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電波監理審議会(第830回)議事要旨(平成12年1月24日公表)
1 日 時 平成11年12月17日(金)10:00〜11:25 2 場 所 郵政省審議会会議室(郵政省12階) 3 出席者(敬称略) (1) 電波監理審議会委員 塩野 宏(会長)、秋山 喜久(会長代理)、辻井 重男 (2) 電波監理審議会審理官 安成 知文 (3) 幹事 仲矢 徹(審議会室長) (4) 郵政省 金澤放送行政局長ほか 4 議 事 模 様 BSデジタル・データ放送の委託放送業務の認定について (11.12.10諮問第36号) BSデジタル・データ放送の委託放送業務の認定について、前回の会議(12月 10日開催)に引き続き、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結 果、適当である旨、答申した。 (1) 郵政省の説明 前回(10日)の質問事項等に対する回答を中心に、郵政省から以下の追加 の説明があった。 ・ NTTグループの出資の是非の判断については、放送の健全な発達を図る という視点から、NTT法の趣旨及びマスメディア集中排除原則における支 配の概念を一つの目安として審査の中で考慮することとした。 具体的には、NTT3社(NTT持株会社及びNTT東西)の出資については、放送 事業への不当な影響力が行使されることのない範囲として3%未満とする。
NTT3社とその子会社の共同出資については、経営の相当程度関与す ることとならない範囲として10%未満とする。
NTT3社の子会社の出資については、実質支配とならない範囲内とし て1/3未満とする。 ・ 放送事業と通信事業との会計区分については、電気通信事業会計規則で明 確に区分されることとなっており、内部助成されることはない。 ・ 外国法人等が議決権の1/5以上を占める法人は欠格事由に該当するとい う放送法の趣旨を踏まえ、この趣旨を逸脱する疑義のある間接支配(子会社 による参入)について、「放送の普及及び健全な発達のために適切であるこ と」との基準への適合性から、比較審査の対象とした。 ・ エンジニアリング放送については、放送法上の「放送」に含まれると解釈 でき、放送法体系との整合性についても問題はなく、また、無線局免許を自 ら取得する以外に委託放送業務の認定を受けて放送法の規律の下で実施する ことが適当である。ただし、今後は、通常の放送とは異なる取扱いが多いこ とを考慮して、放送法上の扱い、認定基準、審査の際の扱い等について検討 したい。 ・ BSデジタルデータ放送に係る認定に当たっての審査概要については、そ の具体的な審査のポイントを報道資料として公表する。 (2) 主な質疑応答は、以下のとおり。 ・ NTTが放送に参入することについて今回整理した判断はNTTのみの固 有の問題か、との質問があり、郵政省から、NTTのみの固有の問題として、 資本の大半を国が保有している特殊法人であることやその巨大性、経緯等も 考慮し、放送の健全な発達に資するかどうかという観点から審査した。これ は今回のBSデジタルデータ放送への参入についての判断である、旨の説明 があった。 ・ NTT3社の出資についての基準は、絶対的基準になるのか、との質問が あり、郵政省から、あくまで比較審査の基準である旨の説明があった。 ・ NTTに限らず、巨大な通信事業者が参入することによって放送を支配す る懸念のある場合についてはどうするのか、との質問があり、郵政省から、 NTTについては、特殊法人性を相対的な基準として考えるが、巨大な企業 については、それが通信事業者か否かにかかわらず、マスメディア集中排除 原則がかかってくる、旨の説明があった。 ・ NTTについては、NTT法上の監督権限のもとで規律するのは分かるが、 放送法上一定の制約を設けることについてどのように整理するのか、との質 問があった。これに対し郵政省から、「放送の健全な発達」に資するかどう かで判断しているとの回答があった。即ち、インターネットとの融合や双方 向サービスの向上の観点からはむしろプラスとなるが、情報伝達媒体を全て NTTが支配すると、放送の健全な発達に支障を及ぼすおそれが生じるため、 NTTの株の大半を国が所有し、NTTに特権を与えてきたという歴史的経 緯から、今回はこの程度が妥当と考えた、旨の説明があった。 ・ データ放送という比較的言論に大きな影響を与えない放送に外資性を一般 の放送同様にあてはめる理由は何か、また、グローバル化の時代にあって、 多数の外国人が株を市場で買った結果、外資比率が高くなった場合でも放送 への参入ができないのは厳しすぎるのではないか、との質問があり、郵政省 から、視聴者はBSアナログ放送でも1300万以上、BSデジタル放送で はさらに増加することを考慮すると、BSデータ放送も影響力は大きく、一 般の放送やHDTVと扱いを同じにすべきである。また、たまたま投資先と して人気が高い結果、外資規制にかかってしまうとしても、それは諸外国で も同様の規制を設けている、旨の説明があった。 ・ 比較審査項目として外資性を考慮することについては理解でき、審査結果 については合理性があるが、その配点のあり方については多少考慮すべき余 地があったのではないか、また、今後は外資性について、あらかじめ審査基 準として示すことを検討する必要がある、旨の意見があった。 ・ エンジニアリング放送については、今回は「放送」の概念に含まれるとい うことでいくが、本来データ放送にどうしても必要なものを比較審査で認定 するのはおかしいので、郵政省の説明どおり今後については検討してほしい、 また、放送法上の番組基準等を適用しないならば、エンジニアリング放送は 「放送」の概念からはずれるという解釈もあり得る、との意見があった。 ・ 認定どおりに実施されたかどうかのチェックと、後発事象により申請内容 と大幅に変わった場合はどうするのか、との質問があり、郵政省から、外資 比率が上がって欠格事由に該当する場合は取消し事由となるし、実際の事業 計画が申請と異なる場合はチェックが必要であるため、今回の認定のフォロ ーアップについて検討したい旨の回答があった。 (文責:電波監理審議会事務局)