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資料7−1 |
これは、14枚のスライドをテキスト化したものです。
スライド0(表紙) 資料7−1 アクセシビリティ配慮手順 実証評価 実施報告 2005年10月7日 「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」事務局 総務省 Ministry of Internal Affairs and Communications スライド1 ■実施の概要 研究会で検討した「アクセシビリティ配慮手順モデル」等のドキュメントを、地方公共団体でのウェブサイトのアクセシビリティ確保の取り組みにおいて試行し、有用性の実証評価を行った。 各団体での評価結果をふまえて、 「アクセシビリティ配慮手順モデル」等の修正を行い、地方公共団体に最終報告書とあわせて提示する。 <協力地方公共団体…3箇所> 1.ホームページ・リニューアル ・熊本県 ・高知県 土佐清水市 2.ウェブページの追加・更新 ・東京都 世田谷区 スライド2 ■熊本県での実証評価の概要 アクセシビリティ配慮手順 「ホームページリニューアル(提案コンペ方式※)」を試行 ※随意契約のため、業者の選定は行っていない。 大規模地方公共団体で、既にアクセシビリティ向上の取組を進めているモデルケースとして、レベル2のアクセシビリティ対応を目標とした。 熊本県のサイトの一部であるユニバーサルデザイン」のページ「UD21くまもと」のリニューアルにあたり、アクセシビリティ検討、検討に基づいたテンプレートの制作・評価までの手順を試行・評価した。 スライド3 ■熊本県の実施経過 実証評価の実施期間は7月から9月上旬 <7月> ●総務省 7月1日に熊本県に対してオリエンテーション実施 ●熊本県 ・基本検討(取組体制構築、基本方針策定、簡易点検表とチェックツールによる既存サイト評価、基本検討シート作成) <8月> ●総務省 8月5日に熊本県、受注業者からの途中経過のヒアリングを実施 ●熊本県 ・契約 ・設計(受注業者と詳細検討シート打ち合わせ) ●受注業者(NIK) ・詳細検討シート作成(熊本県と打ち合わせ) ・テンプレート制作 <9月> ●総務省 9月9日に熊本県、受注業者からの最終ヒアリングを実施 ●熊本県 ・テンプレート点検(ユーザーテスト) ・対応確認シート内容確認 ●受注業者(NIK) ・テンプレート修正 ・対応確認シート作成 ※実証評価はここまで。以降受注業者はページ制作、熊本県は納品ページ点検・検収後公開へと進む。 スライド4 ■熊本県実証評価の経過と主な意見(1) 1.アクセシビリティ基本検討にあたって ●取組体制構築 実証評価にあたっては、一時的な取り組み体制を構築 ※「アクセシビリティ取り組み体制モデル」での 「責任者」と実際の推進責任者が異なり、今後全庁的な体制にて推進を図っていく際には、取組み部署の一層の努力が必要になる。【熊本1】 ●アクセシビリティ基本方針の制定 「素案」の例文をもとに、文面を削除するなどして作成 ※例文の表現は、行政が一般に示す文書としてはIT用語が多く、理解してもらえない可能性大。もっと、簡単な表現が必要。【熊本2】 ●既存サイトの評価・問題点の洗い出し 「アクセシビリティ簡易点検表」、チェックツールによる点検を実施 ※ガイドブックとしてはわかりやすい。実務では、表(エクセル等)形式のチェックシートがあると良い。【熊本3】 ※単語内スペース・改行は目視だけでは確認できず、ソース(HTML記述)を直接確認する必要があるので、やり方を明記したい。【熊本4】 ●「アクセシビリティ基本検討シート」の作成 ※基礎知識のない職員がいきなり取り組むのは難しい。前提として必要な知識を具体的に示してはどうか。同様に受託する業者にも、前提とする知識等を具体的に明示したほうが良い。【熊本5】 スライド5 ■熊本県実証評価の経過と主な意見(2) 2.設計〜テンプレート制作・評価にあたって ●「アクセシビリティ詳細検討シート」の作成 ※業者が使用するワークシートとしては有用であるが、職員が使用するには難しいと思われる。【熊本6】 ※設計段階では対応を決定できない項目(使っているかどうか判断できない等)が散見された。【熊本7】 ●「対応確認シート」の作成(受注業者) ※職員が確認する際に、仕様の変更が無かったものについても補足の記述があったほうが良い。【熊本8】 ※業者記入欄の×という報告の表現は見直すことが望ましい。(×では受け取って貰えない。)【熊本9】 ●「高齢者、障害者による評価手順」によるテンプレート点検 …5名のモニターによるユーザーテストを実施 ※モニターへの協力依頼は、関係団体を通じて行なったが、モニタ対象者の具体的な要件が必要だった。 ※色覚障害者の方は、関係団体からでは探せなかった。 ※立会いをお願いしたが、最終的には全員メールでのやり取りでのテストとなった。全盲の方の操作にはその後、立会うことができ、立ち会うことの重要性を再認識した。 ※「高齢者、障害者による評価手順」の設問の例はもう少し具体的であったほうが良い。【熊本10】 3.実証評価を終えて ●実務的には、多くの自治体で基本検討・詳細検討シートはガイドラインを作る(または見直す)際に、大いに参考になると思われる。ガイドラインを整備すれば、調達のたびに技術を要する詳細検討を行う必要性はないと思われる。手順モデルへこの位置づけを明確にした方がよいのではないか。【熊本11】 ●業者の負担を軽減するために、(特に障害者の方が利用する特殊ソフトウェアの)支援技術や対応方法に関するナレッジDBを構築し無償公開するような取組みが行なえないだろうか。 ●代替テキスト等のコンテンツリソースの提供に関して、事前に作業主体を明確にする必要がある。 スライド6 ■土佐清水市での実証評価の概要 アクセシビリティ配慮手順 「ホームページリニューアル(提案コンペ方式※)」を試行 ※随意契約のため、業者の選定は行っていない。 小規模地方公共団体で、これからアクセシビリティ向上の取組を進めるモデルケースとして、レベル1のアクセシビリティ対応を目標とした。 土佐清水市の公式ホームページを全面的にリニューアルするにあたり、アクセシビリティ検討、検討に基づいたテンプレートの制作・評価までの手順を試行・評価した。 スライド7 ■土佐清水市の実施経過 実証評価の実施期間は7月から9月下旬 <7月> ●総務省 7月7日にオリエンテーション実施 ●土佐清水市 ・契約 ・基本検討(取組体制構築、基本方針策定、既存サイト評価、基本検討シート作成) ●受注業者(幡多情報エントランスセンター) 基本検討シート確認 <8月> ●総務省 8月7日に途中経過についてメールでの報告を受ける ●土佐清水市 受注業者と詳細検討シートを検討 ●受注業者(幡多情報エントランスセンター) ・アクセシビリティ勉強、検討 ・詳細検討シート作成(詳細検討シート協議) ・テンプレート制作 ・テンプレート制作 <9月> ●総務省 9月16日に途中経過についてメールでの報告を受ける 9月22日に土佐清水市からの最終ヒアリングを実施 ●土佐清水市 ・対応確認シート内容確認 ・既存サイト評価、テンプレート点検(簡易点検、ユーザーテスト) ●受注業者(NIK) ・対応確認シート作成 ・ユーザーテスト同席 ※実証評価はここまで。以降、受注業者はページ制作、土佐清水市は納品ページ点検・検収後公開へと進む。 スライド8 ■土佐清水市実証評価の経過と主な意見(1) 1.アクセシビリティ基本検討にあたって ●取組体制構築 ホームページリニューアルのワーキンググループを設置 ※既に決定された組織のため、取り組み体制モデルによる新たな組織は構築していない。 ※ホームページ/情報システム担当部署が同じだったため、体制は問題なく決められた。 ●アクセシビリティ基本方針の制定 素案をもとに、「土佐清水市アクセシビリティ基本方針」を策定 ※ナローバンド環境を踏まえて作成。サンプルがあり、作業がやりやすかった。 ※言葉を分かりやすく直すなど手は加えたが、手順に従って検討すれば大きく外れた方針にはならない。 ●既存サイトの評価・問題点の洗い出し アンケート調査、「アクセシビリティ簡易点検表」による点検を実施 ※簡易点検表はわかりやすいが、手法説明とチェックシートは分かれていたほうがよい。【土佐清水1】 ※今回はテンプレート評価と同時に既存サイトのモニター評価を行ったが、基本検討の前に行う方がよかった。利用者の様々な使い方が具体的に把握でき、さらによい検討ができたはず。 ●「アクセシビリティ基本検討シート」、「対応方針回答シート(業者作成) 」の作成 ※最初は大きいと感じたが、やってみてこの内容が必要であることが分かった。 ※基本検討シートに、なぜ選択したのかを記入する欄があると良い。【土佐清水2】 スライド9 ■土佐清水市実証評価の経過と主な意見(2) 2.設計〜テンプレート制作・評価にあたって ●「アクセシビリティ詳細検討シート」の作成 ※職員が使用するには技術的レベルが高く、専門業者のヘルプなしでは無理である。【土佐清水3】 ※担当部署に、HTMLの知識がある職員が必要。そうでないと、業者丸投げになってしまう危険性がある。【土佐清水4】 ●「対応確認シート」の作成(受注業者) ※「対応方針回答シート」と「対応確認シート」の名称が紛らわしいので変更した方がよい。【土佐清水5】 ●「高齢者、障害者による評価手順」によるテンプレート点検 ※モニター集めが難しい。地方では障害者のPCユーザーは少ない。実施の準備の負担が大変。 ※実施方法は理解できたが、提示する課題や質問など具体的なサンプルがあるとよい。モニターの属性や障害によって、用意する質問も変わるのではないか。【土佐清水6】 3.配慮手順全体を通して ●職員が事前にアクセシビリティの考え方を理解し、知識を持つことが大事。入門教材があるとよい。 ●ワークフロー全体のチェックシートがあるとよい。全体の分量がかなり多いので、進行チェックシートがあるとプロジェクト進行管理がしやすくなる。 ●この手順モデルがなければ、アクセシビリティ配慮の手順は雲をつかむような話になっていたはずで、手順モデルは絶対に必要。 ●サイトリニューアルの場合、アクセシビリティ検討に要するコストは全体コストの5〜10%程度と思われる。(業者コメント) スライド10 ■世田谷区での実証評価の概要 ※世田谷区はCMSを導入した全面リニューアルの準備を進めている。 今回の実証評価にあたっては現行ホームページの更新作業において研究会で策定した手順書を使用し、その評価を行った。 ◆実証評価の作業を行うページは「世田谷保健所」ホームページ内で日常的に更新がある「健康危機情報」、「お知らせ」のコーナーとした。 既存サイトの点検、検討シートを参考にしたアクセシビリティ検討の結果を踏まえてページの修正を行い、公開前に障害者・高齢者による評価を行った。 スライド11 ■世田谷区の実施経過 世田谷保健所ホームページ 「健康危機情報」「お知らせ」の修正・更新 (「ウェブページの追加更新」手順の試行) 実証評価の期間は7月・8月 <7月> ●総務省 7月7日にオリエンテーションを実施 7月28日に途中経過のヒアリングを実施 ●世田谷区 アクセシビリティ検討 ・取組体制構築(アクセシビリティ担当部署等決定) ・既存サイト評価(簡易点検表、チェックツール) ・基本方針検討・策定 ・ページ修正のためのアクセシビリティ検討(基本検討シート、詳細検討シートを参考) <8月> ●総務省 8月31日に最終ヒアリングを実施 ●世田谷区 ・修正ページ作成 ・ユーザーテスト ※実証評価はここまで。以降、世田谷区は修正したページを公開し、日常の更新作業を行っていく。 スライド12 ■世田谷区実証評価の経過と主な意見(1) 1.アクセシビリティ検討にあたって ●取組体制の構築 今回の実証評価の役割分担、17年度取り組み体制の案を策定 ※全庁組織として設置する場合、事務分掌との整合性から、最高責任者は首長ではなく、CIOである地域情報政策担当部長となる。首長・助役クラスを最高責任者におく組織体制を要綱等で設置・維持することは困難である。【世田谷1】 ●アクセシビリティ基本方針策定 策定中のホームページ全体指針の一部として位置付け、指針に盛り込む案を作成 ※素案は参考になったが、用語・表現は難しい。【世田谷2】 ●既存サイトの評価・問題点の洗い出し 「簡易点検表」、チェックツールによる評価を実施 ※点検を行って気づかなかった問題点が発見できた。 ※「読みづらくないか」 「難しい言葉」などは主観的なもので判断がつきにくい。【世田谷3】 ※チェック欄の書き方がわかりにくく、結果を記録する場合には使いにくい。【世田谷4】 ※機種依存文字はチェックツールで確認を行った。【世田谷5】 ●「アクセシビリティ基本検討シート、詳細検討シート」について 現行の運用で修正が可能な事項に限定して、対応方法を検討 ※用語をはじめ、全体的に難しい。事前にHTMLの解説書やJIS技術解説を読み、予備知識もっていたので内容を理解できたが、一般の自治体でこれに選択・記入し、整理してアクセシビリティ基準を作成することは難しいだろう。【世田谷6】 スライド13 ■世田谷区実証評価の経過と主な意見(2) 2.修正ページの作成にあたって アクセシビリティ検討の結果を踏まえてホームページ担当課が作成した雛型を使用し、コンテンツ作成担当課で修正作業を行った ※詳細検討シートを用いて修正方針を決めるのは、予備知識のないコンテンツ作成担当課では難しい。基礎知識を持ったホームページ担当課が作成した雛型を使用することで作業が行えた。 3.障害者・高齢者による評価にあたって 視覚障害者、高齢者 計3名のモニターに課題を設定したユーザー評価を実施 ※新たな発見があり、ユーザー評価の現場に立ち会うことは大切だと感じた。 ※課題の制限時間15分は長すぎる。障害者の方に疲れがみえ、中断してもらった。【世田谷7】 ※モニターの条件を規定しているが、個人情報収集規定に従う必要があり、選定時から聞かないですむことは推察で済ますことも必要である。 4.実証評価を終えて ●修正後のページが高齢者によるテストで評価され、配慮手順を実施した効果があった。 ●点検で問題点が発見されたときに、修正する方法が示されていると良い。 以上 |