− |
米国が「世界最大の迷惑メール送信国」という記載があるが、確かにそういった文献も見られるが、実態としては中国からの送信が多いようだ。「最大級」とするなど、少し表現を工夫した方がよい。 |
− |
技術的解決策、利用者啓発の両方にまたがる話だと思うが、すべてのメールを受信するという設定にしている人が、受信制限をしたい時は操作が必要になる。それが面倒でデフォルト設定のままにしている人が多いと思うが、デフォルトでいくつか受信制限サービスを用意しておき、契約時に十分説明して、利用者が選択できるようにするとよい。そういった点も最終報告書に書き加えてはどうか。 |
− |
利用者、電気通信事業者それぞれが取り組むべきことがあるといった観点の記載は、良い内容だと思う。迷惑メールによる被害は深刻であるが、迷惑メール送信手段の撲滅は行政や事業者が対策をすることができるが、だまされないようにするのは利用者の問題。行政や電気通信事業者は、できるだけ情報提供・注意喚起等を行うことによって、利用者を支援していくしかない。最終報告書には、注意喚起より進めた表現で、利用者の努力も必要であり、行政や電気通信事業者はそれを支援する責任があるという書きぶりにしてはどうか思う。 |
− |
「責任がある」とまで言いきってしまうと、過失相殺の問題などが生じる恐れがあるので、別の表現にしていただいた方が誤解がなくて良い。 |
− |
最終報告書では、利用者啓発で一番大事なのは、よくわからないものは見ないということだと強調しておいても良いと思う。入り口で遮断せず、中に入れてしまってから対応するのは、行政でも利用者でも大変なこと。 |
− |
技術的解決策の決定打がまだない中で、各業界もまだどの技術を導入するかを慎重に見極めているという状況。ここで行政がある特定の技術を推奨すると、そういった流れが変わってしまう恐れがある。技術的解決策の部分は慎重に記載すべき。 |
− |
一方で、行政が技術を推奨することによって、電気通信事業者等が当該技術を導入しやすいという意見もある。一般に有効と認められている技術について、最終報告書に記載してはどうかと思っている。 |
− |
送信ドメイン認証技術は電気通信事業者等だけでなく、利用者も含めて全体で導入しないと有効性が発揮できない。また、25番ポートブロックについても通信の秘密の問題などがあり、単に技術の推奨と記載するだけで良いのかどうかと思っている。何が目的なのかを整理して、その目的のために有効な技術を列挙した上で、取組の状況がまとめられていればよいのではないか。目的を明確にし、その目的にどうアプローチできるかを方向性として示すことができれば、無理に特定の技術を推奨しなくてもよいのでは。
送信ドメイン認証技術の例でいうと、送信者が偽りにくくなるので、別の人を名乗っても、本人かどうかが確認できるようになるということが浸透し、送信者を偽っていると思われるメールを見ないということをデフォルトで設定できるということにつながる。そういったことをうまく報告書に書ければと思う。 |
− |
電気通信事業者は、実務で明らかに悪質ということがわかっていても、制度的に動けないということがある。電気通信事業者がどう対応すればよいかを最終報告書に記載してもらえると、対応がしやすい。役務提供拒否やブラックリスト交換などを書いていただけばなお良いと思っている。 |
− |
ブラックリスト交換は「電気通信事業分野におけるプライバシー懇談会」で現在議論しているところであり、最終報告書にどこまで書けるか・・・。 |
− |
最終報告書は、技術だけでは解決できないということを踏まえた上で、色々なコンセンサスを得ていく過程として、いくつか提示する機会として捉えればよい。 |
− |
技術的対策は、外堀を埋めて内堀を埋めてからでないと導入できないということだろう。 |
− |
豪州や米国の罰金は大変高額であり、迷惑メールを送信させないという姿勢がうかがえる。日本でもこうしたことができるかどうかも一つの論点。 |
− |
わが国の刑罰の体系は、利益の侵害と釣り合う形で決められている。迷惑メールは確かに社会全体として見ると迷惑だが、個別の受信者に着目すると必ずしも大きな被害だとはいえないので重い刑罰を科すことは難しい。罰金についても、迷惑メール送信だけに高額の罰金を科すことは難しい。 |
− |
法律の改正に当たって、罰則規定については事前に法務省等と協議している。有線電気通信法とほぼ同様の罰則になっている。懲役刑を科すことができるようになったことで、かなりの抑止効果になると期待しているが、再度見直す際は、罰則の強化については検討したい。 |
− |
直罰化したことにより、捜査権が及ぶようになるので、非常に大きな抑止効果があるだろう。罰金の大小だけで比較すべきではない。むしろ法律をいかに執行するかが重要。わが国の法体系としては、かなり大きな進展があったと見て良い。 |
− |
電気通信事業者による自主規制のところに、「迷惑メール追放支援プロジェクト」のように、電気通信事業者が法律違反かどうかを判断しやすくなるような記載が欲しい。 |
− |
電気通信事業者による自主規制は今後の課題。英米などでは、監督官庁と事業者が相談しながら行動プラクティスを規定している。自主規制をするには、行政の規制とうまくインターフェースを取らないと成果が上がらない。今後議論してより良いものにしていく必要がある。 |
− |
送信者認証技術、送信ドメイン認証技術の区別を明確にして記載すべき。また、S/MIMEなど信頼性が高いものは名前、住所などを認証しなければならない。信頼できる電子署名をつけて電子メールを送信することは、手紙に実印を押して印鑑証明を付けて出すのが当たり前の世の中になるような話。迷惑メール対策を強化すれば信頼性は確保されるかもしれないが、利用者のプライバシーへの配慮といった問題が出てくる。 |
− |
技術についてメリットとデメリット、実現可能性を見極める必要がある。 |