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第2回 地域メディアコンテンツ研究会
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平成15年3月11日(火) 14時01分〜16時08分 総務省1101会議室 |
【小林座長】 | 定刻となりましたので、地域メディアコンテンツ研究会の第2回会合を開催させていただきます。 まず、事務局のほうから総務省の人事異動に関係してご報告などがありますので、そちらからよろしくお願いいたします。 |
【清水政策統括官】 | 稲村の後任で参りました、政策統括官の清水でございます。今日はお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。 e−Japan戦略の関係もあり、ブロードバンドネットワークはできてきているのですが中身はどうするんだという話が盛んにされております。もうここ 省庁再編前の郵政省時代にニューメディアの推進だとかいろんなものを当時やっておりましたが、必ずしくじるんですね。どうしてかというと、実際のニーズとは別に今後人はこういうふうになるんですよなんて人間を無理やり理想形にして、その目指す理想形に向けて何か必ずニーズが出てこなきゃいけないというのは、なかなか難しい話が多いのだろうと思います。とりわけ最近は、自治省と郵政と一緒になって総務省になってきますと、どうしても地域というのを大きく取り上げる形になっております。この地域におけるニーズというのは、実は私は、本当にこの中でよくご議論いただいて、本当の地域の求めているもの、あるいはニーズとして存在するものを、ぜひ十二分につかんでいただきたいと思っているわけなんです。政府関係がよくやる新たな取組みで、3年ぐらいやってみました、地域におけるプロジェクトだとか実験的にはやってみました、国が丸抱えですから、これはそのときはやりますと。3年ぐらいたって地域の人たちに「どうですか、これ使ってみますか」と言うと、「まあ、ただで置いといてもらえるのなら使いますが、回線料の負担はちょっとできません」とか言われる。これではやっぱり本当に国としてちゃんとやってきたのかなというのが、郵政でいえば古く筑波 そういう意味で今回、 簡単でありますけれども、本当は簡単じゃないのですけど、ちょっと言いすぎましたけども、活発なご議論を賜ればと思います。よろしくどうぞお願いいたします。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。かなり本音ベースのご挨拶をいただいたというふうに思っております。今回、人事異動に伴いまして総務省の政策統括官が前任の稲村さんから、今ご挨拶いただきました清水さんのほうに交代したということでございます。それでご挨拶をいただきました。 それでは続きまして、今回初めてご出席いただきました株式会社シー・ティー・ワイ取締役技術部長でいらっしゃいます塩冶構成員が本日ご出席でございますので、簡単に自己紹介をお願いいたします。 |
【塩冶構成員】 | 突然振られて、全然予定していなかったものですから、そう言えば前回欠席させていただいて今回が初めてだなというふうに今思っております。私は、三重県四日市にございますケーブルテレビで、株式会社シー・ティー・ワイというところで技術部長をしております塩冶と申します。3年ほど前から、東京のほうの日本ケーブルテレビ連盟の1つの組織で、標準化とかを今やっております日本ケーブルラボというところに出向といいますか、半分出向をしております。半身は四日市で仕事をしておるのですけれども、そういうようなちょっと二重の立場でずっと来ておりまして、いよいよデジタル化も何とかまとまりそうで、ケーブルテレビのほうは次のステップをどうしていくかということを今やっております。 簡単ですが、以上です。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。 それでは続きまして、本日の配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。 |
【梅村補佐】 | それでは、本日の配付資料の確認をさせていただきます。 資料1でございますが「議事次第」、資料2としまして「地域メディアコンテンツの担い手についての考察」、資料3といたしまして「ケーブルテレビにおける地域メディアコンテンツの現状と今後の展開」ということで高橋構成員様のプレゼンの資料、資料4といたしまして「地域インターネットコンテンツ発信についての取組みと課題」ということで株式会社コアラの尾野様のプレゼン資料、資料5といたしまして「地域メディアコンテンツの制作・流通に関するアンケート調査実施概要」、それ以外に「地域メディアコンテンツの制作・流通に関するアンケート調査」の原票を配らせていただいております。以上でございますが、不足等ございませんでしょうか。 |
【小林座長】 | よろしゅうございますか。ありがとうございました。 それでは、議事に入ってまいりたいと思います。当研究会はこれから何回かにわたり議論を進めていくわけですけれども、まず、地域メディアコンテンツとは何なのかというふうなことについての概念整理というのでしょうか、共通認識というのでしょうか、そういうものをいずれつくり上げていかなければならないというふうに思っております。委員の皆様方はそれぞれイメージをおもちかと思いますけども、共通認識をつくっていこうということで、事務局より1つの考え方というものを用意していただいておりますので、まずその説明をいただきまして、今後の議論を煮詰めていくための出発点にしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 |
【梅村補佐】 | では、資料2につきまして説明させていただきます。 「地域メディアコンテンツの担い手についての考察」ということでございます。まずはこのペーパーを用意させていただいた背景を申し上げさせていただきます。今後、この研究会は、今回を含めまして4回ほど開催していく予定になると思いますが、限られた回数の中でどういう方をゲストスピーカーとしてお呼びするか、あるいは事務局でのヒアリングというのも想定しておりますが、どのような方にヒアリングを行っていくか。限られた時間と回数の中で、なるべく広範囲な主体の方からお話を伺い、それによりまして、地域メディアコンテンツの現状ですとか課題の把握を網羅的に行っていきたいというふうに考えております。ですので、今回まず、その担い手というのはどういう方がいらっしゃるかということを整理するために、あくまでも一考察として本資料を用意させていただいたということでございます。研究会の議論のたたき台になればということでございます。 内容に入ります。地域メディアコンテンツ、ここでは地域に特化した映像コンテンツや放送番組というふうに整理しておりますが、この現状を見ますと、制作・配信の主体の担い手というのは企業、これは主としてメディア企業だと思いますが、それと行政、住民・ 企業、メディア企業としましては、自主放送番組等いわゆるコミュニティチャンネルを行っているケーブルテレビといったもの、あるいは地上ローカル放送、あるいはコミュニティ 下の図でございますが、それぞれ3つの主体が別々の情報を発信しているかというと重複する部分もあるということで、こういった画をかいております。具体的にはメディア企業と行政というところの間の重なっている部分につきましては、例えばケーブルテレビが自ら行政情報を積極的に流していくという場合があり、これは両方の主体が連携して出している情報です。あるいは地上ローカルテレビを活用して県とか市が県政・市政情報を流すというもの、これもその間に入っているものかと思われます。あるいは行政と住民との間で申しますと、市民電子会議室というようなものの場を行政が提供しまして、そこにいろんな情報、意見といったものを書き込むのが住民ということで、それが一体としての1つのコンテンツになっているような場合がございます。あるいはメディア企業と住民との連携ですと、今回、高橋構成員様にもお話しいただくようなパブリック・アクセス・チャンネルのような、地域住民の活力を活用した番組制作・発信といったものが入ってくるかと思われます。最後に3つ重なっているような部分、ここは企業、住民、行政といった間での連携ということで、例えばこの3者が協力してコンテンツ制作をしていくとか、あるいはクリエーター支援をしていくといった取組みが当てはまると思いますが、こうした取組みはすでに幾つかの地域で行われているというふうに考えております。 今回、たたき台としてこういったものを用意させていただきましたが、報告書の作成までには十分な時間もありますので、いろんなご意見等を頂戴できればと考えております。以上でございます。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。 事務局で既に行われているアンケート調査とは別に、今後、有識者ヒアリングというものが行われるわけですけども、個人的には、今お示し戴いたコンセプトは、概ね妥当ではないかというふうに思っておりますので、とりあえずこういう図式を念頭に置いて調査を続けていっていただきたいと思います。なお、その細目、あるいは図中の重なり合う部分にいろいろの注記が書いてございますが、そういうところにつきまして足りない視点等がありましたら、プレゼンテーションをお二方からいただいた後のディスカッションの中でいただいたり、さらにそれでも足りない場合は事務局のほうに、例えば連携の部分についてこういう側面もあるのではないかというふうなご意見があったらお出しいただきたいと思います。最終的には地域メディアコンテンツ及びその担い手とは何か、ということが報告書の中で謳われていくことになるだろうというふうに思っております。 それでは、ご説明いただきましたことについての議論は、必要があれば後ほど、ということにいたしまして、早速、本日お招きしておりますお二方よりプレゼンテーションをいただきたいと思います。ご承知のように、前回は西興部村の日下さんのほうから、地方自治体における地域コンテンツに関して先進的な事例をご紹介いただいたわけですが、それは今の図式でいいますと、左下の主体の側で何がなされたかという話であったかと思います。今回は、ケーブルテレビ事業及びインターネットコンテンツ事業における、地域に密着した先進的な取組みをしておられるお二方にお話を伺おうということでございます。 まず最初に、ケーブルテレビにおける地域番組等の制作や配信について、かなり以前より先進的な取組みをされておりまして、本研究会の構成員でもあられます高橋構成員のほうから、「ケーブルテレビにおける地域メディアコンテンツの現状と今後の展開」と題しましてご報告をいただきます。その後、引き続いて、これまた長年にわたり、インターネットビジネス、及びそれを介した地域コンテンツの提供ということで、先進的な取組みをしてこられておられます株式会社コアラの尾野代表取締役にお越しいただいておりますので、尾野さんのほうから大分県において それでは、各プレゼンテータの方から |
【高橋構成員】 | サテライトコミュニケーションズネットワークの高橋です。よろしくお願いいたします。地域メディアコンテンツについてお話しさせていただくわけですが、サテライトコミュニケーションズネットワークとケーブルテレビというのが、会社名と地域の問題とちょっと違いますので、最初に私の個人的なことになるかと思いますが、映像を通して地域と関わってきたことのお話を前段でさせていただきたいと思います。 私は学校を卒業しますと即、米子フォト工房というプロダクションを米子市に作りました。米子フォト工房というのは写真と 昭和 今日は特にケーブルテレビの話をさせていただきたいと思いますが、では、そのケーブルテレビをなぜ作ろうかということです。この中で1つは、当時、民放は3つしか映らない田舎でございますから、多チャンネルにしよう、多くの映像が見れるようになったらいいなというのが1点です。もう1つは、地域情報を流していくことによって、地域の活性化とかをやっていくことが必要ではないかということでございました。もう1つは、後に これはどういうことかと言いますと、今でいう 中海テレビは今申し上げましたように、自主制作チャンネルを4チャンネルもっております。これをスタッフが それで、開局から「ニュース専門チャンネル」というのをもっております。 これらの4つを放送しているわけですけども、中でもニュースはどのような形で放送しているかといいますと、先ほど言いましたように それと有事の際の緊急対応体制が非常に重要でございまして、我々は速報性というものに最大限努力をしようということで、例えば、ご存じのように鳥取県で地震がありました。あのときにも、災害対策本部からライブカメラを入れるということでやりました。チャンネルがたくさんあるものですから、1つを速報性のやり方、もう1つは生活情報を流していくチャンネル、もう1つは、たまたま阪神大震災のときの地震防災マニュアル・ビデオテープというのがございましたて、例えばグラッと来たら3秒以内に何をするべきか、3分以内に何をするべきか、3時間、3日、3カ月というように、地震の場合は何年にも及ぶことになり、住宅なんかになりますと非常に長丁場になってまいりますが、そういったマニュアルビデオも1つのチャンネルで専用いたしまして流していきました。 それから台風というのは、しょっちゅう皆さんのところに来るわけですけども、これらもすべて気象台と対策本部で、事前に台風の大きさに応じて緊急体制などを予知して配備をしております。 それから例えば事件・事故なんかでも、例えばこれも全国ニュースになりました赤ちゃん拉致事件というのが3年ぐらい前にありました。全国から報道の方が ニュースというのは、やっぱり毎日、米子とか境港の町をスタッフが取材しております。ニュースを撮ってきますと必ず、続いてそれを続報してまいります。そうしますと特集ということで、ニュースの中に大体5分から7分枠の特集になっていきます。その特集が続いていきますと、特別番組を作ろうということになります。 次に「イベントチャンネル」ですけれども、コンテンツの例をたくさんここに挙げておりますが、この中で上から見ていきますと、「みんなで歌おう子どものうた」というのは、小学校の子供たちが今、童謡唱歌を歌わなくなりましたので、年に1回ぐらい、みんなで歌おうということでこういう企画を平成元年の開局したときからスタートしました。そのときから、来られる方は全員出るというやり方です。ですから予選がものすごく長引きますけども、とにかくケーブルテレビは最初に言ったように参加型ですから、できるだけ多くの方に出ていただくということで、これも 「高校野球」は普通の民放さんと同じようなやり方です。 「選挙」については、今年も間もなく地方選挙がありますけれども、選挙には大変力を入れておりまして、知事選挙から市議会までやっております。この「選挙」は私どもは当確も入れますが、全員の議員が万歳して抱負をしゃべるまで全部やります。例えば市会議員が それから「全日本トライアスロン皆生大会」です。3つの目的の中の1つですが、全国に発信しようということで、トライアスロンというのは鳥取県の米子が日本の発祥の地なんですね。それが意外と知られていないということから、全国へ発信しようということで、 それから「知事と県民のホットライン」というのは、いわゆるコールインです。知事に直接電話をかけて、そしてその回答をいろいろいただくというやり方の番組です。 それと「小学校6年生の また、中学生では「作文コンテスト」をやっております。これらはニュース以外の番組です。もう1つだけ、「chukai情報広場 パルディア」、これは毎週土曜日に放送している情報番組です。米子の町のいろんなトピックス等を提供している、ニュース以外の番組でございます。 次に「パブリック・アクセス・チャンネル」というのがあります。この理念は、「メディアを市民の手に取り戻そう」というのが我々のキャッチコピーで、平成4年からスタートいたしました。平成4年からスタートして、かれこれ それから日吉津小学校のこれも小学校の子供たちが作った番組でございますけども、これも素晴らしい番組でございました。これを見ていただきますと、学校とか団体、それから個人と、個人の方もこの「日野川源流の碑」を撮られた方は素晴らしい方でして、プロ顔負けぐらいにもうなりました。それから数日前ですか、日本ビクターかどこかで主催されているビデオコンテストの最優秀賞を取られたのも、我々に作品を出してこられた我々の郷里の方でした。 これらの4つのチャンネルを、我々が送り手としてやろうとしてもなかなかできません。そこで市民の皆さんと、それから企業、行政の方々と一緒になって作るというのが基本になっております。ただ、パブリック・アクセス・チャンネルもそうですが、番組の作り方というのはなかなか難しいところがあって、ハードルが高いわけです。カメラは皆さんお持ちなんだけども、編集ということで皆さん止まってしまうのです。それで行政機関にありますフィルムライブラリーとかそういったところを数カ所ピックアップして、そこを紹介して、そこで編集していただいたり、ケーブルテレビですから地元の電器屋さんとタイアップしております。そこの編集機があるところを紹介して、そこで編集をしていただいておりますけども、その編集等で手間取っておられて、作品がそんなに多く集まってきません。最初は年間 そういった皆さん方と一緒になって番組をつくっていく中で、有線テレビジョン放送ですから番組審議会が義務付けられているのですが、これを形式的にやるのではなくて、3カ月に1回、議論をさせていただいております。これが2時間の予定がいつも延びてしまうのですが、何故かと言いますと、米子の町をどうしたら良くなるかという話が先に来て、では、どこどこに問題があるからこういう番組を作ったらどうだろうかという話になってしまうと、ものすごく幅が広がってしまいます。そういった関係で、この番組審議会の時間がいつもなくなってしまいます。一昨年の番組審議会は1年任期でしたけども、皆さんがどうしても意見を言いたいということで、それをそのまま番組にして流しました。そして解散をしないで 「パルディア」というのは先ほど言いました情報番組なんですが、毎週木曜日の夕方までにファックスが皆さんから上がってきて、それを土曜日の番組に反映していくというやり方でございます。 「パブリック・アクセス・チャンネル番組運営協議会」というのは、米子の市民を中心としておりますが、米子の町に商工会議所とかいろんな団体が 「コムコム・カンファレンス」というのは、ニュース専門チャンネルをやっておりますとやはり送り手側の論法になってしまいまして、社内で民放 そういうことをやっておりますと、次のページになりますけども、地域コミュニティの育成になっていったり、それから行政に関心を非常にもっていただけるようになってきております。少しずつですが、町が変わってきているのではないかなと思います。例えば1つは、「中海物語」という番組を2年前にやりました。最初に言いましたように、ニュースをずっと続けてきていると、中海干拓中止というのが全国的に放送されて以来、市民がその中海に関心をもってきた。そのときに、では中海という海が観光資源として有効資源にならないだろうかというのが社内でもちあがりました。それでボランティアとか大学とか行政に取材に歩いてきますと、皆さんいろんなことをものすごくやっておられるのですね。ところが、束になっていなかったのです。そこで中海テレビが仲介をしよう、市民の皆さんと一緒になって番組を作ろうということで、1年間、毎月作りました。そうしたら、出演者が それで、 限られた時間の中でケーブルテレビのお話を大雑把にしましたけど、次に、サテライト・コミュニケーション・ネットワーク 次のページにありますが、私どもがこれをスタートして3年なんですが、これはその間に生でやった番組です。ビデオテープはたくさんあります。皆さん方が日頃お作りになっているコンテンツはたくさん来ますけども、ここに載せている例えば「さっぽろ雪まつり」、これは昨年もやりました、今年もやりました。2時間程度のライブを北海道から衛星で上げていただいて米子に落としていただいて、米子から これ以外には、広告代理店さんのコンテンツ、テレビの番組を、地上局さんのコンテンツをケーブルテレビに供給したり、ケーブルテレビでお作りになった番組を供給したりやっております。 それから我々が自主制作でやっているのは、ケーブルテレビが今後どのようにしたらいいのだろうかと、これは今週だったかな、総務省の地域放送課長さんに出ていただいて流しています。それから行政の方、各大学の先生方、それから経済界の方々で毎週 ざっとケーブルテレビと もちろん もう1つ、パブリック・アクセス・チャンネルは個人の皆さん、団体であったのですが、近年、メディアリテラシーの問題で、 最後に、時間がちょっとなくなりましたけども、東洋大学の先生と文教大学の先生が共同で、昨年の それともう1つだけ紹介させていただきたいと思いますが、「中海テレビが放送局として市民の話題をよく提供しているかどうか」というアンケートに対して、「そう思う」という方が 以上でございます。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。 いろいろお聞きしたいこと等もおありかと思いますが、引き続き尾野さんのほうから資料4に従いましてご発表いただき、その後、質疑応答にしたいというふうに思います。それでは尾野さん、よろしくお願いいたします。 |
【尾野氏】 | 尾野徹でございます。このたびはお呼びいただきまして、ありがとうございました。 総務省に呼んでいただくのはもう2年半ぶりぐらいになりますかね。ちょっと前、 また私自身、大変古くから皆さん方からお世話になりまして今日まで来ているのですが、その間に結構紆余曲折がありまして、ちょっとその概略のところだけを最初に少しお話しして、それから後に各論といいますか、個別のことを話してみたいと思うのです。 コアラそのものは ところが、 例えば北海道新聞とか仙台とか中日新聞社とか中国新聞社など、結構大型のブロック紙と提携をして全国を6つに割って連合を作ってやったのです。そうすると、それぞれが 困ったなといったときに、実は ところが、そうやって私たちがインターネットをやったときに、地域の中にいろんな方々がおられますから、プロバイダーとしてこういったことができるんですよというプロバイダーの業務を教えてあげたわけです。実はコアラというのはずっとボランティアで、 そうは言いますけれども、 さすがに、そこで会員が伸び始めるわけです。今度は高速であるという自由度が増えてユーザが増えていきました。ただし、株式会社にしたときに不良会員を整理しましたから、会員が減るといったこともありまして、紆余曲折があります。 そういったことで今日に至っているわけですが、その個々の経緯を少しご説明したいと思います。 一村一品運動としてやったわけですけども、最初からデータベースはしませんでした。データベースよりもコミュニケーションということですね。キャプテンがデータベース志向だったわけですけども、私たちはコミュニケーションということで、掲示板やメールというのに特化するという方向にいったわけです。 そんなことが受けて、実は日本語の本格的電子会議システムをたいへん苦労して ユーザが増えると、どうしても通信料金のことが気になってくるんですね。特に東京と大分の間が電話代が高いということで大変気になってきて、実は当時から県外のユーザがとても多かったのです。ということで、その通信料金の壁を破るためにインテックにお願いして、日本で最初の個人利用のパケット通信網をつくってもらったのですけど、それだけではなくて大分県内に対しても、豊の国ネットといって、どこからでも市内料金で通信できるという情報道路を作ったのです。これはふるさと創生資金を使ってつくったのですけど、これがまた、県内の地方と県庁所在地の間を交流させるといったことでとても上手くいったのです。 そういったことから新しい地域社会が情報道路を作ることによって見えてくるということが分かったことから、実はハイパーネットワーク社会研究所というのができました。俗に言う、コアラがモルモットになってハイパー研が研究する、また、ハイパー研が研究した内容をコアラが実践するという、アメリカの研究と実践が両方あるというような形になりまして、とても面白かったです。 こういうような形でやって、その中で実はインターネットのことをいち早く始めました。さっき言いましたけど、 そしたら、たった一人のスタッフで女性が、事務局にいたのですけど、その女性が面白半分に全部、英訳しちゃったわけですよ。実家というのを彼女は「リアルホーム」と書いていましたけど、合っていますでしょうかね。英語訳をしたから、世界じゅうからアクセスがあるわけですよ。ホワイトハウス対村山総理の実家というね、こんなことをしてもだれも怒られなかったです。そういったことを恐る恐るやった時代ですね。ということで、勝手にやっていいんだということが分かったものですから、ワンパーソン・ワンホームページということで、一人一人が個人のホームページを作りましょうと。一村一品がワンビレッジ・ワンプロダクト、アップル社がワンパーソン、ワンコンピュータと言ったのをもじって自分のホームページを作っていいじゃないかという運動をするわけです。だから個人がホームページ、個人がコンテンツだといったスタンスに変わっていくわけです。 そんなことをやっていたらサントリーさんが出てきて、地域文化賞をあげるということで そんなことをやっていたら、当時はインターネットをやっているなんていうのはあまりなかったものですから、たまたま通産省さんが先進的なアプリケーションの整備事業をやるということになって、第一号モデルとして、大分で地域のインターネット社会モデルをつくることに携わりました。 また、そのときに それで、今はデータセンターは当たり前になってしまいましたが、データセンターを作りましょうと。そこにインターネットの装置を全部集めてあげましょう、企業や県内の官公庁のも集めてあげましょうと、当時言っていたのです。かつ、その隣にインターネット放送専用のスタジオを作ったのです。これは本当に防音装置まで作った本格的な設備で、当然世界的にも始めてのことだ、とよく見学がありました。かつ、大分市内の中に光ファイバーを こうやっていたら、次がまた出てくるわけです。あっという間に これは、三年かかって今年の春に完全にでき上がるわけですけども、大分でやったら翌年、今度はパッと福岡が作ってしまいました。福岡は大分のように自設備工事でなく九州電力から借りたから、1年でできちゃったわけです。そしたら今度、それを見た宮崎県がまた行って、宮崎県は九電から借りたり他者から借りたりと、いろんなことをやって、翌年にやるわけです。大分から始まって、翌年には福岡が始まって、その翌年には宮崎までできて、ギガビットの東九州軸の原型ができちゃったわけです。ちなみに、新幹線は九州の中の東九州は全然通らないし、高速道路もないところなんです。だけど情報道路だけが高速道路としてとりあえずでき始めてしまったということです。 そんなころ、ある日突然のごとく、九州知事会が「知事会は九州ギガビット構想を提案する」との発表がありました。びっくりしました。つまり、九州じゅうにギガビットを通してしまって、それを結んでいって、その通った間の地域を情報化していこうじゃないかという構想ができ上がったわけです。とても素晴らしいことだと思います。ただし、まだ福岡も大分も宮崎もつながっていません。間を誰がもつかということが決まっていませんから、なかなか上手くいかないですね。 でも、こういったことをやりながら、皆さん考えてみたらわかると思うのですけど、やはり福岡はとても九州の中で重要な地位にあります。九州電力が韓国と光ファイバーを結びましたしね。かつ福岡県から日本全国へ出ているルートもありますし、もう1つ重要なことは、僕がさっき言いましたように、各地方が何故 そのときにやったのは、福岡市内に そうやってやったのですけど、この辺はちょっと飛ばしますけど、結局は常時接続ですよね。常時接続で一番重要なことは、やはり 常時接続で何があるかということを考えていろいろやっていこうということで、例えばいろんなそういったことのサービスを考えてみたんですよ。最近では一番簡単なのはこれですね。これが受けていますけど、テレビ電話です。パソコンなしです。パソコンの操作は全く不要です。電話番号だけ押せばいいのだから、子供でも扱えますよね。そう思っていたら、電話番号も要らなかったんですね。ディスプレーに相手先が出てくるから、それをタッチパネルみたいに押すだけで済みますから電話番号さえ要らないという、非常に簡単な そのほかにも幾つか そんなことを言いながら、 そんなことをやっていたので、あるときに大分市から相談があって、ワールドカップがあるのでワールドカップ用に何か考えてくれないかと言われて「ネット・ピアッツァ」ということを提案したら、提案だけでなくてつくってくれと。つくったら今度は運営もしてくれと言われて何もかもやるようなことになっていますけど、「ネット・ピアッツァ」というワールドカップ用の広報施設で、インターネット放送を主体にしてやりました。ワールドカップそのものがよかったからでしょうが、大変な賑わいで、1つの名物のエリアになりました。これで大分市にインターネット放送設備が導入されたということになるわけです。ところが今、ちょうど大分市長選挙に今度入るので、今までの市長がもう立候補しないということになって、今誰も使っていないのです。新しい市長によってこれが生きるか生きないかということで、やっぱり行政というのはなかなか難しいというようなことを感じています。 では次のページで、「ブロードバンドは音楽が熱い!」と書いてあるところがありますね。考えてみたら、皆さん方も音楽だけは何度も聞き直しますよね。他のものは、テレビでもニュースでもそんなに2回も3回も見ないでしょう。ところが音楽だけは、よかったら3回でも4回でも ここからビデオをぜひともお見せしたいんですが、そもそもやりたかったこととして、 すみません。これを見てください。こういうふうに単純に新聞があって、新聞の写真をクリックしたら動画になります。当たり前そうに見えるじゃないですか。これが未来の電子新聞なんですけどね。こんなことをずっと見せられていたので、何とかそんなものをつくりたいと願っていました。 ここに書いてあるとおりで、九州電力さんにお金を出してもらって、これは広告収入とかでは集めきれませんから西日本新聞社に編集指導してもらって、私たちコアラが取材し作るという形でやっているのです。具体的には、これが待ち受けアイコンで、こんなものが出てくるんですね。わかりますか、これが待ち受けアイコンですね。これをダブルクリックしたらビュアーが出てくるのですけど、こういったビュアーが出てきて、目次を押します。それでこういうような形に(目次や本文が)出てくるわけですけど、フラッシュあたりで軽くやっているわけです。動画レポートということで動画ボタンを押します。こういったのが出てきたら、こうやってやるとこういうように。たまたま今、卒業シーズンだからでしょうか、うちのスタッフが自分たちがモデルになって卒業式ファッションを披露したり、このような体験談をいつも作っているのですよ。こんなことをやったりとか、こちらなんかは傑作ですよ。これもびっくりしちゃったんだけど、これは新人研修です。これはベスト電器にうちのスタッフが体験入場をしているんです。それでスローガンを話すことをやってみたりとか、何かわからないけどかなりふざけたという感じかな。でもこんなことをいろいろやってみて、それをこういった記事と一緒に出していくということをちょこちょこやっているわけですね。結構これが受けて、まだそれほどユーザはいないのだけど、いろんな形で配られ始めています。 これは配信するという形のものでしょう。そうするとある意味でメールと同じようなところがあるし、かつまた、メールであったらウイルスも運びますけど、こういったコンテンツを運んでもウイルスを運んでいるというイメージはないでしょう。そういうことから、今はいろんな方々から「こういうやり方もあっていいね」というふうに言ってもらえているということで、ちょっと今、これに関して一生懸命になりつつあります。 ごめんなさい、次に行きましょう、急ぎましょう。こういったことで、隔週で出していたのを、今年の3月から毎週出すようにしたのですけど、さあ、だれがお金を見てくれるんだろうと思いながら、悩みながらやっています。 そういうことだけでなくて、同じものでも、映像をせっかく作るわけですから、その映像をバルーンと呼ばれていますが、デスクトップ上に小さな窓を出して、そこにチャンネル的に、ながら族用に出すといったこともやってみたのです。でも、これは誰が使うのかなと思いながらやっています。しかも、これら番組編成をプログラムできるようにしていて、動画1から動画nまでずっと自由に編成できていて、途中、番組割り込み映像も挿入できます。だから、緊急放送もできます。しかも、これは1週間分のプログラムを組めて、1週間分、無人で運転することもできるというものを作っています。 そういうことを考えたら、結局考えられるのは、電子動画新聞を出しながら、ながら族的な、またはインターネット放送を本格的にやりながらやるということで、それらには当然、広告をつけるべきではなかろうかと。だから当然ながら、広告を出すような形でやりましょうというようなことを考えるわけですね。広告を出すのですけど、双方向のコミュニケーションツールがたくさんありますから、それに対して意見交換をして、それを編集会議に活かしていくと。編集会議に活かして、それを広告やまたはコンテンツ制作にあらわしていくという、1つの大きなループができるのではないかと思うわけです。そのループを作るのですけど、それらを使いながら こういったことをやったら、いろんな方々が面白がって来てくださるので、そうか、こういったシステムをそのまま各自治体や企業や地域社会に提供してあげればいいんだと。 「作り方が分からない」「分かりました。では、どうぞコアラに人員を派遣してください。預かって、しばらく教育してあげましょう」というようなことを今話している最中です。 そんなことを言ったら、たまたま福岡市が音楽ポータルサイトをやりますということを言い始められたのです。これはどういうことかというと、福岡市はいろんな有名なミュージシャンが次から次に出てきているわけですけれども、そういったことで音楽関連産業を考える価値があるのではないか、したがって音楽産業を振興するということを考えていきたいと。それにはいろんなことをやるけれども、例えばインターネット上からも、ブロードバンドがあるがゆえに音楽産業を振興できるような仕組みを作っていきたいと。それを提案コンペでやりたいと言ってきたわけです。大変多くの方々が提案されたのですけど、私たち提案させていただいたら、上手い具合にたまたま私たちが最後まで残りましてお仕事を作るようになったのです。 どんなことを作ったかといったら、簡単に言うと福岡市の狙いというのは、音楽関連ビジネスは裾野が大きなコンテンツエンターテインメントビジネスだ、本市はミュージシャン輩出のメッカ的な都市だと。昨今のブロードバンド化は福岡の音楽関連産業のチャンスだ。本市の豊富な音楽資源を活かして、国内外、東アジアをマーケットとするエンターテインメント都市作りをやりたいのだ、というようなことで私たちが作るわけです。それをやって最終的には音楽産業都市をつくり、エンターテインメント都市に導きたいと。これは早い話が、市は狙いがあって、それを民間のノウハウで ワールドカップのときに大分市向けにインターネットスタジオをつくって、大分市民向けにコンテンツを作らなきゃいかんというのでいろんな人を募集したら、結局、採用したのが コンテンツの作り方がより専門化していって、それに相応しいというか経験をもった方々がネット産業というかブロードバンドコンテンツ産業に入りつつあるのだな、というようなことを感じますね。しかも、これは市から、1〜2年後には独立採算でやりなさいと言われているんですよ。これはなかなか難しいですよね。エスプレッソといい、こういうものといい、私のところには当面はどうも不採算のようなもがばかり集まるような気がしてしようがないのですけど、まあ何かやっていかなきゃいかんかなと。 そういうふうなことをやりながら、ブロードバンドはどうしてもコンテンツ必要になりますから、実はデジタルハリウッドと協調して「ブロードバンド・ジャーナリスト講座」というのをやっています。デジタルハリウッドでやったらすごいですね、こういうのに 私たちは、そういったブロードバンドの人材が今手に入りつつある、またはそういったことを作らなければ本当のコンテンツができないという時代になっています。それはさっき言ったようなことにとても合致するでしょう。エスプレッソと呼ばれている、皆さん方のお手元に配っています小冊子で、それは印刷しただけですけど、そういったものに対して正に作る人材を育てるといったことになると思うのです。逆にまた、そういったことができると、ある意味では地域の中でいろんなコンテンツを作る人材になっていくというようなことも思っています。 でも、私はこれでまだ満足していなくて、ハイパーネットワーク社会研究所を作るときに「将来、何をしたいの。何を研究したいの」と言われたものですから、 この壮大な実験をやったおかげで私の未来計画において1つ面白い収穫がありました。この中心人物の1人で金出武雄さんというアメリカのカーネギーメロン大学の著名な先生がいますが、彼が さっき音楽産業を取り上げましたが、僕はこれを、「福岡にスタジオつくりましょうよ。ここで撮影したらこういうふうになりますよ。こういったスタジオつくりましょうよ。」と一生懸命言っているんですけど。こんなスタジオを作るのもいいのではないかと。今のところ、このスタジオは世界に6つしかありません。あ、まだできていないから5つぐらいしかできないのかな。4つぐらいで、今、6つ目ができようとしているのかな。日本では慶応大学に1つだけ、今事例ができつつあります。でも非常に小さなものだから、もっと本格的なものを作りたいなと思っているのですけどね。これは当然、通信ができます。こんなことをやっていってもいいのではないかと思うわけです。 そんなことをいろいろやっているのですけど、もう一回整理しますと、「地域にコンテンツをあふれさせるには」というのが今回の命題ではないかと思うのですね。地域にブロードバンドコンテンツを出したい、お手持ち資料の それには2つの方向があるのではないかと思うのです。1つはボランティア型のもの、要するに利益を追求しないものです。もう1つは、ちゃんと産業としてというやり方があると思うのです。ボランティア型というか そして、それはある意味では、 では産業としてやるかといったときに、これは2つの方法があるんですね。ベンチャー型でやるか、または既存メディアからのアプローチでやるかということだと思うのです。既存メディアからのアプローチは、これもなかなか難しいところがあります。さっきの それからもう1つ、地方でそんなことをやっても上手くいかないことがたくさんあるんですよ。どういったものが地方のコンテンツかというと、 では、これをやるにはどうしたらいいかというと、ある意味では自治体の広報、または企業の 何か最後に提案ということを言われたので、これは手前味噌になるからちょっと嫌だったのだけど、でも、やっていることは自分で信じているからやっているわけだから臆せずに自分で言うかなと。恥ずかしいんですけど、やっぱり考えるのはさっきから何度も言っていますけど、ネットは文化です。地域ネットは地域文化の拠点だということ。 量産安価型全国ネットは全国画一文化、それに対抗した地域文化をつくると。それには地域 それからもう1つ、ブロードバンドコンテンツが流通しやすい新しいインフラ普及を支援すると。1つは、コンテンツ・デリというのを名古屋で業者がやっていますけど、これは世界じゅうのビデオコンテンツを探し出して、それを登録して、その登録されたデータを組み合わせて、メールでこういったのがありますよと送ってあげる。そうすると、それを再生することができると。これは自分でコンテンツをつくっていなくて、世界のコンテンツを相手にしているわけですが、これも流通の新しいやり方だと僕は思います。 それからもう1つは、私たちがやっているように愚直といいますか、力仕事になるかもしれませんけど、地域のコンテンツを一生懸命作り続けていくと。新聞ライクな動画付きコンテンツ配信。 だって皆さん、未来の文書は必ずこうなるでしょう。絶対にこうなりますよね。未来の文書というのは必ず映像付きになりますよ。 そういったことをすると結局、多くの新聞がたくさん発行する。たまたま私たちがやっているのは「天神エスプレッソ」といって、これは女性向けですけど、男性誌をつくるとか、技術専門誌をつくるとか、飲み屋街専門のものを作るとか、いろんなことが考えられるはずなんですよ。 いろんなベンダーがいろんな本を出していくと。そうすることによってユーザも拡大し、そういった中から自分が好きなものを選んで見ることができる、それがコンテンツだといったことをやっていくのも面白いのではないかと。 こういったことが1つのデファクトスタンダードみたいな形で日本で流行ってしまうならば、まだアメリカはこれはできないんです。アメリカはまだブロードバンドが全国に発達していないわけですから。日本だったら、韓国とは違う形でこういうことがいち早くできるかもしれない。韓国は「オーマイ・ニュース」のように投稿型でメディアを作っているかもしれないけど、私たちの場合は新しい流通のプラットフォームをつくって、これを世界の標準、共通の形なんだよというようなこともやってしまったならば、ある意味では私たちが新しいアプリケーション概念を社会に提案したことになる。 そういったプロジェクトをやってもいいのじゃないか、いやぜひともやるべきではないか、という気持ちで、私は個人的にはおります。でも、これを言いすぎると何か自分がやっていることを そんなことをやっていますので、ある意味では九州で新しいことに挑戦できることが楽しいですよということを私は考えながらやっていますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っています。以上でございます。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。 お二方の大変中身のあるお話を伺うことができたのですが、その分、時間がかなりオーバーしております。 この後、アンケートの実施報告というのが約 |
【信井構成員】 | 高橋さんにお伺いします。大変素晴らしいことをやっておられまして、ケーブルテレビで成功されているものの1つだと思います。それで全国にケーブルテレビはいっぱいございますけれども、他にも同じような形で成功している事例があれば、2〜3挙げていただきたい。 それから尾野さんでございますけども、この間の北海道の例でございますけれども、いわゆる補助金でとにかくスタートして成り立っている現状だと思うのです。それはいつかは止まるわけでございますね、いつまでも補助金に頼っているわけにいかない。そうしたときの展開もいろいろおっしゃいましたが、私も多少の経験があるのでございますけれども、実証実験のときは非常に上手くいくのでございますけれども、いざ事業化ということになりますと出資する人はほとんどいないのが現状で、いつの間にかしぼんでしまって、素晴らしい“実証実験”に終わる例が多いのでございますけれども、それに対して尾野さんもいろいろおっしゃいましたけど、何か展望があれば教えていただけると大変参考になります。以上でございます。 |
【小林座長】 | それでは手短に、それぞれお答えいただきたいと思います。まず高橋構成員。 |
【高橋構成員】 | 地域のケーブルテレビで成功事例というのは何を指すのか、これはいろいろあると思うのですが、ただ、本当に地域のために頑張っておられるケーブルテレビは全国にたくさんございまして、どちらかというと地方都市のほうが多いのではないかなと思いますが、例えばきょうお越しの塩冶さんのところの三重県のケーブルテレビの皆さんも本当に頑張っておられますし、北海道地区でもおります。それから中国管内でもハイケーブルさんというのも非常に頑張っておられます。長崎のケーブルテレビも、佐世保も頑張っておられます。愛媛ケーブルさんも頑張っておられます。 固有名詞で言えば、本当にたくさんあります。ただ、本当に頑張っておられる地域の番組を我々がそれを衛星で他地域に配信し、見ていただくことで、地方地方がみんな頑張っていけるようにしていきたいなと考えております。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。尾野さん、よろしく。 |
【尾野氏】 | さっき私が言ったのは2つとも補助金ではなくて、九州電力さんのほうは九州電力さんが何かやりたいと相談があったので、ではこういったことをやったらどうですかという提案をおこない、彼らのお金でやることになった事業ですね。そして3年ぐらいたったら独自採算で運用できるよう事業化したいということで、まず最初の2年間を一生懸命やってみようと。それで今、1年目がやっと終わりつつあるという状況です。だから、これは共同プロジェクトでどこかで事業化していきたいと考えつつ取り組むので補助金打ち切りで継続できるかできないかは自分の努力しだいですね。 それからもう1つ福岡市の場合は、これは福岡市がこういったことをやりたいといったことに対して、別に補助金ではなくてコンペですから、福岡市がやりたいことをお手伝いしていると。ただ、これもいずれは独自採算プロジェクトとしてやっていかなきゃいけない。そういった意味で、常に私の場合、数年間の助走つきで独自採算の方向性を出されていて、ある意味ではそうやって新しいコンテンツビジネスを作り出すチャンスをいただいている、と考えたい。ご指摘のように補助金がなくなったら止める、というのではなくて。 ただ、簡単に言うと九州、特に大分の事例を言うと、例えば |
【小林座長】 | ありがとうございました。どうぞ。 |
【井上構成員】 | 富山県の井上と申します。高橋様、尾野様、興味深い話を教えていただきましてありがとうございました。それを踏まえまして、資料2の「地域メディアコンテンツの担い手」ということで、ちょっと私が感じたことを申し上げさせていただきます。 担い手として、殊に地域のメディア企業、行政、住民・ それともう1つは、コーディネートして実際にコンテンツができた後、そのプロモートをする役割というのが結構重要なのではないかなと思っております。富山県の中でも |
【小林座長】 | ありがとうございました。この点については、高橋構成員のほうからご発言があるようですのでどうぞ。 |
【高橋構成員】 | 行政の方なんですが、実は鳥取県では行政、県とそれから地方の企業の方々と一緒になりまして、衛星とケーブルテレビを介して ですから今回の実験は、まだこれはすべて細かく出ておりませんけども、メディアを使って上手く放送したということでの経済的効果というものと宣伝効果、これを今分析して、その数値を出していくというやり方をしております。これをやった関係で、今、数件の県から問い合わせをいただいております。そういったことが私どもの新しい媒体を上手く使っていく試みではないかなと思います。今後、各県が一生懸命になって、企業も広報の重要性というものは出てくると思いますし、自立ということが叫ばれている中で、そういうメディアも上手に使う仕組みというものを考えていかなければならんのじゃないかなと思っております。参考までに。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。どうぞ。 ではあとお2人で締めるということで、では、どうぞ。 |
【二瓶構成員】 | 電通の二瓶でございます。尾野さんにお聞きしたいのですけれども、九州電力とか福岡市というのはまさに福岡という土地柄で、きっと絶対に出てくる分野だろうなということは想像できます。そういう中で今、井上さんのご指摘もあったような、例えば広告会社、あるいは放送事業者ですね。僕は今日、この話をとってもわくわくしながら、何かいろんなイマジネーションがわいて聞いていたのですけれども、たったこれだけの話だけで感じたのですけど、隣にいる地元のそういったプレーヤーたちの現状というのはどうなんでしょうか。 |
【鈴木(稔)構成員】 | ちょっと関連しているのでいいですか。 もう1つ、今のお話と関連するのですが、ブロードバンドコンテンツの制作人材で、これはケーブルテレビから求めても、ケーブルテレビは所詮はテレビの映像しか作らない、だからベンチャー型でやるのだと、私もよくわかるのです。そのベンチャー型の人材の育成について、お考えがあればお聞かせいただきたい。 |
【小林座長】 | では、あわせて。 |
【尾野氏】 | まず1つは、確かに九州電力と福岡市はうまく口説けたわけですね。福岡市に対しても提案したら、上手くいった。だから、さっき井上さんがおっしゃったように、どうやって それから、幾つかの企業、広告会社にも興味を持っていただいていますけど、まだ本格的にこれがメディアとして成り立つかどうかというのは彼らは怪しんでいます。なぜかというと、インターネットはちょこちょこ見たって そういった意味で稼げていませんから、人材をたくさん用意できないんですね。今、例えばこの「天神エスプレッソ」というものを作っていますけども、これはビデオ班が3人に女性のコンテンツ制作者が5人ぐらい、大体8人ぐらいでやっています。8人でやったときに、計算してみたらお値段が大体分かるでしょう、とても採算が合うものではないと思います。でも、必ず未来があるものと。だって、あの漫画を見たでしょう。未来はああいうふうになるんですよ、と思いたいじゃないですか。また、そういったことを育てるのは面白いということで、人がじゃんじゃん集まってくるのです。入社希望を断るのに、本当に往生しています。でも、本当に採用したい人が次から次に来るんです。昨日来たのは、ジャズスクールでジャズやっていましたという女の子で、音の専門家なんですよ。音の専門家をこういうのに入れてやらせたら面白いと思いますよね。 |
【小林座長】 | 大変残念なんですが、時間がありません。構成員の皆様方には、今日聞きたくて聞き得なかったこと等がございましたら、事務局のほうで集約していただいてお二方にぶつけるような、そういうチャンスを作ったらどうかなというふうに考えております。私の責任で、今日の話が更に盛り上がっていくような何か仕掛けを作りたいなというふうに思っております。 今日はどうもお二方、大変刺激的なお話をありがとうございました。 それでは、もう1つ議題が残っておりまして、既に行われておりますアンケート調査につきまして、とりあえずのご報告を事務局のほうからいただきたいというふうに思います。 |
【事務局】 | では、手短かにご説明させていただきます。資料5のほうをご覧いただけますでしょうか。 今回、この研究会に付属いたしましてアンケート調査を実施することになりました。先に議題の1にありました「メディアコンテンツの担い手」、これに基づきまして、今回のアンケートの対象としましてメディア企業の事業者の方と、それから自治体、この2つにアンケート調査を分けまして、それぞれ別の調査票を作成いたしまして調査を実施いたしました。 「調査目的」にございますように、地域メディアコンテンツの発信、制作及び流通、その実態をそれぞれのお立場からお答えいただくという趣旨です。まず発信の主体者としての自らの取組みに加えまして、先ほどのプレゼンテーションの中にもありましたけれども、地域住民の参画であるとか、その地域ならではの特性といった、地域に根差したコンテンツのニーズを今後検討していくに当たっての素材となるような要因を、調査したいというふうに考えております。アンケートですから定量的なデータ収集というのが1つあるのですが、今回はこの研究会を今後につなげていくためにも、より具体的なご意見というのを、このアンケートの場を借りて生の声として取り上げたいと考えておりますので、自由回答のようなものを割と膨らませて企画しております。 「調査方法」なんですけれども、郵送方式ということで実施しております。 3番目の「調査対象」ですが、事業者のほうは約 2ページ目に参りまして「調査内容」でございますが、事業者のほうは冒頭の「目的」の中にもございましたが、情報発信について、まず大きく制作と流通の部分に分けて、制作についての掘り下げと流通についての掘り下げということで設定しております。地域メディアコンテンツの内容につきましてそのあたりを分けておりますのと、もう1つが今回、メディア企業さんをそれぞれ多彩に抽出させていただいておりますから、分析の過程におきましてはそういったメディアごとの違いというのを比較の重点に置いていきたいと考えております。それから地域の住民、行政との関わりの部分も、こういった制作・流通に当たってどのように取り組まれているかということを調査項目の中に入れ込むようにしております。 事業者の4つ目のポイントのところに「インターネットの活用状況」というふうにありまして、このあたりはウェブ事業者さんはそれそのものが利用メディアに当たるわけなんですが、放送関係の事業者さんたちがインターネットを補足的あるいは第2のメディアとして活用されているかもしれないということで、このあたりも比較していきたいと思います。 次に自治体のほうなんですが、私どもの調査の姿勢といたしましては、まず行政のお立場から、行政自らの情報発信をどうされているかというところを調査するというのが1つの目的と、もう1つが地域の代表として、地域全体の中で、上の事業者さんの発信も含めて、企業としての取組みがどんなふうになされているか、あるいはその地域の住民が 最後に調査の実施期間ですが、調査票を2月 |
【小林座長】 | ありがとうございました。私が間違えておりまして、とりあえずの結果が出ましたと言いましたが、今、一生懸命実施しているということで、出てくる結果を楽しみに待ちたいと思います。 これで一応、議事は終わりましたが、ちょっと私自身が焦りぎみで、お二方のご報告について私のコメントをつける機会がありませんでしたので、 それでは、事務局のほうから何かご連絡事項がございますか。 |
【梅村補佐】 | 特にございません。4月の研究会はまた別途、スケジュール調整をさせていただきたいと思います。 |
【小林座長】 | ありがとうございました。 私の司会指揮がまずくて、大変消化不良というか、ストレスのたまる形で終わらざるを得なくなったことを心からお詫び申し上げます。本日はご多忙の中をご出席いただきまして、どうもありがとうございました。お二方とも、ありがとうございました。 |
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