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開会
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○ |
林座長 おはようございます。定刻より少し早いのですが、皆さん、おそろいになられたようでございますので、ただ今から、「デジタル時代のラジオ放送の将来像に関する懇談会」第3回会合を開催いたします。
なお、本日は小島構成員がご欠席とのことでございます。トヨタ自動車の伊原構成員の代理としては多和田様、エヌ・ティ・ティ・ドコモの榎構成員の代理として山口様、札幌テレビ放送の白石構成員の代理として神尾様にご出席いただいております。また、総務省において藤岡審議官がご異動となられまして、後任に小笠原審議官が着任されたとのことですので、簡単にご挨拶をいただければと思います。
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○ |
小笠原審議官 昨日付で情報通信政策局の審議官を拝命しました小笠原でございます。よろしくお願いいたします。林座長、菅谷座長代理をはじめとして、委員の皆様方、本当にお忙しい中、会合のご参加をいただきまして、まことにありがとうございます。おかげさまでテレビの方のデジタル化というのは順調に進んでおりますが、他方で私、一昨日まで関東総合通信局におりましたし、一昨年は東北総合通信局におりましたが、ラジオの将来像はどうなるのかということにつきまして、たくさんの事業者の方々からご心配、ご懸念のお考えもお伺いしましたし、また他方で、不幸なことでございますけれども、昨年いろいろな災害がございまして、その中で音声放送事業の意義というものが改めて見直されるということもございました。ぜひ忌憚のないご意見、率直なご意見を頂戴いたしまして、音声業界の発展あるいは視聴者の利便の向上のために、ぜひ有益なご提言をおまとめいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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○ |
林座長 ありがとうございました。
本日の会合は、当初は中間報告についてご審議いただくということにしておりましたが、特にデジタルラジオのビジネスモデルについては重い経営判断を必要とする問題でございまして、ワーキンググループのレベルで議論を集約するのは難しいと判断いたしました。そこで、本日は論点整理という形でご提示することといたします。本日の議論の内容は各社の経営問題に直結するため、構成員間の率直な意見の交換を確保する必要があるとの観点から、非公開とさせていただいております。また、本日は論点整理についての議論に時間をかけることといたし、その他の議事については簡潔に進めたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
それでは、早速ですが、事務局より本日の配付資料について確認をお願いいたします。
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○ |
磯課長補佐 それでは、確認させていただきます。
資料ですが、座席表、議事次第とついておりますが、クリップを外していただきまして、本編資料、資料1「アナログラジオと不感対策」で文化放送の佐藤様のプレゼンテーション資料でございます。その後に、参考資料として幾つかの資料をつけさせていただいております。次に、資料2といたしまして「諸外国のデジタルラジオの状況」ということでございます。資料3といたしまして、こちらが本日の中核的な論点でございますけれども、「デジタルラジオに関する論点整理」という資料でございます。こちらの資料3につきましては本日のディスカッションペーパーという形で配付させていただいておりますので、構成員限りとさせていただきたいと思います。資料4点目といたしまして「WGの開催状況」でございます。
以上でございます。過不足等ございますでしょうか。
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○ |
林座長 よろしゅうございますでしょうか。
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議題
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○ |
林座長 それでは、議事に入りたいと思います。
第1の議題でございますけれども、「アナログラジオと不感対策」について、文化放送の佐藤構成員よりご説明をお願いいたします。
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○ |
佐藤構成員 佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
「アナログラジオと不感対策」ということで若干述べさせていただきます。
アナログラジオの特性は幾つかございますが、一番の特徴は受信機が非常に簡便であって移動性も高いという点ではなかろうかと思います。1,000円札何枚か出せば情報が得られる機器を購入することができるというのが、まず第一の特徴だと思います。それと、受信機の使用が非常に簡易である。例えば、夜、寝床に入ってラジオを聞こうというときは、わざわざ電灯をつけなくても指一本でスイッチを入れ、ダイヤルを回しボリュームを調整するということが可能でございます。NHKさんが始められた「ラジオ深夜便」などの愛聴者は年配の方が多い。こういう使い方をされているのではないか。指一本で情報が得られる。そういう点では、私はラジオこそ元祖ユビキタスメディアではないかと考えている次第でございます。
それに伴いまして、ラジオは耳だけで情報が得られる。これは一見非常に機能が少ないメディアと思われがちですが、手をフリーにして、しかも、目もほかの仕事をやって、耳だけで情報が得られる。こういうメディアは当初、朝夕の通勤時間帯のもの、ドライバー中心にラジオが聞かれたという時代がございましたが、最近はご存じのように日本中24時間型社会が展開いたしております。耳だけで情報を得られるラジオの必要性は今後ますます高まってくる、そう確信しているところでございます。デジタルラジオが出現する時代が参りましても、この基本的なラジオの特性はやはり要求され続けていくであろうし、我々もまたそれに対応していきたいと考えております。
ラジオのもう一つの大きな特徴は、いわゆるパーソナリティーという存在と聴取者との信頼と親しみの関係だと言えるのではないかと思います。パーソナリティーという言葉はラジオ特有の言葉でございまして、テレビのキャスターでも、アナウンサーでも、レポーターでもない、決まったかなり長時間にわたって聴取者との接点を持ち続けている存在でございます。実は一昨年、私ども「地震とラジオ」というセミナーを民放連のラジオ委員会で全国の101社のパーソナリティーを集めて行いました。そのときに岩手放送からのレポートで、地震が発生したときにやはり一番最初に頼りにしたメディアは地元のラジオであるという報告がございました。なぜかという問いに対しまして、ふだん耳なじんでいるパーソナリティーが、ふだんはリクエストを紹介したり、ファクスやメールの便りを紹介するという関係にあるわけですが、そのパーソナリティーが地震発生と同時に情報を流して、「皆さん、落ち着いてください。火の始末その他をやってください。避難場所は、どこそこはどこそこです」という呼びかけをやってくれたわけです。まず、耳なじんだ人の呼びかけに安心してホッとしたという報告がございました。これはラジオの大変大きな特徴であろうと私は思います。
昨年、新潟県中越地震が発生いたしまして、今年の1月22日に神戸で同じラジオ101社のパーソナリティーが集まって、「地震とラジオ」ということでフォーラムを行いました。そのときに新潟放送の方が報告された中に、今、申し上げました親しみの上に立って、さらに聴取者のほうから「今、ラジオを聞いていて非常に有益な情報だったけれども、避難所に来ている人たちの中に耳の不自由な方がいて、ラジオを聞いてもきょとんとして、なかなか有益な情報を入手することができない。あまり見たこともない人だったけれども、私はあり合わせの紙に文字を書いて今のラジオの放送の中の情報を伝えてやった。皆さんもラジオを聞いている方はそういうことをしたらどうでしょうか」という呼びかけがありまして、そういった輪が広がっていったというレポートがございました。ふだん耳の不自由な方はいろいろなコミュニティーの中で守られ、地方自治体のいろいろな施策の中で守られているわけですが、突発的な地震でそういったシステムが崩壊した後に、実にラジオが核になって、ある種のコミュニティーを作っていったという、私はラジオにとっては非常に有意義なレポートだったなと聞いたわけでございます。言ってみれば、コミュニティーというのは地縁関係、血縁関係で作られているわけですが、それが崩壊した後に、ラジオを核としたコミュニティーというものが存在したということを我々自身、肝に銘じて、あってはならないことですが、次の機会ではそういう対応をまたしていきたいと思った次第でございます。
そういったパーソナリティーとの関係の中で、ラジオは共通のキャンペーンを随分これまでやってまいりました。二十歳の献血キャンペーン、交通事故撲滅キャンペーン、麻薬・覚醒剤撲滅キャンペーン、それからお手元にCDがございますが、コトバのチカラキャンペーン。このコトバのチカラキャンペーンのCDは、全国の目の不自由な方の団体に民放連のラジオ全体でもってプレゼントしたものでございます。
こういった形で、特に災害時等にはラジオは大変役に立っているという報告を私どもは受けておりますし、大きな自負、自信になっているわけでございますが、一方で、残念ながら、そういったラジオがよく聞こえない、いい音質で聞こえないという場所が次第に増えつつあるという聴取者からの注文と申しますか、要望と申しますか、これが年ごとに増えつつございます。都市環境がさらに高度化して、高いビルができる、地下街ができる、地下鉄がさらに増えるという状況の中ではある種やむを得ない側面かもしれませんが、不幸にして都市型の大災害が発生したときに、地下街、地下鉄等で閉じ込められた人たちにとって、情報をどうやって得るのかということも考えますと、ぜひ地下鉄、地下街を中心とした不感対策を、私どもももちろん率先してやりますけれども、いろいろご配慮いただければと思う次第でございます。
現在、全国の地下鉄の総延長距離はおよそ700キロメートルと言われておりますが、その中でラジオが聞けるのは東京都営地下鉄の110キロだけという状況でございます。また、地下街は正確な統計をとってはいないんですけれども、全国にたくさんございます地下街の中でラジオが聴取できるのは、広島の地下街と東京の八重洲の地下街だけであるという私どもの調査の結果もございます。さまざまなアンケート調査をいたしましても、ラジオを聞いている人の実に63%が地下鉄や地下街でもラジオが聞こえるようにしてほしいという答えを出しておりますし、そういった設備ができれば、さらにラジオを携帯して、常時ラジオを離さずに情報を得るようにしたいという方も大変またパーセンテージが高くなっております。特に年齢層が上がってまいりますと、そういった災害発生時等のいろいろな不安からでしょうか、ぜひ不感対策をとってほしいという要望が強くなっております。昨年の新潟県中越地震の直後のいろいろなアンケートの結果は新聞等でも報じられてございますけれども、最初に地震のデータを得たのは約72%の方がラジオであった。しかも、それまでの間にラジオを常時聞いていた人は36%ぐらいだったんですが、地震があって以降ラジオを毎日聞くようになったという方はおよそ倍の72%という数字に達しておりまして、ラジオへの期待はさらに高まっているというデータが出ております。
私どもはラジオの番組内容について一段とその向上を図るべく努力をいたしますが、あわせて不感対策につきまして、私どもも率先いたしますけれども、ぜひ皆様方のご協力も得たい、このように念じているところでございます。
以上でございます。
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○ |
林座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明についてご質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
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林座長 よろしゅうございますでしょうか。
それでは、議事の2に進みたいと思います。資料2について、事務局及び三菱総合研究所が共同で調査に当たられたとのことでございますけれども、三菱総合研究所の磯部構成員よりご説明をお願いいたします。
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磯部構成員 磯部でございます。諸外国のデジタルラジオの状況ということで、特に普及が進みつつありますイギリスとアメリカを中心に、事業構造の観点から整理させていただきました。皆様よくご存じの点も多いかと思いますが、今後の議論の参考にしていただければと思います。
それでは、イギリスのスライドをお願いします。
(スライド)
イギリスのデジタルラジオの事業の構造というところで言いますと、この図にありますとおり、全国サービスと地域サービスに分かれておりまして、全国サービスは公共放送のBBC、それから商業のDigital Oneという2つのマルチプレックスがあるという形になっております。このマルチプレックスというのがイギリスのデジタルラジオの形態の一つの特徴かと思います。マルチプレックスが周波数帯域をブロックとして割り当てられまして、そこの中にどんな放送局の番組を入れて放送するかというのをマルチプレックスが決定するという仕組みになっております。ですから、聴取者に対するニーズをつかむという意味のマーケティングとか、もう一方、番組の多様性を確保するとか、デジタルラジオ自体を普及させていく、こういった公益的な役割を果たしているということかと思います。
BBCに関しましては95年からサービスを開始しまして、当初はここにありますアナログサイマルでやっていったわけです。なかなか利用者も増えなかったんですが、2001年からデジタル専門の5つの局のサービスを入れるようになった。イギリスで普及が進み、注目されるようになったのが2002年ごろかと思いますけれども、そういった流れになっているのではないかと思います。
もう一方、Digital Oneのほうは商業マルチプレックスの免許ということかと思いますが、99年からサービスを提供しておりまして、やはりアナログサイマルとデジタル専門のチャンネルを持っているということです。
それと、地域サービスの側は98年ぐらいから始まっておりますが、現在では40以上の免許を付与されているという形です。
もう一つの特徴といたしまして、マルチプレックスが出資してDRDBという事業体を設立して、ここがデジタルラジオに関するメーカーや放送事業者や聴取者に対するプロモーションとか、そういったことをやっておるというところがあるかと思います。
次のスライドをお願いします。
(スライド)
これは、放送局のほうの事業の構造がどうなっているかということで、たくさんの放送局がありますが、主要な放送局グループによって系列化されているという構造になっております。
次をお願いします。
(スライド)
これは、先ほどのマルチプレックスという事業体がどのようになっているかということで、出資構成をグラフにしてみたものですが、一番上がDigital Oneで、そこから下が地域のものです。ざっと見ておわかりいただけるように、多くはラジオグループの企業が出資している。一部分異業種からこの分野に参入しようという企業が出資しているという構図でございます。
次をお願いします。
(スライド)
これは、ユーザーのほうから見てどんな状況かというのを整理する意図でつくってみましたが、ロンドンでデジタルラジオがどれだけ聞けるかというのが、このページと次のページに出ております。ナンバーというところに番号が振ってあるのが音声放送のチャンネル、番組です。それから、サイマルキャスティングはアナログのサイマルかどうかということ、それから、ジャンルとビットレートという形です。これをざっとごらんになっておわかりになりますように、チャンネル数は合計で54あります。デジタル化前と比べると相当増えたということが言えるかと思います。
次をお願いします。
(スライド)
デジタルラジオの事業構造についてポイントを幾つか整理させていただきますと、まず、上の2つに書いてあるところがラジオ産業全体の市場です。2,000億円ぐらいの収入で、人口規模とかから見ますと、日本より普及度が高い市場なのかなと思います。その中で、デジタルラジオに関しましては、去年の9月末までに80万台の受信機が売られた。サービスエリアといいますか、カバレッジもかなり広くなってきたということで、こういったところが普及の現象として出ているところでございます。
その要因としては、デジタル化されての高音質ということ、それから、先ほどロンドンの例でもご紹介したように番組数が相当増えたということ、それから、受信性能といいますか、いろいろ付加的な機能がつきますので、それによるものというところかと思います。
それと、もう一つ、市場の特徴としまして、デジタルになることによりまして、デジタルの専門の受信機以外のルートでコンテンツが提供可能になっているということかと思います。下にグラフがありますが、これはいろいろなメディアの世帯普及率をグラフにしたものでございますが、一番右のデジタルラジオは世帯普及率にすると2%ぐらい、衛星とかブロードバンドインターネットですと一桁大きいわけでございます。イギリスの世帯数は2,500万ぐらいかと思いますので、衛星放送で700万とか、ブロードバンドで500万とか、そういうオーダーのアクセス可能な領域があるということでございます。こんなところからDigital OneとBritish Telecomの提携といった話が出てきているということでございます。
次をお願いします。
(スライド)
こういった普及の背景にあることを若干補足いたしますと、BBCの力というのが大きかったのではないか。95年から始めまして、もう10年間もやっているわけで、相当な苦労もあったんだろうなと思います。
次をお願いします。
(スライド)
それから、もう一つ、DRDBというのをご紹介しましたが、ここはいろいろプロモーションをやっているところでございます。
次をお願いします。
(スライド)
それと、もう一つ、次のポイントとして商業マルチプレックスを中心とした商業的な事業構造を見ますと、Digital Oneというのは商業マルチプレックスとはいえ、長期的な普及とか市場拡大ということでかなり広域的な条件を課されているということもありまして、結構な投資を行っているわけでございます。事業の収入ということで言いますと、個々の放送局からのフィーを受けて、それからDRDBに払うマーケティングコストとか、それから、送信会社が別にやったりしますので、そちらに払うコストといった形で運営をされているということでございます。
一番最後の表現はちょっとわかりにくい点もあるかと思いますが、要するにDigital One自体もラジオ業界からの出資でございます。地域のマルチプレックスもラジオ業界からの出資でございまして、放送局側の事業とマルチプレックス側の事業をうまくバランスをとる形で事業構造ができている形でございます。
それから、次でございますが、これは今のお話でございまして、ラジオグループが個々の局を所有しつつマルチプレックスに出資している。その間で支払いとかがあって、事業の構図ができているということでございます。
次に、ポイント3で免許制度に関して、これも簡単なことでございますが、先ほど申し上げたとおり、デジタルラジオの普及とか、こういった公益的な条件が入っているということ、放送局免許に関しては、別個に必要になっております。
次をお願いします。
(スライド)
それから、サイマル放送、データ放送、伝送速度に関して若干こういう規制がかけられているというところかと思います。
次が米国でございまして、米国につきましては、1つの特徴は96年の電気通信法以降メディア規制緩和が相当進んでいまして、放送局が経営統合されるような形で1つの会社が多数のラジオ局を持つ構造ができているということです。これが行き過ぎという批判も出て、若干揺り戻しもあるようですが、基本的な構造はこういうことです。
もう一つが、技術的な方式としてIBOCという方式を採用しているということで、これは既存のAMやFMの電波をうまく使うやり方になっておりますので、放送局の投資は安く済むやり方でございます。所有会社と書いてありますが、所有会社が複数の放送局を持っていまして、そのうちの幾つかがデジタルになる形です。
それから、もう一つ、iBiquityというIBOCの技術を持つ会社がありまして、ここにそれぞれの放送局がライセンス料を支払う形になっております。
次をお願いします。
(スライド)
iBiquity Digitalというのはどんな会社かということが書いてあります。91年にできているわけですが、そこから後、ライバルであったLucent Digital Radioと合併したりしまして、今みたいな形態になっております。基本的には放送関係の会社が出資しておりますが、異業種の出資もあるという形です。それから、このiBiquityにライセンス料を払ってデジタル放送をしている局としては226局あります。先ほど申し上げたとおり、それを有力な会社が所有したりしている形態になっているということでございます。
次をお願いします。
(スライド)
先ほどイギリスのところでマルチプレックスの役割について簡単にお話しさせていただきましたが、アメリカの場合、マルチプレックスがないわけでございます。ただ、マルチプレックスが聴取者のニーズをくみ取るとか、それによって番組の編成を変えるとか、ある意味で市場的な仕組みが反映されると申し上げましたが、それは所有会社が複数の局を持ち、それをマネジメントする中で果たされていると考えられるかと思います。
次をお願いします。
(スライド)
あわせて、所有会社のほうで管理コストの削減という形も進めておるということです。
以上が米国でございまして、最後に、ほかの国に関しまして簡単にまとめてございます。ドイツ、フランスあたりはイギリスと一緒にEurekaでデジタルラジオの放送の技術を開発しましたので、同じ技術を使っております。ドイツは放送法が州ごとでございまして、ステーション、局ごとの免許というやり方、フランスはマルチプレックス免許のやり方でございます。カナダも同様でございます。フランスはまだ主要都市でのサービスということで普及は進んでいなくて、カナダのほうが若干進んでいるかなというところです。
最後のページですが、若干ここにありますが、ドイツではアナログ停波ということも検討をされている。イギリスでも検討がされているということがあるようでございます。
駆け足になりましたが、以上でご報告を終わります。
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林座長 ありがとうございました。大変興味深いご報告でございましたが、このご報告についてのご質問、ご意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
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亀渕構成員 8ページの左の欄の真ん中あたりですが、「民間では困難な領域での積極投資」というのがございますが、具体的にはどのような状況なのでありましょうか。
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中村 私のほうからお答えさせていただきます。
基本的には、最初、地方のマルチプレックスさんで放送局が乗らないときにもBBCさんはそれにユーザーとして乗るということに対する投資であるとか、要するに民間の市場原理でいかないところについてサポートするという形でございます。
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亀渕構成員 いわゆる市場原理が働かないということですね。
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中村 はい。
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亀渕構成員 ありがとうございました。
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清水構成員 「英国のデジタルラジオの現状」の中で、「マルチプレックスはソフト側事業者としてチャンネル編成を実施(ハード事業者は別に存在)」と書いてあるんですが、ハード事業者はどういう形で存在しているんですか。
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中村 イギリスの場合は、送信会社としてUTLという会社とキャピタルクラウンという2社ですべての送信設備を持っていて、そこからマルチプレックスさんが技術提供をサービスとして受けるという形になっているようです。
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清水構成員 後段の10ページにDigital oneは「送信設備とライセンス期間中の業務に1億5,000万ポンドの投資」と書いてあるんですが、これは通信会社への支払いという意味ですか。
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中村 ここは詳しくデータのほうをまだ取り寄せ切れていないんですけれども、基本的に鉄塔と送信機についてはこの送信会社が持っていると。局側の設備について、送信にかなりの設備を投資しているという意味だと思います。
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清水構成員 これは局側の設備の投資ですね。
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中村 ええ。スタジオ回りから出てくるところの辺ですね。
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林座長 ほかにご質問はございませんか。
マルチプレックスは放送事業者として免許を受けているんですか。
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中村 はい、そうです。
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林座長 放送局も個別に免許を受けているわけですか。
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中村 はい。
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林座長 両者の免許に何か違いはあるんですか。
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南課長 ちょっと補足をさせていただきたいところですけれども、マルチプレックスというものについての免許、要するに両方ともライセンス、個々のステーションについてもライセンスという言い方をしております。
先ほどの資料の12ページをお開きいただきたいと思うんですが、これを見ていただくとわかるんですけれども、マルチプレックス免許についてはその多様性の確保ですとか、プラットホームのオープン性ですとか、いろいろ免許に条件がついた上に、期限も12年とはっきり決まっている。かなり厳格な審査をした上で競願処理をしているというスタイルでございます。
同じライセンスという言い方をしておりますが、下のステーションのほうのライセンスにつきましては、基本的に問題なく、我が国でいうところの届出に近いようなものでございまして、期限もございませんし、そのライセンスをもらったからといって必ずマルチプレックス上で放送できるというギャランティーがあるわけでもない。そこはマルチプレックス側とステーション側との、いわば民間の交渉で決めていただくという形になってございます。基本的にはこのライセンスは同時に申請が出されて、同時に処理されているようでございまして、そういう意味でステーション側のほうは非常に緩い、どちらかというと単なる届出といわれるものに近いものかなと理解しております。
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林座長 ありがとうございました。
ほかにご質問等はございませんでしょうか。
それでは、論点整理の議論に移りたいと存じます。
ワーキンググループは、第2回懇談会以降4回開催され、特に2011年以前の早期本放送開始に向けたビジネスモデルの構築を中心に活発な議論が交わされたと伺っております。主査をお務めいただきました近衛様をはじめ、メンバーの方々に御礼を申し上げるところでございます。
ただ、2011年以前の限られた周波数状況のもとで本格的な放送を開始するためには、大きなリスクが伴います。これをどのような形で進めるかは、ラジオ事業者やその他の関係者の方々に重い経営判断を求めることにもなるかと思います。このため、ワーキンググループレベルで意見を集約するのは難しく、一度論点整理という形で皆様にご提出することとした次第でございます。
そこで、事務局より、ワーキンググループの開催経緯を含め、ご説明をお願いしたいと思います。
(議事3「デジタルラジオに関する論点整理」及び議事4「討議」については、取りまとめの際、構成員間の率直な意見の交換が損なわれるおそれがあったため非公開とした審議であり、議事録より削除。)
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磯課長補佐 最後に、スケジュール等の説明、今、座長からご説明がありましたとおり、3月16日の10時から第4回を予定しておりましたけれども、この後の状況を踏まえつつ、林座長とご相談しながら、場合によっては延期という形で考えてまいりたいと思います。2月下旬ぐらいまでにはその辺の状況がまとまりまして、ご連絡差し上げることが可能かと思います。ひとまず、予定はまだ白紙にはしないでいただきまして、またご連絡を差し上げますので、ご迷惑をおかけしますが、そういう扱いで何とぞよろしくお願いいたします。
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閉会 |
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林座長 それでは、これをもちまして第3回会合を終了させていただきます。
お忙しいところ、どうもありがとうございました。 |