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電波監理審議会(第836回)議事要旨(平成12年6月27日公表)
1 日 時 平成12年6月9日(金)15:30〜17:05 2 場 所 郵政省審議会会議室(郵政省12階) 3 出席者(敬称略) (1) 電波監理審議会委員 塩野 宏(会長)、秋山 喜久(会長代理)、辻井 重男、常盤 文克 (2) 電波監理審議会審理官 安成 知文 (3) 幹事 仲矢 徹(審議会室長) (4) 郵政省 天野電気通信局長、金澤放送行政局長ほか 4 議 事 模 様(審議順) (1) 電波法施行規則の一部を改正する省令案について (12.3.24諮問第11号) GMDSS無線設備の陸上保守の点検間隔の延長に係る標記省令案について、 意見の聴取の手続を主宰した審理官から提出された調書及び意見書に基づき審 議した結果、適当である旨、答申した。 (2) 無線従事者の免許の取消しについて (12.4.21諮問第19号) 不正な手段(身代わり受験)により無線従事者免許を取得した者の当該免許 の取消しの処分について、意見の聴取の手続を主宰した審理官から提出された 調書及び意見書に基づき審議した結果、免許の取消しの処分は適当である旨、 答申した。 なお、答申に際し、本件は刑事裁判の結果(有罪)を踏まえて諮問されたも のであるが、一般論として法秩序を乱すことがあれば、事後措置である刑事裁 判の結果を待つまでもなく、刑事裁判に先行して、又は並行して行政処分を諮 問すべきではないかとの意見があり、郵政省から、基本的には刑事裁判と行政 処分は並行して行うことは可能であるが、個々の事案によっては本件のように 判決確定後諮問をする場合もあり得ること、及び今後の運用としてできるだけ 迅速かつ確実な対応に努めるべく検討したい旨の回答があった。 (3) 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ北海道ほか26社所属無線局の予備免許 について (諮問第28号) 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ北海道ほか26社から申請のあった第三 世代移動通信システム(IMT−2000)の無線局の予備免許について、次 のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当である旨、答申 した。 ア 郵政省の説明 本件については、「第三世代移動通信システムの無線局免許に関する方針」 (12.3.27公表)に従い、本年4月3日から5月12日までに提出された申 請については、前後なく受け付けたものとして同等に取り扱い、また、同一 事業区域においては3事業者まで免許することとした。 申請は、NTTドコモグループ、ジェイフォングループ、IDO/セルラ ーグループの3グループ27社からあったが、いずれも同一事業区域におい て3を超えるものでなかったことから、比較審査を実施することなく、電波 法の関係規定により審査した。 審査した結果は、いずれも関係の規定に適合していると認められた。 イ 主な質疑応答 ・ 事業者間でのローミングについて質問があり、郵政省から、同一グルー プ内のローミンクが予定されている旨の回答があった。 ・ 各社が採用する無線方式にはDS−CDMA(日欧方式)とMC−CD MA(米国方式)があるが、仮に3以上の申請による競願処理となった場 合には、採用する方式によって差が生じることがあるのかとの質問があり、 郵政省から、採用する方式による直接的な優劣はない旨の回答があった。 (4) 放送法施行規則及び放送局の開設の根本的基準の各一部を改正する省令案並 びに東経110度CSデジタル放送に係る委託放送業務の認定に係る認定方針 案について (諮問第29号) 東経110度CSデジタル放送の委託放送業務の認定に係る制度整備に関す る標記省令案等について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があった。 ア 郵政省の説明 東経110度CSデジタル放送は、衛星の軌道位置がBSと同じであるこ とから、BSデジタル放送と同一の受信機で受信できることとなる(予定) ものであり、本件は、この東経110度CSデジタル放送の委託放送業務の 認定に必要な規定を整備しようとするものである。 東経110度CSデジタル放送に関する制度整備については、このほかに 現在、東経110度CSデジタル放送の位置づけを明確にするための放送法 施行規則、放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各改正について意 見募集中であり、これらについては、この意見募集結果を踏まえ、7月の審 議会に改正案を諮問する予定である。 本案の概要及び理由は次のとおりである。 ・ 認定の際に指定する周波数の表示は、東経110度CSデジタル放送の 送信方式がBSデジタル放送と同様の方式である(予定)ことから、BS デジタル放送と同じもの(スロット)を用いることとした。 ・ 一の者に指定するスロット数の合計は、周波数資源の一部が死蔵される ことのないように、また、デジタル放送の特性を活かしたサービスの高機 能化の実現を図るという見地から、これの実現に必要なスロット数から計 算して12スロット以上とし、原則としてこれの整数倍を指定することと した。 ・ CSデジタル放送(東経110度CSデジタル放送を含む。)に係るマ スメディア集中排除原則については、現行の考え方を踏襲して、従来どお り一の者は4中継器(トランスポンダ)相当まで放送できることとし、B Sデジタル放送事業者については、その社会的な影響を勘案して、3中継 器相当まで放送できることとした。BSアナログ放送事業者は、現在2中 継器相当までとされているが、BSデジタル放送事業者との均衡を考慮し て、BSデジタル放送事業者と同様に3中継器相当まで放送できることと した。 ・ 比較審査となった場合には、東経110度CSデジタル放送においては、 既存のCSデジタル放送よりも進んだ先端的なデジタル技術を活用した標 準テレビジョン放送の高機能化を基本としたサービスの高機能化を推進す るという観点から、デジタル放送の特性を活かしたサービスの高機能化を 実現する放送を優先すること、BSデジタル放送との受信機の共用化によ り幅広い視聴者層が見込まれ、また、BSとCSが相互に良好な影響を与 えながら普及・発展することが望ましいことから、東経110度CSデジ タル放送全体として幅広い分野の放送が提供されるよう配慮すること及び BSデジタル放送の普及及び健全な発達に寄与するものを優先することと した。 なお、NTT3社及びその子会社の出資については、放送の健全な発達 を図るという観点から、NTT法の趣旨及びマスメディア集中排除原則に おける支配の概念を一つの目安として審査の中で考慮することとした。 イ 主な質疑応答 ・ BSデータ放送の認定方針にあったNHKの関連会社等の参入制限に関 する規定を、本案において設けなかったのはなぜかとの質問があり、郵政 省から、NHK自体は制度的に参入が困難であり、関連会社等についても NHKが参入しない旨を表明していることから、規定を設ける必要がなか った旨の回答があった。 ・ サービスの高機能化により、例えばドラマ番組とニュースデータ(新聞 記事)を併せて放送できるようになった場合、そこで放送する新聞記事に は放送法の規律がかかるのか、との質問があり、郵政省から、放送番組と して放送する以上は放送法の規律がかかることになる旨の回答があった。 本件は、省令改正案については法律により意見の聴取を義務付けられており、 また、認定方針案についても意見の聴取を行う必要があると認められたため、 別途、意見の聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官に安成知文を指 名した。 (5) 高精細度テレビジョン放送等を行う実用化試験局の再免許について (諮問第30号) 日本放送協会他7社から申請のあった高精細度テレビジョン放送等を行う実 用化試験局の再免許について、次のとおり郵政省の説明があり、審議の結果、 適当である旨、答申した。 ○ 郵政省の説明 本件は、現在BS−4先発機で行われているアナログハイビジョンの実用 化試験放送の免許の期限が本年7月22日で満了するため、現免許人から引き 続き実用化に向けた各種試験を継続したいとして、再免許の申請があったも のである。 申請者は、日本放送協会、(株)テレビ東京、日本テレビ放送網(株)、 日本衛星放送(株)、(株)東京放送、全国朝日放送(株)、(株)フジテ レビジョン、朝日放送(株)の8社で、一日の放送時間は17時間、一週間 ではNHKが83時間、民放36時間の計119時間である。希望する免許 の有効期間は、本年11月30日までである。 なお、このアナログ・ハイビジョン実用化試験放送は、昨年6月に変更さ れた放送普及基本計画において、BSデジタル放送の開始(本年12月)ま ではNHK及び希望する者に再免許し、12月以降はNHK及び希望する者 によるデジタル方式の放送へ円滑に移行するための放送(本放送)として実 施することとされているものである。 審査した結果、いずれも電波法第7条第2項各号の規定に適合していると 認められた。 (文責:電波監理審議会事務局)