これは、8枚のスライドをテキスト化したものです。
スライド1(表紙)
資料5−7
障害者・高齢者による評価手順(案)
2005年5月27日
「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」事務局
総務省 Ministry of Internal Affairs and Communications
スライド2
■障害者・高齢者による評価の重要性
・障害者・高齢者ユーザに設計・構築中、あるいは運用中のウェブサイトを実際に閲覧・操作してもらうことによって、チェックシートや点検ツールでは分からなかった問題点を把握し、アクセシビリティ向上に役立てることが重要。
・ユーザ評価は各段階で行うことが望ましいが、最低限のアクセシビリティを確保するためには、テンプレート・画面サンプル制作時の「テンプレート・サンプル点検」、公開後の「定期点検」を行うことが最低限必要。
・アクセシビリティ担当部署職員は、可能な限り、ユーザの評価現場に立ち会うべき。
−障害者・高齢者を含む多様な利用者がウェブを利用していることを理解し、アクセシビリティ確保の必要性を認識するため。
−障害に応じて、多様なウェブ利用特性があることを理解するため。
−障害に応じて、多様なウェブ利用環境があることを理解するため。
スライド3
■テンプレート・画面サンプル点検(1) 概要
障害者・高齢者モニターが、実際にテンプレート・画面サンプルを閲覧・操作する様子を観察するとともに、操作についてモニターから意見や感想を聞く。
■実施目的:
仕様に沿って作られたテンプレート・画面サンプルが、障害者・高齢者ユーザにとって問題なく利用できるかを点検し、対応に活かすため。
■実施時期:
トップページを含む主要なテンプレート・画面サンプルができた段階
(トップページの情報整理やサイト構成の検討が終わり、主要ページのデザイン案がHTML化された段階。トップページは実際のコンテンツが大まかに配置され、各ページに共通するナビゲーション部分が出来上がっていることが望ましい。)
■評価テストの実施者:
アクセシビリティ担当部署職員、又は受注業者(外部専門機関の活用も含む)
■評価モニター:
障害者(1名は音声読み上げソフト利用者を含む)、及び高齢者 合計3人以上
スライド4
■テンプレート・画面サンプル点検(2) 点検の流れ
・調査モニターへの協力依頼
−個別に障害者・高齢者ウェブユーザを探すのが困難な場合は、地元の障害者団体、シニアネット、盲学校などに協力を依頼するとよい。
・テンプレート・画面サンプル操作手順の設定
−トップページ及び主要なテンプレート・画面サンプルの操作手順を決定
例)トップページを一通り閲覧した後、ナビゲーションから問合せページを開き、問合せフォームに記入する。
・モニターによる閲覧・操作
−評価モニターは、トップページを閲覧後、リンクが張られた主要ページを閲覧・操作しながら、随時、考えたことや感じたことについて意見を言う。
・モニターの操作の様子を観察、操作についてモニターの意見を聞く
−職員は、モニターの閲覧・操作現場に立ち会い、操作の様子を観察するとともに、モニターから随時意見を聞く。
【観察・意見収集のポイント】
・情報が正しく取得できるか
・情報がわかりやすく整理されているか
・制作者の意図した配慮点が正しく認識されるか
・操作が大変だった箇所はないか 等
・アクセシビリティ対応検討
−観察・意見収集結果から、問題点や改善点を把握し、対応の優先度を決め、アクセシビリティ確保に活かす。
スライド5
■検収・定期点検(1)概要
提供しているウェブサイトについて操作課題(クイズ)を設定し、障害者・高齢者モニター等に課題に取組んでもらい、サイト使い勝手等について、事後アンケートに回答してもらう。
■実施目的:
更新されたウェブサイトが、障害者・高齢者等ユーザにとって問題なく利用できるかを点検し、対応に活かすため。
■実施時期:
・検収点検は、ウェブサイトの一般公開前にモニターに試験公開できる場合
・定期点検は、ウェブサイト公開・運用開始後、毎年1回程度
■評価テストの実施者:
・検収点検は、アクセシビリティ担当部署職員、又は受注業者(外部専門機関の活用も含む)
・定期点検は、アクセシビリティ担当部署職員(外部専門機関の活用も含む)
■評価モニター:
障害者(1名は音声読み上げソフト利用者を含む)、高齢者、及び健常者 合計5〜6人以上。地域特性に応じて、外国人や子供、若者なども含めるとよい。
スライド6
■検収・定期点検(2) 点検の流れ
・調査モニターへの協力依頼
−個別に障害者・高齢者等ウェブユーザを探すのが困難な場合は、地元の障害者団体、シニアネット、盲学校などに協力を依頼するとよい。
・操作課題の設定
−提供しているサイト内から、3つ程度の課題を設定する。
−課題は、サイトの中から1問につき15分間以内に情報を探し出すクイズ形式にする。
例1)もし災害が起きた場合、あなたの家から一番近い避難所はどこでしょうか。○○市のウェブサイトの中から探し出してください。
例2)△△町では、今年から保養所の空き状況がウェブサイトから検索できるようになりました。では、7月20日には、あと何人泊まれるでしょうか。
・モニターによる操作課題実施
・モニターによる事後アンケートへの回答
−モニターは自宅等で操作課題を行い、事後アンケートに回答してもらう。(職員が立ち会える場合は、その場で操作を観察し、操作した感想や意見を聞くとよい)
・アクセシビリティ対応検討
−アンケートの結果から、問題点や改善点を把握し、対応の優先度を決め、アクセシビリティ確保に活かす。
スライド7
■検収・定期点検(3) 課題設定の考え方
■検収点検:
・追加・更新ページや追加・改善機能が利用者にとって使いやすいものであるか検証できるような課題を設定する。
・課題設定の視点(例)
−追加・更新したページから必要な情報が入手できるか。
−追加機能が使いやすいものであるか。
(追加・更新ページが多数に及ぶ場合は、下記定期点検の課題設定の視点(例)に沿って点検対象ページの優先順位付けを行う。)
■定期点検:
・利用者における実際の利用シーンを想定した上で、幅広い視点から課題を設定する。
・課題設定の視点(例)
−住民の日常生活に関する情報や緊急情報が入手できるか。
−利用者のアクセス数の多いページが使いやすいものであるか。
−表のあるページや、文章やリンクの多いページから必要な情報が入手できるか。
−複雑な機能や操作を必要とするページは問題なく利用できるか。
スライド8
■検収・定期点検(4) 事後アンケート
■回答方法:
メールによる回答(職員による聞き取りや、FAXによる回答でもよい)
■アンケート項目(例):
・操作課題に対する結果と評価
−クイズの答え
−答えを見つけるまでの所要時間(15分以内に探し出せたか)
−情報取得の難しさ(非常に簡単/簡単/難しい/非常に難しい 等)
・ウェブサイトの使いやすさの評価
−使い方のわかりやすさ(非常にわかりやすい/わかりやすい/わかりにくい/非常にわかりにくい 等)
−自分の位置のわかりやすさ
−文章表現のわかりやすさ
−アクセシビリティ配慮の度合い
−再利用意向
・自由意見
以上
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