FTTHの実現に向けたネットワーク展望と課題

参 考 資 料

   資料1 光ファイバ網整備に関する政府の方針(関係部分抜粋)

   資料2 諸外国の情報通信基盤整備の動向

   資料3 光ファイバケーブルの整備状況

   資料4 諸外国の光化の状況

   資料5 NTTと地域系NCCのネットワーク構成

   資料6 地方公共団体における光ファイバ網の整備

   資料7 公共収容空間の利用の円滑化

   資料8 米国における電柱、管路等の開放に関する取組について

−改正米国通信法第224条関係−


   資料9 関西文化学術研究都市におけるアプリケーション開発への取組

   資料10 B−ISDN利用研究・実験の概要

   資料11 新世代通信網パイロットモデル事業の概要

   資料12 2005年における通信料金の試算






参考資料

資料1 光ファイバ網整備に関する政府の方針(関係部分抜粋)

1  21世紀の知的社会への改革に向けて ―情報通信基盤整備プログラム―
(94年5月、電気通信審議会答申)
 
具体的な整備スケジュール
  エリア別の整備時期
2000年 都道府県庁所在都市内の主要地域及びテレトピア指定都市の一部(人口カバレッジ20%)
2005年 人口10万以上の都市内及びテレトピア指定都市の一部(人口カバレッジ60%)
2010年 全国整備の完了(人口カバレッジ100%)
  公共機関の整備時期
2000年 公共的アプリケーションの開発・導入に併せて、全国の学校、図書館、病院、公民館、福祉施設等の公共機関への光ファイバ網整備は2000年を目標とする。
 
2  高度情報通信社会推進に向けた基本方針
(95年2月、高度情報通信社会推進本部決定)
 
高度情報通信社会推進に向けた基本方針
 高度情報通信社会の構築に向けての政府の取組の在り方
「主要地域の光ファイバー網整備と、これを利用した公的アプリケーションの導入、実用化、及び基礎的汎用的技術開発については、2000年までを先行整備期間として進める。光ファイバー網については、その後も情報通信インフラの総体的整備を図る中で需要の顕在化や高度化の進捗等を勘案しつつ、2010年を念頭において早期の全国整備を目指す。」
 
3  構造改革のための経済社会計画―活力ある経済・安心できるくらし―
(95年12月、閣議決定)
 
構造改革のための経済社会計画
 情報通信の高度化
「光ファイバーや衛星通信を始めとするネットワークインフラの民間主体の整備とそれに対する公的な支援など、適切な官民の分担によるハードウェア、ソフトウェアを含めた情報通信インフラの整備を計画的に推進する。」
 社会資本の整備目標
〔光ファイバー網の整備された地域の割合〕
将来目標〈2010年度〉 需要の顕在化等を勘案しつつ、早期の全国整備
 
4  経済構造の変革と創造のための行動計画
(97年5月、閣議決定)
 
経済構造の変革と創造のための行動計画
 新規産業創出環境整備プログラム
  ○情報通信関連分野
  〈ネットワークインフラの整備〉
   ○行動計画
光ファイバ網の早期の全国整備に向け、平成12年までの先行整備期間における民間事業者による投資を促進する。
加入者系光ファイバ網を補完するものとして、加入者系無線アクセスシステムについて、平成12年までに企業向け150Mbps程度、一般加入者向け6Mbps程度の伝送速度を有するシステムの実用化を推進する。また、電話回線を用いたデータ伝送が可能なxDSL方式について、積極的な活用を検討する。
民間事業者の光ファイバ収容空間として電線共同溝、共同溝等の整備を図り、電線類地中化について関係者との連携の下、第3期電線類地中化5箇年計画を強力に推進する。
民間主導による光ファイバ網整備の原則の下、道路、河川、下水道等の公共施設空間や、公共施設管理用等の光ファイバ網及びその収容空間(情報BOX等)の民間事業者による活用を促進する。
光ファイバ網と円滑な接続が可能な超高速・高品質な移動体通信について、屋内においては156Mbps程度、屋外においては20〜30Mbps程度の伝送速度を有するシステムの実用化に向けて所要の研究開発を推進する。
光ファイバ網、無線通信等様々なネットワークインフラをシームレスに接続するために必要な技術の開発及び標準化を推進する。






資料2 諸外国の情報通信基盤整備の動向

国別 情報通信基盤整備動向
米国
92年6月  クリントン大統領公約
  「2015年までにすべての家庭、企業、研究所、教室、図書館を結ぶ情報ネットワークを創設する」

93年9月  クリントン政権「NII行動アジェンダ」を発表

94年1月  ゴア副大統領演説
  「2000年までに、全ての教室、全ての図書館、全ての病院を接続」

米国96年度予算
HPCCプログラムに11億ドル(要求額)
情報通信基盤補助金0.22億ドル

96年10月  クリントン大統領「インターネット高度化計画」発表
  超高速光ファイバ網の採用による、大学や研究所の利用可能な情報量の拡大等に向け、98年度予算において1億ドルの措置意向
EU
87年     汎欧州ネットワーク(TEN)構想

93年     成長、競争力と雇用に関する白書
  TENの構築等により、2000年までに1500万人の雇用を創出
TEN整備の費用は、2000年までに1500億ECU
構築資金は、EC予算、加盟国からの拠出、EU債の発行等

94年     情報社会に向けた欧州の取り組み方・行動計画
  ユーロISDNの実現、広帯域通信サービスの導入

96年9月    欧州の18通信事業者が、ATM技術による高速通信サービス実験のコンソーシアムを結成。資金はEC、通信事業者双方から拠出
英国
90〜93年  BT:ビショップ・ストートフォードでFTTHの実験

94年7月   下院貿易産業委員会「光ファイバ網に関する報告書」を発表
  光ファイバ網整備に向けて、政府に対して、あらゆる公的機関が広帯域網にアクセスできるようにすること等の提言

94年11月  貿易産業省「将来のスーパーハイウェーの創造」と題する報告書を発表(下院の報告書への回答)
  公的機関による通信アプリケーションの活用等を回答
仏国
94年2月   政府はテリー元郵電省通信総局長に情報通信基盤に関する報告書の作成を依頼

94年10月  テリー報告書(情報通信基盤構築)提出
  「2015年までに、全家庭と国民の活動領域すべてに情報ハイウェーを整備」

94年11月  テリー報告書に基づき政府の方針策定
  政府は情報ハイウェー関連のプロジェクトをの入札を開始

96年3月   「情報ハイウェー政策に関する報告書」閣議提出
  ・244のテストプロジェクトを実施中
・補助金(95〜96年度計3億2千万フラン(約68億円))を計上
独国
90年     「テレコム2000計画」の策定
  97年までに東独地域の通信・CATVの水準を西独並にするため総額600億マルク(4.2兆円)を投じる予定

93〜96年  東独地域の120万世帯をFTTH化

95年度後半 
より 
マルチメディア実験(シュトットガルト、4000世帯を対象)
  OPAL計画の一環
シン
ガポ
ール
92年3月   「IT」2000構想
  2000年までにシンガポールをIT(情報技術)によって、インテリジェント・アイランド化。

シンガポールテレコム
  97年までにFTTC化、2005年までにFTTH化を目標
韓国
94年4月   「超高速情報通信網構築計画」(韓国逓信部)

超高速国家情報通信網(〜2010年)
  公共財源から約8000ウォン(約1000億円)を拠出

超高速公衆通信網(〜2015年)
  民間が42兆ウォン(約5兆円)を投資

その他、先導試験網、公共サービス開発、技術開発等(〜2015年)
  政府が1兆ウォン(約1200億円)を拠出
マレ
イシ
94年5月   マハティール首相「電気通信事業に関する国家政策」を発表
  94年〜2020年の間の電気通信に関する国家政策を提示。高度な情報通信インフラの重要性を強調

95年5月   エネルギー電気通信郵便省「ビジョン2020に向けてのマレイシアの電気通信」を発表
  2015年までに全家庭まで光ファイバを敷設するとの目標

96年8月   マハティール首相「マルチメディア・スーパー・コリドー[回廊](MSC)」計画を発表
マレイシアを情報技術のハブとすることを目的として、技術者や民間企業を誘致するため、MSC地区において、光ファイバ等情報通信基盤を整備
政府予算2億ドル(約219億円)を投入、MSC内にIT(情報技術)都市を建設
中国
95年     郵電部「第9次5か年計画」(96〜2000年)
  2000年までに光ファイバを21万km(ケーブル長)にするとの目標






資料3 光ファイバケーブルの整備状況

    1995年度末現在

   区  分     施設距離(km) 
通信事業者 248,731
NTT 158,016
NCC 90,715
CATV事業者 3,414
公共施設管理用 6,376
道 路 5,792
下水道 205
河 川 199
合  計 258,521
    (注)公共施設管理用のみ94年度末現在






資料4 諸外国の光化の状況

米 国
 中継系(ケーブル長)
    88.8%(94年末)
        [AT&Tの場合]
(FCC資料より)

 加入者系(ケーブル長)
   8.2%(95年度末)
      [ベル系7社の地域網
         (中継系も含む)]
(FCCファイバレポートより)
英 国
 中継系(芯線長)
    85%(94.9)
        [BTの場合]
 加入者系
   33万芯km(93.9)
      [BTの場合]
(PTIJロンドンより)
独 国
 中継系(ケーブル長)
    81,150km(93年)

 加入者系(ケーブル長)
   22,780km(93年)
(PTIJパリより)
韓 国
 中継系(ケーブル長)
    32.4%(93年末)

 加入者系(ケーブル長)
   0.14%(93年末)
(韓国通信(KT)より)
マレイシア
光ファイバの施設距離(ケーブル長)
    13,600km(94年末)
光ファイバによる加入者回線数
   13,000回線(94年末)
(エネルギー電気通信郵便省「ビジョン2020に向けてのマレーシアの電気通信」より)






資料5 NTTと地域系NCCのネットワーク構成






資料6 地方公共団体における光ファイバ網の整備

現在の自営通信網の伝送路

現在の自営通信網の伝送路

新設する自営通信網の伝送路(自営通信網別)

新設する自営通信網の伝送路(自営通信網別)

自営通信網の伝送路の現状と新設の比較(全地方公共団体計)

自営通信網の伝送路の現状と新設の比較(全地方公共団体計)

出展;地方公共団体等が保有する光ファイバ網に関する調査研究報告書
  (平成9年3月郵政省郵政研究所)






資料7 公共収容空間の利用の円滑化

○ 郵政省に対する要望
道路占用規制等の見直し
 ・ 道路占用規制の緩和、手続きの簡素化
 ・ 電波障害受信対策用ケーブルテレビ施設への道路占用料の減免、都市型難視ケーブルテレビへの道路占用料の減免措置、ケーブルテレビの道路占用期間の延長
 ・ 河川道路横断のための河川橋・歩道橋への添架の可能化
 ・ 共同溝への事後入溝の実現・容易化
 ・ 河川占用規制の緩和
 ・ 下水道施設利用に係る規制の緩和、手続の簡素化、条件の明確化
 ・ 電柱共架手続の簡素化、共架料の減免、電力柱の小柱の共架可能化
 ・ 共架柱の移設・建替費用の減免
 ・ 無線基地局収容箱に係る規制の緩和
 ・ 情報関連機器の導入工事に関する規制の緩和
 ・ 公有地及びJRあるいは地下鉄等施設に有線テレビジョン放送施設の利用可能化
※ 「郵政行政に係る規制緩和等に関する意見・要望について」(平成8年11月29日郵政省公表)

○ 規制緩和等の具体的措置
事 項 名 措 置 内 容 実 施 予 定 時 期
平成7年度 平成8年度 平成9年度
電気通信事業者の道路占用許可
電気通信事業者による道路占用について、手続の一層の簡素化を図る。  −  措置済9年3月25日  − 
CATV事業者の道路占用許可
(a)  CATVなど占用期間が「3年以内」とされている占用物件について占用期間の延長を行う。
 CATVの普及状況を踏まえ、将来的には占用期間の一層の延長を検討する。
措置済7年10月25日  −   − 
(b)  CATV事業者による道路占用については、添付書類の簡素化を図るとともに、第一種電気通信事業者に準じて許可を与えることとする。
  措置済8年6月28日  − 
CATV事業用電線の共同溝の使用
CATV事業用電線の共同溝の使用の可否に関する検討を行う。     9年度
二次占用に係る道路占用許可
 いわゆる二次占用に係る道路占用の取扱いについて、見直しを行う。   措置済9年3月14日  − 
情報・通信ネットワークの形成を推進するための下水道施設の活用
 下水道の暗きょ部分について、下水道の本来機能への影響を勘案しつつ、第三者による光ファイバー等の電線の設置を可能とする。   措置済8年12月1日  − 
※ 「規制緩和推進計画の再改定について」(平成9年3月28日閣議決定)






資料8 米国における電柱、管路等の開放に関する取組について
−改正米国通信法第224条関係−

 1996年2月に発行した改正米国通信法によって、既存の地域電話会社、電力会社等(以下「公益事業者」という。)が保有する電柱、管路等(以下「電柱等」という。)の開放に関する規定が整備された。

改正のポイント
公益事業者の電柱等の添架に係る電気通信事業者の料金に関する規定の具体化
 改正前の米国電気通信法では具体的に規定されていなかった電気通信事業者の電柱等への添架料金の算定方法について、CATV事業者による添架の場合と区別するとともに具体的に規定。
公益事業者の電柱等の非差別的な開放の規定(新設)
 電気通信事業者及びCATV事業者への公益事業者の電柱等の非差別的な開放の義務付けを規定。
公益事業者の電柱等に関する事業者間での差別的な取扱いの禁止の規定(新設)
 公益事業者の電柱等の添架料金について、資本・系列・提携関係の有無による差別的な取扱いの禁止を規定。
公益事業者の電柱等に添架している事業者の移設費用に関する規定(新設)
 電柱等に添架している事業者の事由により、その他の事業者が移設等をせざるを得なかった場合に、移設に係る費用は原因者負担とすることを規定。






資料9 関西文化学術研究都市におけるアプリケーション開発への取組

関西文化学術研究都市におけるアプリケーション開発への取組





資料10 B−ISDN利用研究・実験の概要

 1 実施主体
新世代通信網実験協議会[略称:BBCC]
 設立:92年12月17日
 会長:小林 庄一郎(関西電力会長)
 会員:電気通信事業者、メーカー、ユーザ企業等、約210者

 2 実験の目的
 B−ISDNの実用化実験を通じ、次世代に向けての魅力的なアプリケーションを開発し、高度情報社会の実現と多極分散型国土形成、ビジネスチャンスの創出を促進し、新しい文化の創造を行っていく。

 3 実験の概要
(1) 実験方法
 国、自治体及び民間の出資により設立された会社((株)新世代通信網開発センター)が整備する研究開発実験施設を用い、BBCCが会員の要望等を踏まえて実験を行う。

(2) 実験場所
関西文化学術研究都市を中心とした関西地域及び首都圏

(3) 実験期間
94年7月より10年間の予定

(4) 実験概要
企業・産業分野
マルチメディアによる情報サービスの研究
CD−ROMライブラリーの研究
大画面HDTV映像を用いた多地点シンポジウム等の研究
環境映像の研究
超高精細映像を用いたサテライト電子編集・印刷の研究
デザイン分野における遠隔協調設計支援システムの実験
分散オフィスの実験−ハイパーオフィス「EORI(庵)」の実験−
高速LAN間通信実験−インフォメーション・オン・デマンド−
公共・教育・行政分野
市民ギャラリーの研究
大学間医学情報ボーダレスプロジェクト
遠隔教育システムの研究
電子図書館の実証実験
学術・研究分野
広域マルチメディア情報システムの研究−未来型メディアの模索−






資料11 新世代通信網パイロットモデル事業の概要

 1 目的
 光ファイバ網は、通信と放送を融合する次世代の通信網として大きな期待を集めているが、このようなネットワークを活用するためには、その利用面、制度面、コスト面、技術面等においてまだ多くの課題が存在することから、モデル地域で実際に家庭まで光ファイバを敷設し、これを用いた試行サービス実験を実施することにより、課題の検討等を行い、光ファイバ網の21世紀に向けて展望を開くことを目的としている。

 2 実施体制
 財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)が、通信総合研究所の協力を受け、民間企業等と連携して実験を実施。

 3 実験の概要
(1) 実験開始日
94年7月8日
(2) 実験実施場所
 京都府相楽郡精華町(関西文化学術研究都市)に実験センターを設け、 付近の約300世帯に対し実際に光ファイバーを引き、各種マルチメ ディア実証実験を行っている。
(3) 実験参加企業
 通信事業者、放送事業者、CATV事業者、通信機器メーカー、商社、銀行等外資系企業を含む約130社が参加。
(4) 総事業費
総額100億円 (国からの補助金20億円 93年1次補正)
(5) 現在の実証実験サービス内容
・ビデオ・オン・デマンド
・郵便・貯金ホームサービス
・テレビ電話サービス
・ハイビジョンを含んだ高品位CATV
    等13のサービスを実施中
 今後、簡易保険ホームサービス等のアプリケーションの実証実験の開始を検討中。






資料12 2005年における通信料金の試算

 1 試算の結果
2005年

6Mbpsの
通信サービス

月額 12,000円程度 (1)モデル1による試算
  月額 12,700円

(2)モデル2による試算
  月額 11,250円

モデル1: 「マルチメディア時代のユニバーサルサービス・料金に関する調査研究会」で試算に用いられたモデル
モデル2: 「情報通信21世紀ビジョン」で試算に用いられたモデル

 2 試算の考え方 
(1)両モデルに共通な事項
   (1)加入者数
    2005年:  2,000万人
   (2)ネットワークの基本形態
    加入者系回線: 光ファイバケーブル(ATM−PDS方式)
    バックボーン:  上位と下位の2階層構成(ATM方式)
(2)両モデルで異なる事項
   ○ネットワーク整備費用の算出
    モデル1:  1995年から2005年までのネットワークの整備費用を算出し、2005年での延べ加入者数から月額利用料金を算出
    モデル2:  1995年から2010年までの15年間を5年間毎の3段階に分け、ネットワークの更新整備等も織り込みつつ、2005年のネットワーク整備費用を算出し、2005年の延べ加入者数から月額利用料金を算出