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「地域における情報化の推進に関する検討会」(第4回)議事要旨

  開催日時
  平成16年12月20日(月)10時〜12時

  開催場所
  総務省7階省議室

  出席者
  (1)   構成員等
浅野睦八(大歳委員代理)、飯泉嘉門、大山永昭、小笠原倫明、小野功(庄山委員代理)、斉藤忠夫、清水康敬、菅谷実、須藤修、辻正、野中一二三、丸田一(國領委員代理)(五十音順・敬称略)
  (2) オブザーバー等 
文部科学省:土屋企画官
厚生労働省:新村医療技術情報推進室長
消防庁:渡邉防災課防災情報室長
総務省:青木地域企業系企画室長、江村地域放送課長
全国自治体病院協議会:植田業務第一部長
葛飾区:土肥課長
高度IT人材アカデミー:佐々木次長
  (3) 総務省
鈴木政策統括官、久保審議官、松井審議官、その他

  議事概要
  事務局等よる各事業に関する概要説明の後、意見交換が行われた。

 意見交換の概要
1)  地域情報化全般
    ・ 地域情報化の俯瞰では、WHY・WHATといった課題が明確になっていることは大変わかりやすいが、誰がいつまでにやるのかといった部分を明示するべきである。
   ・ 今までの地域の情報化は地方公共団体中心の取組であったが、地域活動による情報化の取り組みについても視野に入れた検討をお願いしたい。

2)  次世代地域情報プラットフォーム
    ・ 地方財政は厳しくなる。地域情報化プラットフォームの構築施策などでは、人的・予算的リソースの集中を図るなど国による強力な推進をお願いしたい。
   ・ 次世代地域情報プラットフォーム推進に関しては、地方公共団体に配慮し、複数の移行プランを用意する必要がある。
    ・ XMLスキーマの開発は重要なことであるが、行政のスキーマと建設や土木など民間が自主的にやるスキーマが存在することになるので、標準化の調整をする会合(ギャラリー)の作り方を考える必要がある。
   ・ システムの運用コストを下げることは重要なことであり、次世代地域情報プラットフォームや共同アウトソーシングへの取り組みには賛成。特に自治体にとっては、財政的な投入時機などを明確にするためのロードマップが必要。
   ・ 共同アウトソーシングやプラットフォームの標準化に当たっては、様々な人の意見を聞くことは当然重要だが、その結果、複雑な内容にならないように留意してほしい。

3)  全国公共ブロードバンドネットワーク(防災、医療)
    ・ 地震や台風などの災害情報のデータが県や市町村へスムースに流れるような仕組みを作ってもらいたい。
   ・ ネットワークインフラについては、CATVなど地域のネットワークや多様なメディアのとの連携が必要。全てをデジタル化すれば、様々なメディアにおける情報伝達が可能となるので、連携を考えて欲しい。
   ・ 市町村防災行政無線の完全普及を目指しているが、無線・有線のどちらにも共通していえることは、電力の供給を確保することが不可欠であり、非常用発動発電機などの整備についての配慮が必要。
   ・ 地方における医師不足は深刻な問題であり、過疎医療の対処策として遠隔医療を実現する必要がある。
   ・ 遠隔医療の問題については、既に実験ではなく実運用のフェーズにあるが、HPKIやセキュアネットワークなど、安全性の確保の検討が必要。
   ・ 防災も医療も、行政情報としての位置づけの明確化と、アプリケーションの開発の試行で留まることなく実用化を伴う取り組みになることを期待する。

4)  レガシー改革
    ・ レガシーの刷新については基本的に賛成だが、レガシーを全て入れ替えることが最適化かというと疑問な部分もある。膨大な規模の組織では、オープン系への入れ替えについては、配慮が必要である。
   ・ レガシー改革については、長期的にプロセスを考え、例えば、データについては、「まずはデータ交換からスタートして、次のステップでデータ共有」といった考え方をすればよい。
   ・ レガシー刷新に関する方針を早期に国から提示して欲しい。

5)  CIO教育
    ・ 自治体CIOの育成については、自治体の大きさによって教育に関するパターンが分かれると思われる。また、チームや役割分担についても、いくつかのパターンに分かれると思う。
   ・ 自治体CIOに関しては、人材のスキル及び知識が向上し、CIO自らがシステム等のチェックができるようなスタイルを望む。

6)  地方自治体や地方企業への配慮
    ・ 共同アウトソーシングや国・地方連携システムの構築といった取り組みは、今までの情報システムの体系を大きく変えるものであり、知事会としても支援して行きたい。
   ・ 共同アウトソーシングなどの考えは、経費削減の対応として有効である。今までは、個々にシステム化を図ってきたため、無駄が多いことから、都道府県間の競争ではなく、国として取り組むことは重要である。
   ・ 市町村合併が進んでいるが、IT化の先進自治体と遅れをとっている自治体との合併の際には両者のレベルをそろえるために、合併特例債のうち1/3もの予算を情報化のために使うことになる場合もある。レベルの均一化に対して、国として財政的な支援を検討して欲しい。
   ・ まだ地方では携帯電話や移動テレビへの対応が遅れているところもあり、単一のネットワーク基盤ではリスクが高く、多様なインフラの相互利用に対する支援をお願いしたい。
   ・ 東京の議論と地域の利便性が一致しないことがある。地域ベンダーは地域住民でもあり、新たなシステムを作る場合にも参入することが必要だが、コスト面等から大手には太刀打ちできないので、何らかの配慮が欲しい。

7)  地域情報化の評価指標
    ・ 地域情報化の総合評価については、必要な取り組みであることから、評価手法の確立を早期にお願いしたい。いきなり完全なものでなくて良いので、まず立ち上げて、暫時、修正を加えればよい。
    ・ 地域情報化の評価指標は運営側と使う側との両方の視点での評価が必要であり、それらによって、国際的な評価も高くなると考えられる。

8)  その他
    ・ 地上デジタル放送を住民との双方向の通信手段として自治体等で活用するような取り組みを検討してもらいたい。
    ・ OECDの調査など、学力低下が問題になっているが、日本の子どもはITの活用力も特に低い。ITの活用についても教育する必要がある。
    ・ 現在の日本においては、携帯電話が諸外国に比べて群を抜いて普及していることから、子供の安全性の確保などに携帯電話を有効に活用するようなことを検討すべきである。
    ・ 本日のような検討会は非常に有益なことであるが、こうした内容を住民に伝えることが重要であることから、マスメディアを活用するなどして地域住民の意見を取り入れる体制にして欲しい。
    ・ 地方自治体の説明責任は、今後益々大きくなる。ICT活用についてCIOの果たす役割も大きくなる。評価指標とあわせICTに関する内部統制システムが必要になる。



   
  以上



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