参考1


マルチメディア時代の料金の在り方に関する
アンケート結果について

1 概要
  マルチメディア時代の料金の在り方について、本研究会における検討の参考とするた
 め、現在、インターネット、パソコン通信を利用している一般の利用者を対象にアンケ
 ートを実施した(実施期間:平成7年12月1日〜12月30日)。
  アンケート結果は以下のとおりであるが、30日間の間に国内各地(北海道〜沖縄)
 及び米国から210通の回答があり、パソコン通信、インターネットを利用しているユ
 ーザの通信料金に対する関心の深さが伺える。
  また、昨年1月に同様の質問項目について実施した有識者、通信事業者等に対するア
 ンケート(以下「有識者アンケート」という。)結果と比較すると、低廉な料金、定額
 制を期待する声が強く、また、マルチメディア通信網の建設費についても電話網の利用
 者や国が負担すべきという回答が多いのが特徴となっている。



2 調査方法

  (1) インターネット
    「郵政省ホームページ」「ニュースグループ(fj:From Japan)(電子掲示板)」
   にアンケート項目を掲示し、研究会事務局あて電子メールで回答、意見を依頼。

  (2) パソコン通信
    ニフティサーブ、PC-VANの「行政情報」(郵政省情報)にアンケート項目を
   掲示し、研究会事務局あて電子メールで回答、意見を依頼。



3 アンケート結果

  (1) マルチメディアサービスへのニーズ
    ? ジャンル別
      家庭生活の多くの分野でマルチメディアが活用されると見込まれており、特
     に、電子メールやショッピング(通信販売)等、既にネットワーク利用が定着
     している分野でのニーズが高い(重複回答)。
      他方、近年、取組みが活発化している仮想都市への回答は比較的少なく、ま
     だ、一般の利用者にあまり浸透していないと考えられる。






図1 ジャンル別回答数






    ? サービス別
      ?と同様、オンラインショッピングやメールなど、既に定着している分野に対
     するニーズが高いが、在宅勤務がオンラインショッピングと並び1位となってお
     り、利用者の期待が高い(重複回答)。






図2 サービス別回答数





  (2) マルチメディアサービスの料金負担(利便の向上と費用負担との関係)
    過半数の回答が、利便性が向上しても従来と同程度又はそれ以下の費用負担となる
   ことを求めており、負担増を受容する意見は全体の約2割に止まった。
    また、質問項目にない「利便性が向上しても費用負担の減少が必要」という選択肢
   を回答した者も8%に上っており、利用者としてはマルチメディアサービスによって
   利便性が向上しても現在より負担が増加することは回避したいという声が強くあらわ
   れている。


表1 マルチメディアサービスの利便と費用負担

回答数 有識者
アンケート:%
利便性が向上すれば従来より負担増も可
利便性が向上すれば負担増もやむを得ない 28 13 40
利便性に係わらず負担は従来と同程度が原則 98 47 32
一概には言えない 54 26 18
その他(利便性が向上しても負担減が必要) 16
その他
210 100 100





図3 マルチメディアサービスの利便と費用負担






  (3) マルチメディアサービスの料金負担
     1万円程度、7千円程度とする回答が過半数を超えている。現在の通信費(電話
    料)の支出が1世帯当たり5,800円であることから、多くの利用者は現在と同
    程度又は若干上回る程度までを負担限度額と考えていると思われる。
     一方、有識者アンケートにおいては、1万円程度、1万5千円程度とする回答が
    多かった。



表2 マルチメディアサービスの料金負担限度

家計における通信料金の
負担限度額
回答数 有識者
アンケート:%
7,000円/月 71 33 15
10,000円/月 78 37 45
15,000円/月 21 10 25
20,000円/月
25,000円/月
30,000円/月
その他(2〜3,000円/月) 26 12
その他
210 100 100







図4 マルチメディアサービスの料金負担負担限度(月額通信費)





  (4) マルチメディアサービスの料金体系
    76%が定額制又は定額制を基調とした料金体系が望ましいとしており、ネット
   ワークの長時間利用を前提とした回答と見られる。有識者アンケートでは、むしろ
   従量制を支持する意見が多く、好対照をなしている。




表3 マルチメディアサービスの料金体系

料金体系回答数 有識者
アンケート:%
定額制 107 51 15
定額の比重が大きい二部料金制 53 25 26
従量の比重が大きい二部料金制 30 14 46
従量制 13 11
その他
210 100 100






図5 マルチメディアサービスの料金体系




  (5) マルチメディア通信網建設費用の負担者
    マルチメディアサービスの利用者のみが負担すべきという回答が最も多いものの、
   約半数の回答が何らかの形で電話利用者もマルチメディア網の建設費を負担すること
   を選択している。
    これは、有識者アンケートと同程度であるが、マルチメディア通信網は社会経済の
   インフラとして「国が税金で支援すべき」とした回答も相当数あり、低廉な料金に対
   する利用者の強い期待が背景にあるものと考えられる。


表4 マルチメディア通信網建設費の負担者

料金体系 回答数 有識者
:%アンケート
マルチメディア網利用者のみ負担 50 24 27
電話利用者の負担もやむを得ない 63 30 36
電話利用者も負担すべき 56 27 19
分からない 18 15
その他(国が税金で支援すべき) 13
その他 10
210 100 100





図6 マルチメディア通信網建設費の負担者




  (6) 自由意見
    料金水準、料金体系に関し、低廉な料金や定額制料金の導入を求めるものが大半で
   あるが、中には「国によるインフラの構築」「規制緩和」「ヒューマンインタフェイ
   スの向上」「競争の促進」「NTTの合理化」「セキュリティの向上」を求める声も
   見られた。


  (7) 回答者の年齢
    20代、30代で全体の約8割以上を占めている。






図7 回答者の年齢