放送法
第三章 一般放送事業者


(放送番組審議機関)
第五十一条 一般放送事業者の審議機関は、委員七人(専ら多重放送を行う一般放送事業者の審議機関にあつては、郵政省令で定める七人未満の員数)以上をもつて組織する。
2     一般放送事業者の審議機関の委員は、学識経験を有する者のうちから、当該一般放送事業者が委嘱する。
3     一の一般放送事業者(受託内外放送を委託して行わせる委託放送事業者を除く。以下この項において同じ。)の放送局の放送区域(電波法第十四条第三項第三号の放送区域をいう。以下同じ。)又は委託して放送をさせる区域(以下この項において「放送区域等」という。)と他の一般放送事業者の放送区域等とが重複する場合において、その重複する部分が当該いずれかの一般放送事業者の放送区域等の三分の二以上に当たるとき、又はその重複する部分の放送区域等の区域内の人口が当該いずれかの一般放送事業者の放送区域等の区域内の人口の三分の二以上に当たるときは、これらの一般放送事業者は、共同して審議機関を置くことができる。この場合においては、前項の規定による審議機関の委員の委嘱は、これらの一般放送事業者が共同して行う。

(広告放送の識別のための措置)
第五十一条の二 一般放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない。

(候補者放送)
第五十二条   一般放送事業者がその設備により又は他の放送事業者の設備を通じ、公選による公職の候補者に政見放送その他選挙運動に関する放送をさせた場合において、その選挙における他の候補者の請求があつたときは、料金を徴収するとしないとにかかわらず、同等の条件で放送をさせなければならない。

(学校向け放送における広告の制限)
第五十二条の二 一般放送事業者は、学校向けの教育番組の放送を行う場合には、その放送番組に学校教育の妨げになると認められる広告を含めてはならない。

(放送番組の供給に関する協定の制限)
第五十二条の三 一般放送事業者は、特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。

(有料放送)
第五十二条の四 有料放送(契約により、その放送を受信することのできる受信設備を設置し、当該受信設備による受信に関し料金を支払う者によつて受信されることを目的とし、当該受信設備によらなければ受信することができないようにして行われる放送をいう。以下同じ。)を行う一般放送事業者(以下「有料放送事業者」という。)は、その有料放送が多重放送以外の放送であるときは、国内受信者(有料放送事業者との間に国内に設置する受信設備により有料放送の役務の提供を受ける契約を締結する者をいう。以下同じ。)に提供する当該有料放送の役務の料金その他の提供条件について契約約款を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。当該契約約款を変更しようとするときも、同様とする。
2      郵政大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一  役務の料金が業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。
二  有料放送事業者及びその国内受信者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められているものであること。
三  特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
3      有料放送事業者は、その有料放送が多重放送であるときは、国内受信者に提供する当該有料放送の役務の料金その他の提供条件について契約約款を定め、その実施前に、郵政大臣に届け出なければならない。当該契約約款を変更しようとするときも、同様とする。
4      有料放送事業者は、第一項の認可を受け、又は前項の規定により届け出た契約約款(以下この章において「認可契約約款等」という。)以外の提供条件により国内受信者に対し有料放送の役務を提供してはならない。
5      有料放送事業者は、認可契約約款等を国内にある営業所その他の事業所において公衆の見やすいように掲示しておかなければならない。
第五十二条の五 何人も、認可契約約款等に基づき、有料放送事業者とその有料放送の役務の提供を受ける契約をしなければ、国内において当該有料放送を受信することのできる受信設備により当該有料放送を受信してはならない。
第五十二条の六 有料放送事業者は、正当な理由がなければ、国内に設置する受信設備によりその有料放送を受信しようとする者に対しその有料放送の役務の提供を拒んではならない。
第五十二条の七 郵政大臣は、第五十二条の四第一項の認可を受けた契約約款に定める有料放送の役務の料金その他の提供条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、国内受信者の利益を阻害していると認めるときは、有料放送事業者に対し、当該契約約款の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
2      郵政大臣は、第五十二条の四第三項の規定により届け出た契約約款に定める有料放送の役務の料金その他の提供条件が国内受信者の利益を阻害していると認めるときは、有料放送事業者に対し、当該契約約款を変更すべきことを命ずることができる。

(外国人等の取得した株式の取扱い)
第五十二条の八 証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして郵政省令で定める株式を発行している会社である一般放送事業者は、その株式を取得した電波法第五条第一項第一号から第三号までに掲げる者(以下「外国人等」という。)からその氏名及び住所を株主名簿に記載することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることにより同条第四項第二号(受託放送事業者にあつては、同条第一項第四号)に該当することとなるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載することを拒むことができる。
2      前項の一般放送事業者は、郵政省令で定めるところにより、外国人等がその議決権に占める割合を公告しなければならない。ただし、その割合が郵政省令で定める割合に達しないときは、この限りでない。