(構成員)この部会での検討課題ということで1点確認させていただきたいのですが、この部会自体は、電波の再配分をしたときの給付金どのような形で負担するかというのが検討課題になっています。その方法論として、昨年の報告書では、50%を限度として電波利用料を一度充当しておいて、残りの部分については、後に入ってくる方が受益を受けるということで、公平な受益者負担の原則で徴収をしたらどうかというのが結論に出ております。これについては、パブリックコメント等も行って、多分、大多数の方が賛成されたと私は理解しています。
したがって、再配分したときの給付金の財源を誰が負担するかというところで、後から入ってきた方々が負担する場合、利用者が特定できない免許不要局からどのような形で徴収するかが、この部会の最後の検討課題と理解しています、共用型というのは、そもそも給付金が発生しないケースだろうと思うのです。それを、この部会で新たに検討課題に加えられたのか、全体を見るために必要な検討課題ということなのかにより、検討の課題の広さが違ってくると思うのです。
(総務省)この再配分費用の問題を検討するに当たっては、一度、共用型ということまで全体を見渡した上で、その上で再配分費用という問題について議論する必要があるのではないかとの前回の議論を踏まえて整理したものです。この部会では、あくまで再配分を実施した場合における費用負担のあり方について、ご検討をお願いしたいと思います。
(構成員)共用型という考えがあることを示されたものと思います。FCCは50GHz 以上の周波数で共用しようとされているのでしょうか。相当高い周波数であると思うのですが。
(総務省)基本的には50GHz 以上の帯域でこのようなコモンズ帯域を設けていくことを検討していくということでして、100MHz 幅と言いましたのは、これは5GHz 以下の帯域において100MHz 幅ということです。
(構成員)5GHz 以下も考えて、50GHz 以上も考える。2つ考えるということですね。
(総務省)専用型のコモンズの周波数を、米国といえ、結局、担保することは非常に難しいというのが実情です。ですから、FCCが今考えているのは、小電力システムのために専用に使える周波数帯は、FCCは50GHz 以上の周波数帯で確保しようということです。50GHz 以上はまだ余り使われていないということですが、実際に使い勝手の良い帯域は、5GHz より下なので、そこで共用型を考えながら、100MHz 幅を5年間で何とか確保できないだろうかという取組みをこれから始めたいということです。
(構成員)こういった共用型という考えもあるということですね。ただし、ここで検討しているのは、基本的には再配分型ということでご理解いただければよろしいかと思います。
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(3)免許不要局の費用負担のあり方について(プレゼンテーション) |
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富田構成員から資料2に基づき、西岡構成員から資料3に基づき、卜部所長から資料4に基づき、伊藤室長から資料5に基づき、石川構成員から資料6に基づきそれぞれプレゼンテーションが行われた後、以下のような質疑応答が行われた。 |
(構成員)メーカの方々の資料ではトーンが統一していましたが、免許不要局に関する、あるいは複合製品、輸入品等について、無線局としての管理がメーカ側では非常に難しいというトーンがあったと思うのです。代表的な例として、資料3に免許不要局からの徴収は現状の販売方式が主流である限り、メーカ側でも無線局の正確な把握と管理は不可能という言い方がされていますが、免許を要しない無線局は、電波管理上、免許が要らないという制度でして、無線局自体については様々な方がお使いになった場合に、混信から保護するなどの機能を、逆にユーザを守るという意味からつけております。それを担保する制度として、今、技術基準適合証明制度、近々、自己認証もあるようですが、技術基準適合証明を取ることがあります。
現在の電波法では、型式ごとではなく、1台1台に技術基準適合証明を行うことという書き方になっているかと思うのです。したがって、現在、メーカといいますか、輸入業者でも販売店でも良いのですが、電波を使う製品として最終ユーザに渡すどこかの段階で技術基準適合証明を取ることが、現行の電波法における唯一の無線局管理でして、管理は不可能という言い方は、今は量販店や流通業者などが技術基準適合証明をされているのが実態ということでしょうか。
(構成員)いいえ、違います。
(構成員)これは、輸入品とか、先程議論が出ていた複合品とか、それから、機能としては持っているが、多分使わないだろうという想定でつくられているあらゆるものについて言える議論ですが、今の電波法上でいう無線LANであれば、無線LANとしての機能を持っているということで販売される場合には、少なくともその義務は課せられますので、そこで全ての問題は解決しているのではないかと思うのです。
(構成員)輸入との差に関してですが、当然、日本で売る場合、法律上、TELECの申請をさせていただいて、それで承認を得たものを販売しております。個々の管理はどうしているのかと言いますと、全てロットナンバーですね。ですから、技術基準適合証明としては1つですが、ロットナンバーで管理して出荷しています。ここで申し上げたかったのは、その商品が無線局の個人が特定できるところに管理できていないという意味です。ですから、海外の製品というのは、TELECで全部管理できるのではないかと思っております。あとは、メーカは出荷の数ということになると思います。
(構成員)無線局として使うということを唯一法律上担保しているのは技術基準適合証明です。日本国内で使用する際に技術基準適合証明を受けるということは、法律的に言いますと、それを何台受けているかということが一番の議論になりますので、チップの中へ無線のある機能を組み込んだものをどんどん出荷しても、カタログに無線機能がありますと一切言っていなければ、使えなければ、それは幾らメーカが販売しても無線局としては成立していないと思うのです。
あまり輸入とか国産とか、複合品があるとか、組み込んだからどうとか、誰がというのではなくて、日本の電波法でいう例えば小電力の技術基準に適合するものを売るという意思を持たれた方は、いずれにしても技術基準適合証明を受けなければいけません。
(総務省)技術基準適合証明については、電波法上、免許不要局として無線局が誕生するのは技術基準適合証明をした段階でして、必ずこれを受けることになっております。それがビジュアルに見えるものとして技術基準適合の表示がありますが、その表示を貼る段階で、貼った人は第三者機関である場合もあれば、メーカである場合、さらに、輸入機器の場合には、販売代理店の場合もございますが、その者が一定の権限を持って、表示を貼った段階でその人に責任がくるとともに、その無線設備は免許を要しない無線局として、実際に利用して良い形になるわけです。
(総務省)現在、技術基準適合証明の仕組みとしては、1つ1つの機器に対して技術基準が適合しているかどうかをチェックする技術基準適合証明と、いわゆる型式指定のような工事設計が技術基準に合っているかどうか、工事設計認証という言葉を使っていますが、工事設計が技術基準に合っていれば、それと同じものをあと何台つくるかは、実際に認証を取られたメーカの方が取られる場合もありますし、メーカの方もまた大元のメーカが取られて、実際に市中に出るときは別の方のブランドで出る場合もございます。
(総務省)法律上、無線設備を製造して、設計認証の場合におきましても、その設計認証を受けたメーカなり、販売代理店が責任を持つという観点で、そこで表示を貼るわけです。表示を付した段階で、その表示を付した人の責任が発生すると同時に、その無線局が実際に使ってもいい状況になるということで、しっかりとメーカがものを見て、大丈夫だ、設計どおりだということで表示を付す段階で権限と権利が発生します。したがって、台数は必ず分かっています。
(総務省)電波法上ではメーカは数をきちんと把握しているはずだということです。メーカに尋ねれば、機器を何台つくって出荷したかということについては把握しているはずであるということです。ただ、現時点では私どもは、それについて特に数を求めていない実態があります。
(構成員)自己適合宣言制度がこれから導入されようとしているお話もあると思うのですが、そうなってきますと、自己適合宣言の適用で外国製品が入ってきた場合でも、今の技術基準適合証明のような形が継続される方向になるのでしょうか。
(総務省)いわゆる自己適合制度と言われるものを導入すべく電波法改正を今、国会に提出させていただいておりますが、現在の技術基準適合証明と全く同じ効果をもたらすということで、制度上は位置づけようとしております。
また、外国メーカが外国で勝手にできるということは考えておりませんので、欧米等でやっていますとおり、それぞれの国に拠点のある人ということで考えておりますので、日本国内に拠点のない人が外国で勝手に宣言して、勝手に送り出してくることはないと考えております。
(構成員)技術基準適合証明ですと表示を付すこと等で対応していくことが十分可能で、台数ということができると思うのですが、今の自己適合宣言というか、認証をして、それで輸入しようというようなお話があったときには、同じように表示を付す方法を適用しようということになるのでしょうか。
(総務省)同じような表示を付していただくことになります。また、自己適合宣言をした後、無線設備の種類によって、免許不要になる場合もありますが、免許が必要となる無線設備というのも出る可能性もありますので、そういう意味で、届出等をしていただくことになる方向で考えております。その辺りは状況を把握させていただこうと思っております。
(構成員)先程の無線LAN等に限って言いますと、技術基準適合証明等で大体その動きが把握できるので、これは徴収対象として何らかのことができるということですね。ただ、無線LANのようなものは世界標準になっているといった中で、例えば日本にも外国の方が自分で外国において買った機器を持ってたくさん入ってこられるような場合には、総務省としては、電波の利用に対する費用負担としてどのようにお考えになるのでしょうか。
(総務省)世の中がグローバル化した中で、実際に海外の機器が持ち込まれるケースというものがあるわけです。今の電波法上の管理では、基本的には日本国内で電波を利用する場合には免許を取得することとなっています。ただし、小電力であって、かつ技術基準に適合していることが証明されたものであれば、免許不要の手続の中でも使っても良い形になっております。
したがって、制度的な話をしますと、あくまでも日本の技術基準に合って、かつ日本の技術基準適合証明を受けている、もしくは自己適合宣言をする、そういう手続を踏んだものを海外の方にも取得していただいて、国内に持ち込んでいただくということになります。そういう中で、費用負担の問題も整理できようかと思います。
(総務省)まずは日本国内で販売をする場合には、必ず電波法に適合したものしか売れない。それ以外のものを売って、ユーザが利用されますと電波法違反になります。私どもは、それに対しては注意をいたします。今、おっしゃったのは、たまたま米国の人が無線LANのついた米国のノートパソコンを持ち込んだ場合にどうするかについてですが、例えば無線LANの世界では、それについて、今はほとんど把握しておりません。ただ、例えば非常にハイパワーなものを持ち込まれて、それがもし干渉を起こしたという事例があれば、それはその場で把握できたら使用をやめていただく。我が国の電波法に違反していますと注意をする形になっております。
(構成員)今回の検討対象ということが、立ち退きといいますか、こういうところに焦点を絞るとした場合に、ぜひとも今後議論していただきたいのは、原則受益者負担といった場合に、受益者というのと、料金の徴収といいますか、費用の徴収、代行も含めて、後で様々な形でおかしくならないようにぜひとも議論していただきたい。現実的な方法としては、先程から何点かメーカから徴収というのがありますが、これは、メーカが最大の受益者かといった場合に、そうでない場合には、その辺りの表現も含めて、ぜひとも注意をする形にしないと歪んでしまいそうな気がしますので、よろしくお願いしたいと思います。
(構成員)今回はプレゼンテーションを様々な方から伺った後に、再度詰めていくというものでして、これが悪いとか、良いとか、そういう話ではありませんので、誤解がないようにしていただきたいと思います。また、制度面でも、複雑な制度はおそらく長続きしないという問題もありますので、その辺りも含めて今後議論されていくことになると思います。
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