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「料金設定の在り方に関する研究会」(第4回)議事要旨
― 公開 ―


1 日時:平成15年3月7日(金) 1000分〜1200
2 場所:総務省8階第801会議室
3 出席者
 (1) 構成員: 加藤 真代、酒井 善則、菅谷 実、舟田 正之(五十音順、敬称略)
 (2) 総務省: 有冨総合通信基盤局長、鈴木電気通信事業部長、吉田料金サービス課長、田中料金サービス課課長補佐
 (3) 事業者: ドコモ、KDDI、Jフォン、ツーカー、NTT東、平成電電、TTNet、SBB、C&WIDC、フュージョン、NTTコム(順不同)
4 議事要旨
 (1)    開会
(2)    資料に基づき論点整理(案)について事務局から説明
(3)    質疑応答・意見交換【主な質疑は5のとおり。】
(4)    次回日程については、別途調整。
(5)    閉会
5 主な質疑
(1)中継接続の導入の是非
【主な質疑】
1)   エンドエンドで料金設定をしたいのなら卸制度を利用すればよいのではないか。
事務局)当事者間で合意すれば可能だが、合意できなければ裁定となり、総務省で検討が必要となる点では同じ。なお、接続と卸とでは法律的位置付けが違う。
2)   NTT東西からの料金明細には、携帯ごとの詳細がない。改善は可能か。
NTT東)論理的には可能であるが、コストがかかる。なお、090以下の番号で事業者が判別できれば、通話記録から計算は可能。
3)   固定発携帯着の料金設定についてのユーザ認知度はどうか。
事務局)現在集計中のアンケート結果では約5割が知らないと回答。ただし対象が電気通信モニタなのでそもそも知識が深い可能性はある。
4)   固定側が料金設定すると、着側携帯の接続料の違いにより料金は変わるのか。
ドコモ)コストの太宗である着側接続料が携帯事業者ごとに異なるのに、仮にユーザ料金が一律となると、携帯側で接続料値下げのインセンティブがなくなる。
  TTNet)固定側の競争により、多様な料金体系が出てくる。固定発固定着と同様、トラヒックを考慮して加重平均し一律のユーザ料金を設定する場合もあるし、例えばドコモが「接続料を大きく下げるので、自社向けのユーザ料金を下げてくれ」といわれれば、それを別途検討することもある。
  SBB)携帯の接続料の違いによりユーザ料金が違うこともあり得る。
  委員)接続料引下げは各社同士の交渉によるのではないか。
  事務局)各社の経営戦略の話。英国でBT発が着側によって違うか調査する。また、NTT東西以外は接続料を単年度で精算することが義務ではない。
5)   ネットワークの非効率についてはどうか。
TTNet)既にワンタッチ接続は固定市内で実現しており、それにより料金が下がったという事実がある。
  ドコモ、KDDI、Jフォン)軽微な投資しかしていない者が膨大な投資をしている者の部分を含めて料金設定すると、開発・投資インセンティブを減殺させる。
  NTT東)効率的かどうかという問題と競争が働くかという問題はトレードオフ。IP電話が出現している現在、無理やりこれを入れなくてもいいのでは。
  事務局)非効率性だけを重視すると競争を否定することになる。新規参入者は当初から全国的ネットワークを持っているわけではない。法的にはワンタッチは可能。
(2)マイラインに関する質疑
  欧州ではマイラインに固定発携帯着も入っているようだがそれについては如何。
事務局)欧州では固定発携帯着についてもマイラインの対象となっているが、これを個別に取り上げたのではなく、長距離に付随する形で導入されたのだと思う。同時であったかどうか調査する。
  導入には費用がかかるが、これをかけても導入する必要性は。
  TTNet)選択中継のみの場合、00XY省略のため、事業者がアダプタを導入する可能性があり、それなら最初から現在の仕組みを生かした方がいいのではないか、と考えた次第。営業方法などもゼロから出発した前回のものから多少変化するだろう。期間と費用の問題については、NTT東西において、再度精査してほしい。
  NTT東)これ以上のものを出すためにはスペックを決めないと出来ない。
  NTTコム、NTT東)IP電話が普及すると思われ、既存の電話にそのような費用や期間をかける必要はないと考える。
  収益構造の変化により、設備投資等に影響が出るとあるが具体的には。
ドコモ)千数百億、(KDDI)4月値下げを加味すると500億を下回る位、(Jフォン)500600億。
  料金の内訳として積極的に接続料をユーザに知らせることについてどう考えるか。
ドコモ)接続約款を公表しているが、積極的な公表については検討してみる。
(3)IP電話に関する質疑
  IP電話の特殊事情についてコメントがあるか。
SBB)固定発携帯着もIP発携帯着も仕組みは同じ。ユーザにとって分かりやすい形で料金設定したい。現在は、携帯着は、国際コールバック等により行っている。
フュージョン)IP電話はNTT東西網を経由しないという点で直収と同じであり、IP側が料金設定すべき。また、ロケーションフリーという点では、携帯とも同様。国際コールバックは、携帯から貧縮をかっており、元々国内で完結する形で提供したいが、ユーザニーズにより提供せざるを得ないもの。
  IP電話は定額と考えて良いか。
SBB)会員間は定額だが、違うネットワークとつなぐ場合は、IP間であっても従量制と考えている。
  IP発とぶつ切りの関係はどのようなものか。
KDDIIP発の場合、IP網内は定額制であり、携帯網内は従量制であるため、定額制+従量制でぶつ切りと考えている。各事業者の設定する料金が、距離区分により違うといった事情がある場合には、「ぶつ切り引き算」も考えられる。
NTTコム)当社には、「eコール」というぶつ切り引き算のサービスがあるが、その経験上、ぶつ切り引き算ではユーザ料金が下がりにくいと考えられる。
  IP着の場合もぶつ切りか。
KDDI)つないだ先のIP網が、定額制の料金に着信料まで入っていなければ、従量制となる。
NTT東西)NTT東西発SBB着については、NTT東西がエンドエンドで料金設定する方向で固まりつつある。
  委員)その場合のSBBの接続料とはどのようなものか。
  SBBNTT東西の接続料と同額を検討中。また、SBBのユーザ料金について、現在は会員間のみ定額制であるが、今後もずっと定額制かは分からない。
(4)その他
  現行のマイラインの評価が必要。ユーザは一度登録すると動きにくい。
  事務局) 登録数に関する情報は協議会が持っているため確認する。ただし、変更が、事業者変更か、新規加入かは判別できないため、評価は困難。

    以上


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