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新規事業者のみが周波数を使用すべきか。また、周波数が不足する既存事業者も追加的に周波数を使用すべきか。
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○ |
前回の会議において、2GHz 帯と800MHz 帯ではインフラ整備に関する投資額に違いがあるとの発表があった。例えば、アイピーモバイルによれば2GHz 帯だと800MHz 帯の4倍の基地局が必要と算出されており、ソフトバンクBBによれば2GHz 帯だと800MHz に比べ20〜40%コスト増になるとし、一方KDDIは設備コストに差はないとしている。この違いをどのように判断すればよいのか。
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△ |
アイピーモバイル
自由空間での損失の観点から電波の到達距離が約半分になり、そのため基地局数は4倍になると考えられると説明させていただいた。若干補足させていただくと、実際の設備に関しては、都市部になれば伝搬損失が変わってくるため、このとおりにはならない。なお、設備コストに関する説明については、1局あたりのコストであると認識している。
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△ |
ソフトバンクBB
都市部などビルが建っている場合、基地局を多く設置しなければならず、先日の資料の通りの基地局が2GHz 帯であれば追加で必要であると考えられる。KDDIの意見のとおり、もし設備投資のコストが変わらないというのであれば、2GHz 帯の周波数を音声で積極的に使っていくという先ほどの発言にしたがえば、なおさらマルチバンドとしてイコールフッティング、平等な形で新規参入、既存事業者も使っていくということに積極的に理解をいただきたい。
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△ |
KDDI
設備コストに差がないとしているが、これは1基地局あたりのものである。基地局数が変われば別問題である。
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△ |
ソフトバンクBB
1基地局あたりのコストは変わらないが、基地局の数は800MHz 帯の方が少なくてすむと考えていると判断して良いか。
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△ |
KDDI
技術的議論をもっと詰めないとどちらが有利かどうかいえないと考える。ただ、伝搬距離に差があることは確かである。
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△ |
平成電電
都市部においては2GHz 帯も800MHz 帯どちらも変わらないという議論であるが、都市部であれば1局あたりの収容人員は多く、多数の基地局を打つ必要があるため変わりがないという理由であり、収容人員を考慮に入れないで議論するのは、既存事業者としての考え方である。新規事業者としては決定的に違うと言うこと、収容人員や場所を分けて議論していただきたい。
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○ |
健全な競争状況は6社以上という意見がイー・アクセスからあったが、他のヨーロッパや韓国などの諸外国はだいたい3社前後である。何故6社が健全な競争状況であると判断しているのか。
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△ |
イー・アクセス
6社というのは決して多い数とは考えておらず、非常に携帯電話の利用が進んだところでは6社という例がある。今回の競争状況を考える場合、新規事業者をできるだけ認めるべきだと考えており、FDDで2社、TDDで1社の参入を認めるべきであるという一つとして例示した。
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○ |
6という数字がいいという事ではないということか。
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△ |
イー・アクセス
6社というのは決して多い数ではないということである。
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☆ |
一定水準の資格を有する新規参入事業者と既存事業者はイコールフティングで事業展開できなければならない。ソフトバンクの主張であるマルチバンドの採用と800MHz 利用の優位性が明らかであれば、この点を配慮しなければならない。是非専門家の客観的な意見を知りたい。
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☆ |
800MHz 帯と1.7GHz 帯のマルチバンドとした場合、それぞれの周波数の特性上、基地局の置局場所は違ってくる可能性が高い。それを含めて、基地局として何局くらい予定しているのか。また、通信のための機能も単純に考えると2種類必要となり、送信部分のコストを考えるとマルチバンドシステムは割高になりかねないと考えるが、どうか。
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☆ |
マルチバンド端末とマルチモード端末では、実現のためのコストは大きく異なると考える。GSMのマルチバンド端末はシングルモード端末だと思うが、議論の際には区別が必要だと考える。
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○ |
荒木構成員
コグニティブシステムのように、周波数の空き状況を判断して空いている場所を使うというレベルまで踏み込むのであればマルチモード化の有効性が考えられる。ソフトバンクBBに質問したいが、マルチバンドシステムを組み込むための費用は3$程度ですむということであるが、今現時点でそうなのか、今後長期的に見てその程度ですむということなのかお聞きしたい。
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○ |
日本と海外のキャリアの構成を考えた場合、海外、特にGSMの場合、ローミングという地域が変わっても使えるというシステムになっている。海外でマルチバンドを利用できるが、これはエリアごとに違う周波数でローミングしているためであり、同じ地域内で複数のバンドで空きチャンネルを探して通話するとなるとハンドリングの仕方が違ってきて技術的に問題があるのではないか。
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△ |
ソフトバンクBB
我々が提案しているのはマルチバンドであり、マルチモードではない。マルチモードは部品の構成が高額である。あくまでもマルチバンドで、CDMA2000またはW-CDMAのどちらかに最終的に決定したいが、ひとつのモードを複数のバンド幅で使うつもりである。都市部はユーザのキャパシティの問題もあり、2GHz 帯や1.7GHz 帯を使うことも考えているが、郊外では同じ端末で800MHz 帯の周波数の基地局の電波を使うということで利用効率を上げたいと考えている。このように地域によって基地局を変え設置するという趣旨は前回述べており、NTTドコモの発表資料からもわかるとおり、都市部では2GHz 帯を中心に郊外では800MHz 帯を中心としている。私どもも同じような考え方を持っている。
あわせてKDDIに質問したいが、KDDIとしては2GHz 帯において音声で使うということだが、1台の端末で両方の周波数をうけるマルチバンドでの利用を考えているのか。また3$の根拠についてだが、実際に部品メーカーに見積もりをとって、日現在で供給できるということを確認済みである。
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○ |
座長
マルチバンドだと割高にならないかという質問に対しての回答はどうか。
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△ |
ソフトバンクBB
決して割高にならない。むしろ両方合わせることにより有利な投資コストとなると試算している。
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○ |
3$はある程度の加入者数が確保できることを前提としなければでない数値であると考えるが、どれくらいの加入者数を想定しているか。
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△ |
ソフトバンクBB
3$ドルというコストは100万台以上の加入があれば問題ないとメーカーから確認をとっている。我々はこの台数をはるかに超える規模の事業を予定している。しかも欧米ではマルチバンドの端末が当たり前のように出回っており、部品は新たに開発するのではなく既に出回っている汎用部品を使うことができる。このため、事業者で自らのコストで十分にカバーでき、ユーザに何ら迷惑をかけることはない。
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△ |
NTTドコモ
我々は多数のお客様を収容しており、これをまとまった周波数でサービスを提供することは難しい。そのため、様々な周波数帯を利用して対応している。例えば、PDC方式では800MHz 帯と1.5GHz 帯をデュアルで使い、FOMAについてもPDCと一緒にルーラルをカバーするために一時2モードの端末を出してきた。多くの顧客を抱えている事業者は、やはり様々な周波数を使っていかざるをえない。デュアルバンドにする場合、どの程度のコスト増等の必要費用については専門家から提示していただきたい。需要に応じたコスト増になると考える。
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△ |
ボーダフォン
マルチバンドの話になっているが、800MHz 帯の話題にも発展するためコメントさせていただきたい。
そもそも周波数の割り当ては、世界規模で行われる。しかし技術上は、実用化の容易なところから市場に入る。したがって、ワイヤレスの世界では、周波数が低い方が実現が容易であり、800MHz 帯から順に市場に出た。技術的なトレンドとその時点でどういった事業者が参入するかに応じて割当が行われてきた。
マルチバンドが良いというわけではなく、現実に即した周波数の有効利用を考えた場合、複数の周波数にまたがる必要性が出てきており、その方策として結果的にシングルバンドよりマルチバンドが良いということである。マルチバンドの方がいいのでそうすべきであるということは、道理として順序が逆であると考える。
また、海外でのマルチバンドは、地域によって使用する周波数が異なる。同一の地域内でのマルチバンドはハンドオーバー等微妙な技術的な問題がある。有効利用の方策としては、マルチバンドは有用であるが、参入の問題に関しては異質の議論であると考える。
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○ |
座長
まとまった帯域を確保するのと、800MHz 帯と2GHz 帯等の比較的狭い領域を使うマルチバンドで行うのでは事業展開的にどちらが有利であるか、また周波数の利用効率についてはどうか。
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△ |
ボーダフォン
日本は今まで、ある周波数帯域ごとに方式の導入、事業者の参入を行っていた。2GHz 帯について3Gで2000年に割り当てた。その時は3事業者数に限定され、保留されたTDD方式について、リリースするかそこに新規参入を許可するかについては全く議論されなかった。その時点では1.7GHz 帯が3Gで利用されるということは全く議論の対象ではなかった。当然、これまで事業者は2GHz 帯に閉じたビジネスプランを考えていたが、今回は包含して新規と既存にどう割り振っていくのか議論するため話が難しくなっている。
再確認したいが、これは3Gで利用するのか。4Gや3.5Gではなく3Gで利用されるということであれば、今までの2GHz 帯の延長の中で1.7GHz 帯を含めて新規と既存でどのように割り振っていくのかという議論である。
参入事業者数を電波の側から判断するのは非常に難しい。電波の有効利用の観点から考えると、あまり細かくするより、ブロックに区切って割り振るほうトータルとして有効利用するのであれば望ましい。
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△ |
ソフトバンクBB
KDDIより、800MHz 帯と2GHz 帯のマルチバンドで利用するのか否かという質問についての返答をいただきたい。
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△ |
KDDI
マルチバンドで行う。ただ、同じエリアの中で800MHz と2GHz を使用することとなるので、ハンドオーバーの仕組みが非常に複雑である。現在は2GHz から800MHz のハンドオーバーはできているが、逆はできていない。RFチップは3$かもしれないが、ソフトウェアの開発については、端末側だけでなく、システム側でも必要であり、この話は全く別であると考えている。
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△ |
ソフトバンクBB
我々としては800MHz 帯、1.7GHz 帯の利用でスタート時から割当てられたハンドオーバーで対応させていただく。またコスト的には、誤差の範囲である。
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☆ |
800MHz の再配分に際して、現行の基地局および端末は周波数再配分の際に継続して使用できるのか。継続して使用できないのであれば、新規参入者が参入の機会を求める正当な理由になると考える。
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☆ |
ソフトバンクBB株式会社孫社長のご説明の中にあった『携帯電話の端末は20ヶ月で入れ替わる』という数字はどのような資料に基づいて出されたものか。また、端末の機種変更を利用して周波数を移動させるとした場合、各ユーザへの影響について、どういうことを想定されているのか。例えば、ユーザ本人が望まないうちに機種変更が必要になる等のことはありえるのか。
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△ |
NTTドコモ
そもそも、800MHz 帯の再編は、周波数の有効利用拡大と周辺諸国との干渉問題の解消を目的としている。また、再編では周波数の縮小を視野に入れながら検討した。再編後は端末の切り替えについては、PDCとIMT-2000と仕組みが全く違うためすべて買い換えていただく必要がある。しかしながら、周波数再編においては、今使用している4000万人以上をどこに移動していただくかということであり、非常に難しいことである。
800MHz 帯の再編については、空いている周波数帯を追加割当てするというのではなく、整理を行うことが目的である。我々の使用帯域幅も58MHz から30MHz までに減らし、整理縮小しようというものである。最終的に整理することで700/900MHz 帯が空き、非常に使い勝手がよくなる。このため、放送と合わせて2012年までに再編を進めている。そのために様々な事項について整理する必要がある。現段階で更地があるということではなく、これを前提として考えていただきたい。再編をやるためには、PDCが減っていく状況を見ながら、4000万以上のユーザをどうやって動かし、空けて2012年までに再編するということをご理解いただきたい。
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○ |
座長
800MHz については次回行いたい。質問に対する返答を最後にしていただきたい。
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△ |
ソフトバンクBB
了解した。800MHz 帯に今いるユーザは、3Gに移る際、どちらにしろ端末は変わる。変わった端末をどこに着地するのか、2GHz 帯、1.7GHz 帯にも着地させることが出来る。そのときマルチバンド対応端末を使用すれば、着地する場所の柔軟性が生まれる。今、800MHz 帯にいる顧客が今後も800MHz に居続けなければならないということは、算数的にも物理的にもおかしいと考える。
20ヶ月ごとに変わるということについてだが、これは業界の常識として、平均的なユーザがどれくらいの期間1つの端末を持ち続けるのかということで、平均的に20ヶ月〜24ヶ月というのが業界の常識的な数字である。当然、3年、5年といった、これより長いサイクルで買い換えを行っている顧客もいるが、800MHz 帯から3Gの端末に置き換わる際に、全員が同時に入れ替わらなくても、パラパラと駐車場で言えば、空いた場所から順次置き換わっていく。空きが出ればそれを寄せて整理することは、基地局の単純な制御で十分に可能である。実現可能な方式であり、欧米でも何度も行われているものである。
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☆ |
1) |
国際的に見て、日本の携帯電話サービスは料金が高いという指摘がなされているが、これにどう反論するか。また、新たな割当の下における今後の新規サービスにおいて、料金水準はどうなるのか。現在並か、現在よりも高くなるか、安くなるか。
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2) |
現在の周波数割当では、今後の需要増に対応できず不足となることを明確に示す情報を提供して欲しい。また、現在の周波数を有効に利用していることを、単位周波数あたり加入者、トラフィックで示して欲しい。
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3) |
利用効率は都市部と農村部で異なる筈である。都市部においてセルを細かく切ること等により、現在の周波数の利用効率をどの程度高めているか。その限界に来ているか。また、農村部においては、需要は少ないもののユニバーサルサービス維持のためにある程度の置局をする必要があるが、その利用効率を改善する努力をどうしているか。利用効率については、都市部と農村部を分けてそれぞれ示し、その上で全体としての利用効率を示すこととしたらどうか。
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4) |
既割当周波数から新規割当周波数への移行・引越しをした場合、既割当周波数はどうするのか。その利用計画はどうか。国民に返納し、その用途を決め直すことにすべきではないのか。
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△ |
NTTドコモ
料金についての質問だが、NTTドコモではサービス開始以降順次下げてきている。今は競争が非常に激しいため、割引サービスをあわせてかなり下がっている。実際、総務省から提出された資料からも、ヨーロッパの大都市に比べて遜色なく、私どもも今後さらなる値下げも検討している。また、3Gはデータコストを安くできるために、各社とも2Gに比べてデータについては安い料金で提供している。
電波の有効利用についてだが、前回説明した資料の中に加入者数56%、周波数割当率43%というデータから、また諸外国にくらべて使用可能なバンド幅が狭いこともあり、日本では有効利用は進んでいると考えている。3、4点目については抽象論としてはいろいろ言えるが、後日数字を提出したいと考えている。
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△ |
KDDI
料金については十分下げていると考えており、データの定額サービスも提供している。料金については、競争が激しい現状である。割当て周波数については、当社はPDCを廃止しており、9MH×2をすでに国に返還している。不要になれば返還すると考えており、この9MHz ×2を上手く使いながら周波数の移行を行うと理解している。
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△ |
ソフトバンクBB
収容効率に関連するが、KDDIは3Gを800MHz 帯で行っており、今後2GHz 帯を併せてビジネスを行っていくということだが、両方とも30MHz ずつ持っている。これから2GHz を有効利用していけば、場合によっては800MHz 帯の顧客をすべて2GHz 帯に移行することができる十分なキャパシティを2GHz 帯に持っていると考えられる。例えば、車の台数が100台、赤い駐車場の台数が100台、また黄色の駐車場の台数が100台増えることを意味している。車の台数は急に倍の200台になることはないため、200台分の駐車スペースがあれば100台の車はいかようにも収容できる。つまり十分な周波数のキャパシティを持っているということが、シンプルなお答えだと考える。
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