(1)開会 |
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塩野座長 それでは、出席ご予定の皆様は既にお揃いということですので、ただいまから、デジタル化の進展と放送政策に関する調査研究会第7回会合を開催いたします。本日、新美さん、長谷部さんはご欠席というふうに伺っております。
本日は、まず諸外国のデジタル化の動向及びデジタル放送を活用したサービス事例について、隈部さん、野村さん、お二方からご発表いただき、意見交換をし、知識の共有を図りたいというふうに思います。
その次に、第2回会合以降、幅広い方々にお越しいただいてのご発表と意見交換を行ってまいりました。これを踏まえまして、今後、本研究会で検討を行っていくべき課題につきまして、本日と次回の会合の2回にわたって、論点の整理といいますか、意見の分布状況を調べまして、さらに論点を絞り込み、さらに深めていくための助走的な準備に充てたいというふうに考えております。
それでは、まず事務局から配付資料の確認をお願いいたしましょう。 |
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安藤放送政策課長 それでは、お手元の資料、クリップを外していただければと思います。座席表の次に式次第がございます。その後ろに隈部先生からの発表資料、資料1といたしまして、「主要外国にみる放送デジタル化の進展」、横紙の資料がございます。その後に野村先生からの資料ということで、「放送サービスの新たな展開−海外の動向−」、資料2でございます。その次に、資料3といたしまして、「ヒアリングにおける主な議論について」というものがついてございます。それから、その後ろに第1回会合配付資料、資料4と番号が振っておりますが、検討事項について、縦紙一枚物がついております。あと、第5回会合の議事録ということでございます。以上でございます。 |
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塩野座長 ご確認をいただきたいと思います。
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(2)議題 |
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1) 諸外国の動向 |
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塩野座長 最初に、先ほど申しましたように、諸外国の動向について、構成員からのご報告をお願いいたします。まず隈部さんから、諸外国の放送デジタル化の進展に関して概括的な発表をお願いいたします。 |
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隈部構成員 隈部でございます。私、もともと放送の実務家の出身でありまして、決して技術の担当者でもございませんし、法学者でもございませんので、どこまでお役に立つかよくわからないんですけれども、デジタル放送のサービスの現状を中心に、私の知る限り、外国の情勢を少し俯瞰した形でお話をして、ご参考に供したいと思っております。
これは、もう皆様ご承知のことでございますけれども、世界でデジタル放送が始まったのは、最初はアメリカの衛星テレビで1994年でございますから、今、ちょうど10年経ったという時点です。それから、地上波のデジタルテレビにつきましては、4年ばかり遅れまして、1998年、イギリスで始まったのが最初でございまして、今、6年経ったところということでございます。
現在、衛星デジタルテレビが先に始まりましたので、そこから始めますが、衛星デジタルテレビの普及状況を見てみますと、アメリカでは DirecTVとエコスターという2つの大きな衛星会社が競うように拡大をしてきて、ここのところ、急速に伸びております。現在、一番新しい統計で 2,320万世帯が加入をしておりまして、全米の世帯、アメリカの世帯を考える場合、大体1億 800万世帯でございますので、それの21%に普及をしている。ただ、アメリカの場合は、ご承知のように、ケーブルテレビが先行して、これはアナログも含めてですが、 7,378万世帯ということで、68%普及しております。ただ、そのうち、デジタルの契約をした人は 2,290万世帯ですから、衛星は全部、もうデジタルですから、それの方が抜いたという状況です。
それから、イギリスにつきましては、例のルパート・マードックがやっておりますニューズ・コーポレーションの傘下にありますBSkyBという有料放送が急速に伸びてきまして、今年6月ぐらいで 740万世帯。全世帯の30%ぐらいに普及しているという現状でございます。ただし、最近、若干伸びが鈍ってまいりまして、それに対する、下に書いたような対策をいろいろBSkyBが講じ始めているというのが現状でございます。
次は地上デジタルテレビの方でございますが、1998年にイギリスで始まったのを初めとして、今、全世界でごらんの各国で地上デジタルテレビの放送が始まっております。全部で14カ国、1地域になります。
今後、まだ地上デジタルテレビをしていないところがどうなるのだろうかということで、多くの国ではもう試験放送は実施しております。残る主な国々で、特に、皆様、さっきの表との関係でお気づきになるのは、フランスがまだやっていないというのが目立つと思いますが、フランスは来年の3月から地上デジタルテレビを始めるということでございます。それから、ロシアも試験放送中なんですが、いつ始めるか、まだよく分かっておりません。
中国は、ケーブルテレビにつきましてはデジタルテレビが既に先行して始まっておりますが、地上波の方はまだ放送方式が決まっておりません。日本、ヨーロッパ、アメリカの方式、それぞれ検討したのですが、やはり自分たちの方式をつくりたいということで、まだやっておりまして、近々と盛んに言ってからもう何年遅れているのかわからないのですが、方式がまだ決まっておりません。ただ、2008年に北京のオリンピックがございますので、このときまでにはぜひとも地上波の放送を始めたいといっておりますので、これからその辺の間に試験放送から本放送という格好に持っていくつもりだと思います。
それから、中南米は、メキシコがアメリカと同じATSC方式という方式でデジタルテレビを始めることにしておりますが、そのほかの国はまだ方式が決まっていません。特にブラジルはまだ決まっておりません。
それで、主だった国のデジタルテレビの普及と、それから、それに伴いまして、当然、アナログテレビをいつ終えるかという問題が出てまいりますので、それについて、私の知る限り、ご報告をします。
まず、一番最初に地上デジタルテレビが始まったイギリスでございますが、今年の6月末現在で地上デジタルテレビ、Freeviewと言っておりますが、無料のものが 400万世帯に大体普及しております。それから、衛星デジタルテレビは、さっき申し上げたように 740万世帯。ということは、これにデジタルのケーブルなどを合わせますと、今イギリスの全世帯の55%にデジタルテレビが普及しております。しかも、衛星テレビもケーブルテレビも地上波の放送を再送信しているところが多いものですから、既に55%の世帯で地上デジタルテレビも見られるようになったというふうに考えていいと思います。来年は、ウエールズのほんの小さな村2つでアナログを終了する先行的な実験を行います。徹底的に普及をして、これをモデルケースにするということでしょう。ですから、全体としては、今のところ、2012年にアナログを終了するというのが有力になっております。
それから、これは、ある意味では世界で一番早く、大きな地域でアナログテレビの放送を全然やめてしまった例になるわけですけれども、ドイツでは、ご承知のように、連邦制の国であることもありまして、地域別に集中的にデジタルテレビの普及をしておりまして、ベルリン地域、正確にいうと、ベルリン・ブランデンブルグ州地域というんですが、そこでは2002年10月からデジタルの地上波の放送を始めまして、わずか9カ月余りで2003年8月にはアナログテレビを全部終了いたしました。なぜ、こんな離れ技みたいなことができたかと申しますと、衛星とケーブルが非常に普及しておりまして、地上波のテレビを家庭で直接受信していたというのが全体の9%しかなかったということで、ここに向けて積極的にキャンペーンをした。そしてまた、最後は、およそ 6,000世帯だったと思いますが、低所得世帯にデジタル用のセットトップボックスを無償で配るというようなこともあって、こういう離れ技ができたということで、これが一時、世界のアナログ終了のモデルケースになるのではないかといって、各国から注目されたわけでございます。 そのほかのヨーロッパの国々につきましては、ご覧のような終了予定になっておりまして、大体は2007〜2008年ぐらいから、2010年代の初めぐらいに終了を予定しております。
次はアメリカでございます。アメリカはイギリスに続いて2番目に早く地上デジタルテレビが始まったわけでございますが、今、これがどのぐらい売れているかといいますと、一応アメリカの家電協会の統計によりますと、デジタルのテレビのセットが 1,330万台以上売れたということになっております。ただ、これは地上波デジタル放送が見られるチューナーを内蔵していないものが多いということが実態としてありまして、主にこれはホームシアターで、アメリカはホームシアターが 2,000万世帯ぐらいあるといわれておりますけれども、そこでDVDとか、衛星放送あるいはケーブル、そういったものを見るために使われているということで、地上波の普及自体とこれがイコールではございません。ただ、そういうふうに地上波の方が見られないのでは困るということで、今年の7月からアメリカのFCC、連邦通信委員会がデジタルチューナーの内蔵を義務づけまして、大型のテレビからだんだん小型のテレビへ内蔵を義務づけることになっておりまして、今年後半から売上げが若干加速してきているというのは事実でございます。
ただ、アメリカはもともと2006年にアナログテレビの終了を目標にしておりましたけれども、これはもう議会に出た会計検査院の報告なんかでもちょっと不可能という状態になっております。それで、今は、2009年ぐらいに終了ということで検討しておりますけれども、今度、議会が、ブッシュ大統領が2期目になりますけれども、ちょうど交代時期でございますので、来年以降、これが具体的に決まってくるだろうと思っております。
お隣の韓国です。アジアでは早く地上デジタルテレビを始めた方ですが、2010年に終了を目指しているんですけれども、実は、韓国では去年、地上デジタルテレビの放送方式の論争がありました。アメリカのATSC方式をとっているんですけれども、ヨーロッパの方式の方がいいのではないかという議論が出たりして、その論争でちょっと遅れましたけれども、これが今年の7月ごろ解決しましたので、これから普及が本格的になってくるのだろうと思っております。それから、オーストラリアは2008年の終了。それから、中国はまだ地上デジタルが始まっていないのは、先ほど、ご説明したとおりですが、2015年に、ケーブルでも、地上波でも、アナログテレビを全部終了するという予定を公言しております。
ラジオについては、一言だけ申し上げておきますと、まず地上デジタルラジオではイギリスのDAB方式が2004年末、今年のクリスマス商戦の売上げを見込んで、恐らく 100万台を超えるだろう。これは世界で一番、デジタルラジオという意味では普及しているだろうと思います。 それから、アメリカは、別のIBOC方式という方式で、簡単にいうと、アナログと同じ周波数で、アナログのラジオに使っていない部分を使って放送するという格好なのですが、今、それが約 140局で放送が始まっております。ただ、アメリカのラジオ放送局は、AM、FM合わせますと1万以上ありますから、まだまだごく始まったところです。受信機も一応市販されておりますが、売行きはまだ始まったばかりというところです。ただ、衛星デジタルラジオがアメリカで大変活発になってきまして、衛星デジタルラジオといった場合に、固定受信のものはもう各地で既に実施されているんですけれども、モバイル向けのものについては、アメリカでは2001年にXM、それから2002年にシリウスというのが始めまして、今年の末で、クリスマスセールも見込んだ数字で大体 400万台を超えるというふうに、普及が急速に伸びてきております。
それから、韓国では、デジタルマルチメディア放送といって、ちょうど日本で10月に始まりましたモバイル放送と同じようなものですが、ラジオだけではなくて、映像も放送もするんですけれども、これが2005年には開始するという予定になっております。
それでは、デジタルテレビは何を放送しているのかということについて、日本でよく使われる分類ごとにお話しした方がわかりやすいと思いますので、その順番で少し見ていきたいと思います。
まず、高画質、高音質ということで、ハイビジョン、HDTVという国が多いですけれども、これについては、衛星テレビではアメリカ、カナダ、韓国、ベルギー――ベルギーというのは、ベルギーに本拠のある会社がやっているという意味ですが、この4カ国で始まっております。このうち、アメリカの「ブーム」、これはニューヨークにありますケーブルビジョンというケーブルテレビから始まった会社の傘下にあるチャンネルですが、これがHDTVチャンネルが既に39ございます。ニュースも天気予報も全部やっております。それで、来年の3月にはHDTVのチャンネルを70にするという計画を発表しております。
それから、今後の放送予定です。衛星テレビとしましては、ドイツのプルミエールが2005年、フランスのTPSが2005年、イギリスのBSkyBが2006年にHDTVのチャンネルを始めるというのを発表しております。
それから、地上波のテレビではハイビジョンはアメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国という4つの国でやっております。もちろん、日本以外ですね。それで、オーストラリアでは、週20時間以上、HDTVの放送が義務づけられております。韓国では13時間以上。それで、韓国では、放送方式の紛争が片づいたものですから、これを来年春に週20時間まで義務づけようということです。それから、ケーブルテレビも盛んにやっておりまして、衛星とか地上波と競う格好でHDTVチャンネルが増えてきております。それから、HDTV、ハイビジョンで行われる 5.1サラウンドという、一種のステレオ音声プラス低音まで入れたものでございますが、これがアメリカや韓国で非常に制作が盛んになってきて、だんだんに増えてきております。
次は、多チャンネル放送でございます。これはデジタルの一つの大きな特徴であるのはご承知のとおりですが、ヨーロッパでは衛星も地上波もともに多チャンネルということをフルに活用しております。その原因としては、言語が多い地域だとか、アメリカよりもケーブルテレビが発達していないとか、あるいはHDTVに、今は積極的になっておりますが、当初は消極的だったというような理由で、まず多チャンネルから始まったということだと思います。
それから、アメリカでは、ケーブル、衛星で既に多チャンネルが実現しておりましたので、地上波ではあまり多チャンネルをやるところはありません。ほとんどHDTVというような格好で売り出しているところが多いです。それから、中国はまだ地上波は始まっておりませんけれども、ケーブルから徐々に多チャンネル化が出てきております。これとともに、中国はコンテンツ不足がだんだん深刻になるという事態が予想されますので、今、番組制作会社――放送会社ではありません、番組制作会社に外資を導入しようというので、株の49%までは持てるようにするというような政策が今年打ち出されまして、アメリカの関係、日本の関係、今、いろんな合弁会社ができる話がまとまっているという段階です。
次は、日本でいうデータ放送です。ヨーロッパでは、後で野村さんのお話もあるようですが、双方向テレビの一環として扱われていますので、それも含めてお話ししたいと思います。
まずイギリスでは、地上波、衛星とも、データ放送、双方向テレビ、大変活発でございます。BBCは今年の11月から一番のメインニュースのテン・オクロック・ニュース(Ten O'clock News)というのがありますが、そこで双方向テレビを始めました。たまたま始まったのが11月初めだったものですから、アメリカの大統領選挙の各種のデータとかバックグラウンドの情報をいろいろそれで提供したようでございます。
それから、アメリカはデータ放送というのは実はあまり活発ではございません。方式としてはもう決められているんですけれども。一つには、インターネットによるデータの取得がアメリカでは非常に盛んで、先行していたということがあると思うんですけれども、ただ、そのデータ放送の放送方式を使ってABCというネットワークがございますが、そこが映画の配信を試験的に実施しているのが目立つところでございます。 それから、韓国は、今、地上波で試験放送中で、来年からデータ放送も実用化するということになっております。
次には、新しい高機能の放送ということで、この研究会でもおやりになりました、携帯、移動体向け放送とサーバー型放送について、私の知る限り俯瞰してみたいと思います。
まずヨーロッパでございますけれども、ヨーロッパの放送方式、デジタルテレビの地上波の方式というのは、大変携帯など移動体向けに向く放送方式が決まっているんですけれども、今のところ、放送局からの放送電波を直接受信する形での携帯、移動体向けの放送はございません。ただ、各放送局とも携帯電話会社と提携してテレビ番組を積極的に伝送しています。中には24時間伝送するというところまで出てくるというようなことがございます。
それから、アメリカでございますが、アメリカの地上テレビの放送方式は、実は、モバイル向けには非常に不利でありまして、ちょっと難しいのではないかということでございます。そんなこともありまして、さっき、申し上げましたように、携帯電話会社との提携が、アメリカでなおさらといいますか、非常に活発に行われている。これもABCネットワークの例ですが、ABCは携帯電話会社と提携いたしまして、地上デジタルテレビの番組を有料で配信しております。ニュースですとか報道番組なんかが中心でございますけれども、各種の番組を少し時差をつけて、後からでも見られるようにするとか、ダイジェストで見られるようにするというような格好でやっております。これも放送電波の直接受信ということではございません。日本の1セグ放送といわれているものは、直接受信でございますので、違っております。それから、アメリカでも衛星モバイル向けのラジオ、今はラジオだけですけれども、将来は映像とか文字、静止画なんかを使った放送を計画しております。
それから、移動体向けで忘れてならないのは、シンガポールが実は非常に早い時期から移動体向けの放送を地上波でしていた。2001年から、シンガポール市内を走る路線バス向けにデジタルテレビの放送を始めまして、私も見てまいりましたが、映像が大変きれいでございます。これは、ヨーロッパと同じ、移動体に強い放送方式を採用しておりますので、大変クリアな映像で放送しております。
それから、韓国です。実は、韓国に行くと、早くから携帯で地上波のテレビを見られたということを経験なさった方は多いと思うんですけれども、これは、言ってみれば、携帯電話で地上波のテレビを伝送していたということでございまして、放送局からの電波を直接受けていたわけではございません。最近では、それに対して、そういうのは違法な地上波テレビの放送ではないかというような説も出てきたというようなところがあります。ただ、韓国では、前に申し上げましたように、2005年から衛星でも、地上波でも本格的にモバイル向けの放送、韓国ではDMB放送、デジタルマルチメディア放送という言い方をしておりますが、それを始めますので、そっちの方にだんだん収斂されてくるのかなという気がいたします。オーストラリアも、一部、携帯向けにテレビの伝送をしております。
次はサーバー型放送でございます。これは、研究会でも最先端のいろんな発表がございましたけれども、まだ本格的にサーバー型放送は各国とも実施しておりません。似たようなサービスといたしましては、多分、これもサーバー型と呼んでもいいのではないかと思いますが、名前はそういう言い方はしておりませんけれども、類似のサービスというよりも、ほとんど同質だと思うんですけれども、アメリカでディズニーが傘下のABCのデジタルテレビの放送を使って、データ放送方式で、「自社の」と書きましたが、自社以外の社の映画もやっております。そういったものを有料で伝送しております。ムービービームという愛称で、現在、ソルトレークシティなど3カ所で試験的に実施しておりますが、近々増やすというような計画で事業パートナーを募っているという段階でございます。これは、視聴者の側から見ますとどういうことかというと、視聴者はレンタルの専用セットトップボックスを借りまして、ハードディスクですが、それに映画を収録して、その中から24時間以内なら何回でも見られるという格好でございます。そのハードディスク自体は 100本ぐらい映画が入るというような格好になっているものでございます。
それからもう一つ無視できないのは、アメリカでも、あるいはイギリスでも、だんだんデジタル録画機が普及してまいりまして、特に衛星テレビがこのデジタル録画機を積極的にセットトップボックスに組み込んだ形で普及するのに大きな役割を果たしておりまして、視聴者側である程度選択をして収録したり、あるいは視聴するというようなことができるようになってきております。ただ、日本のサーバー型放送で予定されているようなメタデータを放送局が送って、それによって操作をするというようなことはできません。
それから、外国でも放送局はインターネットの利用も積極的に取り組んでおりまして、例えばBBCにはホームページが2万ありました。今でもほぼそれに近いんですけれども。で、イギリス国内のインターネットの普及というようなことに大きな役割を果たしたというふうに評価されているんですけれども、BBCの特許状が2006年末に切れますので、その更新の、見直しの時期に入っておりまして、独自性あるいは公共性が薄いホームページを若干整理してきているということでございます。既に5つ整理しまして、クリスマスまでにはもう少し整理するというようなことでございます。
それから、目立つのは、今まで国内放送を主にお話ししてきましたが、各国とも、ラジオの国際放送というのは、これまで、短波ですとか、あるいは提携FM局による放送、あるいは衛星ラジオによる放送というのが行われてきたわけですが、それとともにインターネットを使うのが大変目立ってきておりまして、そのインターネットの国際放送の利用者も増えてきております。
ここで、これもBBCの例でありますけれども、インターネットを使って2つの大変目新しい計画を進めておりますので、ちょっとご紹介をしておこうと思います。
一つは、学校や家庭での学習用に各種の教材を無料で提供するという、デジタルカリキュラムといっておりますが、そういうプロジェクトが進んでおります。来年には試験的に実施して、2006年に本格的に始めるといっておりますが、これは学校だけではなくて、家庭が加わっているところ、あるいはそれを加工もできるようにしようとしているところなど、ちょっと注目すべきところがあろうかと思います。
それからもう一つは、BBCは豊富な番組ライブラリーを持っておりますので、それを使って一般向けに――これは一般向けです――非営利の利用に限って、過去の番組だとか素材を提供するというプロジェクト。こっちはクリエーティブアーカイブ、創造的なアーカイブというような言葉を使っておりますが、こういうのを進めています。近く、来年1月という説もありますが、小規模な実験を始めるということになっております。これは大変新しい考え方で、著作権の処理をしながら進めるということになっておりますけれども、しかし、著作権を持つ側からは相当な反発もあるようでございまして、著作権問題でどこまでできるかということも注目されるところでございます。
今、見てまいりましたように、先進国ではどこもアナログテレビが恐らく2010年代に次々にサービスを終わるという見通しになってきております。もちろん、若干遅いところ、早いところ、いろいろ出てくるわけでございますが、2010年代には続々出てくるのではないかというような趨勢でございます。
それから、放送局の方はインターネットの利用、通信との提携、携帯向けサービスなど、そういうものに大変積極的に挑戦をしているというのも各国共通の状況かというふうに思います。
それから、携帯、移動体への放送というのは、どうもユビキタス情報社会の有力なツールになってくる可能性があるということが実感されます。特にヨーロッパでは、ここのところ、相当急激に動いてまいりましたので、そういうのを見ていますと、これが有力なツールになってくるのではないかという気がしております。
それから、放送と通信の融合と言われてかなり経つんですけれども、融合というか、連携というか、人によっていろいろでございますが、それが加速してきているのは間違いないんですけれども、そういう時代に、放送だけではなくて、ブロードバンドとか、あるいは携帯とか、そういったものも含めた著作権問題をどう解決するかということについては、まだ解決していない問題が大変多いというのも事実でございます。いずれにしましても、日本はよくハードに強いけれども、ソフトに弱いなんていうことがいわれたりしますけれども、外国の、特に欧米の放送局あたりは非常にアプリケーションといいますか、番組制作といいますか、そういうことに本気になり出すと徹底的にやるというところがございますので、日本はこれからそういう外国の体制に負けないような番組制作力が必要になるのではないかというふうに思っております。
大変簡単でございますが、以上です。 |
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塩野座長 どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして、野村さんからご報告いただき、その後でまとめて質疑応答の時間をとりたいと思います。それでは、野村さん、よろしくお願いいたします。 |
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野村構成員 野村でございます。よろしくお願いいたします。今日、皆様の前でこのようなお話をさせていただくのは、大変恐縮でございまして、どこまでお役に立てるかどうかというところがあるんですけれども、私がずっと調査しておりました中で、特に海外の動向で日本の参考になりそうなものに焦点を当てましてお話をしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
海外の動向です。今、隈部さんから全体像をお話しいただきましたが、なかなか先進的、目新しいというものが見つけにくいものでして、やはり海外も試行錯誤の状態にあるというのが実感でございます。その中でイギリスは特に98年に地上デジタル放送を始めておりまして、衛星、ケーブルも含めまして、デジタル放送の普及率は2004年3月現在で53%ということで、非常に高い普及率になっております。双方向サービスへの取組みなどでも、非常に新しい情報伝送路としてデジタル放送を活用していこうというところがございますので、イギリスの取組みを特に中心に今日はお話をさせていただきたいと思っております。そのほか、移動体向けサービスなどに関しましては、隈部さんの方からもお話がございましたので、簡単にご紹介させていただきたいと思っております。
双方向サービスでイギリスの取組みということで、まずヨーロッパ全体の双方向テレビの状況というものを見てみたいと思います。
これは、スクリーン・ダイジェストという雑誌で紹介されていた記事ですが、テレビを電話回線に接続している、つまり、双方向で情報のやりとりが可能なテレビの保有世帯数はどのぐらいかということなんですけれども、やはりイギリスが一番デジタルが普及しているということもございまして、双方向テレビの普及台数も抜きん出ております。次いで、フランス、イタリア、スペインなどというふうになっているのですが、ちなみに、どういった媒体が多いのかといいますと、イギリス、フランス、イタリア、どれも衛星放送を使った双方向チャンネルというのがチャンネル数としては一番多いようです。続きましてケーブルテレビということで、もちろん、地上波の方もイギリスでも双方向サービスはやっているのですが、まだチャンネル数としてはそれほど多くないようです。
では、イギリスで衛星放送を使った双方向サービスが一番多いということで、イギリスのBSkyBが行っておりますSky Digitalのサービス内容についてご紹介していきたいと思います。BSkyBはもともと双方向サービスには熱心でございまして、昔、オープンという会社で、HSBCですとか日本の松下電器なんかも出資しまして双方向サービスの会社を設立いたしました。ただ、このときには、サービスは行うんだけれども、それに見合った収益がなかなか稼げないということで、一旦、双方向の会社は畳みまして、BSkyBの方に吸収しまして、新たにSky Activeという形でサービスチャンネルを立ち上げました。
Sky Activeの内容ですけれども、普通の番組に対して双方向で、例えば番組に関するアンケートを視聴者に回答してもらう、あるいはゲームに参加してもらう、クイズの回答を送ってもらう、そのような形でSky One Activeというチャンネルを持っております。
それから、スポーツに関しましても、これももちろん、データ放送みたいな内容もあるのですが、特にイギリスの双方向サービスとして多いのが、スポーツ中継を複数のアングルから放映する。その中で視聴者は自分が見たいアングルの画像を選択して、それを見ることができる。そういう形の双方向サービスというものも行っております。
それからSky Movie Activeということでは、これは映画チャンネルなのですが、例えば映画の紹介をしまして、その映画鑑賞券だとかDVDをテレビを通じて購入できる、あるいは出てくる俳優に関する詳しい情報、あとゴシップなんかもあるのですが、芸能ニュースなどもムービーチャンネルを見ながら見ることができるというふうになっております。
それから、一個飛ばしまして、Sky Gamestar。これはゲームチャンネルでございまして、25種類のゲームをテレビを通じて楽しむことができる。 そのほか、電子メールですとかショッピング、金融サービス、旅行チケット予約等々の双方向サービスが利用できるということです。
この中で、特にSky Digitalの双方向サービスの中で一番の収益源となっているのが Sky Betという賭け事チャンネルでございます。もともと双方向サービスを始めたばかりのときには、この賭け事チャンネルというのはございませんで、番組投票だとかショッピングだとかが中心になっておりました。ただ、それではなかなか稼げないということで、イギリスというのは賭け事が盛んな国だということで、BSkyBもどうやって双方向チャンネルで稼ぐかということで、この賭け事チャンネルを立ち上げたというふうに聞いております。競馬ですとかサッカー、カジノ等々がテレビを通じてできるということになっております。そのほか、宝くじなんかを買えるチャンネルもあるようです。
もう一つ付け加えさせていただきたいのが、隈部さんの方からもご紹介がありましたとおり、最近、デジタル放送の事業者においては、デジタル録画機、いわゆるパーソナルビデオレコーダーですとか、デジタルビデオレコーダー、PVR、DVRなんて呼ばれているのですが、ハードディスクを内蔵しましたセットトップボックスを顧客獲得ツールとして用いているようでして、BSkyBも例外ではございません。BSkyBの場合には、Sky Plusという名称で、PVR機能搭載のセットトップボックスを販売しております。価格としましては、20時間、番組を録画できるものが99ポンドです。大容量、4倍の時間(80時間)録画ができる 160ギガバイトのセットトップボックスになりますと、大体 400ポンドぐらいで購入できるということです。
加入者数の方は、Sky Plusと呼ばれるサービスに関しましては徐々に伸びてきておりまして、2004年9月末現在で50万ぐらいの加入世帯数があるということです。ただ、Sky Digitalの加入世帯数が 750万ぐらいありますので、まだ全体から見たら比率としては少ない。ただ、実は、2003年度の加入者の動向を見てみますと、このSky Plusの加入者のうちの26%が今までSky Digitalに入っていなかった世帯、つまり、全く新規に入ってきたという世帯が多いということで、4分の1が全くの新規加入者ということで、これを新しい加入者を獲得するための重要なツールとしてSky Digital、BSkyBはとらえているということです。
それから、Sky Plusの加入者というのは、要は、番組を録画して、いつでも自分が見たいときに見るという、そういう視聴動向があるわけですから、むしろ、普通の視聴者よりもテレビの視聴時間が長い。しかも、毎月の視聴料支払金額も一般の視聴者よりも多く、かつ解約率も少ないということで、どうやって加入者をつなぎとめるかということで、このSky Plusを活用していこうというふうに考えているということです。
また、双方向サービスの方に戻りたいと思いますけれども、では、双方向サービスがSky Digitalの売上げ構成の中のどのぐらいを占めているのかということですが、2004年6月期のBSkyBのSky Digitalの総売上高は 36.56億ポンドになるのですが、そのうちの8%が双方向サービスの売上げということになっております。まだまだ直接受信から得ている収益が70%以上を占めているのですが、実は、この双方向サービスから得られる収益が徐々に上がってきております。
その内訳ですけれども、このように2002年、2003年、2004年と見ていきますと、双方向サービスの売上げが着実に上がっているということがわかります。ただ、内容を見ますと、どうしてもSky Betという賭け事チャンネルに依存する部分が大きくなってきているというのが現状です。Sky Activeの内容を見ますと、どうもショッピングチャンネルというのは、そんなに売上げとしては大きく伸びてはいないということがあるようです。むしろ、ゲームですとかそういったところの売上げの方が大きくなっているようです。
ここまでがBSkyBの双方向サービスのご紹介だったわけですけれども、では、実際に双方向サービスがどのように利用されているかというのを見ていきたいと思います。BSkyBばかりではなくて、もちろん、BBCの方も、隈部さんからご紹介がありましたとおり、双方向サービスを積極的に行っております。特にスポーツの番組が中心になっております。例えば今までの双方向サービスの利用者数をBBCの方で発表しているのですが、その数字を見てみますと、例えばアテネオリンピックのときは、延べで 900万ぐらいの世帯がこの双方向サービスというものを利用したというデータが出てきております。
例えばアテネオリンピックの開会式のときにも、もちろん、競技が行われていたわけでして、このときに、開会式を見たい人もいますけれども、競技の方を見たいという人もいる。そういったときには、リモコンに赤い双方向ボタンがありまして、それを押しますと、自分の好きな開会式の場面あるいは競技を選べるような仕組みになっている。レッドボタンと呼んでいるのですが、この赤いボタンを押した利用者数がどのぐらいいるかというのがこちらの数字ですけれども、アテネオリンピックで 900万ぐらい、それからウィンブルドンだとかワールドカップなどでも 400万ぐらいの人がこの双方向サービスを利用しているということです。
そのほか、「ライフ・オブ・ママルズ(The Life of Mammals)」というのは、リチャード・アッテンボローの兄弟のデイビッド・アッテンボローさんという方がナビゲーターとしてつくられている番組なんだそうですが、こちらなんかですと、例えば哺乳類に関するクイズなんかが出されます。それに関する回答を視聴者に求める、そういう内容のテレビ番組になっているのですが、こちらの方も利用者が 200万ぐらいいる。それから、「テスト・ザ・ネーション」というのは日本のテレビ朝日さんなんかでもやっている知能指数を測る、そういう番組で、これもクイズの回答を視聴者に求める。もちろん、インターネットだとか携帯電話なんかも利用できるのですが、双方向テレビを使って回答している人たちも 100万ぐらいいるということで、イギリスの視聴者は赤いボタンを押して双方向を使うということにだんだん慣れてきている、そういう状況にあるのではないのかと思います。
次の画面はBBCの双方向画面の内容ですけれども、一番左はコモンウェルス・ゲームというスポーツのチャンネルで、こういうふうに一覧としていろいろな角度のスポーツが出てくる。この中で自分の好きな競技を選んでいって、それが大画面で見られるという仕組みになっています。真ん中が、「ライフ・オブ・ママルズ」という哺乳類の生活という番組ですが、これはクイズですね。多分、1、2、3のうちのどれかを選びなさい、そういう感じなんでしょうが、回答内容によって専門家からの直接のフィードバックがあったり、次のシーンが回答内容によって変わっていく、そういう形の番組内容になっているそうです。それから、一番右が「テスト・ザ・ネーション」ということで、クイズの答えを放送局に送って自分のIQを知る、そういうような内容の番組になっております。
BBC以外にも、ほかの公共サービス放送事業者であるITVですとかチャンネル4なんかも、積極的に双方向サービスというものを使っております。有名なところでは、チャンネル4の「ビッグ・ブラザー(Big Brother)」という番組がありまして、これは出演者を視聴者投票で選んでいって、投票数が高い出演者が最後まで勝ち残っていく、そういうような番組でございます。この「ビッグ・ブラザー5」というのが前期あったそうですが、このとき、最終週は 630万人が「ビッグ・ブラザー」の出演者の投票に参加したということです。最終的にトータルでは 1,500万ぐらいの視聴者が投票に参加して、そのうちデジタルテレビを通じての参加が 250万ぐらいあったということです。これは、ただ1回の投票につき25ペンスかかるということで、ある意味、放送事業者にとっては副収入源ということにもなるのかもしれません。
似たような番組で、アメリカでも「アメリカン・アイドル」という番組があるんですが、チャンネル3、ITVの方では「ポップ・アイドル」ということで、視聴者投票でアイドルを選ぶという、昔、日本であった「スター誕生」のような、そういう番組。これも双方向テレビで投票ができるようになっております。
それから、Sky Digital、先ほど紹介いたしましたけれども、加入者の92%が日常的に双方向サービスを利用しているというデータがあるそうです。2003年2月にSky Oneというチャンネルがマイケル・ジャクソンの告白番組、ドキュメンタリーを放送したんですけれども、このときは 200万人という、BSkyBとしては高視聴率を記録したそうなんですが、このときに、視聴者に対してマイケル・ジャクソンはフェアな取材を受けたと思うかという質問を用意していたそうです。このとき、7万件の回答があったということですが、うち、テレビの双方向画面からの回答が7万件中4万5,000件あったということです。やはりテレビを使ってすぐに回答できるということは、クイックレスポンスといいますか、即回答につながるということで、非常に便利だということのようです。残りの2万5,000件が電話投票による回答だったということです。
そのほか、双方向ショッピングなどもだんだん盛んになってきておりまして、ヨーロッパの調査会社によると、2003年の双方向テレビショッピングの市場は15億ポンドぐらいだったのが、2008年には25億ポンドぐらいまで成長するであろうとの予測もあります。で、QVCというショッピング専門チャンネルがあるんですけれども、こちらの注文の35%が双方向テレビ経由ということになっているそうです。
では、実際に視聴者はどのぐらい双方向テレビというものを利用しているのだろうかということで、これはBMRBというところが調査しました視聴者モニター調査ですけれども、この調査によりますと、やはり若い世代の方が双方向サービスの利用はどうも多いようでして、レッドボタン自体を押したことがあるというふうに答えた視聴者層は8割から9割ぐらい。ただ、高齢者の方々になってくると、ちょっとその数字が落ちてくる。さらに、双方向サービスを利用したことがあるというふうに答えた人になると、少し数字が落ちているというのが現状のようです。
このようにイギリスノ双方向サービスはそんなにすごく進んだシステムということではなくて、割と単純なシステムなんですけれども、イギリスの場合にはデジタルテレビの普及率がパソコンの普及率よりも高いということで、パソコンを通じたサービスよりもデジタルテレビを通じたサービスの方がもっと普及が進むのではないのか。 そういうことで、電子政府のサービスにデジタル放送を活用していこうという取組みが非常に積極的に行われています。イギリスはもともと電子政府の取組みが非常に積極的でございまして、e-Envoyという専門の政府機関などをつくりまして、UKオンライン、今、ダイレクト・ガバメント(Directgoc)と呼んでいるのですが、オンラインで電子政府のサービスを提供する、そういうプロジェクトを立ち上げております。その中の一環としまして、デジタルテレビを使った公共サービスの提供というものにも取り組んでいるのですが、中でもDigiTVプロジェクトというプロジェクトなのですが、これは地方政府、地方自治体にどうやって電子政府サービスを簡単に導入していくか、そういうことで立ち上げたプロジェクトということです。
総予算は6億ポンドぐらいなのですが、要は、デジタルテレビを活用した公共サービスを各地方政府ごとに違うシステムをつくるということになりますと、コストも時間もかかる。だったら簡単なシステムをまず構築しまして、これを地方政府に導入させていく。これによって開発ですとか導入にかかるコスト負担を削減する、あるいはケーブルテレビですとか衛星放送、地上波というメディアの違いを乗り越えて、デジタルテレビを活用した公共サービスというものを地方自治体に導入させていこう、こういう目的で始まったプロジェクトになっております。
スターターキットの開発はもう済んでおりまして、少しデータは古いのですが、今、12ほどの地方政府で実験を行っているということです。将来的にはテレビのすべてのメディアでこのプロジェクトを導入していこうという考えなのですが、今のところ、地上波のFreeviewはreturn path(上り回線)というものがございません。ですから、導入しましても、家にいる人たちが自分の意見を相手に送ることができないということで、今現在のところは、衛星放送とケーブルテレビを通じてサービス提供を行っております。これは、Directgovという中央政府のポータルサイトがございまして、ここから各地方政府のポータルに接続する。で、これを通じまして、電子政府サービスというものを利用できるということです。
これは、ウエストヨークシャーの方にカークリーズという都市があるそうなんですけれども、こちらで行われたパイロット実験の結果ということで、利用者、モニター世帯に対するアンケートということです。このインタッチと呼ばれているシステムに参加した住民アンケートによると、58%、6割ぐらいの住民が引き続きこのシステムを使いたいというふうに答えたということです。中でも便利と考えたサービスはどのようなものがあるのかというのが、このグラフなんですけれども、投票ですとか図書館の本の貸出し延長、議会に対してメッセージを送る、あるいは社会サービスの窓口への連絡、地域情報の入手、こういったものをベリー・ユースフル、とても便利である、あるいは役に立つというふうに答えている人たちが多くなっております。ただ、例えばチャイルド・ケア、育児支援の情報ですとか、あとは地方税の支払いですとか、そこら辺はあまり便利ではないというふうに答えた、そういう住民も多かったようです。このカークリーズがデジタルテレビをぜひ公共サービスで使いたいと思ったのが、チャンネル4の「ビッグ・ブラザー」で双方向サービスで回答している人たちが多い、それがどうもきっかけになったというようなことを聞いております。
地方政府ももちろんですけれども、中央政府の方でもデジタルテレビを積極的に政府の情報を提供する窓口として活用しようと考えております。その事例がこのNHS Direct TVというものと次の Teachers'TVというものですが、NHSというのは、イギリスの場合には国民に対して無料で医療を受けられるようにということでサービスを行っているというふうに聞いております。ただ、そうしますと医療費がどんどん膨れ上がってきてしまいますので、むしろ、国民に対して健康の自己管理を促進した方がいい。そのための情報提供ツールとしてオンラインサービスを活用しようというのが、このNHS Directの目的でございます。ただ、先ほど申しましたように、パソコンだけではなかなかすべての人たちに情報を提供できないということで、デジタルテレビも活用して、このサービスを提供していこうということで取り組んでいるところだということです。
今はまだサービスが始まっておりませんで、今年中にはデジタルテレビを通じたサービス提供を行いたいということです。ちなみに、このNHSの医療センターの受診者数が2003年中は 140万人いたそうです。このNHS Directというのは、電話による相談あるいはインターネットを活用したオンライン相談というものがあるそうですが、電話を通じてというのが2003年は 630万件、それからインターネットを通じたものが 390万件あったそうです。こういったサービスにNHS Directだけで2年間で2億ポンドの費用がかかったということで、このコスト、あるいは医療センターも年間 3,000万ポンドのコストがかかるということで、このコストをどうやって削減していくかということで、やはりデジタルテレビを活用していかなくてはいけないという事情もあるようです。
それから、Teachers'TVというものがございまして、先ほどの隈部さんからご紹介がありましたBBCの教育コンテンツの活用ということにも通じるプロジェクトかと思います。これは、職業技能省が支援しているプロジェクトでして、ただ、運営自体は政府というわけではなくて、第三者機関で運営ということになっているようです。教員向けの専門チャンネルということで、2005年の初めにはサービスを開始したいということで、これは教材の提供ですとか、教育番組を授業で使える素材として提供するということもありますけれども、むしろ、教員のコミュニティーをつくるということも大きな目的の一つとなっているようです。好事例の紹介ですとか、ほかの学校の運営状況なんかを紹介したり、あるいは教員の能力開発のために専門家によるアドバイスなども提供する、あるいは教員同士の議論の場、コミュニティーそのものを共有できる場として双方向テレビというものを活用していこうということで取り組んでいるということです。
ということで、ここまでが双方向サービスの取組みなんですが、ご参考としまして、アメリカでも双方向サービスの取組みは行われておりますので、簡単に紹介したいと思います。
アメリカの場合、双方向サービスは、やはり地上波ではあまり盛んではございませんで、どちらかというとケーブルテレビ、衛星放送が中心になっているのかなという感じです。ケーブルテレビは加入世帯数が7割ということで、やはりテレビのメディアの中でアメリカでは非常に大きい地位を占めている。ただ、最近になって衛星放送が台頭してきておりまして、今、非常に厳しい競争環境に置かれている。その中でどうやって顧客を獲得していくかということで考えておりますのが、いわゆるトリプルプレーと呼ばれているものですが、高速インターネット接続サービス、ビデオオンデマンド、そして電話、この3サービスを一体として提供する、これが重要だと考えているということです。ちなみに、Coxコミュニケーションズの加入者の17%はこの3サービスのすべてに加入しているといったデータもあります。
その中で、双方向テレビというのは新しいサービスを加入者世帯に届けることができるということで、最近になって非常に盛んに取り組んでいるような状況にあります。例えばビデオオンデマンドですとか、双方向の電子番組ガイド、あるいはテレビ画面でインターネットにアクセスできるサービス、それからデジタル録画装置、そういったものを提供しているということで、ビデオオンデマンドが特に双方向サービスの中では有力なサービスというふうにケーブルテレビ会社は考えているようでして、ケーガン・リサーチの予測によりますと、 2,300万世帯が2004年末にはビデオオンデマンドを利用しているだろうという予測などもございます。全加入世帯の3分の1ぐらいがこのビデオオンデマンドを使うのではないか、そういう予測などが出ております。
それから、もちろん、衛星放送の方もケーブルテレビ事業者のライバルということで、同じように、このトリプルブレーというものに力を入れなければいけないということで、熱心に取り組んでおります。ハイビジョンだけではなくて、双方向サービス、それからデジタル録画装置というものの提供に力を入れているようです。
それで、双方向サービスのおもしろいなと思った事例なんですけれども、ここでご紹介させていただきたいのですが、2004年の大統領選挙のとき、やはり国民の注目の的ですので、いろんなチャンネルでこの大統領選挙の番組をやっております。ただ、視聴者にとってはいろいろ番組を選択するのにチャンネルを変えていく、これは非常に手間です。ということで、Dish Networkでは1つのチャンネルで6つのネットワーク番組を一遍に流す。この中で、視聴者は自分が興味があるネットワークを選ぶ。それで、その番組を見るというふうにできる。1つの入り口から自分の好きなチャンネルを選べる、こういった双方向サービスなんかも提供しているということでございます。
それから、もう一つ、ケーブルテレビ、衛星放送などとともにデジタルサービスの提供に非常に熱心なのが、公共放送と呼ばれるPBSですね。これが非常にデジタル放送の取組みに積極的です。ここでは双方向サービスというふうに書きましたけれども、もちろん、ハイビジョン番組に関しましても熱心に取り組んでいる、あるいはデータ放送に関しても熱心に取り組んでおります。
双方向サービスに関しましては、このPBSはブロードバンドへのアクセスが難しい地域に対しては、PBSがかわりにそのアクセス手段を提供できるのではないのかと考えているようです。すなわち、デジタル放送の双方向サービスを使えば、とりあえず下り、つまり、各家庭向けの情報配信の方が非常に情報量が必要だ。その場合には地上波の電波を使って大量の情報を流す。一方、視聴者各世帯からのリクエストなんかはそんなに太い回線でなくても十分であろうということで、ダイアルアップのインターネット接続でも上り回線はとりあえずは十分であろうということで、ブロードバンドが普及していない地域にどうやって双方向サービスを提供するかというときに、このPBSが99%の地域にとりあえず電波を送ることができる。そういった地域に対して補完手段として双方向テレビというものが非常に有用であるというふうに考えているそうです。
ただ、地上波というのは、先ほどのイギリスの事例と一緒で上り回線がございません。この上り回線をどうやって確保するかということで、例えばTiVoのようなパーソナルビデオレコーダー、この事業との提携によって上り回線を確保する。これによって双方向サービスを提供しようというふうに考えているようです。
それからPBSはマルチキャスト、多チャンネル放送についても積極的に取り組んでいるようでして、例えばオハイオ州のPBSチャンネルの番組構成なんかを見ますと、ふだん、日中の時間は4チャンネルを流していて、プライムタイムはハイビジョンで1チャンネルを流している。そういった番組構成なんかもやっているようです。
それから、データ放送では、災害時の非常放送なんかの提供手段としてもPBSのデータチャンネルを使うというようなことも考えているようです。ということで、双方向サービスのお話をさせていただきました。
あと、移動体向け放送のお話ということで、隈部さんの方からもご紹介がございましたので、簡単にしていきたいと思います。アメリカの場合には、まだ移動体向けの地上放送はございませんで、今のところは移動体向けの放送は衛星を利用したXMラジオとシリウスラジオ、この2つということになっているようです。どちらも映像配信というわけではなくて、音声中心のサービスになっております。ただ、メリットとしましては、州をまたいでいくと、地上波のラジオだとチャンネルを変えていかなくてはいけないけれども、衛星の場合ですと、全国1波ですので、チャンネルをわざわざ変えなくても受信できる。ずうっと同じチャンネルを楽しむことができるということで、車社会のアメリカでは非常にニーズに合ったサービスということで受け入れられているようです。
それからもう一つが、車会社と提携しているということが普及に際しては重要だったようでして、XMの場合にはGM、シリウスの場合にはフォードがバックについておりまして、車に車載ラジオを最初から搭載するということで、こういう方法で普及を進めているというふうに聞いております。例えば大リーグなんかでも、地域によって自分の好きなチームを聞けないということもありますけれども、この衛星ラジオだったら、どんな場所にいても自分の好きなチームの情報が入手できる。そういったメリットもあるようです。
同じように衛星を使った移動体向けラジオということでは、韓国も取り組んでおります。こちらは映像も配信できるということで、我が国のモバイル放送と同じようなサービスになっております。で、韓国のTU Mediaという会社なのですが、こちらはバックにSKテレコムという移動通信の会社がついておりまして、最初から携帯電話でTU Mediaの番組を楽しめる、そういう機種を発売する予定だということで、サムスンなんかが機種を既につくっているということを聞いております。
それから、デジタルラジオということでは、DABというのが非常に古い存在ということで、特にBBCが中心となってイギリスでは提供をしている様子です。DABの場合にも、イギリスの場合には、全国どこでも同じチャンネルで聴取が可能ということで、非常に便利だということをアピールポイントにしているようです。で、データの送受信なども可能になっております。
最後に、携帯向け放送というのは、我が国でも来年か再来年ぐらいにサービスが始まるということですが、ヨーロッパも同じぐらいの時期に始めようということで、技術開発をしているということを聞いております。これがDVB−Hと呼ばれる技術方式 で、携帯電話メーカーのノキアが中心になって考えた技術 です。今現在、実験が行われていまして、ベルリン、ヘルシンキ、アメリカのピッツバーグ、そのほか、イギリスのオックスフォードですとかフランスなどでも実験が始まっているようなことを聞いております。で、ノキアですとか、モトローラ、日本電気、シーメンス、ソニー・エリクソンなどがモバイル・ブロードキャスト・サービシーズという技術の開発について提携をしている、といった新聞報道なんかも出てきております。
こういう形でデジタル放送を活用したいろいろなサービスへの取組みが進んでいるところですけれども、ただ、海外の事情を見ましても、例えば移動体向け放送ですとかサーバー型放送、こういったものはこれからの取組みかなという感じはいたします。ただ、我が国でも2005年、2006年にそのサービスが立ち上がってくる。海外におきましても、2005年くらいから携帯向け放送も始まってくるということで、あと2〜3年ぐらいしますと、今、ご紹介した以上の、もっと何か新しい、あるいは先進的なサービスというものが登場してくるのではないか、そういうふうに感じております。
以上、私の方からの海外の事例のご紹介でした。どうもありがとうございました。 |
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塩野座長 どうもありがとうございました。海外の最新の情報をお二人からご提供いただきまして、大変ありがとうございました。それでは、今のお二方のプレゼンテーションを前提にいたしまして、自分には海外についてこういう別の情報もあるということの情報の提供ももちろん歓迎いたしますし、それから、今のプレゼンテーションに対するご質問もお願いしたいと思います。どなたからでも結構でございますから、どうぞご自由にお願いいたします。どうぞ、山下さん。 |
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山下構成員 隈部さんの方でお伺いしたいんですが、各国、デジタル放送の終了時期というのを幾つか示していただいたと思うんですが、こういった終了時期を決定する主体がどういうところなのか。それから、それが普及状況によって頻繁に変わっていくのか、最初に決めたとおりにずうっと進んでいくのか。そのあたりを教えていただけないでしょうか。 |
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隈部構成員 終了時期を決める主体は、第一義的には放送を監督する機関ということでございますけれども、国によっては議会の議決を経て決めるというようなところもございます。多少ばらばらでございます。で、それぞれのところがそれぞれに働きかけるというような動きがございまして、なかなか一概には言いにくいところがございます。
それから、一旦決めると、今度は、普及の目標でございますから、相当それを維持しようというふうに各国とも思うのは間違いございません。ただ、普及がおくれてきたりすると、各国ともそれを見直すという時期を設けておりまして、それで、新しい普及の――普及というよりも、アナログの停止の時期を変えるというような例も国によってはございます。そんなことでよろしゅうございますか。 |
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塩野座長 村井さん、どうぞ。 |
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村井構成員 大変詳しいご説明をありがとうございました。私も幾つか海外の事例を知っておりますが、例えば、アメリカのTiVoの場合だと、セットトップボックスに内蔵したハードディスクに放送コンテンツをストア(蓄積)して、蓄積後そのコンテンツをいろいろな方法で視聴できます。例えば同一LAN上にある別のTiVoやPCに転送して視聴したり、あるいはTiVoユーザーがインターネットを介して、限られた数の家族や友人との間で、セットトップボックスにストアしたコンテンツを共有したりするなど、蓄積した放送コンテンツを利用することに対して比較的自由度が高い機械と見ていました。今までお話していただきました外国の事例では、セットトップボックスに放送コンテンツをストア(蓄積)して、自分が観たい時に放送を視聴するという視聴スタイルが幾つか紹介されましたが、このTiVoのような事例から想起されるDigital Rights Management(デジタル著作権管理)的な観点では、イギリスとアメリカ、あるいは他の国の現状がどうなっているのかをもう少し教えていただけるとありがたいと思います。 |
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隈部構成員 後で野村さんにも補足していただきますが、私の知る限り、やはりいろいろ問題がまだ引き続きあるというふうに理解しております。最大の問題でまず起きたのは、CMをどうするか。最初に出てきたDVRとかPVRというのは、最初は、特にリプレーの方のものはCMを自動的に飛ばすというようなことができるようになっていましたので、相当民放から反発も受けまして、それで、こちらの方はそういう機能を落としたというようなことで、今はマニュアルでしかCMを飛ばすということはできなくなっております。
それから、収録したものを後で利用するということについては、著作権上の問題は確かにございます。それで、アメリカでも、ちょうど日本のコピーワンスのように、放送フラッグという、やはり基本的には家庭用での収録が1回だけできるというような考え方の技術が認められておりまして、そこの中でそういうTiVoなんかを使っているものも出てまいりますので、それとの関係をどうするかということで、アメリカの連邦通信委員会ではこういった範囲のことなら認めるというようなことで、各メーカーからアイデアを募集しまして、TiVoなんかは、限られた10のアドレスに限っては送れるというような一つの新しい考え方で出した技術がありまして、それがFCC、連邦通信委員会に認められたというようなことがございます。ただ、その10のアドレスというのは、インターネットを通じて他人に流してもいいという意味ではございませんで、主としてデジタル家電による1つの収録機械から次の収録機械への移転ですね、日本ではムーブといっております。日本のムーブというのは、移転をすると、前の方のデータは消えるわけですけれども、それを消えなくてもいいようにするとか、そういう限りの範囲だろうと思います。あくまでパーソナルユースというか、個人的な利用に限るという原則は一応アメリカにもございます。ただ、個人的利用というのはどこまでというようなことは、個々にまたいろいろ議論になるところでもございますし、まだ比較的これからの各国ともの問題だろうというふうに理解しております。 |
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野村構成員 海外の事例ということになりますと、例えばヨーロッパでは、今、ご紹介しましたBSkyBのSky Plusのほかに、前にNTTの方からご説明があったかと思うんですが、イタリアのFast WebというところがやはりDVRの装置を使ったサービスをやっているようです。こちらの場合は、ただ、CM飛ばしの対策に関しましては、視聴者側で録画するというよりも、サービス会社の方のサーバー側で保存して、それを視聴者のリクエストにこたえて送るということで、CMがカットできないようにしているというようなことを聞いております。
それから、アメリカに関しまして、村井さんからお話がありましたとおり、TiVoが非常に有望視されているということですが、やはり衛星放送事業者におきましても、ケーブルテレビ事業者におきましても、どうやって競争相手よりも加入者を獲得するかというときに、このDVRというものが一つの顧客獲得ツールとして重要というふうに考えているようでして、 DirecTVはTiVoと提携してセットトップボックスをつくっているようですが、Echostarなどはまた別に自分のところでつくったり、あるいはタイムワーナーなども自分のところでケーブルテレビのセットトップボックスをつくっている会社と提携してつくるという形でやっているようです。
それで、先ほどのCM飛ばしの話ですけれども、アメリカのフォレスター・リサーチがアンケート調査をDVR所有者の 600人ぐらいに対して行ったそうですが、それによりますと、テレビ視聴時間のうち60%近くをこういった利用者はDVRを使って録画している。ただ、そのうち92%は、やはり録画時間のうちのCMを飛ばしている。そういうデータなどが上がってきているようです。特にスキップされているのがクレジットカード会社のCMで、例えば映画の予告ですとか、ニュース、スポーツ番組のCMなんかはあまりスキップされていなかったというデータもあるので、やはりCMの内容によっても、どうやってスキップされないか、そういうつくり方ももしかしたらあるのかもしれないなというふうに、この調査結果から思いました。 |
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塩野座長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。村井さんのご自分の情報で、この際、提供しておいた方がいいということはありますか。 |
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村井構成員 今回取り上げたTiVoのように、「放送コンテンツをインターネットで流す」ということにつきましては2種類あると考えております。1つ目は、テレビ放送で使われているコンテンツをインターネットで垂れ流し、誰でも見ることができるようにしてしまうというやり方。2つ目は、日本でも商品が出ているようですが、自分がどこかに行ったときに、インターネット越しでテレビを個人的に見るというやり方。TiVoは比較的そのような使われ方をすることは許しているという理解を私はしており、日本でもそういう商品が現実に出てきております。そうなってくると、やはり放送コンテンツの個人使用についての考え方をどのようにしていくのかがポイントとなってきます。
以下にあげる韓国の例もその点について取り組んだ事例だと思います。韓国も1人1人が固有に持つ自分のソーシャルセキュリティーIDのような識別子を入れて、テレビ番組の視聴をインターネット越しにするということを行っておりますが、このため、インターネットの側面から見ると韓米のインターネットのトラフィックが逆転しました。普通インターネットはアメリカから他の国へ伝送する情報量(トラフィック)が多いのですが、韓国に関しては韓国からアメリカへ伝送する情報量がアメリカから韓国へ伝送する情報量を逆転したような事例がありました。その原因として、韓国がテレビ番組の視聴をインターネット越しにするサービスが開始されたということに起因しているということを伺っていましたので、どうして韓国のテレビ番組がインターネット越しで見ることができるのだろうかと思っていたのですが、個人を特定して、個人視聴の延長というモデルをルールとして設けているということが判明しましたので、韓国の取組みをもとに、イギリスとアメリカ、あるいは他の国の現状がどのようになっているかをお伺いしたわけです。どうもありがとうございました。 |
○ |
塩野座長 どうもありがとうございました。ほかにどうぞ。何かありますか。よろしいですか。私の方から隈部さんにお伺いしたいんですけれども、ちょっと大きな話で申し訳ないんですけれども、我々の問題意識の中には、デジタル化に伴って公共放送はいかにあるべきかというのが非常に大きな項目としてボンと出ているんですけれども、外国で放送のデジタル化に伴って公共放送はどうあるべきか、あるいはもう要らないのではないかとか、受信料はどうかとか、そういった放送制度論にかかわるような議論は出ているのでしょうか。 |
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隈部構成員 まだ途中の段階の話でございますが、先ほど申し上げましたように、BBCがたまたま2006年の12月末で、BBCの場合は免許ではなくて、女王様の特許状によって免許に当たるものを与えられるという格好でございますので、それの期限が来るんです。今、それのレビューといって、見直し作業をしておりまして、それに伴っていろんなことが出てきているんですけれども、例えばOFCOMという、これ、BBCを直接監督するのはごくわずかでございまして、一般の放送事業者を監督する、民放を監督する機関としてできましたイギリスの放送通信庁というのがございますが、そのOFCOMあたりの考え方では、一般の放送を主に考えて、BBCにも一緒に当てはめようという考え方はあるのだと思いますが、デジタル化でアナログが完全になくなってしまうという時点になると、これまでのいわゆる公共放送のあり方の論理というだけではだめだというようなことで、それではどうするか。それは、今からはたちどころには言えないので、この際、イギリスでそういう放送の監督機関は文化・メディア・スポーツ省というところがやっているわけでございますが、そこが特許状によるBBCの公共放送の存立をまた10年認めるとして、中間の5年たったところ、というのは2007年から数えて5年ですから、2011年ぐらいの末に、一遍、それまでのデジタル化の進展の状況を見て、その後のことについては、例えばBBCの受信許可料といっておりますが、そういったものの見直し、あるいはほかの財源というようなことも含めて、そういったときにもう一遍考えましょうというような案を出している。これはあくまで案でございまして、まだ決してファイナライズされたものではございませんけれども、そういうようなことで、やはりデジタル化の進展にとって公共放送はどうあるべきかという議論、問題意識としてはかなりあるというふうに感じております。 |
○ |
塩野座長 ありがとうございました。私の経験ですと、ドイツの人は議論して制度をつくってからでないと、いろんなことを実用化しないという癖がありますけれども、その辺、濱田さん、何か情報を持っておられますか。 |
○ |
濱田構成員 特にございません。 |
○ |
塩野座長 では、また何か機会を見て、ドイツ人の議論の仕方ぶりを、もししていれば見てみたいと思いますが、今、事務局の方で何かそういう情報を持っていますか。 |
○ |
安藤課長 申し訳ございません、今のところございません。 |
○ |
塩野座長 それでは、またそういう情報があるかどうか、少し調べてみたいと思います。どうもありがとうございました。伊東さん、どうぞ。 |
○ |
伊東構成員 隈部さんにちょっと教えていただきたいのですが、"広がる番組関連利用"という項目で、BBCがインターネットを使って教育用の教材を無料で提供するというお話をご紹介いただきました。これは、インターネットだけで放送では流していないものなのでしょうか。前回のヒアリングで、放送されたコンテンツはコピーワンスの関係で教育用として使いにくいというようなお話がございましたが、BBCの場合はどうなのでしょうか。 |
○ |
隈部構成員 これは、放送で制作されたライブラリーをフルに活用はいたしますけれども、インターネットだけで流す、特にブロードバンドですね、それで流すことを目的にしたサービスと考えているようです。これにつきましては、確かに各種の教材を無料で、しかも学校だけではなくて、家庭にも、あるいは図書館とか生涯教育センターみたいなところでも使えるようにしようということで、著作権法上は、今、日本ですぐやれといっても、日本の場合には制約があるというのはご承知のとおりでございます。したがって、将来はそういった問題も解決していかなければいけないんですけれども、イギリスではとりあえずそういったことを、もちろん、イギリスでもそれなりに問題はあるのだと思いますが、解決しながらやっていく。
それから、同時に、関連で申し上げておくと、BBCの持っている豊富なアーカイブを使うだけではなくて、民間の出版社とか教育関係のソフトをつくっているようなところの素材も生かそうというようなことで、50%はそういう民間の教材をつくっているところに発注することというような条件もついております。ですから、BBCがインターネットを通じて流すのは間違いないんですが、そういう発注先にも若干の注文が出ているというようなことは確かにございます。 |
○ |
塩野座長 どうぞ、村井さん。 |
○ |
村井構成員 私も少しお話を伺ったことがあるのですが、インターネットを使って無料で流すというと、例えば特定の教員であるとか、特定の家庭であるとか、情報を受け取る先が個々のアイデンティティーをはっきりした上で流すのか、それとも不特定に流すのかというところを確認したいのですが、これは特定をして無料で流すというモデルですよね。 |
○ |
隈部構成員 これがなかなかまだはっきりしておりません。先生がおっしゃるように、セキュリティーの問題がございますので、認証によって、特別のセキュリティーが確保された人にだけやるという考え方も当然あると思うんですけれども、今のところは広く還元するというような公共放送的な意味合いで、無料で一応一般家庭にといっておりますから、結局、そういう広い範囲に公開するということになると思います。
ただし、公開するものが著作権がクリアされたものだけということになりますから、そこら辺のところで、すべてのBBCの番組が公開されるわけでもございませんし、それをまた加工してもいいというようなことになりますと、日本の著作権法上はまたいろいろ問題が出てくるところでございますけれども、これについては様子を見ながらBBCも進めていくのだろうというふうに思っております。したがって、著作権がクリアされた限られた素材について、とりあえずいろいろプロジェクトをパイロット的に始めて、だんだんに広げていこうか、という考え方だろうと理解しております。 |
○ |
塩野座長 どうぞ。 |
○ |
羽鳥座長代理 後の論点の中にももう一回出てくると思いますけれども、放送局がインターネットサービスを提供するとか、あるいはマスメディアの集中排除原則に関連して、新聞社と放送事業者の間の連携のことであるとかいうようなことについて、もし伺わせていただければ、イギリスの事例とか、あるいはアメリカも含めまして聞かせていただければと思うんですけれども。 |
○ |
隈部構成員 それでは、私の知る限り、お話しいたしますと、例えばアメリカでは新聞社の側でもホームページを使っていろんな地域の情報サービスをしようということで大変熱心でございまして、例えばジョージア州アトランタにそういう例があるんですけれども、動画も含めて新聞社の側が提供している。しかも、地元の放送局とも、アメリカのことでございますから、ご承知のように、メディアの所有規制の問題がありますから、新聞社との支配関係は全然ないんですけれども、そういうテレビ局と新聞社が協力をしまして、提携をしまして、そして、テレビ局の映像の情報も新聞社の方にも提供するというような、まだ、すべて、そういう例が多いというわけではございませんけれども、例も出てきているということで、新聞社側から映像を流すというのも出てきております。
それから、アメリカのことですから、放送局側が新聞社のものを使うというのは、さっきのメディア所有規制の関係もありまして、そう多くはないんですけれども、しかし、イギリスなんかでは、最近、BBCが取りやめたホームページがありますけれども、それは地方の新聞社の方から、多分、クレームがついたのだろうというふうに理解はしています。それは何かというと、イベントの予定を書いたホームページだったんですね。そういったものについて、ただし、BBC、やめなさいというのではなくて、よく地元の新聞とも協議をしてやるように、というようなニュアンスのことだったように思っております。 |
○ |
塩野座長 どうぞ。 |
○ |
野村構成員 では、私の方から、通信事業者と放送事業者の連携ということですけれども、フランスなどでは、ADSLの普及に際しまして放送事業者と提携して、例えばフランステレコムですとか新興のブロードバンド事業者などが、いわゆるブロードバンド放送と呼ばれる映像番組をブロードバンド回線を通じて各世帯に普及させるというような取組みを進めているところです。例えばTF1という放送事業者などは、むしろ、地上波を使うよりもADSLを使ってデジタル番組を各家庭に提供しようというようなことを考えているようです。
同じようなことがイタリアなどでも、先ほど、ご紹介いたしましたFast Webですとか、イタリアテレコムなどが取り組んでいるようです。
それから、アメリカの事例に関しましては、例えば DirecTVなどがケーブルテレビ事業者に対抗するときに、いわゆるトリプルプレーで、彼らにとってはケーブルテレビのようにインターネット接続サービスというのが提供できない、その際にどうするかということで、上り回線としてDSL事業者と組むということを考えているようです。
それから、もう一つ、アメリカの事例としまして、携帯電話事業者がどうやってシェアを高めていくかというときに、今のところ、携帯電話で直接、地上波テレビを受信できないのですが、そのかわり、携帯の電波を使いまして、ちょっとコマ送りのような映像になるのですが、テレビ番組を携帯の加入者向けに送るというサービスを行っているようです。例えばスプリントなどがMobiTVという名称で携帯電話向けに携帯の回線を使ってテレビ番組を送るということをやっています。ただ、それは地上波の普通の番組がそのまま再送信されるというわけではなくて、ニュースチャンネルですとか、ディスカバリーですとか、幾つかの限られたチャンネルということになっているようです。 |
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羽鳥座長代理 コンテンツのウェブサイトをつくるような放送事業者は、その点はいかがですか。 |
○ |
野村構成員 放送事業者側でということですか。 |
○ |
羽鳥座長代理 例えば放送事業者がウェブサイト等のインターネットコンテンツサービスをあまり盛大におやりでないよ、というような規制はイギリスの場合ございますか。 |
○ |
隈部構成員 恐らくイギリスの場合はあまりないと思います。BBCのホームページから動画をかなり自由に見られるというようなこともございますし、現実に民放各局のをすべて見たわけではございませんけれども、そこのところはインターネットについては割と自由にやっているのかなというふうに私は理解しております。 |
○ |
塩野座長 同じようなことかもしれませんけれども、フランスでいいますとブロードバンドを使って放送を送る、それを日本的に言い直すとどういうことになりますか。 |
○ |
野村構成員 日本的に言い直しますと、例えば、今、既にヤフーBBさんなんかも取り組んでおられますし、あと、NTTさんの子会社のぷららさんなどでも4th MEDIAという形で取組みを進められているのですが、やはりブロードバンド回線を使って映像コンテンツを流すということは、日本でももちろんやっておりますが、契約上でできるか、できないか、というところがあるかというふうに思います。 |
○ |
塩野座長 いや、もっとプリミティブな質問なんです。要するに、TF1は、フランスはいろいろ改組しましたから、一応NHKとしておきますと、NHKがブロードバンドを使って各家庭に送るというようなことをイメージしてよろしいですか。 |
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野村構成員 そうですね、はい。 |
○ |
塩野座長 またどこかで反論が起こるかもしれませんが、一応そういうことで伺っておきましょう。かなり自由にいろんなことをやっているということですかね。 |
○ |
村井構成員 TF1の例は具体的にはTF1が地上で放送しているコンテンツと同じコンテンツをブロードバンド経由で送るということなのでしょうか。 |
○ |
野村構成員 そのようです。あと、TF1以外にTPSという衛星放送の事業者などもブロードバンドを使って、やはり同じような番組を放送しているということです。 |
○ |
塩野座長 どうもありがとうございました。昔から羽鳥さんがいろいろ夢を語っておられたのが、ほかの国では実現しているという、そういうことのようですか。大分違いますか。 |
○ |
羽鳥座長代理 というか、やりたいことは、放送もインターネットもおやりになれるようになるのが・・・・・・ |
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塩野座長 それはこれから議論しますけれども、事実の問題として、そういう事実はあるということでございますかね。 |
○ |
羽鳥座長代理 はい。 |
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塩野座長 どうもありがとうございました。他によろしゅうございますか。隈部さん、野村さん、何かつけ加えることはございますか。 |
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隈部構成員 先ほどのDSLを使ったテレビ番組の配信のお話で若干追加しておきますと、フランスの場合、TF1とかTPSはフランステレコムと一緒にやっているということがございます。したがって、通信の方のプロトコルでやっているということですが、まず、フランスはほかにもパリあたりでフリーという、やっぱりDSLを使った、これはかなり普及しているようですけれども、そういうものでだんだん広がってきております。その背景としては、フランスはそれほどケーブルテレビが発達していないとか、いろんな事情もあるようですけれども、番組の中身については全く同じものもあると思いますけれども、一部はやっぱり再編成をしているのだろうというふうに私は理解しております。 |
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塩野座長 どうもありがとうございました。今日、お二方から双方向の動向についてかなりお話もございまして、私も何でイギリス人がそんなに双方向を使うのか、おもしろいと思うんですけれども、あまり突っ込むと、それは文化論になりますので、今日はそういうお話として承り、しかし、これから現実にデジタルを活用していくときに、制度論上、そういった双方向問題が何か問題になるかどうかという点のときに、またいろいろ情報を提供していただきたいと思います。どうもありがとうございました。
2) 論点整理 |
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塩野座長 それでは、次の課題に入りたいと思います。本研究会の今後の検討課題につき、本回と次回の2回にわたって論点の整理を行ってまいりたいと思います。今日は、これまでの議論を整理したペーパーの作成を事務局に依頼するということで、前回、ご了解を得たと思います。その宿題に基づきまして、事務局が資料をつくりましたので、今日のところは、主として事務局の作った資料の説明を伺い、あと、資料の作り方についていろいろご注文を伺う、そういうことにしたいと思います。中身については、もう一回、次回、期日をとっておりますので、そのときにまたご議論いただくということにします。
それでは、事務局の方からどうぞ。 |
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安藤課長 それでは、お手元資料3をご覧いただければと思います。まず、ご説明に入ります前に、本資料の作成プロセス、構成について、若干ご説明させていただければと思います。基本的には、これまでのヒアリングの中でさまざまな方からいただいた各種のご意見を議事録等から抽出いたしまして、それを第1回目の会合で整理させていただきました検討項目、お手元資料4ということで、縦紙のこういうものを用意してございますけれども、この柱の1から4に沿いまして振り分けまして、さらに小項目を立てながら整理させていただいたということでございます。
次に、内容でございますけれども、資料3をごらんいただければと思います。まず、1点目の柱でございます、デジタル化の進展と新しいサービスの展開の関係では、(1)にございますけれども、地上デジタルテレビジョン放送の携帯端末向け放送につきまして、1つ目の「○」でございますが、本放送の補完的利用は認められているけれども、現状の制度では独立的な利用ができない。独立的利用の可能性について、制度面も含めて幅広くご議論いただければというご意見。
また、その際、2つ目の「○」のところでございますけれども、端末向け放送の独立利用については、音声放送と競合するという危惧があるという点にも配慮したご検討を、というご意見もあったところでございます。
それから、3点目の「○」でございますけれども、受信機をつくっておられるメーカーサイドからのご意見といたしまして、実際にサービスを行うときにスクランブルをかけるのか、あるいは独自のサービス、いわゆる独立利用みたいなものを行うのか。行うとすれば、どういったサービスになるのか、といったような点を早めに明らかにする。そうしないと、受信機の作り込みがなかなか難しい、といったご意見があったところでございます。
それから、(2)のサーバー型放送についてでございますけれども、1つ目の「○」のところでございますが、その受信機はいろいろな機器とネットワーク化され、インターネットにもつながるという時代に、著作権といいますか、コンテンツの保護をどうするのか、それから課金をどうするのか、というのが重要な課題だというご意見。
また、これに関連いたしまして、2つ目の「○」の2行目の後半でございますけれども、やはりコンテンツ保護の仕組み、利用のルール及びそれらの担保が必要で、技術及び制度の両面からのアプローチが求められる、といったご意見があったところでございます。
それから、次のページでございますけれども、サーバー型放送の利活用というものを規定する地方公共団体等の皆様からは、教育や医療の分野でサーバー型放送などを活用する場合に、ここに2つ「○」がありますけれども、このようなコピーワンスでございますとか課金、それからセキュリティーをめぐる種々の課題の克服が不可欠である、というご意見があったところでございます。
それから、(3)の地上デジタル音声放送については、1つ目の「○」のところでございますけれども、地上デジタル音声放送の全国展開に向けての将来ビジョンを明確にということで、具体的には2つ目の「○」のところでございますけれども、全国的なチャンネルプランの早期策定、それから実施可能な地区における早期の本放送の開始、さらには実用化試験放送について、少なくとも最低7都市を中心として、これが全国展開できるような形。そのための検討をお願いしたい、というご意見があったところでございます。
また、こちらサイド、音声放送サイドの側からも、3つ目の「○」のところでございますけれども、地上デジタルテレビジョン放送の携帯端末向け放送といわゆるラジオをどのように区別し、新たな共存を図っていくのか、というご意見もあったところでございます。そのための制度を検討していただきたい、というご意見があったということでございます。
それから、(4)の衛星デジタル放送につきましては、まずBS関係でございますけれども、1つ目の「○」のところでございます。帯域の柔軟な利用あるいはサービスの柔軟な展開といったようなものをもっと進めさせていただきたいというご意見。
それから、次のページでございますけれども、放送の多様性あるいは質の確保を図る上で、プレーヤー、放送事業者を多くするのがよいのか、それとも複数のメディアを保有する者に多くの制作者と連携させながらサービスを展開させるのがよいのかという点を、いま一度、ここで考えていただきたいというご意見があったところでございます。
また、CS放送関係では、2つ目の「○」のところでございますけれども、CS放送というのは番組供給事業者、委託放送事業者、役務利用放送事業者も入ると思いますけれども、それから、ケーブルオペレーター、プラットフォーム、受託放送事業者が一体となって展開するものであり、これらの者の連携と相互の健全な取引ルールの策定等に取り組むことが、さらなる普及のためには急がれるのではないかというご意見や、それから、3つ目の「○」のところでございますけれども、プラットフォームというのは非常にあいまいな立場で、受委託制度、電気通信役務利用放送制度も同じでございますけれども、そういった法制度の中にプラットフォームというのは存在しない立場だ。これらの制度の中で実際に商品設定や価格設定をできるのは、委託放送事業者あるいは役務利用放送事業者であって、視聴者と直接接する立場にあるプラットフォームが一切それに関知できない、というご主張がございました。で、ペイテレビのマーケットを広げていく意味で、このプラットフォームのありようについて、どのような形がいいのかというのを考えていただきたい、というご意見もあったところでございます。
それから、(5)その他の議論でございますけれども、1つ目の「○」のところでございます。地上デジタル放送のあまねく普及の実現に関連いたしまして、電波でカバーできない部分を、例えば既存インフラでございますとか、CATVでカバーするといったような話もあるわけでございますけれども、そういった他の媒体を使ってカバーする場合にどのようにやっていくのかといった点についても議論いただきたい、というご意見があったところでございます。
それから、2つ目の「○」でございますけれども、概念としての放送と通信というのは今後も存続していくのでしょうけれども、その両者の区別をつけにくい新しいサービスが生まれるのは必然ではないのだろうか。こういった点にも的確に対応していく必要があるのではないか、というご意見があったところでございます。
それから、3つ目の「○」でございますけれども、電波は限られた貴重なものではあるものの、その量が潤沢になったというのは、マスメディア集中排除原則の緩和など、抜本的な制度見直しというのに非常にいいタイミングなのではないか。次の「○」もそういった趣旨のものでございますけれども、そういったご意見もあったところでございます。
それから、一番下の「○」でございますけれども、地上放送のユニバーサルサービスを確保するために、ある意味ではケーブルテレビというのは出てきたわけでございますけれども、このケーブルテレビの外資規制が全くない。要するに、 100%外資でもいいというような形の状況でもいいのだろうか。日本の地上波やBSが、結局、外資のケーブルを使ってユニバーサルサービスをやるという形になる、というご指摘も出てまいったところでございます。
それから、4ページでございますけれども、これは消費者あるいは利用者という立場からのご意見でございますけれども、地上放送のデジタル化について、視聴者の認知と理解をより一層得ていくことが重要だと思われますけれども、その際、視聴者の価値観というのはさまざまだ。こういった事情をよく踏まえつつ、デジタル化の必要性に関する真摯な説明にもっと取り組んでいただきたいというご意見。
具体的には、2つ目の「○」でございますけれども、視聴者のデジタル放送への関心とかニーズ、それから、現在、視聴者が保有しておられる受信機の状況に応じて、必要となるデジタル放送の受信機や、その購入時期等について、これはさまざまになってくるわけでございまして、その的確な選択を可能とする適切な情報を視聴者の立場に立って可能な限り提供していく、という取組みをしっかりと検討していただきたい、というご意見があったところでございます。
それから、最後の「○」のところでございますけれども、デジタル放送の双方向を活用することによって、先ほどの諸外国の事例にも見られたところでございますけれども、視聴者の意向でございますとか、あるいはマーケットに関するより詳細な情報を極めてきめ細かく把握するといったようなこともできるようになってくるということでございまして、それが新しいビジネスモデルとなって、またマーケットにも力を与えていくことになるのではないか、こういった点についても着目していく必要があるのではないか、というご指摘もあったところでございます。
それから、2点目、デジタル放送時代の公共放送の関係でございますけれども、まず(1)のところでございます。デジタル化の進展とNHKの業務一般のあり方、総論についてでございますけれども、この点については、デジタル時代においても放送の二元体制を維持すべきだということで、その際、NHK、民放による多元的な放送サービスを享受できるようにする上で、NHKは民間放送事業者の業務領域に踏み込むべきでないといったご意見や、2つ目の「○」のところでございますけれども、既に多くの民間放送事業者がサービスを提供している通信分野や通信と放送の中間領域にNHKが後追いの方で参入する必要性は乏しいといったご意見でございますとか、3つ目の「○」のところでございますが、放送法に基づき設置されている特殊法人NHKは、現在の放送法で定められた放送の業務を履行することに徹すべきである、というご意見。さらには、4つ目の「○」のところでございますが、放送分野に限って見ても、既に巨大放送局であって、デジタル時代を迎えてもそのような体制を維持すべきか、再検討されるべき、というご意見もあったところでございます。
一方、その次の下から2番目の「○」のところでございますけれども、デジタル化によるさまざまなサービスの展開というのは、2行目でございますが、日本発のサービスモデルやメーカー主導によって開発されたハードが世界に広がっていくチャンスである。こうした中、それを現実のものとしていく上で、今、一番必要なのは、コンテンツと技術をうまく絡み合わせて、新しいサービスを開発していくための挑戦があらゆる分野でどんどんなされることなのだということでございます。で、そうした側面で、NHKの持つコンテンツ制作能力あるいはサービスの開発力が適切に発揮できるような環境整備を期待したい、というご意見があったところでございます。
また、最後の一番下の「○」でございますけれども、諸外国の例でもそうでございますが、デジタル化のメリットを最大限に生かすためには、放送と通信の連携に当たりまして、そういったものの連携というものを十分踏まえつつ、コンテンツについても一体のものとして企画・制作していくことが求められていくわけでございまして、これは必然であるというご意見もあったところでございます。
それから、6ページでございます。NHKのインターネット利用についてでございますけれども、これについては、NHKがみずから行うインターネット事業、あるいはNHKが子会社等を通じて行うインターネット事業については、デジタル時代においても放送を補完するという極めて限定された範囲で実施すべきである、というご意見。また、2つ目の「○」、下から2行目でございますが、このことを担保するために、恣意的な解釈の成立する余地がなく、実効性のある諸制度のあり方について、改めて広範な議論を行うことが急務である、というご意見があったところでございます。
一方、デジタル化のメリットを最大限に生かすためには、例えば携帯端末の中で通信と放送が単に同居しているというだけでなくて、諸外国の例にもありましたけれども、相互に連携する多彩なサービスが可能となる必要がある、といったご意見でございますとか、デジタル放送の場合でもデータチャンネルというのは帯域はかなり狭いんです。そうすると、視聴者が実際に詳しく何かを知りたいと思ったときに、入り口としてデータ放送を利用するにしても、さらに詳しい情報を得ようと思ったときに、インターネットの機能を活用する、あるいはそれとの連携を図っていかないことには、結局、デジタル化したメリットというものを視聴者が享受できない。データ放送なりデジタル放送の本当のよさというものが死んでしまうような気もする。前回の放送政策研究会から3年たっているので、できれば、NHKのインターネット利用のガイドラインをそういった観点から見直してほしい、というご意見もあったところでございます。
それから、NHKの保有するコンテンツの活用の関係でございますが、その状況についてのお話がここにありますようにありまして、NHKのアーカイブ等に保存されているNHKのコンテンツの視聴者への直接提供、すなわちBtoCの取扱いについては、前回の放送研究会では今後の課題ということなっているというお話のほか、2つ目の「○」でございますけれども、他メディアにコンテンツ提供を行ったりすることで収入の多角化を図ろうとする動きも見られるけれども、公共放送としてふさわしいものなのかどうか、厳密に検証されるべきというご意見。その一方で、一番下の「○」でございますけれども、NHKがCS放送向けにコンテンツの放出を決断していただいたということは、CS放送の発展に大きな影響をもたらしたものと感謝している、というお話もあったところでございます。
それから、次のページでございます。また、NHKが過去の放送番組をブロードバンド配信事業者等に適正な価格で供給いたしまして、これがそれらを経由して国民視聴者に有料視聴されることは視聴者の利益にかなうものであるとした上で、そうした供給による収益については外部の管理下で公的な資金としてプールしてはどうか、というご意見もあったところでございます。
それから、(4)でございますが、新しいサービスとNHKの財源のあり方の関係でございます。この関係については、受信料以外の課金の問題をどう考えるかという問題提起があったところでございまして、これについて、2つ目の「○」のところでございますけれども、受信料を主たる収入として運営される公共放送は無原則に新たな有料サービスに手を広げるべきでないというご意見や、一番下の「○」でございますけれども、NHKがインターネットの利用者から対価を求めることは、公共放送の性格を変質させ、放送法の根幹を崩すものであり、認められない。引き続き受信料を財源として実施すべき、というご意見があった一方で、下から2番目の「○」でございますけれども、ある程度、個人のニーズにカスタマイズしたようなサービスになる場合、メタデータの付与でありますとか権料など、新しいサービスの展開に伴って生ずるコストを誰が負担するのか。この点は受信料以外の課金の可能性も含め検討していく必要があるのだろうと考えている、というご意見があったところでございます。
それから、3つ目、デジタル時代における放送コンテンツの関係でございますが、(1)の利活用環境整備について、1つ目の「○」のところでございます。この利活用環境の整備というのは、マーケットの活性化、産業としての発展という意味と、魅力ある世界に通ずる、優れたコンテンツをつくっていく次の世代の発展という、2つの大きな意味がありまして、これからの日本社会の競争力に大変影響があるということでございます。
2つ目の「○」のところでございますけれども、こうしたことなどを踏まえつつ、どのようにコンテンツの知的所有権の管理、あるいはそのメカニズムやシステムを構築していくのか、という視点が非常に肝要だというご意見。
それから2つ飛ばしまして、その際にも、利用者の立場に立った、使いやすい安全なコンテンツの流通メカニズムをどう考えていけばよいのか、この点が一番大事であって、ユーザー利便性を第一義にしつつ、放送事業者、コンテンツ権利者、メーカー及び関係の方々が満足するビジネスモデルを確立していかなければならないということです。そのためにも、次の「○」でございますけれども、そういった関係の方々の間で協力した体制の確立というものが不可欠で、それがなければユビキタス時代に向けたトータルなセキュアコンテンツサービスの普及、立ち上がりは難しい、というご意見があったところでございます。
さらに、一番下の「○」でございますけれども、そうしたセキュアなデジタルコンテンツの流通実現のためには、コンテンツ保護とユーザー利便性の高度な両立に向けた、さらなる技術開発と仕組みづくりへの取組みが必要ということでございます。
それから、9ページでございますけれども、そして、そういったものを成功させるためには、4つの柱、ここにありますように、DRM等の技術開発という柱、それから著作権保護とございますが、その迂回行為の禁止等に関する法制的な面からの仕組みという柱、それから著作権の保護というのはあくまでユーザーの問題にもなってまいりますので、そのユーザー教育という柱、それからコンテンツ流通のための技術や制度の運用、ルールという柱、この4つの柱からなる総合的な仕組みが必要、というご指摘があったところでございます。
それから、(2)のコンテンツの制作・流通支援・促進の関係でございますけれども、国際競争力のある映像ソフト産業を育てる枠組みを、というご意見。それから、下から2番目でございますけれども、コンテンツ、ソフトそのものに関してのシンジケーション・マーケットというものをきちんとつくるということを検討していく必要があるのではないか、というご提案。それから、制作に携わらず、権利処理を専門的、集中的に行うエージェントという仕組みみたいなものも検討してみたらどうか、というご提案もあったところでございます。
それから、10ページでございますけれども、その他の議論ということでございます。これは、直接、デジタル化の進展と、ということではないわけでございますけれども、ご意見があったということでございまして、NHKの子会社等のあり方について、子会社、関連会社等の実態を把握して、その業務、経営内容の透明性、公平性を確保するための方策は、現状、まだ不十分なのではないか。そのNHK等子会社の取引についても、随意契約の比率が非常に高いということで、ここら辺について、入札契約を増やすとともに、外部監査の強化を図るべきではないか、といったご意見。それから、NHKの経営委員会の関係についても、ここにありますようなご意見等があったということでございます。
ということでございまして、最後、一応参考までに、デジタル化の進展に伴う新しいサービスの概要をつけさせていただいております。後ほど、ご参照いただければと思います。
資料の説明は、以上でございます。 |
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塩野座長 どうもありがとうございました。今、事務局から説明がありましたように、この基礎となるデータはすべて、ここでのプレゼンテーションの方、そして構成員の方のご発言を収録したものでございます。ただ、そのすべてではございませんで、例えば地域での番組づくりに大変熱心に取り組んでおられた方のご発表もございました。そういった番組制作にかかわるものは、この番組制作の制作とここの放送政策のちょっとすれ違いがございましたので、それは取り込んでないところもございます。けれども、基本的には政策にかかわるものはすべてここに取り込んだというつもりでいるのですけれども、全部うまく取り切れてないところもございますし、また、今日の議論も、プレゼンテーションを前提にした議論は、当然、ここには入っていないということでございます。
そういうことで、今日、もうあまり時間はございませんけれども、こういう点が抜けているではないか、発言したけれども抜けているではないかというご発言と、それから、発言してはないけれども、その後、こういう点について論点を思いついたという点のご指摘がありましたら、お話を伺えればと思います。では、どうぞ、どなたからでも結構でございます。 |
○ |
山下構成員 よろしいですか。あえて、ちょっとためらいながら、感想めいたことを申し上げます。1番と3番で紹介していただいた議論の内容、広がり、レベルというものと、2番のところで話し合われているレベルが同じではない、そういう気がいたします。1番、3番の話は、その議論の中心になるところが国民全体ですし、しいて誰と特定するならば利害関係者は著作権者ですけれども、それ以外は、もっと大所高所から日本の放送産業を通じた文化の高揚なり、向上なり、そういったことに焦点が合っているように思いますが、2番のところは、そのような議論と利害関係者同士のいろいろな要望が混同して入っているのではないでしょうか。私は今回初めてこの会に参加させていただいているので、状況が飲み込めていないのかもしれませんが、これまで2番のところの話をずうっと伺って来まして、それを、そうだなというふうに納得しがたいことが非常に多いなというふうに思いました。以上、印象論です。 |
○ |
塩野座長 どうもありがとうございました。1、2、3とおっしゃっているのは、今の、ここで整理したカテゴリーだと思いますが、その点も含めて、今後、どういうふうに我々として議論していくかという点は、次回あるいは次々回にお諮りをしたいと思っております。この立て方が、我々の中間報告と申しますか、何かのまとめにそのまま使うということではなくて、どういうふうに取りまとめたらいいか、また、次回あるいは次々回ぐらいにご相談をしたいというふうに思っておりますが、そういうふうな印象ということで承っておきます。どうもありがとうございました。どうぞ、篠原さん。 |
○ |
篠原構成員 事務方の若手の方々には、これだけ短期間でまとめていただいて、大変ありがたいと思っているんですけれども、あえてというか、ちょっと質問させていただきたいんですが、検討の項目というのが、当初、3つの項目になって、どうしても救済できないのがその他という柱立てはされていたと思うんです。いろいろな議論のプレゼンテーションを踏まえて、事務方の方でこの柱に沿って整理をしてくださったものだと思うんですが、一つ、ちょっと検討していただきたいと思うんです。
4のその他の議論とありますね。つまり、その他の議論ということは、1でもない、2でもない、3でもない、その他の議論ということになるわけですけれども、その他をつくっていくと、どんどん増えてしまうということと、ここの10ページにある「○」が付してあります3つの項目を見てみる限りでは、一番近縁関係というか、やはり2番目のデジタル放送時代の公共放送というカテゴリーの中で検討するのが一番近いのかなとは思うんですね。さっき、安藤課長からデジタル化の進展に伴う新たな放送サービスというか、そういうことではないということでは、確かにそうかもしれませんけれども、デジタル放送時代のということでいえば、やっぱりこれは公共放送のあり方の中でワンセットで検討される方がいいのではないかなということです。私の私見で申し訳ありません。 |
○ |
塩野座長 どうもありがとうございました。ほかに、どうぞ。 |
○ |
小塚構成員 まず、非常によくまとめていただいて大変勉強になりました。
それで、実は、前の塩野さんの研究会のときから、私は気になっていることですが、こういう、いわば技術といいますか、伝送路とおっしゃるのですか、それを軸にした整理の仕方を、一度、機能といいますか、あえて言えば、視聴者を含めたユーザーの側からといってもいいのですが、構成し直してみるという作業が必要なのではないかというふうに思っておりまして、そういう意味では、ここに出ているものをちょっとばらして考えてみる。それはどういう形でするのかについて、私もまだ必ずしもアイデアはありませんが、例えば「コンテンツの独自の提供」というような形であるかもしれないし、「ユーザーからの情報の発信」というようなものがあるのかもしれないし、例えばそんな形で、サーバー型とか、地上デジタルとか、そういうことを一度全部ばらしてみる。それからもう一つ、私の関心で言いますと、ビジネスモデル、つまり、お金の取り方ということで、これもやっぱりばらしてみる。こういう2つの作業が必要なのではないか。
それをしていきますと、山下さんがおっしゃる、真ん中の制度論とデジタル化に伴う大きな話とがつながってくるのではないかなというふうに個人的には思っております。 |
○ |
塩野座長 どうもありがとうございました。先ほど申しましたように、これは一応整理したということで、これをいろんな角度から使える――せっかくのご発言を「使える」というのは不穏当な発言かもしれませんけれども、こういったいろんなアイデアをいろんな角度から見てみると、こういうふうに読めるとか、こういうふうに使えるという問題があろうかと思います。その点については、次回あるいは次々回に議論をしていただくということになろうかと思います。舟田さん、何かありますか。 |
○ |
舟田構成員 いえ。 |
○ |
塩野座長 それでは、こういうふうなことをしてはどうかというご提案ですが、今日はこれをご披露しましたので、自分の言ったものがどこに入っているかということもなかなか同定しがたいところもあろうかと思います。また、言ったところが漏れているところもあるとか、先ほど申しましたように、後から思いついたというようなこともいろいろあろうかと思います。その点につきまして、また次回、その場で言われましてもなかなか整理が難しいものですから、できましたら、12月13日までに追加の情報提供あるいは追加の論点の指摘をお願いしたいと思います。
論点の指摘の方がいただきたいんですけれども、意見はまた十分これから言っていただきますので、意見というよりも、こういう見方がある。今のような小塚さんのような整理の仕方も一つの問題だと思いますけれども、それから、今日、いろいろお話しいただいた双方向については、制度論からするとこういった問題があるとか、そういった点のご指摘をいただきたい。皆さん、年末、お忙しいのに、大変恐縮でございますが、よろしゅうございますか。で、それを組み込んだものを次回にご披露するということになります。
次回は、今日、いろんな角度からの整理の仕方についてもご意見がございましたので、どういうふうな整理をするのかということについてもご意見を賜りたいと思います。私は私なりに、あるいは事務局とも相談して、こんなふうなやり方もあります、というようなことをご披露することになるかもしれませんけれども、それは皆様方の意見の出方によります。いろんな意見が出ましたら、それをまずここでご披露して、ご意見をいただくということが中心になろうかと思います。そんなことを考えておりますが、ぜひ12月13日までに情報の提供あるいはご意見の開示をお願いしたいと思います。
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(3)閉会 |
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塩野座長 では、最後に事務局から何かありますか。 |
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安藤課長 それでは、次回の会合でございますけれども、12月21日、火曜日でございます。開始時刻につきましては、以前、9時半からというふうにお知らせしておりましたけれども、10時からの開催にさせていただければと存じております。時間の確保をお願いできればと思います。場所等につきましては、確定次第、ご連絡させていただきたいと思います。事務局からは以上でございます。 |
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塩野座長 どうもありがとうございました。
それでは、次回、12月21日、10時からということで、お集まりいただければと思います。ほんとの年末になりまして、申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
それでは、今日はどうもありがとうございました。 |