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第4回 21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 議事要旨


  1. 日時:平成17年7月28日(木) 1300分〜1515

  2. 場所:総務省 10階 1002会議室

  3. 出席者(敬称略)
    【構成員】 青山 友紀、斉藤 史郎(有信構成員代理)、市川 晴久、今井 秀樹、
    江崎 玲於奈、肥塚 裕至、小宮山 進、菊池 和朗(榊構成員代理)、
    塩見 正、曽根 純一、笹木 敬司(西浦構成員代理)、平田 哲彦(福永構成員代理)、
    松岡 正浩、高津 求(横山構成員代理)
    【総務省】 鬼頭技術総括審議官、武井技術政策課長、竹内研究推進室長、
    廣本技術政策課企画官
    【事務局】 清川研究推進室課長補佐
       
  4. 配布資料
    資料4−1  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 第3回会合 議事要旨(案)
    資料4−2  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 報告書概要版(案)
    資料4−3  21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議 報告書(案)

  5. 会議概要
    (1)  開会 (冒頭、江崎座長より挨拶がなされた。)
    (2)  配布資料確認
    (3)  構成員変更 (河内構成員から、市川構成員に変更された旨説明があった。)
    (4)  議事
    1)  前回議事録の確認
    2)  報告書(案)について
     資料4−3に基づき、事務局より報告が行われた。主な意見については以下のとおり。
    • 量子暗号の分野は進化が速いので、計画を随時見直せる体制を考えると良い。
    • 国を挙げての事なので省庁間連携も考えてもらいたい。
    • こういう研究は現在の延長線上にあるものではなく、ブレークスルーが求められる。
    • 新しい概念を生み出す研究は総合的で色々な分野のコラボレーションが必要。クリエイティブな人は唯我独尊的な向きもあるが、協力することが重要である。
    • 国民にとってどんな利点があるか、という事を説明できることが大切。
    • 情報や知識は、現代のネットワーク社会では共有するということであり、それが重要。知識の分かち合い、すなわちコミュニケーションというものは文明の進展に不可欠である。一方、これから研究を進めるに応じて、周辺的問題は色々あるが、何が本質的問題かということを捉えておく事(創造性)も重要。文明の発展のためにはクリエイティブな考え方と、分別力というものが根源となっている。
    • グローバルなコミュニケーションが重要であり、今後の展開でフォトニックネットワークの部分でも世界との連携を強化していきたい。
    • 長期のプロジェクトでは目標設定を柔軟にして、フィードバックを掛けられるようにすべき。
    • 実現時期がチャレンジングであり、各要素技術のタイミングがそろわないこともあるので、それを定期的にレビューし、インテグレートする活動をしていくのが産業界にとって大事なポイント。
    • 高速大容量という条件以外にも、別の要求条件が出てくる可能性がある。それらを拾いながら、要求条件に新たに加えられる体制を作る必要がある。
    • 政府として推進する場合、技術の底上げや、国民生活が豊かになるという点に加え、日本の国際産業競争力の観点から、海外に勝っていくという観点が必要。その為に海外の研究機関との連携を含めてどのような手順で標準化を提案していくかも検討すべき。
    • 報告書の中でも想定されない、思わぬブレークスルーが世の中のクリエイティビリティを介してどれだけ出てくるかが非常に重要。
    • 報告書で挙げられているナノなど、様々な新しいことをやっていく中で、今まで全く到達できていない新しいコミュニケーションの世界が切り拓けるのだというのは夢があって良い。
    • インフラを利用者側から捉え、我々に必要な情報又は足りないところを、情報がどうバックアップしてくれるのかという点や、強力なネットワーク上を大量のデータが流れる中で、必要な情報をジャストフィットで与えてくれるといった、様々な利用サービスの在り方を含めて多くの可能性がある。国ではなく、企業レベルで検討する話かも知れないが、インフラの構築された次のステップをどうするのかを真剣に考える必要があるのではないか。
    • 分野間融合的な所で、新しいものを生み出していくことが大切。また、4分野の融合の図はあるが、基礎から応用へと繋がる縦方向の視点が抜けている。視点を変えると別の問題が見えてくるのではないか。
    • 企業の研究というのは、短期的な成果を要求される場面が多い。光ルータのように電気から光に変わるときに世界地図が塗り変わる可能性があるという点を、きちんと捉えてやっていく必要がある。
    • 政府の施策と連動をとると企業の中でも長期の研究ができると思う。
    • 技術的には、報告書中の4分野の内、量子ICTは多少異質である。量子力学では、物事は全て複素数の世界で発展していく。我々が見たり触れたりする部分は実数の部分だけ。その意味についてはまだ研究の余地があることだが、これを機に一般の人々にもそういう世界があることを知っていただくことも望まれる。報告暑の量子ICTは量子力学を情報通信分野で現実のものにする最初の試みという意味を持っている。
    • 量子コンピュータや量子通信というのは、アインシュタインを含めて物理学者が21世紀に貢献する最大のものではないか。ペタフロップスのコンピュータを作るには量子コンピュータが必要。ペタフロップスのコンピュータができると、今では考えられないような様々な事が可能となるのでは。
    • 量子通信のための光源等のデバイス開発者にとっては、目標、性能、標準が決まっていると非常に進めやすい。大きなブレークスルーというのは、やはり理論の方が強いが、理論屋と実験屋のコラボレーションが重要。
    • (江崎座長より)報告書はこの場で基本的な線は承認して頂くという事で、よろしくお願いしたい。
    【全会一致で承認された。】
    3)  その他
     事務局より、会議後、報告書概要を報道発表するとともに、報告書本編(以後の修正は、表記の誤り、ミスタイプ、編集上の修正に限る)及び今回の議事要旨について電子メールで照会し修正したものを、Web上で公開予定である旨説明された。
    (5)  閉会
      最後に、鬼頭技術総括審議官より挨拶が行われた。

    以上








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