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ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会(第3回)
議事概要


  日時
  平成17年5月30日(水)1700分〜1930

  場所
  総務省地下2階第1〜3会議室

  出席者
(1 ) 調査研究会構成員(50音順、敬称略)
青井 孝敏(松下電器)、淺川 和雄(富士通研究所)、石黒 浩(大阪大学)、岩浪 剛太(インフォシティ)、榎並 和雅(日本放送協会)、大森 慎吾(情報通信研究機構、代理:渡辺 克也)、春日井 眞一郎(東京放送)、後藤 幹雄(電通総研、代理:美和 晃)、土井 美和子(東芝)、東倉 洋一(国立情報学研究所)、所 眞理雄(ソニー)、羽鳥 好律(東京工業大学)、原島 博(東京大学)、平田 康夫(KDDI研究所)、廣瀬 通孝(東京大学)、福永 泰(日立製作所)、畚野 信義(国際電気通信基礎技術研究所)、松山 隆司(京都大学)、三木 俊雄(エヌ・ティ・テイ・ドコモ)、山田 敬嗣(日本電気)
(2 ) 事務局(総務省)
鬼頭技術総括審議官、武井技術政策課長、竹内研究推進室長、河野課長補佐

  配布資料
資料3−1 第2回会合 議事概要(案)
資料3−2 ユニバーサル・コミュニケーション技術の現状と将来(淺川構成員)
資料3−3 RT技術によるユニバーサル・コミュニケーション(石黒構成員)
資料3−4 ソニーにおけるユニバーサル・コミュニケーション研究の現状(所構成員)
資料3−5 ユニバーサル・コミュニケーションに対するデマンド(羽鳥構成員)
資料3−6 ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する研究課題について
(平田構成員)
資料3−7 ユニバーサル・コミュニケーション技術の現状と将来(山田構成員)
資料3−8 中間報告骨子(案)(事務局)
資料3−9 今後の進め方について(事務局)

  議事概要
( 1) 開会
1) 座長開会宣言
2) 事務局より配付資料の確認
( 2) 議事
1) 前回議事録の確認
  資料3−1に基づき、前回会合の議事要旨(案)について事務局から説明を行った。
2) 構成員からのプレゼンテーション
  資料3−2から資料3−7に基づき、ユニバーサル・コミュニケーション技術の現状と将来等について、淺川構成員、石黒構成員、所構成員、羽鳥構成員、平田構成員及び山田構成員からそれぞれ説明が行われた。
  その後、主な質疑は、次のとおり。

  (廣 瀬構成員)コミュニケーションは「事」に分類できると思う。ピュアなコミュニケーションは「事」中心であり、「物」はその外側にあると常識的には考えられる。VRを含め情報通信技術がどんなに進歩しても、「物」の形にして残しておかないと満足できないところが私自身にもあり、それがなぜかを考えることは今後のICTを考える上で重要となろう。一方で、情報文明は物(物質文明)から事への流れである。事は説明を必要とするため時間を使うが、物は一見して理解できる。時間軸の観点から言うと、物の方が有利であり、時間浪費型の文明になってしまっている可能性がある。

  (松 山構成員)廣瀬先生と結論的には反対の意見になるが、時間がかかることは必ずしも悪いことではなく、時間をかけて楽しめる仕組みを作ることこそ、ユニバーサル・コミュニケーションの本質ではないか。意味(伝えたい意図)のないコミュニケーションが社会的に重要視されている。例えば、命の電話のように、聞き手からメッセージを発してはいけないが、できるだけ相手にしゃべってもらうコミュニケーションモデルもある。

  (廣 瀬構成員)今のコミュニケーション技術では自分自身で時間をコントロールできない。物が相手だと自ら話を打ち切れるが、人に対してはそれができない。

  (原 島座長)時間の大切さをもっと考える必要があろう。たいてい便利になれば忙しくなるものだが、不便を解消する技術だけでなく、人間を忙しくしない技術があってもよいのではないか。

  (東 倉座長代理)コミュニケーションにおいては発信者と受信者がいるが、忙しくされるのを煩わしく思うのは、主に受信者である。受信者の立場も考えてコミュニケーション全体のモデルをきちんと考える必要がある。「どこでも」、「いつでも」、「誰でも」、「何でも」のように、"でも"という概念はユニバーサルに通じるところはあるが、「私だけ」、「あなただけ」という"だけ"という機能がないと皆が満足いくものはできない。ユニバーサルの中にパーソナルを含み両立させる必要がある。今まではコミュニケーションモデルの追究が足りなかった。情通審・研究開発戦略委員会(以下、戦略委という。)で挙げられた「安全・安心」、「ユニバーサル・コミュニケーション」、「新世代ネットワーク」の三本柱の中でも、ユニバーサル・コミュニケーションは一番重要なポジションにある。ネットワークというインフラを活用し、安全・安心という出口に結び付ける役目を果たし、両方にかかわっている。

  (福 永構成員)平田構成員のプレゼンにあった「研究開発課題選定に当たって」の部分に共感を覚えた。ユニバーサル・コミュニケーションをベースに、どういうプラットフォーム上にテクノロジーを展開することによって、その技術がどのくらい連続的に成長していくかという観点を入れてほしい。今のマルチメディア技術を統合するような形にしていけば、映像や音に強い漢字文化を持つ日本が国際的な競争力を得ることが可能となる。

  (原 島座長)地球上100億人の様々なコミュニケーションを自由に設計し得るプラットフォームは何であろうか、という考え方も出来る。

  (平 田構成員)ユニバーサル・コミュニケーションを展望するときに10年後というターゲットは最初の一歩に過ぎない。次にどう繋げていくかが重要である。30年、50年先を見据えた取組を国として認めるシステムが要る。何が出来るかより、次に繋げられる事に重点を置いた評価も大切である。

  (淺 川構成員)個と個のコミュニケーションの捉え方として、ミクロに扱えても全体が見えない。フィールドワークのような観点で社会を観察して、その中で何が行われるかモデル化していくアプローチが必要だが、企業では取り組みにくいので、国が主導して進めてほしい。

  (所 構成員)物については「安き」、事については「易き」に流れている。これは受け身文化を助長している。ユニバーサル・コミュニケーションとして、自己実現に繋げるという、別の軸となる考え方を持つと、元気、安心、感動、便利へ繋がっていく。また、ICT分野では、標準化、寡占化、独占化が進む中で、日本独自の技術をベースとして世界と競争することが無くなってきている。国内市場だけを対象としていては、産業として既に成り立たなくなっている。日本の産業を強くするために、強い部分をより強くしていく必要がある。世界ナンバーワンをいくつ育てて、どれだけ産業に結び付けるかという視点も入れて欲しい。

  (原 島座長)ある意味では、日本にとって良い時期であり、アフター5(5時以降)・アフター65(65歳以降)産業は日本の得意とする部分であると感じている。もっと力を入れてよい分野ではないか。

  (所 構成員)数年前からCool Japan、つまりマンガやポップスなどのコンテンツが国際的に注目されるようになってきた。実はこれらの分野は、国としては何もしてこなかった分野であり、それが良かったのだろう。そういった部分を更に強くしていくにはどうしたら良いか考える必要がある。一方、今まで強かったのに、最近弱くなっているというのもある。弱い部分の全てを助けることはできないが、かと言ってすべてを捨てると、例えば、インフラ系などを全部アメリカなどから買ってくる、ということにもなりかねない。日本のエレクトロニクスや通信などの産業が、どうやったら世界の中で存続できるかという点もポイントになってくる。

  (榎 並構成員)ユニバーサル・コミュニケーションの目標を成し遂げていくと、便利であるが忙しくなったり、脳機能の解明がマインドコントロールに結び付くなど、負のイメージが強くなっていくおそれがある。安心・安全やネットワークインフラは国がやる目的として分かりやすい。しかし、もう一つの柱であるユニバーサル・コミュニケーションの目的が、ともすると危ない方向へ進む懸念がある。国がやるべき目的として、「文化の相互理解を通じて世界平和に貢献する」といった大義名分が必要になるのではないか。

  (原 島座長)先ほども話があったが、ユニバーサル・コミュニケーションはネットワークインフラを如何に安心・安全に繋げていくかという点で重要である。安心・安全は受け身的であり、世界中の人にどう感動を与えていくかも大事。

3) 中間報告骨子について
  資料3−8に基づき、中間報告骨子(案)について事務局から説明を行った。
  その後、主な質疑は、次のとおり

  (渡 辺構成員代理)3章について。ユニバーサル・コミュニケーション技術はNICTとしても重要な分野と考えており、後藤構成員と協力し、技術的香りがあって、かつ未来感があるイメージづくりを進めている。次回の会合でたたき台をお見せできれば、と思う。また、5章以降については、中間報告で触れないのではなくて、今後の課題といった研究会後半の宿題的な要素を盛り込んでおくとよい。

  (東 倉座長代理)1章との関連でユニバーサル・コミュニケーションの意義について。戦略委における三本柱の中での位置付けや、感情や感性など「感」という切り口、もう一つは自己実現に絡めて個の活力(個の能力をどう拡大していくか)がある。皆さん、色々な観点を持っていらっしゃるが、それを全部取り入れると何をやるのか分からなくなるので、取捨選択で鮮明な切り口を出す必要がある。また、本中間報告の取りまとめにあたって事務局の考えを教えてほしい。

  (事 務局)18年度の予算要求に具体的に反映していくため、必要と考えられる内容を4章の中できっちりまとめていきたい。ただし、それ以外についても一切言及しないわけではなく、全体を網羅的に述べた上で、重要なものを切り口を作って書いていきたい。

  (原 島座長)中間報告の取りまとめに当たっては、網羅的ではなく、ある程度重み付けをするべき。そういった観点から、構成員のご意見が全て反映されないかもしれないが、ある程度はやむを得ないだろう。

  (所 構成員)研究開発戦略委員会に対して、新しい視点を出して行くことが必要。ポイントを絞っていきたい。人、産業、社会の3つの軸があり、一般的には、人と社会の軸で便利、安心がよく議論されるが、個の実現としての創造性も重要。加えて、産業創造の軸も扱ってほしい。

  (原 島座長)産業の軸は、今から10年前は中心であったが、その反省から現在は人や社会の軸にシフトしている。産業構造もどんどん変化しているので、それをどう取り込んでいくかは難しい問題。

  (土 井構成員)ネットワーク・ヒューマン・インターフェース研究会の報告書は面白かったが財務省には受けが悪かった。見出しから、こういう議論をしたのか、という事が分かる見出しが欲しい。どのように役に立っていくかを訴える一枚物の絵は、理解してもらうのに重要。物は世界的に普及させる必要があるが、事は飽きさせない必要がある。それをどうやって産業的にやっていくかが課題だが、国として取り組みにくい側面もある。

  (松 山構成員)弁護士や米国における家庭医のように、ユーザの訴えを技術的な知識と結び付ける専門職というのは成立する。知識ギャップがある者同士のコミュニケーションを仲介することは産業創出や社会の仕組みとしても大事ではないか。コミュニケーションをもっとリッチにすることは社会に必要とされており、そのための手段としての技術や事を、実質的な物へとつなげるプランを報告書の中でまとめて欲しい。

  (羽 鳥構成員)ニーズとデマンドがどう違うかについて。お年寄りが介護を必要とするのはニーズ。それに対し、どういう介護をしてもらうかで、これまでは家族に頼り、経済上GDPは増えないけれども現実にそれに対応してきた。それを、リタイアした団塊の世代が介護システムを利用してコストを負担する、といった需要に乗る仕組みを作らなくてはいけない。別の例として、昔は就職できない人がいても農業で吸収できていたが、最近はそれが出来なくなってきたのでニートなど若い世代でも職に付けない人が顕著に現れてきた。それに対して、給料をもらえるようにするのも需要創出だと思う。「一企業が努力してアイデアを出せばよく、だから行政はニーズを提示すればよいのではないか」というのでは一皮むけなくて、死屍累々100のアイデアで、99死んで1つ残ればよい、という話で終わってしまう。確かにニーズに変えるのは一企業のアイデアだが、その前に全体をどう設計・管理するか、といったところに国の役割があって、需要に置き換える仕組みをイメージさせたり、デザインが必要というところまで書き込む必要があるのではないか。

  (原 島座長)ネットワーク・ヒューマン・インターフェース研究会の話が度々出てきているが、構成員間の意識共有のために、その報告書を事務局より送付いただきたい。

  (事 務局)当該研究会の構成員だった方を除いた、本研究会の構成員に送付する。

4) 中間報告作成に向けた今後の進め方について
  資料3−9に基づき、中間報告作成に向けた今後の進め方について事務局から説明を行った。

5) その他
  事務局から、第4回会合の開催の案内を行った。
    (日時:6月22日(水)1530分〜、場所:三田共用会議所)

3)閉会

  (以上)





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