凡例 第1章 特集 ITがひらく21世紀 第2章 情報通信の現況 第3章 情報通信政策の動向 情報通信年表・注記・調査概要

第3章 第3節

(4)2.6GHz帯の衛星デジタル音声放送

全国均一に提供されるCD並みの高音質音声放送

 衛星デジタル音声放送については、1992年の世界無線通信主管庁会議(WARC-92:World Administrative Radio Conference、現「世界無線通信会議」)において、我が国を含む12か国に対し、2.6GHz帯の周波数が割り当てられた。
 衛星デジタル音声放送は、衛星からの電波を主とし、衛星からの電波が遮断されるエリアをカバーするための補助的な地上無線設備(ギャップフィラー)を活用することで、日本全国均一なサービスの提供を可能にするものである(図表1))。 
 2.6GHz帯衛星デジタル音声放送方式の技術的条件については、電気通信技術審議会において10年6月に取りまとめられた暫定方式に基づく移動体受信を前提とした実証実験の実施等を経て、11年7月には、同審議会から郵政省に対して、「2.6GHz帯の周波数の電波を使用する衛星デジタル音声放送システムの技術的条件」についての答申が出された。本技術的条件においては、送信にCDM(符号分割多重: Code Division Multiplex)方式を採用し、いわゆるCD並みの高音質ステレオ音声放送サービスを提供するだけでなく、文字や画像等を組み合わせた多彩なデータ放送サービスを行うことや、高速移動中においても安定・良好な受信品質を保つことが可能となっている。
 郵政省では、今後、本答申等を踏まえ、新たな放送ビジネスの創出に貢献するよう、実用化のための関係省令等の整備を進めていく予定である。

C3344001.gif

C3344002.gif