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光引込線に係る電柱添架手続きの簡素化等に関する検討会
(第2回)議事概要





日時 平成17年6月6日(月)14時00分〜1630
場所 総務省低層棟1階総務省第1会議室
出席者 各事業者出席者一覧のとおり
総務省料金サービス課 鈴木課長、泉企画官、深町補佐、片桐補佐


【議事要旨】
検討会における論点について議論
  論点1 添架ポイントについて
(東京電力エリアの場合)
全事業者間の合意のもと、公のルール化が図られれば、他の一般添架ポイントの空きの有無にかかわらず6.1mメートルポイントに引込線等を添架できることが合意された。
接続事業者から、今回新たに開放される6.1mメートルポイントについて一般添架ポイントと整理されたとしても、光引込線の添架に係る手続きが簡素化され添架の期間やコストがBフレッツと同等になれば問題ないとの見解が示されたことから、一般添架ポイントを前提に具体的な簡素化案について議論を進めることとされた。
接続事業者の引込線の添架については、まずは今回新たに開放される6.1mメートルポイントに単独添架できることとするが、単独添架できない場合には、NTT東西のケーブルと一束化することも必要であることが確認された。
6.1mメートルポイントについて突き出し金物を用いず電柱に直に添架できるかどうかについては、接続事業者が自前敷設する場合の具体的な設備・工法の提示を受けて、NTT東西が持ち帰って検討することとした。
(関西電力エリアの場合)
電柱の長さ・ポイント数等の実態を踏まえ、次回以降、議論することとした。
  論点2 電柱添架申請等の同等性について
NTTの標準工法の説明及びビデオを使った一束化の課題の説明があり、一束化の工法についての議論が行われた。
今回説明されたNTT東西の標準工法や電柱添架申請手続き等を踏まえ、次回以降、電柱添架手続きの具体的な簡素化案について議論することとされた。

【主な発言】

添架ポイントについて
務省:KDDIにお聞きしたい。御社は一束化は困難と言いつつも、NTT設備との一束化を要望しているようだが、6.1mメートルポイントに空きがあれば単独添架をするといったことは考えていないのか。
KD DI:前回の議論で新たに追加される6.1mメートルのポイントは一般添架ポイントになるとの整理だったと認識している。その認識で、一般添架ポイントという整理になっても、手続きが簡素化され、工期が同等である等の条件が整うのであれば、6.1mメートルポイントでの単独添架も可能と考えている。関西電力エリアでは既に5.5mメートル、5.8mメートルポイントで一束化をしているという説明があったので、一束化を要望したもの。

NT T西:関西エリアについて認識が異なっているようなので、説明させて頂きたい。前回の関西電力からの説明では、関西エリアの電柱には4ポイントしかないということであり、当社は下2ポイントを利用しているとのことであった。しかし、当社の電柱においては8割以上が6.1mメートルポイントにL型金具を設置している。関西電力柱においても14mメートル柱でも4ポイント以上線が張られている電柱がある。関西エリアで電柱に4ポイントしか存在しないことを前提に議論するのは不適切である。
務省:その辺のファクトベースの資料はあるか。
NT T西:資産として何mメートルの電柱が何本あるというのはわかる。ただし、ポイント利用の実態については、違法なものもあり、現地に行ってみないとわからない状態。
務省:全ての御社の電柱に6.1mメートルポイントがあるわけではないのか。
NT T西:短い電柱が都市部ではなく山間部などにある。それが、13mメートルとか14mメートルの電柱で、そのような場所では4ポイントしかないケースもある。
務省:13mメートルや14mメートルの電柱が設置されている山間部などでは、人口が少なく、関西電力資料の3ページにあるようなNTTメタル幹線が1条しかないというケースもあるのか。
NT T西:そのとおり。
西電力:当社の電柱の約7割が14mメートル以下の電柱である。当社の場合はむしろ山間部ではなく、住宅地にも多くある。前回の話は平均的に14mメートルの電柱が多いので、それがスタンダードで4ポイントであるという話をさせてもらった。標準が14mメートルとすれば、法令に則ってポイントを取っていけば4ポイントしか取れないというのは理解して頂けるはず。標準以外の話をしていると議論が発散してしまう。
NT T西:当社の電柱の話をすれば、14mメートル以下の電柱は34%程度であり、3分の2は14mメートル以上の電柱である。大阪や神戸地域では9割以上が15mメートル、16mメートルの電柱である。4ポイントありきの議論をしていくのではなくて、場合によっては5、6ポイントある電柱も存在していることも考慮すべき。
西電力:空きがあるからNTT西のポイントが3ポイントあるということか。
NT T西:NTT西が3ポイントということではない。空いているポイントを優先して使うべきという話である。
西電力:ポイント論ではなくて、一束化の話をしているのではないか。NTT西は一束化をやりたくないと思われるような主張をし、それはポイントの空きがあるからだというのは違うのではないか。
NT T西:一束化を全く拒否しているわけではない。一束化するためにはいろいろ課題があり、ポイントが空いていれば空いているポイントを使うべきであり、一束化ありきの議論ではない、というのが我々の主張である。
西電力:当社がNTT西に供用柱の建柱を頼むときは幹線道路沿いが多く、そのような場所には、高圧線などが2系統張られているケースが多い。そういう意味で長い電柱が当社に比べて多いのではないか。

JT -SBB:我々としてはNTTのクロージャを起点として電柱数スパンに渡り引込線を引くことを考えているので、それを前提に考えて欲しいということ。例えば電力柱5本に引込線を張るうち、1本でも14mメートル柱がありNTT西と一束化する必要があるというのであれば、それを前提に考えざるを得ないということ。
NT T西:その辺は理解できる。
務省:関西エリアにおける電柱の長さやポイント数については、数量的データを提出してほしい。多くの人が納得し、理解できるような形で標準的なものを出していければと思っている。当然、例外についても考える。

務省:関西エリアの議論は置いておくとして、関東エリアの議論を行いたい。JT-SBBは6.1mメートルポイントでの単独添架または6.1mメートルでの一束化を、KDDIは6.1mメートルの単独添架と5.5mメートル、5.8mメートルでの一束化の選択制を求めているものの、全体として手続きが簡素化されるのであれば、6.1mメートルポイントでの単独添架でいいということと理解した。6.1mメートルポイントをメインのポイントとして議論をしてよいものと考えているが、6.1mメートルポイントが一般添架ポイントになるという整理は変わらないか。
京電力:突出し金物、直付けいずれの場合にせよ、通信線が引かれるのであればそれは新たな一般添架ポイントとなる。光の引込線も一般添架事業者も6.1mメートル、6.4mメートル、6.7mメートルを同条件で選択が可能となるということ。5.5mメートル、5.8mメートルの一束化の話については既存事業者との話が付けば使用可能である。
KD DI:今回の議論は、一般添架ポイントだと手続きの簡素化が大変だというところから始まったのではないか。一般添架ポイントにして手続きの簡素化は可能なのか。NTT資料の4ページの右図にある、6.1mメートルのNTTのL字金具部分は一般添架ポイントになるのか。それなら話はわかるが。
務省:6.1mメートルにある既存のNTTポイントも一般添架ポイント扱いとなるということについてどうか。
NT T東:そのようなことはないと考えている。
務省:東京電力はいかが。
京電力:NTTが使用している既存の6.1mメートルポイントはNTTポイントである。ただし、6.1mメートルに新たに追加されたポイントに他事業者が線を引く場合は一般添架事業者と同様の扱いとなる。

KD DI:NTT資料の7ページを見ると、6.1mメートルポイントを引込線以外でも使っているように見えるが。
NT T東:5ページの当社引込線(グレーの線)にあたるものがこの線であり、当社の引込線である。
JT -SBB:6.1mメートルにL字金具をつけて使いたいのだが、そういう形態も考えられるか。
NT T東:可能性はあると考える。

KD DI:歴史的な経緯があるにせよ、6.1mメートルにおいてNTTの使用しているポイントとこれから新たに追加されるポイントについて、何がどう違うのかよくわからない。同じ6.1mメートルの高さにNTT専用のポイントと一般添架ポイントが存在することになる。
NT T東:一般添架ポイントでは、手続きが簡素化できるのかということだが、当社資料にもあるとおり、一般添架ポイントであってもNTT専用ポイントであっても添架する以上は外せない必要な手続きがある。その必要な手続きの中で何をどう簡素化できるのか考えている。御社として一般添架ポイントでは何がどう難しいと考えているのか、説明して欲しい。
KD DI:一般添架ポイントになれば、全ての事業者を平等に扱わなければならないと杓子定規的に扱い、結果として手続き的に簡素化ができるのか疑問であるということ。当社はAOクロージャから先の引込線という特殊な状況の下では、簡素化できるのではないかという前提でいた。
NT T東:当社は簡素化について現状のルールの中で、一般添架ポイントにおける引込線についてどれだけ簡素化できるのかということを、検討し提案した。それが全くダメで、話にならないというのなら、教えて頂きたい。
KD DI:一般添架ポイントでも簡素化をしていると言っているが、互いの目指すゴールが違うのだろう。当社が求めるのは、ユーザの申込があって、NTTでは2週間で開通するものを当社がやると2ヶ月も3ヶ月もかかるといった事が起きないでしょうね、ということ。コスト面の話もあるだろうが、まずは手続き的な話をさせて頂いた。
JT -SBB:今回新たに開放される6.1mメートルポイントが一般添架ポイントになったとしても、引込線に係る手続きが簡素化され、手間も、コストも平等になれば問題ない。
NT T西:強度計算についていえば、当社も他社も行っている。これは必要なものであり、その計算をするために要する手続きをどう簡素化するかということを検討したものである。都度計算するものを、事前に需要数を含んで計算することにより、都度の計算を不要としたのが今回の簡素化である。

務省:6.1mメートルに事業者が引込線を添架できるということについては合意されたと考えてよいか。そして、空きがない場合については、NTTとの一束化も検討するということでよいか。

(特段の異議なし。)

電柱添架申請等の同等性について
NT T西:JT-SBBの9ページの図であるが、これは先にご説明したとおり当社の一束化の認識とは異なる。実際に作業を行う場合に、クロージャのフタを開けて作業を行うので、クロージャの上に他事業者の引込線が存在するのは困る。
務省:一束化についてはNTT資料の12ページに定義と図が示されている。JT-SBBいかがか。
JT -SBB:今回の資料はあくまで参考事例として提案したもの。問題があるというのは予想していたが、これでトラブルをある程度回避できるのではないか、という提案ベースということであえて出させて頂いた。
NT T西:クロージャの作業を説明していなかったが、クロージャの上はフリーにしておくという決まりになっている。当社もクロージャの下に張っている。
JT -SBB:そもそも標準工法がわからなかったので、サンプル調査として現場を見せて頂いてこのようなケースが多々見受けられたので提案したもの。もちろん、御社の標準工法が違うのであれば、それに従ってやらせて頂く。それは調整させて頂きたい。

KD DI:NTTの工法はスパイラルの中を通し、加入者宅に引き込む場合には一旦6.1mメートルに上げて引き込むというものであった。御社と同じ工法を取ればいいと思うのであるが、ダメか。
NT T西:同じ工法であれば問題はないと考えるが、他事業者が設置するPOI-BOXやクロージャを考えなければならない。
務省:KDDIの考える一束化は、NTTの定義と同一か。その工法でやりたいのか。
KD DI:NTTと同じ工法であれば、技術上問題はそんなにないのだろう。全ての電柱にクロージャがついているわけでもないし、空いている電柱を借りてそこにつければ問題ないのではないか。
NT T西:ケーブルの切り裂き等の作業をどちらがやるのか。ビデオで見て頂いた作業を1つずつ行っていくことは本当に手間と時間がかかる。
務省:結局、KDDIがメインにしたい工法は何か。NTTと同じ事、同じ事と繰り返されてもわからない。御社として何をしたいのか。
KD DI:当社として新たな工法を考えていなかったのは、NTTと同じ工法でなくてはダメだと思いこんでいたからである。検討して次回に提出したい。

JT -SBB:当社が6.1mメートルでの単独添架を優先に考えているということはご説明した。ただし、敷設をしていく中で必ず6.1mメートルポイントが使えない場所があるはずで、その際に一束化なりの対応が必要になるということ。その辺の工法については、切り裂き以外にもセパレータといった工法があるのではないか。
NT T西:当社エリアではそれは標準工法ではない。それも、現場で見られたというのであれば、現場施工不良になるので改修をしなければならい。

その他の議論
JT -SBB:次回おそらく出てくるのだろうが、添架手続きの際のNTT社内の書類のやりとりについて示して頂きたい。
NT T東:それは、オーダ用紙のことか。どの住所に何時までの納期でやって欲しいというだけのペーパだが。
JT -SBB:御社が利用部門からのオーダを回すときと事業者からのオーダを処理する場合に違いがあるのであればそれを示して欲しいということ。
NT T東:御社がアンバンドルメニューを利用して光ファイバサービスを行う際に取る手続きと同等の手続きでやっている。
JT -SBB:社内で強度計算を行う場合の手続きも同じなのか。
NT T東:必要な部署が同じかということなら同じである。
JT -SBB:了解した。

務省:NTT資料の5ページ目に「他事業者が添架する設備、工法を伺った上で、・・・、判断させて頂きます」といった記述があるが、本日のJT-SBBの説明を受けてどのように判断するか。
NT T東:持ち帰らせて頂きたい。

JT -SBB:次回、申請の簡素化についての資料を提出させて頂こうと考えているのだが、本件については電柱所有者に提出するという理解でよいか。電力柱であっても、一度NTTに見せてからという手続きが必要になったりはしないか。
NT T東:それぞれの電柱所有者へ申請して頂くということでよい。
京電力:当社も手続きについては何パターンか考えている。たとえば6.1mメートルポイントへの金物類の取付可否等について、NTTと当社とのいずれが先に確認したほうが全体の処理速度があがるか、などの問題もある。トライアルの仕上がりが最も効率的な手続となるようなご検討を是非お願いしたい。

NT T西:何点か確認をさせて頂きたい。JT-SBB及びKDDIの資料を見るとPOI-BOXから直接ドロップケーブルを引く形式になっているが、クロージャを設置しないような新しい方式を考えているのか。
JT -SBB:POI-BOXとクロージャの機能を持った設備を考えている。
NT T西:当社の外販許諾品ではなく、新たなPOIクロージャということか。
JT -SBB:そのとおり。
NT T西:もう1点。関西電力に確認したいが、縦系ケーブルの話も整理しないといけないと考えているのだが、引込線は折れるからということであったが、折れないように施工していれば構わないということか。
西電力:当社の立場からいうと、通信よりも電力供給が第一である。災害等での復旧作業をスムーズに行えるか、逆に雑な扱いをされても構わないというのであれば、それはそれで構わない。ただし、当社として何ら保障はできない。電柱に沿わすか、離して行うかによっても違うはず。
NT T西:その辺については相談をさせて頂きたい。


以上


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