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資料4の1 障害者向けITサポート スキルアップコース 


カリキュラム案



対象者
福祉情報技術コーディネーター1級取得者を対象

スキルアップコースの考え方
認定試験ではなく、福祉情報技術コーディネーター1級取得者のスキル保証として実施

コース1 e-AT支援実践スキル習得コース
 このコースの講座1及び講座2は、支援者、支援責任者、コーディネータのすべてに求められる資質の習得を目指すもの。

講座1 e-AT支援実践スキル
実習 ニーズの把握(相談・面談)
実習 e-ATの処方/選定→購入→設置→調整→評価→再選定→再調整
実習 国内外の最新製品情報と現状 ●企業等による実演
実習 市販品でカバーできない場合の対処
発表 e-AT支援実践事例の報告

講座2 介護・コミュニケーションの実践スキル
講義 障害・疾病・加齢の理解
講義 障害者・高齢者の生活実態の理解
実習 実践的な介護・援助技術の基礎
実習 コミュニケーション技術 ●障害者・高齢者を相手に実習(視覚障害、肢体不自由、言語障害 等)

コース2 e-AT支援マネジメントコース
 このコースは、基本的には、実践スキルアップコースを終了したものが対象。

講座1 支援計画作成スキル基礎
 この講座は、支援責任者、コーディネータの両者に求められる資質の習得を目指すもの。
講義 ITサポートの全体像及び支援マネジメントの心構え・ノウハウ
演習 e-AT支援計画作成演習

講座2 支援計画作成スキル応用
 この講座は、コーディネータに求められる資質の習得を目指すもの。
講義 最新社会動向の習得(新しい組織・職能・法律・制度・機関等)
講義 最新支援事例の習得(処方事例・臨床事例)
講義 最新ノウハウ・手法等の習得(エビデンス・評価等)
演習 e-AT支援マネジメント演習(最新情報を踏まえて)

講座3 地域資源の理解と調整スキル(グループワーク)
 この講座は、コーディネータに求められる資質の習得を目指すもの。
グループワーク 具体的な連携方法の習得

講座4 新しい取り組みへの提案スキル(グループワーク)
 この講座は、コーディネータに求められる資質の習得を目指すもの。
 グループワーク 実践の成果を踏まえた改善提案

用語:e−ATとは、情報通信技術を活用したアシスティブテクノロジー(支援技術)のこと。
 


内容案


「e−AT支援実践スキル習得コース」カリキュラム

目的
福祉情報技術コーディネーター1級取得者を対象に、ITサポート実践スキルの高い人材を養成する。

内容
最新機器・事例に基づくITサポートの実践に加え、介護やコミュニケーションの実践スキルも身につける。

講座1:e−AT支援実践スキル(実習・実演・発表) ※インターン含む

(目的)
最新情報をもとに、多様なケースに対応できるよう、多様なソリューションを習得する。

(内容)
製品・支援事例等における最新情報を身につけるとともに、インターンをしながら、実践での応用力を養う。

(授業項目)
実習:ニーズの把握
利用者への相談・面談の仕方
  - インターンとして、実践の中で、利用者ニーズの的確な把握を試みる。
  - 利用者の理解・共感的理解を行う。

実習:e−ATの処方
e−ATの選定、購入、設置、調整等
  - 機器・ソフトの選定から、導入・調整までのプロセスを実践してみる。

実習:国内外の最新製品情報と現状
機器製造企業等による実演
  - IT・ATに関する最新の機器・システムの企業等によるデモと実習を実践してみる。

実習:市販品でカバーできない場合の対処
支援の現場での応用力を身につける。

発表:e−AT支援実践事例の報告
各自の実践事例を発表し、知識・経験の体系化と、積極的な情報発信を促す。

講座2:介護・コミュニケーションの実践スキル(講義・実習)

(目的)
ITサポートを実践するに当たって必要となる介護技術・コミュニケーション技術を習得する。

(内容)
障害・疾病・加齢の状況と生活実態の双方を理解しながら、それを支援する技術を実践的に身につける。

(授業内容)
講義:障害・疾病・加齢の理解
障害・疾病・加齢による心身機能の状態・変化を理解する。

講義:障害者・高齢者の生活実態の理解
障害・疾病・加齢を踏まえた生活実態を理解する。

実習:実践的な介護・援助技術の基礎
生活支援の基礎を学習し、介護・ホームヘルプサービスを体験する。

実習:コミュニケーション技術
AACの知識と方法を学び、障害者(視覚障害、肢体不自由、言語障害等)や高齢者を相手に実習し、実践を体験する。

用語:AACとは、拡大代替コミュニケーション(Argumentative and Alternative Communication)のこと。重度障害者とのコミュニケーション技法に関する学際的研究。手段にこだわらず、個人が現在もつすべての能力を活用してコミュニケーションの成立を目指す。

「e−AT支援マネジメントコース」カリキュラム

目的
当事者に対するITサポートについて、計画・実行・評価を行い責任が持てる人材を養成する。

内容
ITサポートにおけるマネジメントの方法を学ぶ。

講座1:支援計画作成スキル基礎(講義・演習)

(目的)
ITサポートの流れと、支援計画書作成に関する基礎知識を身につける。

(内容)
高齢者ケアマネジメントに準じてITサポートにおけるマネジメントを学ぶ。

(授業内容)
講義:ITサポートの全体像及び支援マネジメントの心構え・ノウハウ
ITサポート全体の流れと、以下のような各フェーズにおける作業の進め方を理解・習得する。

  - ケース発見及びサービスの利用相談・面接
  - 事前のアセスメントと他機関への連絡(関係機関・職能に関する機能・役割の理解を含む)
  - 契約と同意及びアセスメント
  - 総合支援計画の作成とサービス担当者会議の開催
  - 個別支援計画の作成とサービス実施・経過把握
  - モニタリング・評価 等

演習:e−AT支援計画作成演習
いくつかのケース事例を設定して、支援計画作成の演習を行い、実践力を身につける。

講座2:支援計画作成スキル応用(講義・演習)

(目的)
ITサポートに関するマネジメントの応用力を身につける。

(内容)
ITサポートに関する最新動向及び周辺分野における最新動向を押さえながら実践スキルを磨く。

(授業内容)
講義:最新社会動向の習得(新しい組織・職能・法律・制度・機関等)
直近一年間の最新の動向を把握する。

講義:最新支援事例の習得(処方事例・臨床事例)
ITの活用に関する最新支援事例を把握する。

講義:最新ノウハウ・手法等の習得(エビデンス・評価等)
支援結果の効果・評価をノウハウとして蓄積する手法を学ぶ。

演習:e−AT支援マネジメント演習(最新情報を踏まえて)
最新動向を踏まえながら、マネジメントを疑似体験する。

講座3:地域資源の理解と調整スキル(グループワーク)

(目的)
関連機関との調整能力を身につける。

(内容)
個別地域支援の機能・役割の理解、地域資源の活用方法を学ぶ。

(授業内容)
グループワーク:具体的な連携方法の習得
各職能(医者、保険師、教諭、OT、PT、ST、SW 等)に関する理解を深め、グループワークを通じて参加者同士がそれぞれの立場を理解しあい、人的ネットワークを構築する。

講座4:新しい取り組みへの提案スキル(グループワーク)

(目的)
関係機関に積極的に新しい取り組みを提案していけるスキルを身につける。

(内容)
各自の領域ではない関係機関に向けて積極的なアプローチをすることで、自分の領域の知識も深める。

(授業内容)
グループワーク:実践の成果を踏まえた改善提案
グループごとにテーマを設け、メンバーが協力して、e−AT支援サービス・機器や関係機関等に対する改善提案を実際に作成し、評価する。



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