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携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会(第3回)
 議事要旨


1  日時
   平成16年11月8日(月) 1000分〜1215


2  場所
   総務省 地下2階 講堂


3  出席者(敬称略)
   座長 :  土居 範久
  構成員 :  荒木 純道、関口 和一、三谷 政昭、村上 輝康、吉田 進
  意見陳述人 : 
アイピーモバイル株式会社   杉村 五男、竹内 一斉
イー・アクセス株式会社 千本 倖生、種野 晴夫
株式会社NTTドコモ 中村 維夫、石川 國雄
KDDI株式会社 小野寺 正、沖中 秀夫
ソフトバンクBB株式会社 孫  正義、宮川 潤一
平成電電株式会社 佐藤 賢治、河津 和道
ボーダフォン株式会社 五十嵐善夫、津田 志郎
  総務省 :  有冨総合通信基盤局長、竹田電波部長、稲田電波政策課長、吉田事業政策課長
  事務局 児玉移動通信課長、竹村移動通信課推進官、松井(俊)移動通信課課長補佐、
松井(正)移動通信課課長補佐


4  議事
   (1)   開会
  (2)   配付資料確認
  (3)   議事
・ 新たに携帯電話用として使用する周波数に関する意見交換
  (4) その他
   (5) 閉会


5  議事の概要(○:構成員、△:意見陳述人、☆:構成員より事前に提出された質問事項)


  (1)   配付資料の確認

  事務局より、配付資料の確認がなされた。


  (2)   前回議事要旨案の確認

  座長より、資料3-1の前回議事要旨案について、特段の意見等がある場合は、事務局に連絡して欲しいと要請があった。

  (3)   新たに携帯電話用として使用する周波数に関する意見交換

  新たに携帯電話用として使用する周波数に関して、資料3-2の検討事項に基づき意見交換を行った。意見交換に先立ち、以下のやりとりがあった。

  ソフトバンクBB

  検討事項の中に1.7GHzギガヘルツ帯、2GHzギガヘルツ帯、2.5GHzギガヘルツ帯とあるが、前回の意見陳述において当社から800MHzメガヘルツ帯を含めて検討すべきであるとの提案をした。また、本検討会は携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会と銘打っているが、今回の議論では800MHzメガヘルツ帯の検討は除外するのか、それを含めて検討するのか。

  座長

  今回の会議においては関連事項として800MHzメガヘルツ帯について取り上げることになるだろうが議論の中心とはせず、次回検討会で意見陳述、意見交換で取り上げる予定である。全般にわたって関わる場合については、800MHzメガヘルツ帯の議論がされるということも考えられる。

  KDDI

  本検討会の運営に当たって、2点お願いがある。前回の意見陳述において、当社の名誉を損なう発言があった。具体的には、孫社長の「KDDIがよもや2GHzギガヘルツ帯を使わないという事であれば、これまで免許を取った時の説明は全て嘘ということになるため、よもやそういうことをいわないと考える」という発言があったが、この発言に関して非常に遺憾に思っている。当社では10月4日に2GHzギガヘルツ帯を音声で使用する端末の発売を報道発表している。また、モトローラ社が10月13日にKDDIのCDMA2000 1xについて報道発表している。このような事実に照らし合わせて、このような発言があったことは大変遺憾である。発言の取り消しと陳謝を求める。

  2点目だが、明らかに他社の数字についておかしいところについて指摘する。事実に基づいて議論すべきであり、他社の数字を用いる場合は慎重に対応いただきたい。具体的には、ソフトバンクBBの資料23ページ、固定回線サービスでの実績において、各社資料に基づくとあるが、KDDIの数字については820万という数字があるが、何をもって算出しているのか、いつの数字なのか明記がない。公表されている数字としては、マイライン協会が毎月マイラインの回線数を公表しているが、9月末でKDDIの国際通話だけで875万6,000回線という数字がある。マイラインの場合には4区分あり、国際を使わない場合もあり、全てのなかで一番大きい数字以上になるのが普通である。したがって、マイラインだけで最低875万6,000回線あり、820万という数字が何に基づくものなのか。このように他社の数字を用いる場合には、何に基づく数字なのかはっきりと根拠を明記していただく必要がある。そうでばければ大きな誤解を生む可能性がある。この2点をお願い申し上げる。

  ソフトバンクBB

  マイラインの数字については、何月時点でどの数字を用いたのか確認する。小野寺社長より国際区分で875万6,000回線であるとのご発言があったので、その数字が正しいと推察する。いつの時点での数字を用いて資料を作成したのか確認し、報告したい。

  2GHzギガヘルツ帯について、音声サービスで2GHzギガヘルツ帯を十分に使うということであれば、今後の議論の参考にさせていただきたい。私どもが聞いていたのは、2GHzギガヘルツ帯を十分に使わないということであったので、そのような解釈をした。もしそのような発表が正式にあったのであれば、KDDIの発言は順当であり、私どもの解釈違いであれば陳謝する。ただし、あわせて私どもの考え方としては、もし2GHzギガヘルツ帯おいて音声サービスを積極的に利用するということであれば、十分にKDDIに周波数帯が割り振られていると考え、私どもの発言の趣旨は何ら変わらないと考えている。

  KDDI

  謝罪いただいたと受け止める。あわせて、座長の方で、今後他社の数字については根拠を提示するよう指摘していただきたい。また、不穏当な発言についても注意喚起を行っていただきたい。

  
  座長

  今のご発言にあったとおり、数字や事実については、日時が分かるように発表いただきたい。また、不穏当な発言についてはご注意いただきたい。

  

1)
   新規事業者のみが周波数を使用すべきか。また、周波数が不足する既存事業者も追加的に周波数を使用すべきか。

  前回の会議において、2GHzギガヘルツ帯と800MHzメガヘルツ帯ではインフラ整備に関する投資額に違いがあるとの発表があった。例えば、アイピーモバイルによれば2GHzギガヘルツ帯だと800MHzメガヘルツ帯の4倍の基地局が必要と算出されており、ソフトバンクBBによれば2GHzギガヘルツ帯だと800MHzメガヘルツに比べ20〜40%コスト増になるとし、一方KDDIは設備コストに差はないとしている。この違いをどのように判断すればよいのか。

  アイピーモバイル

  自由空間での損失の観点から電波の到達距離が約半分になり、そのため基地局数は4倍になると考えられると説明させていただいた。若干補足させていただくと、実際の設備に関しては、都市部になれば伝搬損失が変わってくるため、このとおりにはならない。なお、設備コストに関する説明については、1局あたりのコストであると認識している。

  ソフトバンクBB

  都市部などビルが建っている場合、基地局を多く設置しなければならず、先日の資料の通りの基地局が2GHzギガヘルツ帯であれば追加で必要であると考えられる。KDDIの意見のとおり、もし設備投資のコストが変わらないというのであれば、2GHzギガヘルツ帯の周波数を音声で積極的に使っていくという先ほどの発言にしたがえば、なおさらマルチバンドとしてイコールフッティング、平等な形で新規参入、既存事業者も使っていくということに積極的に理解をいただきたい。

  KDDI

  設備コストに差がないとしているが、これは1基地局あたりのものである。基地局数が変われば別問題である。

  ソフトバンクBB

  1基地局あたりのコストは変わらないが、基地局の数は800MHzメガヘルツ帯の方が少なくてすむと考えていると判断して良いか。

  KDDI

  技術的議論をもっと詰めないとどちらが有利かどうかいえないと考える。ただ、伝搬距離に差があることは確かである。

  平成電電

  都市部においては2GHzギガヘルツ帯も800MHzメガヘルツ帯どちらも変わらないという議論であるが、都市部であれば1局あたりの収容人員は多く、多数の基地局を打つ必要があるため変わりがないという理由であり、収容人員を考慮に入れないで議論するのは、既存事業者としての考え方である。新規事業者としては決定的に違うと言うこと、収容人員や場所を分けて議論していただきたい。

  健全な競争状況は6社以上という意見がイー・アクセスからあったが、他のヨーロッパや韓国などの諸外国はだいたい3社前後である。何故6社が健全な競争状況であると判断しているのか。

  イー・アクセス

  6社というのは決して多い数とは考えておらず、非常に携帯電話の利用が進んだところでは6社という例がある。今回の競争状況を考える場合、新規事業者をできるだけ認めるべきだと考えており、FDDで2社、TDDで1社の参入を認めるべきであるという一つとして例示した。

  6という数字がいいという事ではないということか。

  イー・アクセス

  6社というのは決して多い数ではないということである。

  一定水準の資格を有する新規参入事業者と既存事業者はイコールフティングで事業展開できなければならない。ソフトバンクの主張であるマルチバンドの採用と800MHzメガヘルツ利用の優位性が明らかであれば、この点を配慮しなければならない。是非専門家の客観的な意見を知りたい。

  800MHzメガヘルツ帯と1.7GHzギガヘルツ帯のマルチバンドとした場合、それぞれの周波数の特性上、基地局の置局場所は違ってくる可能性が高い。それを含めて、基地局として何局くらい予定しているのか。また、通信のための機能も単純に考えると2種類必要となり、送信部分のコストを考えるとマルチバンドシステムは割高になりかねないと考えるが、どうか。

  マルチバンド端末とマルチモード端末では、実現のためのコストは大きく異なると考える。GSMのマルチバンド端末はシングルモード端末だと思うが、議論の際には区別が必要だと考える。

  荒木構成員

  コグニティブシステムのように、周波数の空き状況を判断して空いている場所を使うというレベルまで踏み込むのであればマルチモード化の有効性が考えられる。ソフトバンクBBに質問したいが、マルチバンドシステムを組み込むための費用は3$程度ですむということであるが、今現時点でそうなのか、今後長期的に見てその程度ですむということなのかお聞きしたい。

  日本と海外のキャリアの構成を考えた場合、海外、特にGSMの場合、ローミングという地域が変わっても使えるというシステムになっている。海外でマルチバンドを利用できるが、これはエリアごとに違う周波数でローミングしているためであり、同じ地域内で複数のバンドで空きチャンネルを探して通話するとなるとハンドリングの仕方が違ってきて技術的に問題があるのではないか。

  ソフトバンクBB

  我々が提案しているのはマルチバンドであり、マルチモードではない。マルチモードは部品の構成が高額である。あくまでもマルチバンドで、CDMA2000またはW-CDMAのどちらかに最終的に決定したいが、ひとつのモードを複数のバンド幅で使うつもりである。都市部はユーザのキャパシティの問題もあり、2GHzギガヘルツ帯や1.7GHzギガヘルツ帯を使うことも考えているが、郊外では同じ端末で800MHzメガヘルツ帯の周波数の基地局の電波を使うということで利用効率を上げたいと考えている。このように地域によって基地局を変え設置するという趣旨は前回述べており、NTTドコモの発表資料からもわかるとおり、都市部では2GHzギガヘルツ帯を中心に郊外では800MHzメガヘルツ帯を中心としている。私どもも同じような考え方を持っている。

  あわせてKDDIに質問したいが、KDDIとしては2GHzギガヘルツ帯において音声で使うということだが、1台の端末で両方の周波数をうけるマルチバンドでの利用を考えているのか。また3$の根拠についてだが、実際に部品メーカーに見積もりをとって、日現在で供給できるということを確認済みである。

  座長

  マルチバンドだと割高にならないかという質問に対しての回答はどうか。

  ソフトバンクBB

  決して割高にならない。むしろ両方合わせることにより有利な投資コストとなると試算している。

  3$はある程度の加入者数が確保できることを前提としなければでない数値であると考えるが、どれくらいの加入者数を想定しているか。

  ソフトバンクBB

  3$ドルというコストは100万台以上の加入があれば問題ないとメーカーから確認をとっている。我々はこの台数をはるかに超える規模の事業を予定している。しかも欧米ではマルチバンドの端末が当たり前のように出回っており、部品は新たに開発するのではなく既に出回っている汎用部品を使うことができる。このため、事業者で自らのコストで十分にカバーでき、ユーザに何ら迷惑をかけることはない。

  NTTドコモ

  我々は多数のお客様を収容しており、これをまとまった周波数でサービスを提供することは難しい。そのため、様々な周波数帯を利用して対応している。例えば、PDC方式では800MHzメガヘルツ帯と1.5GHzギガヘルツ帯をデュアルで使い、FOMAについてもPDCと一緒にルーラルをカバーするために一時2モードの端末を出してきた。多くの顧客を抱えている事業者は、やはり様々な周波数を使っていかざるをえない。デュアルバンドにする場合、どの程度のコスト増等の必要費用については専門家から提示していただきたい。需要に応じたコスト増になると考える。

  ボーダフォン

  マルチバンドの話になっているが、800MHzメガヘルツ帯の話題にも発展するためコメントさせていただきたい。

  そもそも周波数の割り当ては、世界規模で行われる。しかし技術上は、実用化の容易なところから市場に入る。したがって、ワイヤレスの世界では、周波数が低い方が実現が容易であり、800MHzメガヘルツ帯から順に市場に出た。技術的なトレンドとその時点でどういった事業者が参入するかに応じて割当が行われてきた。

  マルチバンドが良いというわけではなく、現実に即した周波数の有効利用を考えた場合、複数の周波数にまたがる必要性が出てきており、その方策として結果的にシングルバンドよりマルチバンドが良いということである。マルチバンドの方がいいのでそうすべきであるということは、道理として順序が逆であると考える。

  また、海外でのマルチバンドは、地域によって使用する周波数が異なる。同一の地域内でのマルチバンドはハンドオーバー等微妙な技術的な問題がある。有効利用の方策としては、マルチバンドは有用であるが、参入の問題に関しては異質の議論であると考える。

  座長

  まとまった帯域を確保するのと、800MHzメガヘルツ帯と2GHzギガヘルツ帯等の比較的狭い領域を使うマルチバンドで行うのでは事業展開的にどちらが有利であるか、また周波数の利用効率についてはどうか。

 ボーダフォン

  日本は今まで、ある周波数帯域ごとに方式の導入、事業者の参入を行っていた。2GHzギガヘルツ帯について3Gで2000年に割り当てた。その時は3事業者数に限定され、保留されたTDD方式について、リリースするかそこに新規参入を許可するかについては全く議論されなかった。その時点では1.7GHzギガヘルツ帯が3Gで利用されるということは全く議論の対象ではなかった。当然、これまで事業者は2GHzギガヘルツ帯に閉じたビジネスプランを考えていたが、今回は包含して新規と既存にどう割り振っていくのか議論するため話が難しくなっている。

  再確認したいが、これは3Gで利用するのか。4Gや3.5Gではなく3Gで利用されるということであれば、今までの2GHzギガヘルツ帯の延長の中で1.7GHzギガヘルツ帯を含めて新規と既存でどのように割り振っていくのかという議論である。

  参入事業者数を電波の側から判断するのは非常に難しい。電波の有効利用の観点から考えると、あまり細かくするより、ブロックに区切って割り振るほうトータルとして有効利用するのであれば望ましい。

  ソフトバンクBB

  KDDIより、800MHzメガヘルツ帯と2GHzギガヘルツ帯のマルチバンドで利用するのか否かという質問についての返答をいただきたい。

  KDDI

  マルチバンドで行う。ただ、同じエリアの中で800MHzメガヘルツと2GHzギガヘルツを使用することとなるので、ハンドオーバーの仕組みが非常に複雑である。現在は2GHzギガヘルツから800MHzメガヘルツのハンドオーバーはできているが、逆はできていない。RFチップは3$かもしれないが、ソフトウェアの開発については、端末側だけでなく、システム側でも必要であり、この話は全く別であると考えている。

  ソフトバンクBB

  我々としては800MHzメガヘルツ帯、1.7GHzギガヘルツ帯の利用でスタート時から割当てられたハンドオーバーで対応させていただく。またコスト的には、誤差の範囲である。

  800MHzメガヘルツの再配分に際して、現行の基地局および端末は周波数再配分の際に継続して使用できるのか。継続して使用できないのであれば、新規参入者が参入の機会を求める正当な理由になると考える。

  ソフトバンクBB株式会社孫社長のご説明の中にあった『携帯電話の端末は20ヶ月で入れ替わる』という数字はどのような資料に基づいて出されたものか。また、端末の機種変更を利用して周波数を移動させるとした場合、各ユーザへの影響について、どういうことを想定されているのか。例えば、ユーザ本人が望まないうちに機種変更が必要になる等のことはありえるのか。

  NTTドコモ

  そもそも、800MHzメガヘルツ帯の再編は、周波数の有効利用拡大と周辺諸国との干渉問題の解消を目的としている。また、再編では周波数の縮小を視野に入れながら検討した。再編後は端末の切り替えについては、PDCとIMT-2000と仕組みが全く違うためすべて買い換えていただく必要がある。しかしながら、周波数再編においては、今使用している4000万人以上をどこに移動していただくかということであり、非常に難しいことである。

  800MHzメガヘルツ帯の再編については、空いている周波数帯を追加割当てするというのではなく、整理を行うことが目的である。我々の使用帯域幅も58MHzメガヘルツから30MHzメガヘルツまでに減らし、整理縮小しようというものである。最終的に整理することで700/900MHzメガヘルツ帯が空き、非常に使い勝手がよくなる。このため、放送と合わせて2012年までに再編を進めている。そのために様々な事項について整理する必要がある。現段階で更地があるということではなく、これを前提として考えていただきたい。再編をやるためには、PDCが減っていく状況を見ながら、4000万以上のユーザをどうやって動かし、空けて2012年までに再編するということをご理解いただきたい。

  座長

  800MHzメガヘルツについては次回行いたい。質問に対する返答を最後にしていただきたい。

  ソフトバンクBB

  了解した。800MHzメガヘルツ帯に今いるユーザは、3Gに移る際、どちらにしろ端末は変わる。変わった端末をどこに着地するのか、2GHzギガヘルツ帯、1.7GHzギガヘルツ帯にも着地させることが出来る。そのときマルチバンド対応端末を使用すれば、着地する場所の柔軟性が生まれる。今、800MHzメガヘルツ帯にいる顧客が今後も800MHzメガヘルツに居続けなければならないということは、算数的にも物理的にもおかしいと考える。

  20ヶ月ごとに変わるということについてだが、これは業界の常識として、平均的なユーザがどれくらいの期間1つの端末を持ち続けるのかということで、平均的に20ヶ月〜24ヶ月というのが業界の常識的な数字である。当然、3年、5年といった、これより長いサイクルで買い換えを行っている顧客もいるが、800MHzメガヘルツ帯から3Gの端末に置き換わる際に、全員が同時に入れ替わらなくても、パラパラと駐車場で言えば、空いた場所から順次置き換わっていく。空きが出ればそれを寄せて整理することは、基地局の単純な制御で十分に可能である。実現可能な方式であり、欧米でも何度も行われているものである。

  1)   国際的に見て、日本の携帯電話サービスは料金が高いという指摘がなされているが、これにどう反論するか。また、新たな割当の下における今後の新規サービスにおいて、料金水準はどうなるのか。現在並か、現在よりも高くなるか、安くなるか。

  2)   現在の周波数割当では、今後の需要増に対応できず不足となることを明確に示す情報を提供して欲しい。また、現在の周波数を有効に利用していることを、単位周波数あたり加入者、トラフィックで示して欲しい。

  3)   利用効率は都市部と農村部で異なる筈である。都市部においてセルを細かく切ること等により、現在の周波数の利用効率をどの程度高めているか。その限界に来ているか。また、農村部においては、需要は少ないもののユニバーサルサービス維持のためにある程度の置局をする必要があるが、その利用効率を改善する努力をどうしているか。利用効率については、都市部と農村部を分けてそれぞれ示し、その上で全体としての利用効率を示すこととしたらどうか。

  4)   既割当周波数から新規割当周波数への移行・引越しをした場合、既割当周波数はどうするのか。その利用計画はどうか。国民に返納し、その用途を決め直すことにすべきではないのか。

  NTTドコモ

  料金についての質問だが、NTTドコモではサービス開始以降順次下げてきている。今は競争が非常に激しいため、割引サービスをあわせてかなり下がっている。実際、総務省から提出された資料からも、ヨーロッパの大都市に比べて遜色なく、私どもも今後さらなる値下げも検討している。また、3Gはデータコストを安くできるために、各社とも2Gに比べてデータについては安い料金で提供している。

  電波の有効利用についてだが、前回説明した資料の中に加入者数56%、周波数割当率43%というデータから、また諸外国にくらべて使用可能なバンド幅が狭いこともあり、日本では有効利用は進んでいると考えている。3、4点目については抽象論としてはいろいろ言えるが、後日数字を提出したいと考えている。

  KDDI

  料金については十分下げていると考えており、データの定額サービスも提供している。料金については、競争が激しい現状である。割当て周波数については、当社はPDCを廃止しており、9MH×2をすでに国に返還している。不要になれば返還すると考えており、この9MHzメガヘルツ×2を上手く使いながら周波数の移行を行うと理解している。

  ソフトバンクBB

  収容効率に関連するが、KDDIは3Gを800MHzメガヘルツ帯で行っており、今後2GHzギガヘルツ帯を併せてビジネスを行っていくということだが、両方とも30MHzメガヘルツずつ持っている。これから2GHzギガヘルツを有効利用していけば、場合によっては800MHzメガヘルツ帯の顧客をすべて2GHzギガヘルツ帯に移行することができる十分なキャパシティを2GHzギガヘルツ帯に持っていると考えられる。例えば、車の台数が100台、赤い駐車場の台数が100台、また黄色の駐車場の台数が100台増えることを意味している。車の台数は急に倍の200台になることはないため、200台分の駐車スペースがあれば100台の車はいかようにも収容できる。つまり十分な周波数のキャパシティを持っているということが、シンプルなお答えだと考える。


2)
   将来の周波数逼迫に備えて、一部の周波数を保留することとすべきか。

  ○   今回、800MHzメガヘルツ帯は今回検討事項に入らないというのはこの場で認識した。確かに当初の話では800MHzメガヘルツ帯ではなく新規の周波数についてということであったが、ソフトバンクBBからのコメントもあり、次回800MHzメガヘルツ帯に関して検討するということであるが、足踏みをするような事にならないようできれば包括的に考える方が良いのではないか。

  ○   座長

  当初からなかったというわけではない。重要な問題であり、次回に意見を伺い、意見交換を行いたいと考えている。同時に有効に時間を活用するという意味で、やはり本日は新規周波数について議論していただきたい。関連がある事項については議論していただいても構わないが、800MHzメガヘルツ帯について深く検討、意見を承るのは次回以降にしたいと考えており、ご理解いただきたい。

  ○   周波数の逼迫とはどういうことを指すのか。音声を前提とした資料では、1MHzメガヘルツ当たり60万加入ということである。これに対して、これからマルチメディア、あるいは定額制という考え方がでてくると、総務省の将来予想資料だと1MHzメガヘルツあたり14万収容加入とある。音声では60万加入だが高速データ通信等を考慮すると14万加入程度になるということである。定額制等を考慮すると、加入者数をどの程度想定して議論すればよいのか。実際に加入者はどの程度を考えているのかお聞きしたい。

  △   ソフトバンクBB

  いろんな意味で見方が変わると考える。例えば、道路と車の問題と同じであると考えている。東京の道路は混んでいるのか、地方は混んでいるのか、混んでいるといわれれば混んでいるような気がする。かといって、どんなに道路が混んでいても、トヨタと日産で十分に混んでいるからホンダを新規参入させて良いのかという議論と同様と考える。十分に混んでいるから、ホンダは遠くのバイパスのみを使用し、一般道路、高速道路は使わないで下さいということであれば、ホンダを買うお客様は非常に不利な状況になってしまう。どんなに混んでいても、それぞれの事業者が基地局を設置したり等の努力し、またイコールフッティングが自由競争、新規参入の大原則であると考える。これが満たされなければ大きな問題となる。仮に道路の左右を入れ替える工事を行うとして、入れ替えた後も、また入れ替える途中も既存事業者のみが使えるということは、これまたおかしな話である。

  ○   研究開発に携わっているものとしては、周波数有効活用の方策・技術を検討し、それでも周波数が逼迫してきた場合には、有効活用の技術を開発した者に場合によっては優先的に割り当てるといったことも考えられるのではないか。また、米国のFCCにはパイオニアプレファレンスという技術開発に貢献のあった企業に優先的に割り当てがされるという制度があるが、今後日本においても、技術者等の努力を何らかの形で評価する方法を取り入れるのも良いのではないか。

  ○   逼迫については、マルチバンド技術がある以上、ある帯域が逼迫してももう一つの帯域を有効活用すれば逼迫しない可能性もある。従来の発想で、あるひとつの帯域が逼迫しているかどうかだけを議論するのはいかがなものか。また、技術が進んでいるおり、逼迫してもなんとかできる。例えばドコモでは、800MHzメガヘルツ帯ハーフレートを導入し、狭い周波数の中でも利用効率を上げている。割当前に優先的に働くということは、国民の資源を事前に保証することとなるため、技術的な部分と優先割当について、単純に逼迫ということで考えて議論して欲しくない。

  ○   2Gから3Gへの移行に当たり、収容者数はどの程度を見込んでいるのか。

  △   NTTドコモ

  2Gより3Gの方が高速、広帯域であることから、一人あたりのトラフィックを考える必要がある。NTTドコモにおけるパケット通信については、パケットが3Gは2Gの20倍だが、音声はそれほど大きく変わらない。人数だけを考えるのではなく、一人あたりの平均トラフィック×人数というトータルなトラフィックで考える必要がある。その場合、3Gの方が効率は良くなる。2Gの周波数は非常に逼迫しており、様々な取組を行っているが、2Gは限界に達しており、研究開発や3Gへの移行を速やかに行っていく必要がある。

  ○   様々な研究開発等の取組の結果、収容人数については、3Gと2Gでの平均的な利用パターンを想定した場合、同等と考えて良いか。

  △   NTTドコモ 

  3Gの方が一人あたりの利用量は多いとはいえる。全く同じトラフィックであれば3Gのほうがより多く収容できる。

  △   KDDI

  逼迫については単純な契約者数ではなく、全体のトラフィック及びクオリティを考慮することが重要である。品質、サービスと周波数の間には明らかな関係があり、ある品質のサービスを行おうとした場合にこの程度の周波数幅が必要であるという関係がある。データについては、新しい定額制を目指したEV-DOという固定回線のADSLと似たような方式があり、ある程度のクオリティを事業者として確保する責務があるべきであり、ある程度の水準を維持するためには帯域が必要である。

  ○   平均的な利用モデルを想定して60万と14万という数字があると考えているが、これについてどのように考えているのか。

  △   NTTドコモ

  渋谷、新宿、池袋、銀座ではすでに必要帯域が足りない状況であり、どうにもならない。1MHzメガヘルツあたりどれくらい収容できるのかという議論から、単純な数字として必要周波数帯域を割り出すのは、端末が移動可能という点もあり、正直難しい。パケット量が2Gと比べて大きく異なる3Gで定額制の導入などの組み合わせ考慮すれば、今現在では20万人ぐらいを想定しているが、詳細にいくつくらいかと聞かれると難しい。


3)
   一の新規事業者が当初使用する周波数幅は何MHzメガヘルツとすべきか。また、いくつの新規事業者が参入すべきか。さらに、1.7GHzギガヘルツ、2GHzギガヘルツ、2.5GHzギガヘルツの各周波数帯において、それぞれ異なる新規事業者が周波数を使用することとすべきか。

  ☆   高周波回路の実装上の問題から、異なるシステム間の周波数帯の間には必ずガードバンドが必要なので、あまり帯域を細分化するのは好ましくない。

  △   ソフトバンクBB

  新規事業者にどの程度の帯域を割り当てるかということについては、その事業者がどの程度のユーザを収容することを見込んでいるか次第である。10万ユーザを見込むところと1,000万ユーザ見込むところで違うのは当たり前である。我々はグループとして、固定回線で1,100万世帯近くのユーザを抱えている。ユーザ数で一世帯3名と考えると、3,000万人規模の顧客をすでに抱えており、新規参入するにあたり1,000万人規模の収容数を見込んでいる。この顧客数に見合った帯域として、KDDIやボーダフォンと匹敵する周波数幅を短期間に希望している。

  △   イー・アクセス

  当社としては、新規参入事業者としては10MHzメガヘルツ×2で十分と考えている。いくらくらい収容できるというと、平均値として10MHzメガヘルツ×2で750万人程度収容できる。データ通信が多くなると収容数は減るため、750万というのは、一つの目安だが、新規参入事業者として十分だと思っている。必要な周波数幅については、サービス、営業展開等により大きく異なると考えられ、現時点で必要な周波数幅を十分に議論することは難しい。できるだけたくさんの新規参入を認めるため、当初は10MHzメガヘルツ×2で十分だと考えている。

  ○   それは、データサービスのみで用いるのか。

  △   イー・アクセス

  IMT-2000のサービスとして、全体を平均すると、1MHzメガヘルツ当たり36万人というのが当社の試算。これでも数百万人を収容することが可能なので、当初の割当としては10MHzメガヘルツ×2で十分と考えている。現に10MHzメガヘルツ×2だけ割当てられサービスを行っている事業者もいる。

  ○   ソフトバンクBBの意見では、スプリットして割り当てて最低20MHzメガヘルツ×2が必要であるとあるが、トータルでこれだけの幅があれば十分ということか。

  △   ソフトバンクBB 孫

  キャパシティとして20MHzメガヘルツ×2あれば、とりあえず十分な競争ができると考えている。ただし、各帯域をミックスしてイコールフッティングで割り当てて欲しい。どこか片方の帯域のみで割当てられても全く平等な競争にならない。しかし、キャパシティという意味で言えば20MHzメガヘルツ×2で十分ということである。

  ○   800MHzメガヘルツについては、2012年から参入するということか。

  △   ソフトバンクBB

  既存事業者が800MHzメガヘルツ帯を使って3Gの事業を行うのと同じタイミングで、早い段階で、3Gについて800MHzメガヘルツ帯を含めてサービスを始めたい。

  ○   2012年に800MHzメガヘルツ帯を更地にする。その更地を使用するという意味で800MHzメガヘルツ帯を使うという意味ではなく、現在の800MHzメガヘルツ帯でマルチバンドを利用して3Gサービスを既存事業者が始めるのと同じタイミングで始めたいということか。

  △   ソフトバンクBB

  そういうことである。NTTドコモもKDDIもマルチバンドで800MHzメガヘルツ帯(と2GHzギガヘルツ帯)を用いて3Gのサービスを来年にでもサービスを開始したいとしている。2012年まで待つという発言はどこにもないし、KDDIは今日現在、すでにサービスを開始していることから、同じように800MHzメガヘルツ帯を使わせて欲しいと考えている。


4)
   新規事業者が満たすべき要件は何か(サービスの内容・提供地域・開始時期、1MHzメガヘルツ幅あたり利用者数の見込み等)。

  ☆
  1)   通信サービスは公共性を帯びたものであり、採算が取れない場合でも、安易にサービスをとりやめるべきではないと思われる。その点についてどのように考えるか。

  2)   競争促進のために新規参入が必要としているが、現在でも携帯電話4社とPHS2社が競争している。この間にも多くの事業者が淘汰されており、利用者はキャリアの乗り換えなどで不利益を被っている。競争激化による負の側面をより適切に評価していただきたい。

  3)   800MHzメガヘルツ帯を要望している事業者は、本当にルーラル地域でユニバーサルサービスを行う意思があるか。

  △   イー・アクセス

  一部地域について採算がとれないという状況なったからといって撤退は考えていない。全社的にトータルで考えて利益が出るように事業運営を行っていく。

  競争激化の負の側面についてはイコールフッティング等も関連するが、イコールフッティングは理論的に正しいし、それができる状況であればそのようにすることが望ましい。ただ、通信事業については、既存の事実の積み上げによって出てくる面もある。また、新規参入という社会にとっての新しい動きも大事という面もある。これら3つの面を捉えて、現実的な妥協策をとっていく必要がある。イコールフッティングは理想的にはすばらしいが、800MHzメガヘルツ帯を含めて、イコールフッティングをすることはかなり現実的に難しいのではないか。だからといって既存事業者が逼迫を理由に、新規事業者を排除するのは問題だと考える。

  ○   座長

  3)の質問について、ソフトバンクBBはどのように考えているのか。

  △   ソフトバンクBB

  当然のことながら、全国規模でサービスを行うつもりである。私どもは固定通信でもブロードバンドでも全国規模でサービスを行っており、携帯電話事業についても同様にサービスを展開する自信と覚悟があり、ルーラルを含めて継続性についても当然と考えている。

  周波数帯域の逼迫についてだが、NTTドコモもKDDIも社長が明言されており、マルチバンドでやる以上、どこかひとつのバンド幅が逼迫すると言うことはあり得ない。新規事業者が参入するからひっ迫状況が増えるということはおかしいな算数の計算である。国民が急に増えるわけではなく、質量保存の法則があり、トータルのユーザがいきなり倍になるような状況が生じない限り、新規事業者が入ったからといって急に逼迫するものではない。あくまでも質量保存の法則である。単純な算数である、両社ともマルチバンドを行うということを言っているということである。

  △   NTTドコモ

  新規事業者が入るからひっ迫するといっているのではなく、現状で今のお客様をPDCからFOMAに動かす時に苦しくなるということ。どこか空いている周波数を使って、円滑に移行させなければならない。整理縮小をして2012年に700/900MHzメガヘルツ帯を含めて使いやすい状況にして有効活用しようという話をしている。新規参入を阻止しようということは、全く考えていない。

  △   ソフトバンクBB

  新規参入がないからすぐに逼迫するわけではないということを明確にお答えいただいた。是非記録にとどめてほしい。なお、マルチバンド利用についても認めたことも記録に止めてほしい。駐車場の話を先ほどもしたが、移行時に必要なバッファは必要だが、周波数が空くところがあるので、質量保存の法則でいけば、バッファの役割を他の周波数帯が果たせるため、マルチバンドでやれば十分に円滑に移行できる。

  △   NTTドコモ

  2012年までに移行を行い、空いたところを返還するという再編成を行っている。これには時間がかかる。もう少しお待ちいただきたい。

  △   ソフトバンクBB

  2012年まで3Gで800MHzメガヘルツ帯を使わないのではなく、2Gの空いた帯域を来年からでも3Gで使っていくが、新規参入者には2012年まで待てというのは理にかなわない。できることならば国民の為に1日でも早く、空いた帯域を平等に各社が使うべきということを言っている。

  △   NTTドコモ

  ルーラル地域とスポット的に、既存の周波数と干渉を避けながら円滑に移行をするために800MHzメガヘルツ帯で3Gを使うといっているので、面的にある特定の周波数が空くというわけではない。この会議は周波数の利用拡大が議論の中心だと考えている。拡大の方策というよりも、拡大し終わった場所にいかに入るかが終始議論されている。有限の周波数をどう有効活用していくという基本的な話を議論していただきたい。

  ☆
  1)   それぞれの参入計画において、基地局として何局くらいを想定しているのか。基地局を始めとして、参入して事業を開始するのに要する最初の5年間の設備投資コストはどのくらいを想定しているのか、その資金計画はどうか。

  2)   5年後の想定利用者数は何人くらいか。都市部と農村部でそれぞれ単位基地局あたりどのくらいの同時利用者数を想定しているのか。

  3)   参入した場合、展開するサービスは既存技術を用いたサービスとするのか、それとも新たな技術を開発して、新規サービスを展開することになるのか。新規技術開発等に対する投資をどの程度行うことを想定しているのか。

  △   アイピーモバイル

  第3世代移動通信システム無線局免許の方針を念頭に置きながら事業を行っている。弊社では、TD-CDMAについて、2003年4月から1年半かけて実証実験を行ってきた。それも最終段階に入り、新規参入希望者としての準備を行っている。現在の議論では、既存の電話サービスを基本にしたもので、今後データ通信のトラフィックがより多くなることを想定しているが、我々は、高速なデータ通信を基盤としたマシンtoマシンの通信を視野に入れて新たな市場を開拓していきたいと考えている。このあたりも考慮に入れていただき、新しい通信の将来についても議論いただければと考えている。

  △   平成電電

  通信事業者として、全国規模でのサービス提供は必須であると考えている。研究開発についてだが、現在は3Gの研究開発について新規性はなく、4Gについて研究開発していきたい。周波数ごとにどの世代を使うか決められてしまうと、新規事業者が新規性を出しづらく、既存事業者に対する優位性はない。このような点についても考慮いただきたい。設備投資については周波数によって変わるため、現段階では詳細な事業計画はない。

  △   ソフトバンクBB

  既存事業者の1万数千局の基地局をメインに使っていて、プラス、リピータ+マイクロセル等と同等な基地局配置を想定しており、設備投資は数千億規模を想定している。また、5年後のユーザ数は1千万規模を考えており、現在のKDDI、ボーダフォンと同様と考えている。CDMAベースの技術を使う予定。ただし、割当て周波数が少ない場合、セルを細かく分ける必要があり基地局数が増え設備コストがかかるため、新規事業者に不利になる。イコールフッティングで行うには同程度の周波数が必要になるということが重要な前提となる。

  ○   全国区を網羅するネットワークが必要ということが前提条件になれば、あまり需要のないルーラルなエリアについて過剰な投資が行われることになる可能性がある。ローミングやMVNOなど、ルーラルな地域については既にあるネットワークを利用するという考え方もあるのではないか。この点に関する技術的な課題があるかどうかが問題と考えている。

  △   イー・アクセス

  事業計画については、基地局数1万2千局、投資額としては数千億、サービスについてはデータをメインとして音声も提供する。加入者数は500万から700万を想定している。技術については、W-CDMAかCDMA2000かは検討中。FDDを前提とすれば、これまでの技術を前提としてサービスを提供したい。


5)
   周波数の使用について新規事業者同士が競合する場合は、どのような基準により選定をすべきか。


   特に質疑応答はなかった。


6)
   事業者が追加的に周波数を使用する際の要件は何か(過去の実績を基にした利用者数の見込み等)。


  
  経済的な配分手法を導入するためには、電波資源必要量の正確な認識がいる。そのために現在の電波使用状況を正確に調査する必要がある。

  1)   アイピーモバイルから提案の「定期的な利用状況公開」、平成電電の「既存事業者への割当て済み周波数帯の実績契約数及びトラフィックを規準とする利用度の再評価」について各社としてはどう考えるのか。

  2)   NTTドコモが行った「ヨーロッパ各国との1MHzメガヘルツあたり加入者数比較」を韓国、中国、アメリカ等と比較した資料は持っているか。

  NTTドコモ

  2)については、すぐに出せると思うので、提出する。

  KDDI

  1)について必要な資料を出すことは可能だが、経営に関わる情報については、十分に精査の上で提出したい。

  ソフトバンクBB

  特に、周波数を割当てるのに関係するデータについては、議論に必要な資料なので、徹底して開示いただきたい。

  NTTドコモ

  総務省で行っている周波数利用状況調査の結果で代用できるのではないか。

  座長

  どのようなデータが必要かということについては、事務局を通じてお願いすることになると思うが、ご協力をお願いする。

  日本においては、東京などにトラフィックの偏りが存在しており一番の課題となっていると考えられるが、実際どの程度なのか、具体的な資料はあるか。

  NTTドコモ

  新宿など人の集まるところはピーク時間には大変な負荷かがかかると認識している。どこと比べて何倍という具体的な数字としてこの場に出せるかどうか難しい。

  定量的なデータが出てこないと、定性的な議論となってしまい、今後の議論が難しいと考える。コンセンサスが得られるよう、具体的な数値を極力出していただき、定量的な議論を進めていきたい。

  NTTドコモ

  工夫してみたい。

  ボーダフォン

  今後どう増えるかは未知の領域。また、パケットのトラフィックについては、スループットをどの程度に設定するか考慮する必要があり、それらを前提としてやらないと公平とはならない。実績と今後のビジネスプランを加味する必要がある。高速・高性能を指向する上では、これだけあれば十分という帯域幅は算出できない。また今後、新規参入が出てくることもあり、現時点で想定される音声以外の利用状況を各社共通にはかれる指針が必要であると考える。

  平成電電

  既存事業者が追加的に周波数の割当てを受けた場合、既存の端末や基地局の改造をするだけで多くの事業者が収容でき設備投資はそれほど大きくないが、新規事業者が参入した場合は、基地局の投資コストを全て負担することになる。周波数逼迫という議論は既存事業者に有利な議論である。新規事業者の設備投資と同程度の投資を既存事業者も逼迫地域に投入して逼迫対策を行えば、周波数の追加割当は必要ないのではないか。新規事業者の設備投資と同じくらいの投資を既存の事業者もするという前提で比較すべきである。

  前回の場合は3社のみの希望者しかいなかったため、IMT-2000の参入条件をそのまま今回も用いるのはどうかと考える。周波数割り当てられるということは将来的に富を生むことが保証されるということである。そのため、参入には厳格な審査が必要であると考える。最終的には消費者が不利益にならない基準を用いて審査が必要。また新規参入の希望者として、今回この検討会に参加していない人々も含めて考えるべき。

  イー・アクセス

  新規に複数社参入すべきと考える。新規参入を何社認めるのかということについては、周波数幅だけで議論できるものではなく、政策的な判断と考える。過去の経緯でも複数社が参入しており、同じ技術で認められてきた。例えばNTTのアナログ方式が入ったとき、デジタル方式が入ったとき、PHSが入った時は複数社が参入した。そういう形で複数が入るのが競争促進という意味で適当と考える。

  ソフトバンクBB

  プロ野球の新規参入と似たようなものであり、私としては1社でも2社でも割当可能であれば、かまわないと考えている。利用可能な帯域次第である。新規参入者の審査については、野球のルールのように、1部の周波数のみがそのルールから除かれるのではなく、周波数の割り当ても公平かつ透明かつ有効かつ国民本位であることを望む。

  周波数の有効利用について議論している場と考えている。あくまで国民の関心は、1MHzメガヘルツあたりどの程度収容できるのか、一定の価格で、平均的にどのようなサービスが使えるのか、最大でどのようなサービスが使えるのか、こういったことをセットにして、時定数が付いた形で理解できるようにすべきであり、最後には1MHzメガヘルツあたりの議論で比較できなければ、議論が行き詰まってしまうと思う。

  座長

  平均的な利用状況と最大的な利用状況をあげるなど、定量的・客観的に判断・比較出来る材料の提出については、ご協力をお願いしたい。


7)
   その他

  
  電波の割当は5年更新であり、割当て自体は既得権になっていないと理解している。これまで5年ごとに更新されるのが一般的であったのは、電波資源に余裕があったからであると認識している。

  1985年に事業法、NTT法が改正されて、競争が導入され、市場はコンテスタブルになった。とはいえ、独占状況はなかなか改善されず、常に市場の競争評価が問題となっている。まさに携帯電話市場も競争評価に晒されていなければならない。

  そして、常に競争導入政策を追求してきている結果、BBインターネットの事業分野は世界の先端的な地位を確保しており、携帯電話BBITは世界で最も分野になっていると認識している。その意味で当該分野の従来の政策に誤りがあったとは言い難い。

  競争導入政策以来20年が経過し、携帯電話の普及も一定水準に達して、インターネット、携帯電話が新たなユニバーサルサービス水準と考えられる今日、またユビキタス社会が政策ターゲットになっている今日、希少な電波の割当は従来の考え方ではできなくなっていると考える。

  新規参入事業者(一定水準の資格を有する)と既存事業者はイコールフッティングで事業展開できなければならない。ソフトバンクの主張であるマルチバンドの採用と800MHzメガヘルツ利用の優位性が明らかであれば、(是非専門家の客観的な意見を知りたい。)この点を配慮しなければならない。ここでは、オークション型の配分方式が効果的であるといえる。またそれによって透明性が確保できる。

  経済的な配分手法を導入するためには電波資源必要量の正確な確認が要る。そのために現在の電波使用状況を正確に調査する必要がある。1.7GHzギガヘルツの割当て方式については既存利用者の移転や新たな技術的に効率的な配分方式のほかに、限定された経済的手法の導入も考慮されるべきであると思われる。

  資源はひっ迫し、需要は拡大の一途を辿っている。これまで細切れの配分を余儀なくされている事業者の状況を改善することもイコールフッティングの一環であって、事業者は使い難い状況を我慢すべきではない。

  考慮すべき問題が多い中で優先すべき問題は、競争市場環境を維持することであると考える。ドミナントキャリアーに対して新規参入が大きなプレッシャーになる市場を保つ必要がある。市場で何社が競うのが良いのかについての一般論はない。1社であるかもしれないし6社かもしれないしそれ以上かもしれない。現在の携帯電話事業は寡占であって、儲かりすぎの印象はぬぐえない。つまり消費者は生産者の独占的供給に対処するすべを有していない。

  既存事業者は有利な環境にあるために、つまり収益を上げやすい環境にあるために多くの新規参入事業者が参入を考えている。現在の市場は魅力的であり将来性がありこの構造を維持しながら、競争、価格引き下げ、需要拡大というスパイラルを、新技術の導入、新サービスの発掘という競争トリガーで維持する必要がある。

  マルチバンドについて、技術的な見通し、難易度等について議論が深まっていないと考える。次回のプレゼンで発表、議論して欲しい。

  座長

  次回の意見陳述までの宿題として次のことをお願いしたい。800MHzメガヘルツ帯の優位性については、ソフトバンクBBに、800MHzメガヘルツと2GHzギガヘルツの設備コストを客観的比較する資料はNTTドコモ、KDDIに、周波数帯が高いことが携帯電話事業に大きな障壁になるのかはボーダフォンに、諸外国の携帯電話事業において周波数の違いに対する認識はボーダフォンに。この他にも構成員より質問やお願いがあると思うが、これらに対してぜひ資料の提供等についてご協力をお願いする。

  ボーダフォン

  欠席された構成員のコメント・質問を配布してもらうことは可能か。

  事務局

  構成員に確認した上で、配布したい。

  ソフトバンクBB

  テーマについてだが、幅広い内容で意見交換会を行っていただきたい。


  (4)   今後の進め方について
  今後の進め方については、11月25日(木)10時00分より第3回検討会、12月14日(火)10時00分より第4回検討会を開催し、既存の携帯電話用周波数の問題を中心にヒアリング及び意見交換を行うこととした。

  また、意見を陳述をする者については、総務省ホームページを通じて募集することとした。



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