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10回 迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会
(議事要旨)



1   日時 平成20年6月27日 1000分〜1200
場所 総務省低層棟1階共用会議室2
出席者(敬称略、五十音順)
  (構成員)
  阿佐美 弘恭(代理:田辺 守)、石田 幸枝、井上 惠悟、岡村 久道、岸原 孝昌、桑子 博行、坂田 紳一郎(代理:能登 雅夫)、佐久間 修、沢田 登志子、島野 公志(代理:角田 和行)、関 聡司、高瀬 哲哉(代理:甲田 博正)、高野 ひろみ、高橋 徹、長田 三紀、新美 育文、野口 尚志、林 一司、別所 直哉(代理:古閑 由佳)、松本 恒雄、宮内 良治、三膳 孝通(代理:櫻庭 秀次)、山田 和彦、吉満 雅文
  (オブザーバ)
  経済産業省 杉山消費経済対策課長、日本データ通信協会 若林所長
  (事務局(総務省))
  寺ア総合通信基盤局長、武内電気通信事業部長、安藤総合通信基盤局総務課長、二宮消費者行政課長、吉田消費者行政課企画官、河内情報セキュリティ対策室長、扇消費者行政課課長補佐
4   議事
  (1) 開会
  (2) 第9回議事要旨案について
  (3) 議題
    最終とりまとめ案について
    その他
  (4) 閉会

5   議事概要
  (1) 開会
  (2) 第9回議事要旨案について
    資料1の第9回議事要旨案について了承された。
  (3) 議題について
    最終とりまとめ案について
     事務局から資料2(最終とりまとめ(案)概要)及び資料3(最終とりまとめ)について説明が行われ、その後概要以下のとおり質疑があった。


オプトアウトの際に暗証番号の入力が必要になるなどだと消費者にとっては不便。容易にオプトアウトできることが重要ということを強調すべきではないか。
 ご指摘を踏まえた修正を行って意見募集に付すことしたい。
資料3の18ページ中、NPO法人等が収益活動に関し、広告宣伝メールを送る場合、特定電子メール法は適用となるのか。このような活動でも問題のある送信はあるのではないか。報告書では、NPO法人など非営利法人であっても、収益活動を行うに際して特定電子メールを送る場合は法に準じた取扱いをすべきと記載すべきではないか。
 表現活動への国の規制はセンシィティブな問題であり、こうした場合は、特定電子メール法の規制の対象とはなっていない。ただし、研究会としてコンセンサスがあれば、研究会の報告書として何らかの言及をすることは可能でないか。
 研究会の報告書としては触れないほうが適当ではないのか。
法第2条第2号の「営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人」の判断基準はどうなっているのか。もし、形式的に非営利法人であったとしても、それをかくれみのにして営業しているような場合も想定されるが、そうした場合はどうなるのか。
 外形的に判断することになると考えられる。株式会社や営利団体は該当する、また、任意団体の場合は、設立趣意書で営利を目的としているかどうかで判断することになると考えられる。
NPO法人が対象にならないというようなことを報告書に書いてしまうと、(悪質な送信者に)知恵を与えてしまうことになるおそれもあり。報告書への記載は慎重に考えるべきではないか。
今議論になっていることは、NPO法制、公益法人法制そのものの問題であり、特定電子メール法の問題としては、現状の報告書案でよいのではないか。
通信方式に関する省令案について、海外から送信され、ウェブメールにより国内で受信される電子メールも全て含まれることになるのか。
 この省令案により全て含まれることなると考えられる。
(報告書の本文の記述にある)POPを省令で規定するとすれば必ずしも適当ではないのではないか。
省令案としては、POPに限らず、国内のユーザーがサーバーにアクセスする方式を読めるようにしておくということではないか。
 省令案はご指摘のような案になっていると考えられる。
過剰規制にならないよう留意すべき。受信者の端末設備も電気通信設備となるのか。
 そうである。ガイドラインにおいて、ご懸念の点はできるだけ解消するようにしたい。

資料3の22ページ中、名刺を渡すことにより電子メールアドレスを通知した場合、電子メールが送信されることは承知していても、特定電子メールが送信されることまでは承知していないと考えられるのではないか。
 今までの研究会等での議論も踏まえ、案を作成しているもの。ただし、名刺を渡す際に広告宣伝メールは送らないでほしいと通知すれば、それに反し送信された特定電子メールは法律のオプトアウトの規定の違反となると考えられる。
名刺の件については、名刺はウェブ上で公開するのとは違い、物理的に渡したからといって、広告宣伝メールを受け取るという意味とは限らないのであって、ウェブ上での電子メールアドレスの公開とは扱いは別になるのではないか。
BtoBの一般的な商慣行上、名刺交換後、セミナーの案内など広告宣伝メールを送ることが一般的であり、これが規制されると経済的影響が大きいのではないか。
例えば、イベントの入場の際に出した名刺の扱いはどうなるのか。名刺を渡せば、全て広告宣伝メールの送信が全て認められるということなのか。
イベントの入場の際に出した名刺の扱いについても、やはりオプトアウトの問題ではないか。オプトアウトをしやすい仕組みが整っていればよいのではないか。
BtoCであっても広告宣伝メールを送る場合は名刺交換した方に対して送っていると明記しているのが普通。受け取った側が迷惑ならばオプトアウトすればよいだけであり、そこまで規制する必要はないのではないか。
個人情報保護法第16条では個人情報の目的外利用が禁止されており、ビジネス上の儀礼の範囲を超えて、みだりに広告宣伝メールが送信されることはないのではないか。
インターネット上の個人情報の扱いは変わってきており、昨今のイベント主催者は個人情報を厳密に取り扱っているのではないか。
BtoCの名刺交換後の広告宣伝メールについては、早稲田大学の個人情報の利用に関する最高裁判例もあり、個人情報保護法で対応できるのではないか。
資料3の20ページ中、第三者が同意の取得を行う場合に関して同意の取得先の「個々の名称」の表示が必要ということにならなかった理由は何か。
 個々の名称が明確でなくてもカテゴリー的なものが明確になっていればよいのではないかとの意見があったため。受信者からみて、このカテゴリーの者から送られてくるということが明確に認識できるのであれば同意と認められるのではないかということ。
受信者が企業名で認識している場合とサービス名で認識している場合がある。仮に個別の企業名だけだと受信者が認識できないということもあり得るので、やはり、受信者が明確に認識できることが大切ではないか。
カテゴリーだと漠然としており、受信者にとってはよくわからないのではないか。
無料の懸賞サイトに登録した際に、別途送られてくるメールがアダルトサイトかどうか分からなければ困る。また、表示が認識しにくいようでも困る。
 受信者があるカテゴリーに同意することにより、特定の者、特定のサービスの広告宣伝メールの送信について同意していると感じられるかどうかが重要ではないか。法律上、どのようなカテゴリーならばよいかを決めるのは困難でないか。
オプトイン規制に抵触するものについては、受信者側から訴えを起こしていき、事業者側がそのリスクを負うという構造になるのではないか。
この最終とりまとめ案では、これまでの広告事業者等のベストプラクティスを認めているものであり評価できる。
特定電子メール法と特定商取引法の省令案、ガイドライン案について大きく違う点があるのかどうか。
 大きな違いはない。事業者サイドに混乱が生じないようにしていきたい。
記録の保存期間については、特定電子メール法ではメールを送信している間は保存するとの案になっているが、特定商取引法ではどうするつもりか。
 特定商取引法では3年間の保存とする予定。
 省令について特定電子メール法と特定商取引法で齟齬はないが、特定商取引法の方が特定電子メール法より範囲が限定されており、その分、規制が上乗せされている部分はある。
メルマガを発行している間、記録を保存するのは当然だが、発行を終了した後3年間も保存するというのは非現実的ではないか。実態に合わせた規制ではないし同意できない。
特定商取引法で同意の保存期間を3年にしようとするのは特定商取引を行うという実態があるためであり、法律的には、それぞれ実態に合わせた規制となっていると言えるのではないか。
資料3の18ページ中、送信者と送信委託者の位置付けについて、改正法第2条第2号の「送信者」は、「電気通信としての電子メールを発信する操作をする人」とあるが、送信者は一介の担当者という意味に誤解されやすいので「操作の主体となるもの(団体を含む)」というような書きぶりにすべきではないか。
 ご指摘を踏まえた修正をした後に意見募集に付すこととしたい。
資料3の17ページの「広告又は宣伝を行うための手段として」の判断は形式的ではなく、実質的な点から判断するような一文を追加していただきたい。
 ご指摘を踏まえた修正をした後に意見募集に付すこととしたい。
資料3の19ページ2)の記述の趣旨如何。
 約款に記載があれば、受信者側の同意を得たことになるものではないという点を記述したもの。

事業者向けに商業メールの送信に関する特定商取引法と特定電子メール法の共同ガイドラインを作ることはできないか。
 特定電子メール法の解釈については、(法の所管官庁である)総務省がガイドラインを作る必要があるが、その上で総務省・経産省共同でパンフレットを作成するなどを行い、連携して周知していく予定。
法の目的は異なっても、すり合わせることのできる部分はすりあわせていくべきではないか。
改正法第11条の役務提供拒否については、実効性の担保という点で有効だと思うが、この部分を拡大解釈されてしまうと、同意を取得した正当なメールであってもシステム止められることもありえると考えられるので、この点についてもガイドライン等で触れるべきではないか。
 役務提供拒否の部分のガイドライン化については今後検討していきたい。なお、資料3の32ページでは送信制限の着実な実施と問い合わせ窓口等の整備という箇所があり、こうした記述も踏まえていくことになる。
法目的が違っていてもすり合わせのできる部分はすり合わせていくべきではないか。
規制を受ける側の便宜のため、両法の改正内容を並べ、違いがあるならばはっきり分かる形の資料の作成をすべきではないか。
 一体的な周知について検討させていただきたい。
資料3の33ページの利用者への周知啓発に関して、今後迷惑メールを受け取った受信者に対しては、「すぐに削除しましょう」ではなく、「転送しましょう」と周知すべきか、その場合、転送先はどこを教えればよいか。
 迷惑メールを受け取った場合、削除していただいても結構だが、執行のために日本データ通信協会の迷惑メール相談センターに転送していただけるとありがたい。また、迷惑メール相談センターと日本産業協会の間での迷惑メールの受け付け体制についても今後話し合っていきたい。
資料3の36ページ中の、迷惑メール相談センターが受信者を代表してオプトアウトしていくということについて賛成する。
 オプトアウトの際、迷惑メール相談センターがあらかじめオプトアウトの相手方が安全かどうかを示すことや、受信者を代表してオプトアウトするということもあり得ると考えられる。ただし、具体的な体制については今後検討していく必要があり、報告書では方向性を示したという位置づけ。
資料3の20ページ中、第三者通じた同意取得について、送信者または送信委託者が同意の際に確定されている必要があるのか、それとも将来加わる送信者又は送信委託者もよいのか。
 個人情報保護法の共同利用とも同様の考え方となってくると考えられるが、同意取得の際に送信者又は送信委託者が特定されているのが望ましいとは考えられる。ただし、グループ会社に関連会社が一社加わったといった場合まで除外するのかといった問題もある。ある程度限定された形で明確化されていることが必要ということではないのか。
送信者又は送信委託者はメール本文中に受信者との関係が明示されていることが必要ということか。ジャンル別で同意がされている場合、不明になる場合がある。
 個々のメール全てにいつ同意を取得したかまで表示する必要はないと考えている。送信者に同意を取得しているのかの確認を求めたときに送信者がそれをちゃんと示せるかということではないか。
事前にあらゆる事態を想定して決めるのは難しい。実際に運用していく中でガイドラインを書き換えていくのが適切ではないか。
今後いろいろなビジネスモデルが出現するのに応じ相関関係を検討していくべきではないか。

     (4) その他
     最終とりまとめ案については、第10回会合で出された意見に基づき修正した案を意見募集に付し、そこで寄せられた意見を踏まえ研究会としての最終とりまとめを行う、という形で進めることが了解された。

( 以上 )

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