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電波監理審議会意見の聴取(第347回)意見書(平成12年7月14日公表)







 CSデジタル放送の技術基準等の整備に関する無線設備規則(昭和25年電波監理
委員会規則第18号)及び標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送に関する送信
の標準方式(平成11年郵政省令第102号)の各一部を改正する省令案について、電
波法第99条の12第1項の規定により、意見の聴取を行った(平成12年7月4日)
結果、下記のとおり意見を決定する。


  平成12年7月14日


                       主任審理官  石 田 義 博


                  記

第1 意 見

  各省令改正案は、それぞれ適当である。


第2 事実及び争点

 1 郵政省の陳述の大要

   本件は、12.2〜12.75GHzを使用する衛星デジタル放送(34.
  5MHz帯域幅を使用するもの)の技術基準等を定めようとするものである。
   本年12月からはBSデジタル放送が開始される予定であり、また、その放
  送衛星(BS)と同じ東経110度の静止軌道上に打ち上げられる通信衛星(
  CS)を用いて、新たにCSデジタル放送サービスが開始される見込みである。
   本件は、このような背景の下、両方式の共通化を図ろうというものであり、
  本年2月に電気通信技術審議会から答申された34.5MHz帯域幅を使用す
  る広帯域CSデジタル放送の技術的条件を踏まえたものである。広帯域CSデ
  ジタル放送において、BSデジタル放送と同一の変調方式、伝送路符号化方式
  等を採用することにより、
   BS/CSデジタル放送受信機の共用化が促進され、衛星放送の一層の発展
  が期待される。

 2 改正案の内容等

  (1) 無線設備規則

   ア 第6条(別表第2号)
     拡充CSデジタル放送の占有周波数帯幅の許容値について、BSデジタ
    ル放送と同様に34.5MHzとする。

   イ 第37条の27の17第3項
     拡充CSデジタル放送の搬送波を変調する信号の通信速度の許容偏差に
    ついて、BSデジタル放送と同様とする。

   ウ 第37条の27の17第4項
     拡充CSデジタル放送の放送衛星局と通信を行う地球局の搬送波の変調
    波スペクトルの許容範囲について、BSデジタル放送と同様とする。

   エ 施行期日
     公布の日から施行する。

  (2) 標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送に関する送信の標準方式

   ア 第29条の3
     BSデジタル放送の規定又は準用規定である第6条(映像信号等)、第
    条7(音声信号)、第14条(緊急警報信号)、第16条(周波数帯幅)、
    第17条(搬送波の変調)、第18条(伝送主信号)、第19条(TMC
    C信号及びフレーム同期信号)及び第20条(位相基準バースト信号)を
    拡充CSデジタル放送に準用する。

   イ 第3条
     有料放送のために必要な情報以外の関連情報を告示で定める旨の規定を
    加える。

   ウ その他
     その他の関係郵政省令の規定を整備すること。

   エ 施行期日
     公布の日から施行する。

 3 利害関係者の陳述等

   本件省令改正案に関し、利害関係を有する5者が準備書面を提出し、このう
  ち3者が意見の聴取の期日に出席して陳述した。また、意見の聴取の期日に欠
  席した宇宙通信株式会社及びジェイサット株式会社については、電波監理審議
  会が行う審理及び意見の聴取に関する規則第42条において準用する同規則第
  17条の規定により、当該準備書面のとおり陳述したものとみなした。
   5者の省令改正案に対する賛否は、次のとおりである。
    利害関係者      
     賛    否     
 備 考 
宇宙通信株式会社      
     賛    成     
 欠 席 
(社)衛星放送協会      
     賛    成     
    
ジェイサット株式会社    
     賛    成     
 欠 席 
日本放送協会        
     賛    成     
    
(社)日本民間放送連盟    
     賛    成     
    
  なお、(社)日本民間放送連盟からBSとCSの制度的取扱いが異なる点を十分
 踏まえた上で、両者それぞれの特性が発揮できるよう総合的な制度整備を図るべ
 きであるとの要望があり、郵政省から要望として承る旨の回答があった。

第3 理由

 1 本件は、CSデジタル放送(12.2−12.75GHzを使用する衛星デ
  ジタル放送)について、既存の技術基準に加えて、現在BSデジタル放送(1
  1.7−12.2GHzを使用する衛星デジタル放送)に適用されている技術
  基準と同様の技術基準を新たに定めようとするものである。
   これは、CSデジタル放送の技術基準をBSデジタル放送のそれと共通にす
  ることで、BSデジタル放送と同様の広帯域伝送を可能にするとともに、放送
  受信機の共用化を容易にすることを目的とするものである。

 2 新たに追加する技術基準として、本年2月の電気通信技術審議会答申「12.2
  −12.75GHzを使用する衛星デジタル放送方式(34.5MHz帯域幅を使用するもの)
  の技術的条件」を踏まえ、以下の関係規定の整備を行うこととしている。
  1 12.2−12.75GHzを使用する広帯域放送衛星局の無線設備の技
   術基準として、占有周波数帯幅の許容値、通信速度の許容偏差等を定めるこ
   と。(無線設備規則の一部改正)
  2 12.2−12.75GHzを使用する衛星デジタル放送の送信の標準方
   式に広帯域伝送方式として、既存BSデジタル放送に関する送信の標準方式
   と同様の以下の規定を定めること。(標準テレビジョン放送等のうちデジタ
   ル放送に関する送信の標準方式の一部改正)
   ・映像信号等
   ・使用周波数帯幅(34.5MHz)
   ・変調信号、変調形式
   ・伝送主信号とその構成 等

 3 本件措置に併せ、日本放送協会が行う衛星デジタル放送(委託国内放送)に
  おいて、 受信設備の設置者に対して自動表示メッセージを関連情報として送
  出できるよう、標 準方式の規定の整備を行うこととしている。(標準テレビ
  ジョン放送等のうちデジタ ル放送に関する送信の標準方式の一部改正)

 4 本事案については、利害関係者はいずれも賛意を表明しており、また、本件
  措置によ りBS・CSデジタル放送受信機の共用化が容易になり、受信者の
  負担の軽減や利便 の向上、受信機会の増大や衛星放送関連産業の発展等が図
  れるとともに、広帯域伝送 が可能なCSデジタル放送の導入により、周波数
  の有効利用に資することから、本案 は適当と認められる。



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