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電波監理審議会意見の聴取(平成12年5月26日公表)






 GMDSS無線設備の陸上保守の点検間隔の延長に関する電波法施行規則(昭和
25年電波監理委員会規則第14号)の一部を改正する省令案について、電波法第99条
の12第1項の規定により、意見の聴取を行った(平成12年5月26日)結果、下記の
とおり意見を決定する。

  平成12年6月9日

                      主任審理官  安 成 知 文

                   記

第1 意 見

   電波法施行規則の一部改正案は、適当である。

第2 事実及び争点

 1 郵政省の陳述の大要
   現在我が国では、GMDSSの無線設備について、SOLAS条約(海上人
  命安全条約)等に基づき、設備の二重化、陸上保守又は船上保守のうち、船舶
  の種類に応じて一又は二の措置をとることを義務づけている。
   このうち、陸上保守については、導入当時、人命の安全にかかわる新システ
  ムであることから、慎重を期して6ヶ月ごとの保守・点検の実施を義務づけた
  ものであるが、この6ヶ月の点検間隔を1年へと延長するよう要望があり、今
  般、導入以降8年間の運用実績をも踏まえ検討した結果、6ヶ月ごとに船舶を
  入港させて点検を行わせる特段の必要はないと判断したことから、点検間隔を
  1年へ延長するべく電波法施行規則の一部改正を行うものである。
 
 2 改正案の内容等
  (1) 改正案の内容
    GMDSSの無線設備の陸上保守の点検間隔(6月ごと)を1年ごとに延
   長すること。
  (2) 施行期日等
    公布の日から施行すること。

 3 利害関係者の陳述等
   本件省令改正案に関し、利害関係を有する4者が準備書面を提出し、意見の
  聴取の期日に出席して陳述した。
   4者の省令改正案に対する賛否は、次のとおりである。
      利 害 関 係 者     
     賛  否    
 財団法人 海上無線振興協会      
     賛 成     
 水 洋 会              
     賛 成     
 社団法人 全国船舶無線工事協会    
     賛 成     
 社団法人 日本船主協会        
     賛 成     
   

第3 理由

 1 GMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)は、従来の
  モールス無線電信方式に替わる、衛星通信技術やデジタル通信技術を用いた高
  度な海難救助システムであり、1992年から国際的な導入が開始され、19
  99年2月に移行が完了したところである。
   GMDSSの無線設備としては、船舶の種類等に応じ、無線電話等の送受信
  設備、遭難自動通報設備、海上安全情報の受信設備などの設置が義務付けられ
  ているところであるが、これらの設備についてはその重要性にかんがみ、1設
  備の二重化、2船舶入港中の定期点検、3船舶航行中の整備のうち、船舶の種
  類等に応じ一又は二の措置をとらなければならないとされている(SOLAS
  条約及び電波法第35条)。

 2 本件は、上記措置のうち2船舶入港中の定期点検に関し、過去8年間の運用
  実績からGMDSSの無線設備の機器の信頼性が確認されていること、及び(
  社)日本船主協会からの要望を考慮して、定期点検の間隔を従来の6か月から
  1年に延長しようとするものである(電波法施行規則第28条の5の一部改正)。
   なお、本件は、平成11年3月に閣議決定された「規制緩和推進3か年計画」
  (改訂)に沿った措置である。

 3 本事案については、利害関係者はいずれも賛意を表明している。
   本件措置は、最近のGMDSSの無線設備の機器の安定性を踏まえた措置と
  認められ、これにより、海難救助システムの信頼性を確保しつつ、利用者等の
  負担が軽減されることから、本案は適当と認められる。




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