審議会のトップへ トップページへ戻る

インデックスへ・ 電波管理審議会

電波監理審議会(第839回)議事要旨(平成12年10月12日公表)






1 日 時
  平成12年9月22日(金)16:30〜17:55

2 場 所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1) 電波監理審議会委員
    塩野 宏(会長)、秋山 喜久(会長代理)、岩男 寿美子、辻井 重男
    常盤 文克
 (2) 電波監理審議会審理官
    石田 義博
 (3) 幹事
    濃添 隆(官房秘書課総括専門官)
 (4) 郵政省
    天野電気通信局長、金澤放送行政局長ほか

4 議 事 模 様(審議順)

 (1) 電波法施行規則及び無線設備規則の各一部を改正する省令案について
                            (諮問第42号)

   インマルサットF型船舶地球局及び高速データ通信用ミニM型携帯移動地球
  局の導入並びにデジタルMCA陸上移動通信システムへの適応変調方式の導入
  に係る標記省令案について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があった。
  ア 郵政省の説明
    国際海事衛星機構(インマルサット)では、ノートブック型パソコン程度
   の大きさの可搬型端末で64kbpsの高速データ通信を実現した高速データ通
   信用ミニMシステムによるサービスを開始し、更に、同システムを船舶向け
   に改良し、遭難安全通信を優先的に確保する機能を備えたFシステムによる
   サービスを予定しており、我が国においてもこれらの新しいシステムの早期
   導入が期待されている。
    また、物流等の分野においては、インターネット等による電子商取引等の
   普及に伴い、企業内の情報化が急速に進展しており、この分野で広く利用さ
   れている業務用の移動通信システム(MCA陸上移動通信システム)につい
   て、多様な情報通信ニーズに的確に対応できるシステムへの拡充が求められ
   ている。
    本案は、これらの状況を踏まえ、平成11年7月24日の電気通信技術審議会
   答申(インマルサット高速データ通信用ミニMシステムの技術的条件、イン
   マルサットFシステムの技術的条件及びデジタルMCA陸上移動通信システ
   ムへの適応変調方式追加のための技術的条件)を基に、関係の規定を整備し
   ようとするものである。
  イ 主な質疑応答
   ・ このデジタルMCAシステムは、既存の割当て周波数帯で、その高度利
    用を図るというものかとの質問があり、郵政省から、従来の周波数帯の中
    で既存システムとの互換性も考えて導入しようとするものである旨の回答
    があった。
   ・ 本省令案では、インマルサットシステムの空中線電力は平均電力で表示
    するとあるがどういう理由によるものかとの質問があり、郵政省から、イ
    ンマルサットの定義文書において平均電力とすることとされており、我が
    国においてもこれと同様とするものである旨の回答があった。更に、イン
    マルサットでの決定に際し、日本の意向が反映されるようになっているの
    かとの質問があり、郵政省から、そのように努力している旨の回答があっ
    た。

   本件は、電波法により意見の聴取を義務付けられているため、別途、意見の
  聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官に石田義博を指名した。


 (2) 電波法第38条の2第1項の規定に基づく指定証明機関の指定について
                            (諮問第43号)

   財団法人テレコムエンジニアリングセンターから申請のあった指定証明機関
  の指定について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、
  適当である旨、答申した。
  ア 郵政省の説明
    本件は、財団法人テレコムエンジニアリングセンターから、60GHz帯
   を使用する無線システムに使用する無線設備等3区分に係る指定証明機関の
   指定の申請があったものである。
    指定証明機関の指定の基準(電波法第38条の3)に基づき審査した結果、
   いずれも適合していると認められた。
  イ 主な質疑応答
    指定申請のあったのは1者のみであるが、このような事実をどのように受
   け止めているのかとの質問があり、郵政省から、申請者の要件として公益法
   人であることという制限(電波法第38条の3第2項)があるため、実態とし
   て競争原理が働きにくい面があったとの認識から、現在、この要件を撤廃し、
   民間にも広く開放すべく、次期通常国会に向けて法律改正作業を進めている
   旨の回答があった。


 (3) 電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本的基準及び標準テレビ
  ジョン放送等のうちデジタル放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する
  省令案について
                             (諮問第44号)

   地上デジタル音声放送の技術基準等の整備に関する標記省令案について、次
  のとおり郵政省の説明及び質疑応答があった。
  ア 郵政省の説明
    地上デジタル音声放送は、CDなみの高音質ステレオ音声放送を主とし、
   データ・静止画等も提供できる多彩な放送が移動体においても受信可能とな
   るというもので、その実用化が期待されているが、本案は、この地上デジタ
   ル音声放送の技術基準等に関し、関係の規定を整備しようとするものである。
    地上デジタル音声放送については、これまで、アナログ音声放送を存続さ
   せた上で新規のサービスとして実現を図ること、周波数帯は現行テレビジョ
   ンで使用しているVHF帯とすること等の方針で進めてきているが、テレビ
   ジョン放送のデジタル化移行の見通しが得られるまではその周波数確保が困
   難であることから、現段階での実用化は困難であると認識しているが、将来
   の実用化に向けた試験放送を行うことは有益と判断している。
    このため、放送需要の把握、放送サービスの開発等を目的として、188
   MHzから192MHzまでの周波数を用いて、東京及び大阪の2地域を対象に、
   実用化試験局による地上デジタル音声放送の試験放送を実施できるようにす
   るための制度整備案(放送普及基本計画の一部変更案及び免許方針案)を公
   表し、意見を求めているところである(平成12月9月12日付け報道発表によ
   り公表)。
    一方、技術基準等については、平成11年11月に電気通信技術審議会から、
   VHF帯の周波数を利用することを想定した答申(地上デジタル音声放送方
   式の技術的条件及び地上デジタル音声放送の置局に関する技術的条件)を受
   けているが、本案は、この答申を踏まえて、その技術基準等に係る規定を整
   備するものである。これにより、良好な携帯・移動受信が可能になるほか、
   容易に、地上デジタルテレビジョン放送受信機と地上デジタル音声放送受信
   機の共通化を図ることができることとなる。
  イ 主な質疑応答
    実用化試験局の免許は、将来の実用局の免許の際に既得権となるおそれが
   危惧されるが、そのようにならないための担保措置はどうしているのかとの
   質問があり、郵政省から、今回考えている試験放送のためのセグメント数は
   8個(1セグメント又は3セグメントで1番組の放送が可能)であるが、今
   回公表した免許方針案ではこの8セグメントを一の免許単位としている(即
   ち、免許人は、複数番組を試験放送できることとなるが、各地域ごとに一の
   者に限られる。)ことから、比較審査基準においては、試験放送を行おうと
   する者が幅広く参画できる団体(法人)を優先することとしており、実用局
   の際の免許(1又は3セグメントごとに免許)との関連性をなくしている。
   更に、同案には「将来、実用局を免許することとなった場合、本実用化試験
   局の免許主体等であること又は免許主体への参画者であることをもって、優
   先的な地位又は資格を与えるものではない」旨を明記している、との回答が
   あった。

   本件は、電波法により意見の聴取を義務付けられているため、別途、意見の
  聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官に石田義博を指名した。


 (4) 日本放送協会所属放送局の廃止の認可について     (諮問第45号)

   日本放送協会所属放送局(群馬南牧テレビジョン放送局等8局)の廃止の認
  可について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当
  である旨、答申した。
  ア 郵政省の説明
    本件は、日本放送協会から、放送区域内の全世帯が地元自治体等が運営す
   る共同受信施設(CATV)に加入したことにより、受信世帯が皆無となっ
   た群馬南牧テレビジョン放送局(群馬県)、豊能余野テレビジョン放送局(
   大阪府)、美杉下之川テレビジョン放送局(三重県)等8局のテレビジョン
   放送局について、廃止の認可の申請があったものである。
    審査の結果、CATVの安定的運用が見込まれるとともに、いずれも地元
   自治体の同意が得られていることから、廃止は適当であると認められた。
  イ 主な質疑応答
    審査では受信者が皆無となっていることを認可の条件としているが、この
   原則を厳格に運用することが公益的見地から必ずしも適切な対応とは言えな
   い場合もあると思われるので、(今回の事例では問題はないものの、今後の)
   運用に当たっては個別事例を見た上で柔軟に対応することが望ましいのでは
   ないかという意見があった。


 (5) 日本放送協会のBSデジタル放送に係る委託国内放送業務の認定について
                            (諮問第46号)

   日本放送協会のBSデジタル放送に係る委託国内放送業務の認定について、
  次のとおり郵政省の説明があり、審議の結果、適当である旨、答申した。
  ○ 郵政省の説明
    本件は、本年12月1日から放送が開始される予定のBSデジタル放送に
   係る委託国内放送業務の認定について、NHKから申請のあったものである。
   このための周波数等については、放送普及基本計画及び放送用周波数使用計
   画により既に措置されている。
    審査の結果、放送法及び審査基準に適合していると認められたため、認定
   しようというものである。


 (6) CSデジタル放送に係る委託放送事業者の委託放送事項の変更許可について
                             (諮問第47号)

   株式会社グロー・スカイ・ネットの委託放送事項の変更について、次のとお
  り郵政省の説明があり、審議の結果、適当である旨、答申した。
  ○ 郵政省の説明
    本件は、現在、幼児を中心とした子育て支援を重視した番組を放送してい
   る株式会社グロー・スカイ・ネットから、今後は、幼児に限らず子育てに係
   わるより幅広い各層への講座を充実するとともに、新たに自然・科学講座を
   追加したいとして変更の申請があったものである。
    審査した結果、いずれも放送法関係審査基準に適合していると認められる
   ので、申請のとおり変更を許可することとしたい。



                      (文責:電波監理審議会事務局)



トップへ