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最近は携帯電話着のスパムが多くなっている。アンケートにあったが、迷惑メール対策ソフトによるスパム対策は携帯電話においても可能なのか。 |
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資料3−2のアンケートは、パソコンユーザを対象としている。確かに携帯電話の場合、事業者が自主的に対策を行っているが、それらをすり抜けたスパムの対策は受信者側では困難。 |
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携帯電話事業者の対策については、これまで本研究会でも携帯電話事業者から説明がされていることと思う。 |
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携帯電話発のスパムについては、事業者によって対策が講じられていることは承知しているが、パソコン発、携帯電話着のスパムが問題なのではないか。 |
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確かにパソコン発、携帯電話着へのスパムが問題になっており、ISPで送信側としての対策に取り組む必要がある。25番ポートブロックはその対策の一つだが、自分でサーバを設置しているユーザが影響を受けたり、対応できるISPが限られる。現状、送信側ISPによる対策はなかなか難しい。 |
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ISPが回線を利用停止して、送信者から訴訟を起こされたことはあるのか。 |
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アンケートで、訴えられたと回答しているISPはいない。若干トラブルはあると聞いているが、将来的には、送信の正当性を主張してくるようなスパマーがISPを相手に訴訟を起こすことが考えられるので、ISPは理論武装しておく必要がある。 |
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アンケートにおけるスパムの定義は。 |
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「受信者側の承諾なく送られてくる迷惑なメール」という定義であり、適法、違法を問わない。 |
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違法に送信されたメールについては、ISPも契約解除などの対処がしやすい。あとは故意かどうかわからないゾンビスパムによる送信の場合が、対応に困るということではないのか。 |
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迷惑メール追放支援プロジェクトによって、比較的利用停止をしやすくなるが、加害者も被害者になるような、ゾンビスパムにへの対策はよく議論する必要がある。 |
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アンケートの実施時期と発送件数如何。 |
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昨年12月、ISPに対して約1,000〜1,200件を発送した。 |
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表示義務を守っているスパマーは現状ほとんどいない。そして、そのようなスパマーの中には、ISPと契約後、スパムを送信してすぐに契約を解除し、別のISPへ渡り歩くなどしており、利用停止まで至らないケースが多い。 |
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重要な指摘。ISPの渡りが多いことは問題。 |
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携帯電話着のスパムは、ユーザー側のスパム対策ソフトによるブロックがあまり意味を持たない。受信者側の求めに応じて、携帯電話事業者のサーバで受信拒否または配信停止にすることしかできない。IIJなどで導入されている送信ドメイン認証は、認証できないメールの受信拒否や配信停止のサービスなども提供しているのか。 |
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現段階では送信時点での認証のみ。将来的にはそういったサービスも考えられる。 |
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表示義務違反など、違法に送信されたメールについて、迷惑メール追放支援プロジェクトで総務省からもれなく通知されるのなら、違法なスパムはなくなるのではないか。 |
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スパムの内容に基づく配信の拒否は、受信者の同意が必要。具体的にサービスを開始する前には、あらかじめ総務省に相談してもらいたい。 |
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迷惑メール追放支援プロジェクトが本格的に機能すれば、ISPにおいても、かなりのスパムがブロックできるのではないか。また、ISPの渡り歩き、国内法が適用できない海外発のスパム、法人名を詐称して送信されるスパムへの対処については、ISP間でのブラックリスト交換が効果を発揮するだろう。 |
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ブラックリスト交換は、通信の秘密や個人情報保護に係わることから「電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会」において整理中。ただし、先ほどのプレゼンにもあったが、本人確認をしっかりとやっている携帯電話事業者に比べると、ISPの場合はクレジットカード番号による認証だけであり、ブラックリストとして交換する情報の信頼性にかなり違いがある。ブラックリスト交換に関しては、JAIPAやJEAGからも実現可能な方策等についてヒアリングを予定しており、可能であれば本研究会でもご報告させていただきたい。
迷惑メール追放支援プロジェクトについては、必ずしも本施策のみでスパム対策が十分とは思わない。ISPにはできる限りの対処をお願いしたいが、その他の方策についても引き続き検討していきたい。 |
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自分でサーバを設置している場合でも、そこで使用するドメインを付与されているので、そのドメインの管理者ならば、ドメインを剥奪するなどの対応ができないのか。 |
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そういったご意見もあるが、ドメイン管理者はISPよりも事実関係の確認が困難となっている。ドメインを取得している会社、Webサイトをホスティングしている会社、送信に用いる会社が異なる場合が多く、規制をかけるのは困難。広告・宣伝に用いられるWebサイトの開設は止められるが、送信行為に対する抑止力にはならない。
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