会議概要
(1) 開会
(2) 配布資料確認
(3) 推進会議要綱の改訂について
特段、意見等なく了承された。
(4) 議事
1)   前回議事録の確認
  特段、意見等なく了承された。
2)   合同ワーキンググループ検討結果報告について
  合同ワーキンググループのグループ長から資料3−3に基づき報告が行われた。主な意見等については以下のとおり。
研究推進体制として、テストベッドと中核拠点の整備も大切であるが、併せてネットワーク化された分散拠点の充実化も検討されたい。
これからの課題としては、実用化していく際に成果やプロダクトをどう事業につなげるか、その仕組みも考えないといけない。
ネットワーク関係は、デバイスとアーキテクチャの一貫した開発が不可欠で、両者で議論しながら折り合いを付けて開発をしていくと、全体として良いシステムができる。
国際的に見て、日本の技術水準は、強い分野と弱い分野があるが、長年蓄積してきたデバイス技術を活用する部分(ハードウェア)は強い。
アーキテクチャに関しては、一時期ATMに集中したためにIP関係が多少遅れた向きもあるが、光・電気ハイブリッドといった技術では、まだ挽回可能と考えられる。
テラヘルツに関しては、高速動作可能なトランジスタとレーザの発振・検出器は別の技術。トランジスタは健闘している。一方、レーザの発振器は始められたばかりであり、欧米が先行するカスケードレーザは日本も急追しなければいけない技術。
検出器は、必要性があるのに世界的に見ても進んでいない。いま注力すれば、世界をリードできると思われる。
量子ナノデバイス分野では、量子ドットが世界的に優位。超格子プロジェクトや量子化機能素子プロジェクトなど色々な国のプロジェクトがあって、技術の蓄積をすることができている。
米国では、DARPAやNSF等のファンドを使って産業界、大学に開発を委託する形で進めることが多い。ただ、日本と海外を比べて、手薄なところはカバーしなければいけないし、強い部分はどんどん伸ばすという、2つのはっきりとしたポリシーをもってやることが必要。
3) 報告書骨子(案)について
  事務局から資料3−4に基づき説明を行った後、次のような意見、補足説明等があった。
u-Japan実現のためには様々な研究開発を行う必要があり、その全体像については別途、情報通信審議会の研究開発戦略委員会で議論されている。その中でも、本会議では特に将来を見通したチャレンジングな研究テーマについて、これらの研究開発を国の政策として進めていく必要性を整理したい。
テラヘルツがナノデバイスの状態を調べるなどセンシング技術として大きな可能性を持っている、といった観点から融合テーマを設定する仕方もあるのではないか。
「研究開発体制の現状がどうあって、その背後の総合推進方策とそれぞれがどう関わっていくのか」というリンクが大事。
オープンラボラトリーでは、それを運営するマネージャやテクニシャンが多数必要。また、若い人をどう育成し、シニアの能力をどう生かすかが日本の課題。
「産学官連携による一体的な推進体制の確立」は以前から言われ続けているが、それを検討課題に基づいて、より具体化していく必要がある。
研究者のネットワークをどう作るか、また、ビジネスサイド、ユーザサイドが一つに集まるサークルをどう作るかということが産学官連携の課題。フォトニックやテラヘルツについては、フォーラムがあるが、それ以外はまだ無い。4つの技術を横通しにしたような体制も十分出来ていない。サークルをどうやって作っていったらよいのかを、報告書に書いていきたい。
米国ではDARPAが中心となり、軍関係のアプリを想定してファンディングされている。これは、マーケットがあるということ。技術が出来て、市場にプレテストするスタータの部分を軍が担っている。マーケットの火付け役のようなものが政策的にあるとよい。
日本の場合、別のマーケットを考える必要があるが、政府全体の財政圧縮の中では、官公需拡大とはならない。国は民間のマーケットをプロモートするというのも当然あるが、これからの少子高齢時代に向け、抜本的なシステム整備も必要であり、マーケットを喚起しようとするのがu-Japanのねらい。他の国がやっていないことを日本が先駆けて、国内に新しいマーケットを作り、それを世界に拡大していければ、我が国としても国際的に貢献できる。
テラヘルツのところでイメージングの話が出てきているが、医療とか環境とか、ICTにおいて大事な部分。人間の必要としていることを意識しながら、そういう視点を持って各WGでどういった応用があるかを盛り込めたらと思う。
医療や環境などはICTの活用により発展が見込まれる潜在的なマーケット。e-Japanでも医療は重点7分野の一つとして取り組んでいるが、計画自体は概ねうまくいっているものの、まだそれほど進んでいない。技術的な問題より制度的な問題の方が大きいので、関係省庁の協力も得ながら解決していきたい。情報通信を使った世界のイメージを描く必要があり、その実現に向け、ここで提案された技術がどれだけのポテンシャルを持って、何ができるのかといった部分を本会議で明確にしていただければ、と期待している。
4)   その他
  事務局より、第4回会合(最終回)を7月28日に開催する予定であること、また、報告書案等についてはいただいた意見を踏まえてメールで照会する旨の説明があった。
(5) 閉会

  以上



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